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第18章 発展のアルトラルサンズとその影編
第506話 すももたろう
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「李太郎……聞いたことないな。桃太郎……ではないのね」
パクリか? いや、名前が似ているだけで『桃太郎』とは全く関係無いのかも?
気になってしまったので手に取った。
「え~と、なになに?」
日本語に翻訳するとこんな感じ。
┌───────────────────────────────────┐
むかしむかしあるところに おじいさんとおばあさんがいました
おじいさんは山へ柴刈りに おばあさんは川へ洗濯に行きました
おばあさんが川で洗濯していると 川上から大きなスモモが
どんぶらこどんぶらこと流れてきます
驚いたおばあさんはそれを拾い上げ 家へ持って帰りました
おばあさんが 包丁で大きなスモモを切ると
中から玉のような男の子が出てきました
おじいさんとおばあさんは 男の子に『李太郎』と名付け
たいそう大事に育てられました
└───────────────────────────────────┘
これ、完全に桃太郎の冒頭だ……寸分違わず桃太郎だ……
違ってるのは、川上から流れて来たのが桃か李かってところだけ。
完全にパクリ絵本だ……
が、またも疑問が浮かび興味が湧いてしまった。
「題名変えてあるってことは、桃太郎とは違うんだろう。どこから違いが出てくるのかしら?」
そのまま読み進めると――
┌───────────────────────────────────┐
成長した李太郎は おじいさんとおばあさんにこう言いました
「おじいさんおばあさん 私は都を騒がせている鬼を退治しに行ってきます」
おじいさんとおばあさんは心配ながらも 李太郎にきびだんごを持たせました
「では 行ってまいります!」
桃太郎は 鬼退治へと出発しました
└───────────────────────────────────┘
この作者、パクリ方が酷いな……主人公の名前が違うだけで物語は桃太郎そのままじゃないか……
「完全に桃太郎だな、これ……しかも途中、間違えて『桃太郎』って書いてあるし……これは題名変えてあるだけか……」
この後の展開もきっと桃太郎だろう。興味惹かれたのは間違いだった。
そう思って絵本を閉じようとしたところ、次のページの挿絵が目に入った。
「犬でかっ! 何コレどう見ても柴犬じゃないわ! 李太郎の何倍!?」
よく見ると、体高で桃太郎の三倍ほどの大きさがある。
不覚にもその巨大な犬の挿絵によって、再び興味が湧いてしまった。
┌───────────────────────────────────┐
李太郎は巨大な狼 フェンリルと出会いました
「李太郎さん李太郎さん 鬼退治に行くのですか?
そのお腰につけたきびだんご 一ついただけるなら太陽を飲み込むごとく
鬼たちもひと飲みにしてみせましょう」
李太郎はフェンリルにきびだんごをあげました
そして フェンリルがお供になりました
└───────────────────────────────────┘
「…………フェンリル(※)にきびだんご一つ程度じゃ腹の足しにもならんやろ……」
(※フェンリル:北欧神話に登場する悪神ロキの子供で、太陽を飲み込むほど巨大な狼)
心の中でツッコムつもりが、口に出ていた。
太陽を飲み込む狼がきびだんご一つで従うって……凄いご都合主義……
「……まあ、続きを見てみましょうか」
┌───────────────────────────────────┐
次に李太郎は雲に乗った猿 斉天大聖・孫悟空と出会いました
「李太郎さん李太郎さん 鬼退治に行くのですか?
私にもきびだんご 一ついただけるならどこまでの伸びるこの如意棒で
鬼どもを一薙ぎに払ってご覧に入れましょう」
李太郎は孫悟空にきびだんごをあげました
そして 孫悟空がお供になりました
└───────────────────────────────────┘
「いや、西遊記と合体しちゃったよ……確かに最強の猿 (※)だろうけど……」
(※最強の猿:ドラゴンボールではない方の孫悟空。西遊記に登場する三蔵法師を助け天竺に導くお供の猿の妖怪。のちに斉天大聖という神様になる)
しかも雲に乗って来たから、対空に優位性を持つキジのお株奪っちゃってるじゃん。
などと、心の中で突っ込んでいるが、じゃあキジが何に変換されているのかまたも興味が湧いてしまった。
┌───────────────────────────────────┐
最後に天空の神 ホルスと出会いました
「李太郎さん李太郎さん 鬼退治に行くのですか?
私にもきびだんご 一つくださいな いただけたら私は空からの目になり
更に鬼たちとの戦いの際には灼熱の翼を羽ばたかせ
一網打尽にしてさしあげます」
李太郎はホルスにきびだんごをあげました
そして ホルスがお供になりました
└───────────────────────────────────┘
「今度はエジプトの神様 (※)来ちゃった……しかも、孫悟空なんか出すから空からの目が二つになっちゃったよ……」
(※エジプトの神様:古代エジプトで崇拝された天空の神ホルス。太陽神ラーとも同一視されることがある)
みんな、たかがきび団子一つで簡単に仲間になり過ぎだ。
と言うかこのきび団子、物凄く美味しいんだろうか? たかだか団子一つで鬼退治に同行するって割に合わん気がするが……
それに、太陽を食べる狼と太陽を司る天空の神って、組み合わせ最悪じゃない?
この作者、何考えてこの組み合わせにしたんだ……
「でも、改めて考えるとこの物語凄いわ。お供が全員神様かそれに準ずる存在。日本、北欧、中国、エジプトのごった煮だ」
┌───────────────────────────────────┐
李太郎は都に着くと 早速ノアの箱舟を借り 鬼ヶ島へと出発しました
└───────────────────────────────────┘
突然のノアの箱舟…… (※)
その船、そういう用途じゃないから……渡り舟じゃないからね!
(※ノアの箱舟:争いをやめない人類を一掃するため神様が洪水を起こす。それから逃れるためにノアが乗った舟)
┌───────────────────────────────────┐
鬼ヶ島に着いた李太郎は こう叫びます
「やあやあ我こそは 天下一品のもののふ 李太郎なり!
そなたたち悪い鬼を成敗いたす!」
鬼ヶ島の鬼たちは わらわら出てきて李太郎たちを取り囲みました
そして鬼たちとの決戦の火蓋が切って落とされる
└───────────────────────────────────┘
天下一品って、『品』の文字は要らないのでは……?
多分意味としては間違ってないんだろうが、『品』の字が付くと“人”ではなく“物”をイメージしてしまう。
あと、何だかラーメンのイメージが強い。
『火蓋が切って落とされる』も使い方間違ってるし……
┌───────────────────────────────────┐
フェンリルはその巨大な顎で 多数の鬼を一斉にひと飲みにし
孫悟空はそのどこまでも伸びる如意棒を振り回し
鬼たちを一薙ぎにして吹き飛ばし
ホルスは灼熱の翼を羽ばたかせ 鬼たちを焼き尽くして一網打尽にします
そして李太郎は 弱った鬼の王に向かって
「トドメだ!」
と叫び 脳天に刀を突き立て 鬼たちの王を倒しました
└───────────────────────────────────┘
凄い……物語に出てくる“種族だけは”似てるけど、戦闘力が段違い。
桃太郎という物語自体は、子供の頃から鬼の軍勢に対して、人一人と犬・猿・キジの動物たった三匹の貧弱な構成だけで勝てるわけがないと思って読んでいたが、この戦力なら、
犬 (ただしフェンリル)
猿 (ただし孫悟空)
キジ (ただしホルス)
のたった三匹でも鬼に勝てそうだわ。
神様従えて鬼を蹴散らすって、なろう小説も真っ青な無双物語だ。
そんで李太郎、トドメ以外何もやってないし……美味しいとこだけ掻っ攫って行った……
┌───────────────────────────────────┐
李太郎は鬼ヶ島から金銀財宝を持ち帰り
おじいさんとおばあさんと共に幸せに暮らしましたとさ
めでたし めでたし
└───────────────────────────────────┘
「戦力の増強が凄まじいけど、中々面白い絵本だったわ。作者名は……あ、ここだけ日本語で書いて魔界文字でふりがな振ってあるわ。『絵之本狂老人卍丸』 (※)…………作者名までパクリかよ!」
(※絵之本狂老人卍丸:葛飾北斎の名乗った偽名の一つに『画狂老人卍』というものがあります。そのパクリ)
思わず本を叩きつけようとしたが、何とか思い留まった。
そして、別に積まれた本に目を移すと『白金太郎』、『表島太郎』という題名が目に入った。
「………………」
『ああ……これも多分『金太郎』と『浦島太郎』のパクリ本だ……』と思い、作者名を見たところ……
「やっぱり『絵之本狂老人卍丸』か……こういう感じで日本の昔話をアレンジして販売してるのかな……」
どうせ魔界に桃太郎も金太郎も無いんだろうから、堂々と元の名前で売れば良いのに……
そう思いながら手に取って読もうとしたところ、様子を見に本のタワーの間から顔を覗かせたリーディアに――
「あ! アルトラ様、仕分け作業中に読まないでくださいよ! 私だって読みたいのを我慢してるんですから!」
――と、怒られてしまった……
「ご、ごめん……」
「ほら! フレアハルトさんも!」
どうやら本に没頭していたのは私だけではなかったらしい。
「あ、ああ……すまぬ……この『世界のドラゴン大全』というのが中々面白くてな、見入ってしまった。世界には『レッドドラゴン』だけでなく、『イエロードラゴン』や『ブルードラゴン』なんかも存在するそうだぞ!」
「へぇ~、そうなんだ」
ブルードラゴンは遭ったことあるな。悪いヤツだったからもう会うこともないだろうが。 (第322話から第326話参照)
「じゃあフレアハルトはそのドラゴン大全を0番の総記ボックスへ持って行って」
「あ、ああ」
「あと、この『李太郎』と『白金太郎』と『表島太郎』と――」
樹魔法で新たに別置記号である魔界文字で『E』と書いた『絵本ボックス』を作った。
「――このボックスも持って行って、三冊を中に入れておいて」
「分かった」
このパクリ本……面白いわ。
どれくらいのパクリ本があるのか収集してみようかしら。
パクリか? いや、名前が似ているだけで『桃太郎』とは全く関係無いのかも?
気になってしまったので手に取った。
「え~と、なになに?」
日本語に翻訳するとこんな感じ。
┌───────────────────────────────────┐
むかしむかしあるところに おじいさんとおばあさんがいました
おじいさんは山へ柴刈りに おばあさんは川へ洗濯に行きました
おばあさんが川で洗濯していると 川上から大きなスモモが
どんぶらこどんぶらこと流れてきます
驚いたおばあさんはそれを拾い上げ 家へ持って帰りました
おばあさんが 包丁で大きなスモモを切ると
中から玉のような男の子が出てきました
おじいさんとおばあさんは 男の子に『李太郎』と名付け
たいそう大事に育てられました
└───────────────────────────────────┘
これ、完全に桃太郎の冒頭だ……寸分違わず桃太郎だ……
違ってるのは、川上から流れて来たのが桃か李かってところだけ。
完全にパクリ絵本だ……
が、またも疑問が浮かび興味が湧いてしまった。
「題名変えてあるってことは、桃太郎とは違うんだろう。どこから違いが出てくるのかしら?」
そのまま読み進めると――
┌───────────────────────────────────┐
成長した李太郎は おじいさんとおばあさんにこう言いました
「おじいさんおばあさん 私は都を騒がせている鬼を退治しに行ってきます」
おじいさんとおばあさんは心配ながらも 李太郎にきびだんごを持たせました
「では 行ってまいります!」
桃太郎は 鬼退治へと出発しました
└───────────────────────────────────┘
この作者、パクリ方が酷いな……主人公の名前が違うだけで物語は桃太郎そのままじゃないか……
「完全に桃太郎だな、これ……しかも途中、間違えて『桃太郎』って書いてあるし……これは題名変えてあるだけか……」
この後の展開もきっと桃太郎だろう。興味惹かれたのは間違いだった。
そう思って絵本を閉じようとしたところ、次のページの挿絵が目に入った。
「犬でかっ! 何コレどう見ても柴犬じゃないわ! 李太郎の何倍!?」
よく見ると、体高で桃太郎の三倍ほどの大きさがある。
不覚にもその巨大な犬の挿絵によって、再び興味が湧いてしまった。
┌───────────────────────────────────┐
李太郎は巨大な狼 フェンリルと出会いました
「李太郎さん李太郎さん 鬼退治に行くのですか?
そのお腰につけたきびだんご 一ついただけるなら太陽を飲み込むごとく
鬼たちもひと飲みにしてみせましょう」
李太郎はフェンリルにきびだんごをあげました
そして フェンリルがお供になりました
└───────────────────────────────────┘
「…………フェンリル(※)にきびだんご一つ程度じゃ腹の足しにもならんやろ……」
(※フェンリル:北欧神話に登場する悪神ロキの子供で、太陽を飲み込むほど巨大な狼)
心の中でツッコムつもりが、口に出ていた。
太陽を飲み込む狼がきびだんご一つで従うって……凄いご都合主義……
「……まあ、続きを見てみましょうか」
┌───────────────────────────────────┐
次に李太郎は雲に乗った猿 斉天大聖・孫悟空と出会いました
「李太郎さん李太郎さん 鬼退治に行くのですか?
私にもきびだんご 一ついただけるならどこまでの伸びるこの如意棒で
鬼どもを一薙ぎに払ってご覧に入れましょう」
李太郎は孫悟空にきびだんごをあげました
そして 孫悟空がお供になりました
└───────────────────────────────────┘
「いや、西遊記と合体しちゃったよ……確かに最強の猿 (※)だろうけど……」
(※最強の猿:ドラゴンボールではない方の孫悟空。西遊記に登場する三蔵法師を助け天竺に導くお供の猿の妖怪。のちに斉天大聖という神様になる)
しかも雲に乗って来たから、対空に優位性を持つキジのお株奪っちゃってるじゃん。
などと、心の中で突っ込んでいるが、じゃあキジが何に変換されているのかまたも興味が湧いてしまった。
┌───────────────────────────────────┐
最後に天空の神 ホルスと出会いました
「李太郎さん李太郎さん 鬼退治に行くのですか?
私にもきびだんご 一つくださいな いただけたら私は空からの目になり
更に鬼たちとの戦いの際には灼熱の翼を羽ばたかせ
一網打尽にしてさしあげます」
李太郎はホルスにきびだんごをあげました
そして ホルスがお供になりました
└───────────────────────────────────┘
「今度はエジプトの神様 (※)来ちゃった……しかも、孫悟空なんか出すから空からの目が二つになっちゃったよ……」
(※エジプトの神様:古代エジプトで崇拝された天空の神ホルス。太陽神ラーとも同一視されることがある)
みんな、たかがきび団子一つで簡単に仲間になり過ぎだ。
と言うかこのきび団子、物凄く美味しいんだろうか? たかだか団子一つで鬼退治に同行するって割に合わん気がするが……
それに、太陽を食べる狼と太陽を司る天空の神って、組み合わせ最悪じゃない?
この作者、何考えてこの組み合わせにしたんだ……
「でも、改めて考えるとこの物語凄いわ。お供が全員神様かそれに準ずる存在。日本、北欧、中国、エジプトのごった煮だ」
┌───────────────────────────────────┐
李太郎は都に着くと 早速ノアの箱舟を借り 鬼ヶ島へと出発しました
└───────────────────────────────────┘
突然のノアの箱舟…… (※)
その船、そういう用途じゃないから……渡り舟じゃないからね!
(※ノアの箱舟:争いをやめない人類を一掃するため神様が洪水を起こす。それから逃れるためにノアが乗った舟)
┌───────────────────────────────────┐
鬼ヶ島に着いた李太郎は こう叫びます
「やあやあ我こそは 天下一品のもののふ 李太郎なり!
そなたたち悪い鬼を成敗いたす!」
鬼ヶ島の鬼たちは わらわら出てきて李太郎たちを取り囲みました
そして鬼たちとの決戦の火蓋が切って落とされる
└───────────────────────────────────┘
天下一品って、『品』の文字は要らないのでは……?
多分意味としては間違ってないんだろうが、『品』の字が付くと“人”ではなく“物”をイメージしてしまう。
あと、何だかラーメンのイメージが強い。
『火蓋が切って落とされる』も使い方間違ってるし……
┌───────────────────────────────────┐
フェンリルはその巨大な顎で 多数の鬼を一斉にひと飲みにし
孫悟空はそのどこまでも伸びる如意棒を振り回し
鬼たちを一薙ぎにして吹き飛ばし
ホルスは灼熱の翼を羽ばたかせ 鬼たちを焼き尽くして一網打尽にします
そして李太郎は 弱った鬼の王に向かって
「トドメだ!」
と叫び 脳天に刀を突き立て 鬼たちの王を倒しました
└───────────────────────────────────┘
凄い……物語に出てくる“種族だけは”似てるけど、戦闘力が段違い。
桃太郎という物語自体は、子供の頃から鬼の軍勢に対して、人一人と犬・猿・キジの動物たった三匹の貧弱な構成だけで勝てるわけがないと思って読んでいたが、この戦力なら、
犬 (ただしフェンリル)
猿 (ただし孫悟空)
キジ (ただしホルス)
のたった三匹でも鬼に勝てそうだわ。
神様従えて鬼を蹴散らすって、なろう小説も真っ青な無双物語だ。
そんで李太郎、トドメ以外何もやってないし……美味しいとこだけ掻っ攫って行った……
┌───────────────────────────────────┐
李太郎は鬼ヶ島から金銀財宝を持ち帰り
おじいさんとおばあさんと共に幸せに暮らしましたとさ
めでたし めでたし
└───────────────────────────────────┘
「戦力の増強が凄まじいけど、中々面白い絵本だったわ。作者名は……あ、ここだけ日本語で書いて魔界文字でふりがな振ってあるわ。『絵之本狂老人卍丸』 (※)…………作者名までパクリかよ!」
(※絵之本狂老人卍丸:葛飾北斎の名乗った偽名の一つに『画狂老人卍』というものがあります。そのパクリ)
思わず本を叩きつけようとしたが、何とか思い留まった。
そして、別に積まれた本に目を移すと『白金太郎』、『表島太郎』という題名が目に入った。
「………………」
『ああ……これも多分『金太郎』と『浦島太郎』のパクリ本だ……』と思い、作者名を見たところ……
「やっぱり『絵之本狂老人卍丸』か……こういう感じで日本の昔話をアレンジして販売してるのかな……」
どうせ魔界に桃太郎も金太郎も無いんだろうから、堂々と元の名前で売れば良いのに……
そう思いながら手に取って読もうとしたところ、様子を見に本のタワーの間から顔を覗かせたリーディアに――
「あ! アルトラ様、仕分け作業中に読まないでくださいよ! 私だって読みたいのを我慢してるんですから!」
――と、怒られてしまった……
「ご、ごめん……」
「ほら! フレアハルトさんも!」
どうやら本に没頭していたのは私だけではなかったらしい。
「あ、ああ……すまぬ……この『世界のドラゴン大全』というのが中々面白くてな、見入ってしまった。世界には『レッドドラゴン』だけでなく、『イエロードラゴン』や『ブルードラゴン』なんかも存在するそうだぞ!」
「へぇ~、そうなんだ」
ブルードラゴンは遭ったことあるな。悪いヤツだったからもう会うこともないだろうが。 (第322話から第326話参照)
「じゃあフレアハルトはそのドラゴン大全を0番の総記ボックスへ持って行って」
「あ、ああ」
「あと、この『李太郎』と『白金太郎』と『表島太郎』と――」
樹魔法で新たに別置記号である魔界文字で『E』と書いた『絵本ボックス』を作った。
「――このボックスも持って行って、三冊を中に入れておいて」
「分かった」
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どれくらいのパクリ本があるのか収集してみようかしら。
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