518 / 591
第18章 発展のアルトラルサンズとその影編
第509話 非常に見つけ難いイナゴの王
しおりを挟む
レストランを出て我が家に戻って来た。
「ってわけなんだけど、カイベル、アバドンの現在の居場所を教えてもらえる?」
「現在は国管理の畑に居ますね」
「は?」
カイベル何言ってんだ? 私は今そこから戻って来たばかりなのに……
「ちょちょちょ、何言ってるの!? 私しばらくその畑の近くに居たんだけど?」
「ニートス様ほか農業従事されてる勇敢な方々が対処していますが、弱い魔物とは言え身体が大きいので対応に苦慮しているようです。畑を掘り返されて作物を食い荒らされてます」
「それ、今現在の話なの!?」
「はい。アルトラ様たちがレストランに入店されたくらいに襲来したようです」
「嘘でしょ!?」
私が離れた直後に入れ違いで来たってことか!? 魔力の感知範囲を広げてればすぐに気付けたのかも?
と言うか、イナゴなのに『一進五退装置』に引っ掛からないのか!?
大きさも形も違うから別の生物として認識されてるのだろうか……?
ちょっと待てよ? 国管理の畑に居るんなら、何でカイベルが出動しないんだ?
三大凶虫なんて二つ名を冠してるのに、一般亜人ですら対応できるほど弱いのか?
「な、何で襲来したのが分かってるなら出動しないの? あなたの守りの優先順位に『アルトラルサンズ国民の命が脅かされてる場合』って条件が入ってたと思うけど!?」 (第97話参照)
「アバドンの目的は亜人ではなく農作物ですので、ただちに命が脅かされるほどの危険はありません。ちょうどアルトラ様が帰って来られましたのでここでお伝えすれば事足りると判断しました。それに今の私は空間転移魔法が使える条件下にありませんので現場に着くには時間がかかります」
「あ……」
カイベルのリミッター解除条件は『私かアルトラルサンズ国民に命の危機がある場合』だから脅威ではないと判断してのことか。
頭の整理が追いつかない最中、メイフィーが再び我が家を訪れ玄関ドアを勢い良く叩く!
ドンドンドンドンドンドンドン!!
「アルトラ様! 来ました来ました!! でっかい人型の虫! 今、虫の長四角の中で皆さんが応戦してるんで早く畑へ来てください」
「わ、分かった、すぐ行こう!」
メイフィーとカイベルを伴って【ゲート】で国管理の畑へ。
◇
「あ、あれか……」
緑の虫の直方体の中に薄っすらとでかい生物が見える。
直方体の外には、メイフィー同様遅い時間に畑入りしようとしたが、虫の所為で畑に入れなかった農業従事者たちが集まっている。
それと……何だか凄く汚れたヒトが一人、その脇にそのヒトを介抱しようとしているのが二人……
私が畑に近付こうとした瞬間、中から――
バシューーーーッ!!
――という噴射音のような音を立てて、“大きめのナニカ”がいずこかへ飛び去ってしまった……
「は……早っ……」
何あの速度!!
「うおっ! 何かでっかいのが飛び去って行ったぞ!!」
「中のやつらは大丈夫か!?」
「あれがこの虫騒動の親玉じゃねぇか?」
農業従事者たちが口々に騒めく。
「ア、アルトラ様! も、もう見えませんよ!? 中にどんなのが居たんでしょう?」
「カ、カイベル、今畑から出て行ったのがアバドン?」
「はい、皆様が言うようにあれがこの虫の大群たちの親玉です。あれを駆除することができれば騒動は急速に鎮静化します」
このカイベルの一言に周りに居た農業従事者たちが「おおっ……!」とどよめく。
「何で飛び去って行ったの?」
「アバドンは危険を察知すると勢い良く跳躍して逃げます。百メートルを三秒ほど、時速にして百二十キロほどで、ひとっ跳びで瞬間的に移動します。農業従事者の方々だけなら危機感を感じていませんでしたが、アルトラ様が来た瞬間に命の危機を感じてこの場を離脱したのでしょう」
「それ早く言っておいてよ!」
あの速度で飛んでった生物を探さないとイカンのか……
まああれの対処は後で考えるとして応戦してたヒトたちが心配だ。
何せ戦闘力は弱いとは言え、三大凶虫に数えられるヤツを相手にしていたのだから。
「みんな大丈夫? 怪我とかは無い?」
虫の直方体の中でアバドンと対峙してたヒトたちに声をかけたところ、キューボイドの内側からニートスらしき返事が返ってきた。
「だ、大丈夫です! 多少前脚で弾き飛ばされたりはしましたが、みんなごく軽い怪我で済んでます」
「そう、それなら良かった」
どうやら本当に戦闘能力は大したこと無いらしい。まあ一般人には十分脅威な腕力ではあるが。
「……と、ところで……そこの凄く汚れたヒトは……?」
身体中潰れた虫がくっ付いてる……何でこんな状態に……?
「タイレンさんですよ」
「このヒトがタイレン!? 村外れに住んでるって言う!?」
久しぶりに会った……気がする! (第16話参照)
農作業要員だったのか。
「それで……どうしてそんな (汚い)有様に?」
「きょ、巨大な虫に振り払われて畑の外へ飛ばされてしまいました……」
ああ……虫が張り付いてる直方体の中から強制的に投げ出されたから、虫を下敷きにして身体中に潰れた虫がくっ付いたわけか……
「け、怪我は?」
「強い痛みなどはありません」
「そ、そう……ご、ご苦労様……は、早いとこ洗い流してきた方が良いよ……」
そう言うとどこかへ身体を洗い流しに向かった。
アバドンと対峙した彼らの様子を見るに、どうやら本当に亜人には (食用としての)興味が無いらしい。
この辺りが、カイベルが危機が薄いと判断した理由か。
さて、それじゃあアレの対処を考えるか。
「アバドンが見つかった国はどうやって退治してるの? あんなに早く移動されるんじゃ退治も一苦労じゃない?」
「運良く見つけられたものを退治するか、死ぬまで退治されないかのどちらかですね」
「死ぬまでって……それまでに農作物とか食料とか食い尽くされちゃわない?」
「大勢で対応して、アバミニオンたちを退治していけば、非常に労力はかかるもののある程度は守ることができます。また、アバドンが移動すればそれと一緒にアバミニオンたちもくっ付いてその地を離れて行くので、運が良ければ食料を食い尽くされる前に移動して行くでしょう」
運が良ければって……
火の国の属国ファーイオで発生したって言うけど、その国は大丈夫だったんだろうか……? (第228話参照)
もしかしたら今飢饉が発生してるのでは?
「アバドンってどれくらいで死ぬの?」
一週間とか二週間とか、その程度の短い寿命なら対処できなくてもいずれは消えてくれるだろうけど……
「十ヶ月ほどですね。普通のイナゴの大体三倍ほどの寿命です。今回の発生が火の国で一月中旬頃ですので、もう残りひと月ほどで寿命を迎えるでしょう」
「一ヶ月先!? それじゃあアルトレリア中を食い荒らされちゃうよ! 何とか見つけて退治したい! 今はどこに居ると思う?」
「私の勘に依れば……三十キロ離れた麦畑の方に向かったようですね。凄い早さで南西に移動してる……ような気がします」
レッドトロルを迎えに行った時のように、“勘”であることを強調する。 (第191話参照)
が、この一年ちょっとの間にカイベルに様々な相談をしていた農民たちは、その勘を信用しているため直方体外に集まっていた農業従事者たちはすぐに行動を起こそうとする。
「みんな! あの虫の親玉がこの騒動の元凶らしい! カイベルさんの勘が麦畑の方と言ってる! みんな先回りするぞ!」
「「「おーー!!」」」
しかし、意気揚々と麦畑への『ゼロ距離ドア』へ向かう農民たちに、カイベルが待ったをかける。 (麦畑への『ゼロ距離ドア』については第286話参照)
「お待ちください。大した戦闘力は無いとは言え、特別な戦闘技術の無い皆様が時速百二十キロで移動する巨虫相手にぶつかられたらただでは済みません。待ち伏せは危険でしょう」
「た、確かに……」
「襲われた者たちも大した怪我ではなかったため勘違いしていたかもしれないな……」
「俺たちは兵士じゃなくて農民だしな……」
カイベルが言葉を続ける。
「アバドンの対処は私たちでしますので、皆様は小虫の方の駆除をお願いします」
「「「分かりました!!」」」
集まった農民たちは、自分たちにできることをと、直方体の虫の駆除を始めた。
一通り農民たちへの対応が終わったのを見計らってカイベルに話しかけた。
「それで、どうするの? 警察に要請する? フレアハルトやクリューやウィンダルシアに救援要請する?」
この国にはまだ兵士が存在しない。自警団から格上げされた警察組織が一番武力を持っている状態だ。
もっとも……最大戦力のフレアハルト、アリサ、レイアだけで他の国の兵士のかなりの部分を賄えるほどの戦力ではあるが……
そして魔王回帰状態の私と渡り合ってたクリューを加えれば恐らく各国の軍以上の戦力になる。
「いえ、今回は私とアルトラ様だけで十分でしょう」
「十分って……下手したら何ヶ月も猛威を振るう相手でしょ? 二人で何とかなる?」
カイベルに小声で話す。
「……それなら場所が分からない私が行くより、場所が分かってるカイベルが行って倒しちゃってくれた方が早くない?」
「……残念ながら、私ではあの速度に追いつけません。私は一応人間を模して創られてますので、私の脚ではせいぜい百メートルを十秒 (※)ほど、時速にすると三十六キロほどです。風魔法で移動速度を強化してもせいぜい六十キロほどにしかなりませんので到底追いつけません」
(※百メートルを十秒:めちゃくちゃ早い。世界記録が『九秒五八』なので、カイベルは大分オーバースペック気味)
百メートルを三秒で移動するヤツ相手じゃ全く追い付けもしないか……
「……リミッターを解除すればこの限りではないですが、解除の条件に当てはまりませんので」
う~ん……ここでもリミッターか。カイベルのリミッターって私かアルトラルサンズ国民に命の危機が無いと解除できないんだよな……今は到底命の危機がある状況では無いし。
解除条件を変えてしまえば良い話だけど、そうなると今度は頻繁に解除された場合に“生物じゃない”ことがバレそうで怖い……
「また、相手は生物ですので常に直線移動するわけではありませんし、臨機応変に向きを変えます。跳躍速度も早いので予測して捕らえるのは困難です」
「カイベルが追い付けないってことは、速度に相当自信があるヒトじゃないと捕まえられないんじゃない?」
「魔王ほどの身体能力なら風魔法の補助でかなりの速度を出せますが、普通の亜人に捕まえられる者はほぼ皆無でしょう。捕まえられるとすれば火魔法か雷魔法を身体強化に使える魔人か精霊か、特殊な魔法を持つ亜人くらいです」
それって追いつけるのは魔人種とか精霊種に限られてくるってことじゃないか……?
「もっとも……一番厄介なのは、非常に見つけ難いというところなのですが……。アバドンにはこの『見つけ難い』という特徴があるため、下手をすれば何ヶ月も猛威を振るうことがあるのです」
「何で見つけ難いの?」
「アバドンは自身の魔力を隠蔽します。周囲に居る小虫と大して変わらない程度まで隠蔽するので、魔力感知に長けた者ですら見つけづらいのです」
魔力感知しても小虫に紛れてしまうってわけか……
「先ほど遭遇された時に何か気付きませんでしたか?」
「そういえば……逃げ去る時だけ一瞬魔力が上がったような……畑で食い荒らしてる時は虫の隙間から巨体のシルエットが僅かに見えたからアバドンだって判断できたけど、見えなければ居るのかどうかさえ分からなかったかも」
何て厄介な性質だ……猛威を振るうはずだ……
「でもその点はカイベルが居るから問題無く見つけられるよね?」
「はい。僅かな魔力さえあれば捕捉可能です」
よし、じゃあ一番厄介な『見つけ難い』って部分はクリアできてる。
あとは駆除手段の方だけど――
「じゃあ駆除の話に移るけど、各国ではどうやって駆除されてるの?」
「アバドンの速度を凌駕できる方が居る場合はその方が追いかけ回して倒すようです。居ない場合は、大抵は他国からそういった能力を持つ方を派遣してもらうようですね。その手段も取れない場合は、見つけ次第アバドンに気付かれる前に広範囲を四方八方から焼きます。熱に極端に弱いため、直接火に当たらなくても焼き殺せます」
「『見つけ次第』って、非常に見つかり難いんじゃないの?」
「魔力による追跡は難しくても、他の小虫と違ってサイズが巨大ですので例え小虫に紛れていたとしても目視は容易です。見つけられさえすれば双眼鏡などで空からの追跡は可能ですので、地上と上空で連携しながら遠く離れたところから広範囲を焼きながら囲い込みます」
「でも、それをやったら物凄い広範囲を焼き尽くすことになっちゃわない?」
「そうですね、延焼規模は馬鹿にならないと思います。しかしそれくらいやってでも駆除しないと、その後の農作物への被害は比較にならないほど甚大になります。――」
是が非でも倒しておかないと!!
「――ただ、現在では三大凶虫が出たら協力して駆除に当たるという協定のようなものが各国で結ばれていますので、近年はこの方法ではまず行われません。先述のように大地や農作物への被害規模が馬鹿になりませんので」
「あ、でも、そこまで燃やさなくても、上空からのピンポイント爆撃とかじゃダメなの?」
「先ほどの危機察知能力をご覧になったと思いますが、上空から火魔法を放ったところで、着弾する頃にはもうそこに居ないと思います。相手は三十秒後には一キロ先に居るような速度で移動しますので」
ホント厄介だな……逃げるのに特化したような能力だ……
「そうならないようにアルトラ様が対処していただくのが最適解かと思われます」
なるほど……私が追い掛け回すよりほか無いわけか……
風の魔王の能力を得た私ならそれが可能ってわけね。
「……分かったよ……」
「では、これをどうぞ。アバドンの進行方向が変わったらその都度お知らせします」
そう言ってカイベルが差し出したのは、風の国で大いに役立ってくれた通信の魔道具シール。
「そんなもの使わなくても、あなたと会話するだけなら通信魔法でも良いんじゃない?」
「魔道具シールの方が声もクリアに伝わりますので」
「あ、そう」
「頬に貼り付けてください。これで手を上げて声をかけなくても通信が可能です」
インカムみたいに通信できるってわけか。
風の国での私の使い方はちょっと間違ってたみたいだな……
(部下に武器を扱うのに邪魔にならないように利き手とは逆の手に貼らせた。詳しくは第452話参照)
魔道具を頬っぺたに貼りつけた。
「よし、じゃあ倒しに行って来る!」
ゼロ距離ドアで麦畑へと移動。
「ってわけなんだけど、カイベル、アバドンの現在の居場所を教えてもらえる?」
「現在は国管理の畑に居ますね」
「は?」
カイベル何言ってんだ? 私は今そこから戻って来たばかりなのに……
「ちょちょちょ、何言ってるの!? 私しばらくその畑の近くに居たんだけど?」
「ニートス様ほか農業従事されてる勇敢な方々が対処していますが、弱い魔物とは言え身体が大きいので対応に苦慮しているようです。畑を掘り返されて作物を食い荒らされてます」
「それ、今現在の話なの!?」
「はい。アルトラ様たちがレストランに入店されたくらいに襲来したようです」
「嘘でしょ!?」
私が離れた直後に入れ違いで来たってことか!? 魔力の感知範囲を広げてればすぐに気付けたのかも?
と言うか、イナゴなのに『一進五退装置』に引っ掛からないのか!?
大きさも形も違うから別の生物として認識されてるのだろうか……?
ちょっと待てよ? 国管理の畑に居るんなら、何でカイベルが出動しないんだ?
三大凶虫なんて二つ名を冠してるのに、一般亜人ですら対応できるほど弱いのか?
「な、何で襲来したのが分かってるなら出動しないの? あなたの守りの優先順位に『アルトラルサンズ国民の命が脅かされてる場合』って条件が入ってたと思うけど!?」 (第97話参照)
「アバドンの目的は亜人ではなく農作物ですので、ただちに命が脅かされるほどの危険はありません。ちょうどアルトラ様が帰って来られましたのでここでお伝えすれば事足りると判断しました。それに今の私は空間転移魔法が使える条件下にありませんので現場に着くには時間がかかります」
「あ……」
カイベルのリミッター解除条件は『私かアルトラルサンズ国民に命の危機がある場合』だから脅威ではないと判断してのことか。
頭の整理が追いつかない最中、メイフィーが再び我が家を訪れ玄関ドアを勢い良く叩く!
ドンドンドンドンドンドンドン!!
「アルトラ様! 来ました来ました!! でっかい人型の虫! 今、虫の長四角の中で皆さんが応戦してるんで早く畑へ来てください」
「わ、分かった、すぐ行こう!」
メイフィーとカイベルを伴って【ゲート】で国管理の畑へ。
◇
「あ、あれか……」
緑の虫の直方体の中に薄っすらとでかい生物が見える。
直方体の外には、メイフィー同様遅い時間に畑入りしようとしたが、虫の所為で畑に入れなかった農業従事者たちが集まっている。
それと……何だか凄く汚れたヒトが一人、その脇にそのヒトを介抱しようとしているのが二人……
私が畑に近付こうとした瞬間、中から――
バシューーーーッ!!
――という噴射音のような音を立てて、“大きめのナニカ”がいずこかへ飛び去ってしまった……
「は……早っ……」
何あの速度!!
「うおっ! 何かでっかいのが飛び去って行ったぞ!!」
「中のやつらは大丈夫か!?」
「あれがこの虫騒動の親玉じゃねぇか?」
農業従事者たちが口々に騒めく。
「ア、アルトラ様! も、もう見えませんよ!? 中にどんなのが居たんでしょう?」
「カ、カイベル、今畑から出て行ったのがアバドン?」
「はい、皆様が言うようにあれがこの虫の大群たちの親玉です。あれを駆除することができれば騒動は急速に鎮静化します」
このカイベルの一言に周りに居た農業従事者たちが「おおっ……!」とどよめく。
「何で飛び去って行ったの?」
「アバドンは危険を察知すると勢い良く跳躍して逃げます。百メートルを三秒ほど、時速にして百二十キロほどで、ひとっ跳びで瞬間的に移動します。農業従事者の方々だけなら危機感を感じていませんでしたが、アルトラ様が来た瞬間に命の危機を感じてこの場を離脱したのでしょう」
「それ早く言っておいてよ!」
あの速度で飛んでった生物を探さないとイカンのか……
まああれの対処は後で考えるとして応戦してたヒトたちが心配だ。
何せ戦闘力は弱いとは言え、三大凶虫に数えられるヤツを相手にしていたのだから。
「みんな大丈夫? 怪我とかは無い?」
虫の直方体の中でアバドンと対峙してたヒトたちに声をかけたところ、キューボイドの内側からニートスらしき返事が返ってきた。
「だ、大丈夫です! 多少前脚で弾き飛ばされたりはしましたが、みんなごく軽い怪我で済んでます」
「そう、それなら良かった」
どうやら本当に戦闘能力は大したこと無いらしい。まあ一般人には十分脅威な腕力ではあるが。
「……と、ところで……そこの凄く汚れたヒトは……?」
身体中潰れた虫がくっ付いてる……何でこんな状態に……?
「タイレンさんですよ」
「このヒトがタイレン!? 村外れに住んでるって言う!?」
久しぶりに会った……気がする! (第16話参照)
農作業要員だったのか。
「それで……どうしてそんな (汚い)有様に?」
「きょ、巨大な虫に振り払われて畑の外へ飛ばされてしまいました……」
ああ……虫が張り付いてる直方体の中から強制的に投げ出されたから、虫を下敷きにして身体中に潰れた虫がくっ付いたわけか……
「け、怪我は?」
「強い痛みなどはありません」
「そ、そう……ご、ご苦労様……は、早いとこ洗い流してきた方が良いよ……」
そう言うとどこかへ身体を洗い流しに向かった。
アバドンと対峙した彼らの様子を見るに、どうやら本当に亜人には (食用としての)興味が無いらしい。
この辺りが、カイベルが危機が薄いと判断した理由か。
さて、それじゃあアレの対処を考えるか。
「アバドンが見つかった国はどうやって退治してるの? あんなに早く移動されるんじゃ退治も一苦労じゃない?」
「運良く見つけられたものを退治するか、死ぬまで退治されないかのどちらかですね」
「死ぬまでって……それまでに農作物とか食料とか食い尽くされちゃわない?」
「大勢で対応して、アバミニオンたちを退治していけば、非常に労力はかかるもののある程度は守ることができます。また、アバドンが移動すればそれと一緒にアバミニオンたちもくっ付いてその地を離れて行くので、運が良ければ食料を食い尽くされる前に移動して行くでしょう」
運が良ければって……
火の国の属国ファーイオで発生したって言うけど、その国は大丈夫だったんだろうか……? (第228話参照)
もしかしたら今飢饉が発生してるのでは?
「アバドンってどれくらいで死ぬの?」
一週間とか二週間とか、その程度の短い寿命なら対処できなくてもいずれは消えてくれるだろうけど……
「十ヶ月ほどですね。普通のイナゴの大体三倍ほどの寿命です。今回の発生が火の国で一月中旬頃ですので、もう残りひと月ほどで寿命を迎えるでしょう」
「一ヶ月先!? それじゃあアルトレリア中を食い荒らされちゃうよ! 何とか見つけて退治したい! 今はどこに居ると思う?」
「私の勘に依れば……三十キロ離れた麦畑の方に向かったようですね。凄い早さで南西に移動してる……ような気がします」
レッドトロルを迎えに行った時のように、“勘”であることを強調する。 (第191話参照)
が、この一年ちょっとの間にカイベルに様々な相談をしていた農民たちは、その勘を信用しているため直方体外に集まっていた農業従事者たちはすぐに行動を起こそうとする。
「みんな! あの虫の親玉がこの騒動の元凶らしい! カイベルさんの勘が麦畑の方と言ってる! みんな先回りするぞ!」
「「「おーー!!」」」
しかし、意気揚々と麦畑への『ゼロ距離ドア』へ向かう農民たちに、カイベルが待ったをかける。 (麦畑への『ゼロ距離ドア』については第286話参照)
「お待ちください。大した戦闘力は無いとは言え、特別な戦闘技術の無い皆様が時速百二十キロで移動する巨虫相手にぶつかられたらただでは済みません。待ち伏せは危険でしょう」
「た、確かに……」
「襲われた者たちも大した怪我ではなかったため勘違いしていたかもしれないな……」
「俺たちは兵士じゃなくて農民だしな……」
カイベルが言葉を続ける。
「アバドンの対処は私たちでしますので、皆様は小虫の方の駆除をお願いします」
「「「分かりました!!」」」
集まった農民たちは、自分たちにできることをと、直方体の虫の駆除を始めた。
一通り農民たちへの対応が終わったのを見計らってカイベルに話しかけた。
「それで、どうするの? 警察に要請する? フレアハルトやクリューやウィンダルシアに救援要請する?」
この国にはまだ兵士が存在しない。自警団から格上げされた警察組織が一番武力を持っている状態だ。
もっとも……最大戦力のフレアハルト、アリサ、レイアだけで他の国の兵士のかなりの部分を賄えるほどの戦力ではあるが……
そして魔王回帰状態の私と渡り合ってたクリューを加えれば恐らく各国の軍以上の戦力になる。
「いえ、今回は私とアルトラ様だけで十分でしょう」
「十分って……下手したら何ヶ月も猛威を振るう相手でしょ? 二人で何とかなる?」
カイベルに小声で話す。
「……それなら場所が分からない私が行くより、場所が分かってるカイベルが行って倒しちゃってくれた方が早くない?」
「……残念ながら、私ではあの速度に追いつけません。私は一応人間を模して創られてますので、私の脚ではせいぜい百メートルを十秒 (※)ほど、時速にすると三十六キロほどです。風魔法で移動速度を強化してもせいぜい六十キロほどにしかなりませんので到底追いつけません」
(※百メートルを十秒:めちゃくちゃ早い。世界記録が『九秒五八』なので、カイベルは大分オーバースペック気味)
百メートルを三秒で移動するヤツ相手じゃ全く追い付けもしないか……
「……リミッターを解除すればこの限りではないですが、解除の条件に当てはまりませんので」
う~ん……ここでもリミッターか。カイベルのリミッターって私かアルトラルサンズ国民に命の危機が無いと解除できないんだよな……今は到底命の危機がある状況では無いし。
解除条件を変えてしまえば良い話だけど、そうなると今度は頻繁に解除された場合に“生物じゃない”ことがバレそうで怖い……
「また、相手は生物ですので常に直線移動するわけではありませんし、臨機応変に向きを変えます。跳躍速度も早いので予測して捕らえるのは困難です」
「カイベルが追い付けないってことは、速度に相当自信があるヒトじゃないと捕まえられないんじゃない?」
「魔王ほどの身体能力なら風魔法の補助でかなりの速度を出せますが、普通の亜人に捕まえられる者はほぼ皆無でしょう。捕まえられるとすれば火魔法か雷魔法を身体強化に使える魔人か精霊か、特殊な魔法を持つ亜人くらいです」
それって追いつけるのは魔人種とか精霊種に限られてくるってことじゃないか……?
「もっとも……一番厄介なのは、非常に見つけ難いというところなのですが……。アバドンにはこの『見つけ難い』という特徴があるため、下手をすれば何ヶ月も猛威を振るうことがあるのです」
「何で見つけ難いの?」
「アバドンは自身の魔力を隠蔽します。周囲に居る小虫と大して変わらない程度まで隠蔽するので、魔力感知に長けた者ですら見つけづらいのです」
魔力感知しても小虫に紛れてしまうってわけか……
「先ほど遭遇された時に何か気付きませんでしたか?」
「そういえば……逃げ去る時だけ一瞬魔力が上がったような……畑で食い荒らしてる時は虫の隙間から巨体のシルエットが僅かに見えたからアバドンだって判断できたけど、見えなければ居るのかどうかさえ分からなかったかも」
何て厄介な性質だ……猛威を振るうはずだ……
「でもその点はカイベルが居るから問題無く見つけられるよね?」
「はい。僅かな魔力さえあれば捕捉可能です」
よし、じゃあ一番厄介な『見つけ難い』って部分はクリアできてる。
あとは駆除手段の方だけど――
「じゃあ駆除の話に移るけど、各国ではどうやって駆除されてるの?」
「アバドンの速度を凌駕できる方が居る場合はその方が追いかけ回して倒すようです。居ない場合は、大抵は他国からそういった能力を持つ方を派遣してもらうようですね。その手段も取れない場合は、見つけ次第アバドンに気付かれる前に広範囲を四方八方から焼きます。熱に極端に弱いため、直接火に当たらなくても焼き殺せます」
「『見つけ次第』って、非常に見つかり難いんじゃないの?」
「魔力による追跡は難しくても、他の小虫と違ってサイズが巨大ですので例え小虫に紛れていたとしても目視は容易です。見つけられさえすれば双眼鏡などで空からの追跡は可能ですので、地上と上空で連携しながら遠く離れたところから広範囲を焼きながら囲い込みます」
「でも、それをやったら物凄い広範囲を焼き尽くすことになっちゃわない?」
「そうですね、延焼規模は馬鹿にならないと思います。しかしそれくらいやってでも駆除しないと、その後の農作物への被害は比較にならないほど甚大になります。――」
是が非でも倒しておかないと!!
「――ただ、現在では三大凶虫が出たら協力して駆除に当たるという協定のようなものが各国で結ばれていますので、近年はこの方法ではまず行われません。先述のように大地や農作物への被害規模が馬鹿になりませんので」
「あ、でも、そこまで燃やさなくても、上空からのピンポイント爆撃とかじゃダメなの?」
「先ほどの危機察知能力をご覧になったと思いますが、上空から火魔法を放ったところで、着弾する頃にはもうそこに居ないと思います。相手は三十秒後には一キロ先に居るような速度で移動しますので」
ホント厄介だな……逃げるのに特化したような能力だ……
「そうならないようにアルトラ様が対処していただくのが最適解かと思われます」
なるほど……私が追い掛け回すよりほか無いわけか……
風の魔王の能力を得た私ならそれが可能ってわけね。
「……分かったよ……」
「では、これをどうぞ。アバドンの進行方向が変わったらその都度お知らせします」
そう言ってカイベルが差し出したのは、風の国で大いに役立ってくれた通信の魔道具シール。
「そんなもの使わなくても、あなたと会話するだけなら通信魔法でも良いんじゃない?」
「魔道具シールの方が声もクリアに伝わりますので」
「あ、そう」
「頬に貼り付けてください。これで手を上げて声をかけなくても通信が可能です」
インカムみたいに通信できるってわけか。
風の国での私の使い方はちょっと間違ってたみたいだな……
(部下に武器を扱うのに邪魔にならないように利き手とは逆の手に貼らせた。詳しくは第452話参照)
魔道具を頬っぺたに貼りつけた。
「よし、じゃあ倒しに行って来る!」
ゼロ距離ドアで麦畑へと移動。
0
あなたにおすすめの小説
美化係の聖女様
しずもり
ファンタジー
毒親の仕打ち、親友と恋人の裏切り、人生最悪のどん底でやけ酒を煽り何を思ったのか深夜に突然掃除を始めたら床がドンドンって大きく鳴った。
ゴメン、五月蝿かった?
掃除は止めにしよう、そう思った瞬間、床に現れた円のようなものが光りだした。
気づいたらゴミと掃除道具と一緒に何故か森の中。
地面には気を失う前に見た円が直径3メートルぐらいの大きさで光ってる。
何コレ、どうすればいい?
一方、魔王復活の兆しに聖女を召喚した王城では召喚された筈の聖女の姿が見当たらない。
召喚した手応えはあったものの目の前の床に描かれた魔法陣には誰も居ない。
もしかして召喚先を間違えた?
魔力の残滓で聖女が召喚された場所に辿り着いてみれば聖女はおらず。
それでも魔王復活は待ってはくれない。
それならば聖女を探しながら魔王討伐の旅へ見切り発車で旅する第二王子一行。
「もしかしたら聖女様はいきなり召喚された事にお怒りなのかも知れない、、、、。」
「いや、もしかしたら健気な聖女様は我らの足手まといにならぬ様に一人で浄化の旅をしているのかも知れません。」
「己の使命を理解し果敢に試練に立ち向かう聖女様を早く見つけださねばなりません。」
「もしかして聖女様、自分が聖女って気づいて無いんじゃない?」
「「「・・・・・・・・。」」」
何だかよく分からない状況下で主人公が聖女の自覚が無いまま『異世界に来てしまった理由』を探してフラリと旅をする。
ここ、結構汚れていません?ちょっと掃除しますから待ってて下さいね。掃除好きの聖女は無自覚浄化の旅になっている事にいつ気付くのか?
そして聖女を追って旅する第二王子一行と果たして出会う事はあるのか!?
魔王はどこに?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
不定期更新になります。
主人公は自分が聖女だとは気づいていません。
恋愛要素薄めです。
なんちゃって異世界の独自設定になります。
誤字脱字は見つけ次第修正する予定です。
R指定は無しの予定です。
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!
胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。
主に5大国家から成り立つ大陸である。
この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。
この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。
かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。
※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!)
※1話当たり、1200~2000文字前後です。
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】
普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます)
【まじめなあらすじ】
主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、
「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」
転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。
魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。
友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、
「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」
「「「違う、そうじゃない!!」」」
これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。
※他サイトにも投稿中
※旧タイトル
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。
彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」
お嬢様はご不満の様です。
海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。
名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。
使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。
王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。
乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ?
※5/4完結しました。
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
連載開始しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる