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第18章 発展のアルトラルサンズとその影編
第526話 強盗団捕縛作戦
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二日後の夕方に差し掛かった辺りの時間。
アルトラ邸――
エールデさんから通信魔道具に連絡が入った。
『アルトラ殿! 強奪決行日が判明しました。今日の二十四時を回った後、明日の三時頃に決行される模様です!』
即日決行!? しかも三時か……深夜も深夜、ド深夜だね……
人目に付かないようにしないといけない時間帯ってことで、ここまで深い時間になるわけか。
「分かりました。私はアルトレリア警察に応援要請をしておきます」
『では手筈通りお願いします』
その一言を最後に通信が切れた。
「カイベル、今からフレアハルトやウィンダルシアに協力を要請しに行ってくる。じゃあここのドアの防衛は任せて大丈夫ね?」
「はい」
「アルトラ邸の庭も戦場になると見込まれるけど、リディアとネッココはどうする?」
ここから通じているゼロ距離ドアは町の中心地と通じているから、恐らく三対 (六ヶ所)設置してる場所の中で一番安全と見込んでいる。
が、設置場所の一つには違いないから狙ってくる可能性は大いにある。
リディアとネッココは避難させておくべきだろう。
クラーケンであるリディアは幼体とは言え、並みの強盗団員よりは強いとは思うが子供だからやはり戦場に曝すわけにはいかない。
ネッココは…………戦闘力で考えるなら論外。避難一択しかない。
「私が避難させておきます」
「分かった、じゃあお願い。ケルベロスはどうする?」
巨体故に動かすに動かせないが……
以前の襲撃者の時のように、一旦山に逃がそうか……? (第301話参照)
「ケルベロス様は巨体ですし、どう見ても猛獣か怪獣の部類ですので、『地獄の門を通過して戻って来た者を食べる』という特性を知っていなければ、わざわざ近寄ってどうこうしようとは思わないでしょう。命の危機を察すれば反撃すると思いますし」
「……そうね、じゃあ行ってくるわ」
「いってらっしゃいませ」
◆
ウィンダルシアの借家へ行き、作戦に参加する隊員たちを警察署に召集してもらう。
フレアハルトたちにも声をかけて召集に応じてもらった。
警察官には私服で集まってもらった。
「深夜に作戦決行か……」
「もう眠い……」
「まだ夕方だぞ?」
「訓練終わりだからな……」
「シャキッとしろよ」
「ド深夜に動き出すなんて、何考えてんだ強盗団!」
そりゃまあ盗むんだから、人目に付かない時間に行動するでしょうよ。
「全員、静聴!!」
召集が完了し、ウィンダルシアが話し始める。
「みんな、作戦の概要は頭に叩き込んであるな?」
作戦の概要は、私、フレアハルト、レイア、ウィンダルシアが三方向から強盗団へと特攻をかける。
その間に平隊員は強盗団を包囲しておき、特攻で撃ち漏らした団員たちを捕まえる算段。
フレアハルト、レイア、ウィンダルシアには通信魔道具を配ってあり、私の合図で作戦を開始する。
一方で、裏切り者『カーデュアル』から通信が入った場合に私に扮したアリサを現地に飛ばして、銀石の粉を浴びてもらう。これによって『私』が『空間魔法を使えなくなった』と相手に誤認させるのが目的。
カイベルが『撹乱』すると答えたことを考えると十中八九持ってると考えられるが、もし持っていないor使われなかった場合は、そのままアリサが現地強盗団員を殲滅する手筈。
そして、カーデュアルから『アルトラが魔力を使えなくなった』という報せを受けた頭目は『俺たちを別の場所へ飛ばせるアルトラは来ない』と誤認し、巨人化した上で周囲の破壊行為に及び、町を混乱させながら強奪を開始すると予測される。
それをされる前に私が現地へ急いで飛んで、頭目をアルトレリア平原へ強制転移する。
という作戦。
「今回は諸君らにとって町で初の大きい事件となる! まず強盗団が動き出す前にお借りした家へ潜伏するため移動する」
潜伏する家は、強盗団を包囲し易いように複数お借りしている。
「その前に質問は良いか?」
とフレアハルトが手を上げる。
「強盗団員の中に魔力感知に長けた者は居らぬのか? 隊員の中に我らやウィンダルシアのような魔力量が多い者が紛れていたら気付かれるのではないか?」
「そこも織り込み済みです。アルトラ殿、お願いします」
ウィンダルシアに促され前に出る。
「今回の作戦は魔力隠蔽できる私が居るから大丈夫。私とあなたたち四人の魔力は私が隠蔽するから」
「そうか、お主が何とかできるなら我からの質問は終わりだ」
「ところで、アリサさんはどうするんですか?」
という他の隊員からの質問。
それにウィンダルシアが答える。
「アリサ殿はこの『セントラ家自宅前ドア (※)』の防衛には参加しない。我々とは別の任務を任されている」
(※セントラ家:リーヴァント家のこと。リーヴァントのフルネーム『リーヴァント・トロル・セントラ』の苗字から取って『セントラ家自宅前ドア』)
続いて別の質問。
「現在我々は私服ですが、作戦決行時の戦闘用の服はどうするのですか?」
「昨日の時点で既に運び込んである。今回は犯行場所が明確だから潜伏場所の確保は容易だ。現場に行って各自着替えてくれ」
「初の長時間任務ですが、食事はどうすれば良いでしょう?」
「各自潜伏場所のお宅をお借りして作って食べてくれ。カーテンがある家なら住人が生活してるかのようにカモフラージュできるから電気は使ってくれて構わない。通常なら今は電気が点いていてもおかしくない時間だからな。適度に出入りして家の中でパーティーをしているかのように装うのも良いかもしれないな。とにかく強盗団に対して違和感を与えるな」
「わざわざ徒歩で移動しなくても、アルトラ様が転移魔法で送ってくれれば潜伏に気付かれないのでは?」
「ダメだな。転移魔法は空間に揺らぎが発生するから、もしドア周りに見張りが居た場合に気付かれるリスクが高い」
「なるほど……了解しました」
「他に質問はあるか?」
……
…………
………………
「では各自バラけて潜伏場所まで移動。強盗団の見張りが居るかもしれん、気付かれることが無いよう各自時間をズラして潜伏場所まで移動してくれ」
潜伏場所がそれぞれ違うため、警察署を出る前に魔力量の多い私、フレアハルト、アリサ、レイア、ウィンダルシアの五人に【魔力遮断】を施す。
◆
フレアハルトの部隊、レイアの部隊、私の部隊の三ヶ所に分かれて潜伏。私たちはリーヴァントの家をお借りした。
私は特攻以外にやることがあるため、ウィンダルシア、アリサと共に待機。
各潜伏先の家の中で連絡を待つ者と仮眠を取る者とで分かれて作戦開始を待つ。
エールデさんからの連絡を待ち、九時間ほどが経過。
深夜三時少し前、エールデさんから通信魔道具に連絡が入った。
『アルトラ殿! 強盗団が動き出しました』
「了解」
『では手筈通りにお願いします』
連絡はすぐに終了。
「じゃあ強盗団がここを訪れるまでしばらく待機。強盗団がドアを剥がしにかかったら、私、フレアハルト、レイア、ウィンダルシアが特攻する。平隊員のあなたたちは包囲の上、撃ち漏らしの処理をお願い」
「「「了解!」」」
アリサの方へ向き直り、改めて概要を説明する。
「恐らく強盗団がドアを剥がしにかかるタイミングでカーデュアルから通信が入るだろうから、アリサをカーデュアルが居るドアへ飛ばす。準備しておいてね」
「はい」
私の髪の毛を切り、アリサに渡すと腕輪にそれを入れ込む。
「二日前に説明したけど、粉を被ったらしばらく魔力が放出できなくなるから、そこだけは注意しておいてね」
「存じています」
ここで平隊員の一人から質問。
「アルトラ様、アルトラ邸前ドアは、ホントにカイベルさんだけで良いのでしょうか?」
「まあ、彼女なら問題無いでしょ。それにセントラ家自宅前ドアを封じてしまえば、それと繋がってるアルトラ邸前ドアに流出する人数も少なくできるしね。と言う訳で、こちら側を防衛するみんな、捕縛を頑張ってね」
◇
そして時は過ぎ、時刻は深夜の三時を回った頃――
「……ドアの前に複数人集まって来ました……」
カーテンの隙間からドアを見張っていた隊員が、強盗団がやってきたことを確認。
既に深夜のため、室内灯は消してある。
「……カーデュアルから通信が入るまでは待機。ドアを剥がされてもまだ持ち去られなければ大丈夫だから」
耳を澄ますと強盗団の声が聞こえる。
「……これがお頭が言ってた例のドアか?」
「……へい……別のところに通じる不思議なドアだそうです」
「……こんな良いもんを、新興国ごときが独占してんのか?」
「……何でもこの土地で古代遺跡が発掘されたとかで、そこから出土した魔道具らしいですぜ」
「……なるほどな、持って帰って俺たちで有効利用してやろう。闇オークションで売っ払えば数百億にもなるってぇ話だ。団へ持って帰って売れば晴れて大金持ちってわけだ」
「……ですが、向こう側のドアも盗まねぇと意味がありません。入り口と出口二つで一対ですから」
「……確かにな。じゃあお前らは逆側のドアを剥がして来い、俺たちはこっちを剥がす。町の中心地だ、剥がす時に音を立てるなよ?」
集まって来た強盗団は、入り口と出口二手に分かれて『ゼロ距離ドア』を剥がしにかかる。
キンコンコンッ!
キンキンコンコンッ!!
キンコンコンッ!!!
金槌でノミを叩く甲高い音が鳴り響く。
ドア周りにある岩を削って取り出そうとしているようだが……
「……うわ、うるさいな……あれじゃ何かやってるのバレバレじゃないか……強盗団って馬鹿なの?」
あれだけうるさくしてるってことは、このドアは本命じゃないわけか。
多分、捜査官を引き寄せるための囮と考えてるものだな。
まあ、捜査官と私指揮の部隊で役割が完全に分かれてるから、セントラ家自宅前ドアだけに限って言うなら囮の意味なんて無いけど。
一旦音が止み、また強盗団が話し出す。
「……おい……! うるせぇぞ……! お頭から配られた消音魔道具はどうした……!?」
「あ、忘れてました……」
「……早く使え……! 気付かれちまうっ……!」
何らかの消音魔道具を使ったらしく、『ゼロ距離ドア』の周りが魔力障壁で包まれた。
途端に強盗団の声が聞こえなくなった。
「何かしゃべってるけど分からなくなったわ……」
「私が見ましょう。これでも読唇術を少々かじっています」
ウィンダルシアが団員の口を見て内容を教えてくれた。
「『これで大丈夫なはずでさぁ』、『今ので周りに音が聞こえちまったかもしれねぇし、手早く剥がすぞ』、『こんな真っ暗なんだから周りの住民たちも寝てますよ、きっと』だそうです」
と教えてくれたのも束の間、すぐにまた金槌とノミのぶつかる音。
キンキン……コンッ……
キンキン……コンコンッ……
「これ、消音になってなくない?」
聞こえる音は小さくなったものの、消音とは程遠い。
「どうやら粗悪品の魔道具のようですね。あの魔力障壁の中は普通に金槌の音が鳴り響いてるでしょうし、音が外に漏れてるのに気付いてないのかもしれませんね。頭目は自身の狙ったドア以外、最初から盗むつもりが無いようです。セントラ家自宅前ドアに来た彼らは完全な囮の可能性が高いでしょう」
ドア周りの岩が徐々に壊されているのを見た隊員の一人が、心配になったのか質問してきた。
「アルトラ様、まだ行かなくて大丈夫ですか?」
「カーデュアルからの通信が無いからまだだね」
「そんな悠長なこと言ってると、剥がされて持って行かれるんじゃ?」
「まだ大丈夫だと思う」
ドアは岩にきっちり埋め込んであるから、そうそう簡単には剥がせないし。
そして十分ほどキンコンカンコンやっているのを聞いていると、ようやくにカーデュアルからの通信!
『アルトラ殿! 頭目が現れました! 『麦畑前のドア』です!』
「了解」
それだけ言って通信が切れた。
「じゃあアリサ、今の聞こえたね? 準備は良い?」
「はい」
と答えつつ、腕輪のスイッチを入れて私に変身した。
「相手はあちらに移動してすぐに銀石の粉をかけてくるだろうとフリアマギアさんは予想してる。アリサには悪いけどそれをわざと被って相手を油断させた後に、強盗団の殲滅をお願い。もし粉を使われなかった場合も構わず殲滅に動いて。それから……現場はきっと乱戦になってるんじゃないかと予測できるから不意の攻撃に気を付けて」
「分かりました」
【ゲート】を発動し、アリサだけを町から南に三十キロ離れた『麦畑前のドア』に転送した。
空間の揺らぎはあったが、相手は岩壊すことに夢中で気付いてないようだ。もしくは距離があったから気付かれなかったか。
「よし! じゃあこちらも作戦開始しましょう! 概要を一通り確認する。まずはフレアハルト、レイア、ウィンダルシアが突っ込んで大打撃を与える。平隊員のみんなはその間にドア周りを包囲。その後、散り散りに逃げ惑う強盗団員をそれぞれ捕縛する。気絶は容認。殺しは……なるべくならしないに越したことは無いけど、無理強いはしない。自身の安全第一で考えて。初の大きい任務、みんな頑張って!」
「「「了解!!」」」
通信魔道具に魔力を流してフレアハルトとレイアへ通信。
「今アリサを転送した。じゃあこちらも作戦を開始する」
『ああ、分かった』
『了解しました~』
「カウントダウンで作戦開始。3、2、1、GO!」
潜伏先のドアを勢い良く開け、私とウィンダルシアが飛び出す。
アルトラ邸――
エールデさんから通信魔道具に連絡が入った。
『アルトラ殿! 強奪決行日が判明しました。今日の二十四時を回った後、明日の三時頃に決行される模様です!』
即日決行!? しかも三時か……深夜も深夜、ド深夜だね……
人目に付かないようにしないといけない時間帯ってことで、ここまで深い時間になるわけか。
「分かりました。私はアルトレリア警察に応援要請をしておきます」
『では手筈通りお願いします』
その一言を最後に通信が切れた。
「カイベル、今からフレアハルトやウィンダルシアに協力を要請しに行ってくる。じゃあここのドアの防衛は任せて大丈夫ね?」
「はい」
「アルトラ邸の庭も戦場になると見込まれるけど、リディアとネッココはどうする?」
ここから通じているゼロ距離ドアは町の中心地と通じているから、恐らく三対 (六ヶ所)設置してる場所の中で一番安全と見込んでいる。
が、設置場所の一つには違いないから狙ってくる可能性は大いにある。
リディアとネッココは避難させておくべきだろう。
クラーケンであるリディアは幼体とは言え、並みの強盗団員よりは強いとは思うが子供だからやはり戦場に曝すわけにはいかない。
ネッココは…………戦闘力で考えるなら論外。避難一択しかない。
「私が避難させておきます」
「分かった、じゃあお願い。ケルベロスはどうする?」
巨体故に動かすに動かせないが……
以前の襲撃者の時のように、一旦山に逃がそうか……? (第301話参照)
「ケルベロス様は巨体ですし、どう見ても猛獣か怪獣の部類ですので、『地獄の門を通過して戻って来た者を食べる』という特性を知っていなければ、わざわざ近寄ってどうこうしようとは思わないでしょう。命の危機を察すれば反撃すると思いますし」
「……そうね、じゃあ行ってくるわ」
「いってらっしゃいませ」
◆
ウィンダルシアの借家へ行き、作戦に参加する隊員たちを警察署に召集してもらう。
フレアハルトたちにも声をかけて召集に応じてもらった。
警察官には私服で集まってもらった。
「深夜に作戦決行か……」
「もう眠い……」
「まだ夕方だぞ?」
「訓練終わりだからな……」
「シャキッとしろよ」
「ド深夜に動き出すなんて、何考えてんだ強盗団!」
そりゃまあ盗むんだから、人目に付かない時間に行動するでしょうよ。
「全員、静聴!!」
召集が完了し、ウィンダルシアが話し始める。
「みんな、作戦の概要は頭に叩き込んであるな?」
作戦の概要は、私、フレアハルト、レイア、ウィンダルシアが三方向から強盗団へと特攻をかける。
その間に平隊員は強盗団を包囲しておき、特攻で撃ち漏らした団員たちを捕まえる算段。
フレアハルト、レイア、ウィンダルシアには通信魔道具を配ってあり、私の合図で作戦を開始する。
一方で、裏切り者『カーデュアル』から通信が入った場合に私に扮したアリサを現地に飛ばして、銀石の粉を浴びてもらう。これによって『私』が『空間魔法を使えなくなった』と相手に誤認させるのが目的。
カイベルが『撹乱』すると答えたことを考えると十中八九持ってると考えられるが、もし持っていないor使われなかった場合は、そのままアリサが現地強盗団員を殲滅する手筈。
そして、カーデュアルから『アルトラが魔力を使えなくなった』という報せを受けた頭目は『俺たちを別の場所へ飛ばせるアルトラは来ない』と誤認し、巨人化した上で周囲の破壊行為に及び、町を混乱させながら強奪を開始すると予測される。
それをされる前に私が現地へ急いで飛んで、頭目をアルトレリア平原へ強制転移する。
という作戦。
「今回は諸君らにとって町で初の大きい事件となる! まず強盗団が動き出す前にお借りした家へ潜伏するため移動する」
潜伏する家は、強盗団を包囲し易いように複数お借りしている。
「その前に質問は良いか?」
とフレアハルトが手を上げる。
「強盗団員の中に魔力感知に長けた者は居らぬのか? 隊員の中に我らやウィンダルシアのような魔力量が多い者が紛れていたら気付かれるのではないか?」
「そこも織り込み済みです。アルトラ殿、お願いします」
ウィンダルシアに促され前に出る。
「今回の作戦は魔力隠蔽できる私が居るから大丈夫。私とあなたたち四人の魔力は私が隠蔽するから」
「そうか、お主が何とかできるなら我からの質問は終わりだ」
「ところで、アリサさんはどうするんですか?」
という他の隊員からの質問。
それにウィンダルシアが答える。
「アリサ殿はこの『セントラ家自宅前ドア (※)』の防衛には参加しない。我々とは別の任務を任されている」
(※セントラ家:リーヴァント家のこと。リーヴァントのフルネーム『リーヴァント・トロル・セントラ』の苗字から取って『セントラ家自宅前ドア』)
続いて別の質問。
「現在我々は私服ですが、作戦決行時の戦闘用の服はどうするのですか?」
「昨日の時点で既に運び込んである。今回は犯行場所が明確だから潜伏場所の確保は容易だ。現場に行って各自着替えてくれ」
「初の長時間任務ですが、食事はどうすれば良いでしょう?」
「各自潜伏場所のお宅をお借りして作って食べてくれ。カーテンがある家なら住人が生活してるかのようにカモフラージュできるから電気は使ってくれて構わない。通常なら今は電気が点いていてもおかしくない時間だからな。適度に出入りして家の中でパーティーをしているかのように装うのも良いかもしれないな。とにかく強盗団に対して違和感を与えるな」
「わざわざ徒歩で移動しなくても、アルトラ様が転移魔法で送ってくれれば潜伏に気付かれないのでは?」
「ダメだな。転移魔法は空間に揺らぎが発生するから、もしドア周りに見張りが居た場合に気付かれるリスクが高い」
「なるほど……了解しました」
「他に質問はあるか?」
……
…………
………………
「では各自バラけて潜伏場所まで移動。強盗団の見張りが居るかもしれん、気付かれることが無いよう各自時間をズラして潜伏場所まで移動してくれ」
潜伏場所がそれぞれ違うため、警察署を出る前に魔力量の多い私、フレアハルト、アリサ、レイア、ウィンダルシアの五人に【魔力遮断】を施す。
◆
フレアハルトの部隊、レイアの部隊、私の部隊の三ヶ所に分かれて潜伏。私たちはリーヴァントの家をお借りした。
私は特攻以外にやることがあるため、ウィンダルシア、アリサと共に待機。
各潜伏先の家の中で連絡を待つ者と仮眠を取る者とで分かれて作戦開始を待つ。
エールデさんからの連絡を待ち、九時間ほどが経過。
深夜三時少し前、エールデさんから通信魔道具に連絡が入った。
『アルトラ殿! 強盗団が動き出しました』
「了解」
『では手筈通りにお願いします』
連絡はすぐに終了。
「じゃあ強盗団がここを訪れるまでしばらく待機。強盗団がドアを剥がしにかかったら、私、フレアハルト、レイア、ウィンダルシアが特攻する。平隊員のあなたたちは包囲の上、撃ち漏らしの処理をお願い」
「「「了解!」」」
アリサの方へ向き直り、改めて概要を説明する。
「恐らく強盗団がドアを剥がしにかかるタイミングでカーデュアルから通信が入るだろうから、アリサをカーデュアルが居るドアへ飛ばす。準備しておいてね」
「はい」
私の髪の毛を切り、アリサに渡すと腕輪にそれを入れ込む。
「二日前に説明したけど、粉を被ったらしばらく魔力が放出できなくなるから、そこだけは注意しておいてね」
「存じています」
ここで平隊員の一人から質問。
「アルトラ様、アルトラ邸前ドアは、ホントにカイベルさんだけで良いのでしょうか?」
「まあ、彼女なら問題無いでしょ。それにセントラ家自宅前ドアを封じてしまえば、それと繋がってるアルトラ邸前ドアに流出する人数も少なくできるしね。と言う訳で、こちら側を防衛するみんな、捕縛を頑張ってね」
◇
そして時は過ぎ、時刻は深夜の三時を回った頃――
「……ドアの前に複数人集まって来ました……」
カーテンの隙間からドアを見張っていた隊員が、強盗団がやってきたことを確認。
既に深夜のため、室内灯は消してある。
「……カーデュアルから通信が入るまでは待機。ドアを剥がされてもまだ持ち去られなければ大丈夫だから」
耳を澄ますと強盗団の声が聞こえる。
「……これがお頭が言ってた例のドアか?」
「……へい……別のところに通じる不思議なドアだそうです」
「……こんな良いもんを、新興国ごときが独占してんのか?」
「……何でもこの土地で古代遺跡が発掘されたとかで、そこから出土した魔道具らしいですぜ」
「……なるほどな、持って帰って俺たちで有効利用してやろう。闇オークションで売っ払えば数百億にもなるってぇ話だ。団へ持って帰って売れば晴れて大金持ちってわけだ」
「……ですが、向こう側のドアも盗まねぇと意味がありません。入り口と出口二つで一対ですから」
「……確かにな。じゃあお前らは逆側のドアを剥がして来い、俺たちはこっちを剥がす。町の中心地だ、剥がす時に音を立てるなよ?」
集まって来た強盗団は、入り口と出口二手に分かれて『ゼロ距離ドア』を剥がしにかかる。
キンコンコンッ!
キンキンコンコンッ!!
キンコンコンッ!!!
金槌でノミを叩く甲高い音が鳴り響く。
ドア周りにある岩を削って取り出そうとしているようだが……
「……うわ、うるさいな……あれじゃ何かやってるのバレバレじゃないか……強盗団って馬鹿なの?」
あれだけうるさくしてるってことは、このドアは本命じゃないわけか。
多分、捜査官を引き寄せるための囮と考えてるものだな。
まあ、捜査官と私指揮の部隊で役割が完全に分かれてるから、セントラ家自宅前ドアだけに限って言うなら囮の意味なんて無いけど。
一旦音が止み、また強盗団が話し出す。
「……おい……! うるせぇぞ……! お頭から配られた消音魔道具はどうした……!?」
「あ、忘れてました……」
「……早く使え……! 気付かれちまうっ……!」
何らかの消音魔道具を使ったらしく、『ゼロ距離ドア』の周りが魔力障壁で包まれた。
途端に強盗団の声が聞こえなくなった。
「何かしゃべってるけど分からなくなったわ……」
「私が見ましょう。これでも読唇術を少々かじっています」
ウィンダルシアが団員の口を見て内容を教えてくれた。
「『これで大丈夫なはずでさぁ』、『今ので周りに音が聞こえちまったかもしれねぇし、手早く剥がすぞ』、『こんな真っ暗なんだから周りの住民たちも寝てますよ、きっと』だそうです」
と教えてくれたのも束の間、すぐにまた金槌とノミのぶつかる音。
キンキン……コンッ……
キンキン……コンコンッ……
「これ、消音になってなくない?」
聞こえる音は小さくなったものの、消音とは程遠い。
「どうやら粗悪品の魔道具のようですね。あの魔力障壁の中は普通に金槌の音が鳴り響いてるでしょうし、音が外に漏れてるのに気付いてないのかもしれませんね。頭目は自身の狙ったドア以外、最初から盗むつもりが無いようです。セントラ家自宅前ドアに来た彼らは完全な囮の可能性が高いでしょう」
ドア周りの岩が徐々に壊されているのを見た隊員の一人が、心配になったのか質問してきた。
「アルトラ様、まだ行かなくて大丈夫ですか?」
「カーデュアルからの通信が無いからまだだね」
「そんな悠長なこと言ってると、剥がされて持って行かれるんじゃ?」
「まだ大丈夫だと思う」
ドアは岩にきっちり埋め込んであるから、そうそう簡単には剥がせないし。
そして十分ほどキンコンカンコンやっているのを聞いていると、ようやくにカーデュアルからの通信!
『アルトラ殿! 頭目が現れました! 『麦畑前のドア』です!』
「了解」
それだけ言って通信が切れた。
「じゃあアリサ、今の聞こえたね? 準備は良い?」
「はい」
と答えつつ、腕輪のスイッチを入れて私に変身した。
「相手はあちらに移動してすぐに銀石の粉をかけてくるだろうとフリアマギアさんは予想してる。アリサには悪いけどそれをわざと被って相手を油断させた後に、強盗団の殲滅をお願い。もし粉を使われなかった場合も構わず殲滅に動いて。それから……現場はきっと乱戦になってるんじゃないかと予測できるから不意の攻撃に気を付けて」
「分かりました」
【ゲート】を発動し、アリサだけを町から南に三十キロ離れた『麦畑前のドア』に転送した。
空間の揺らぎはあったが、相手は岩壊すことに夢中で気付いてないようだ。もしくは距離があったから気付かれなかったか。
「よし! じゃあこちらも作戦開始しましょう! 概要を一通り確認する。まずはフレアハルト、レイア、ウィンダルシアが突っ込んで大打撃を与える。平隊員のみんなはその間にドア周りを包囲。その後、散り散りに逃げ惑う強盗団員をそれぞれ捕縛する。気絶は容認。殺しは……なるべくならしないに越したことは無いけど、無理強いはしない。自身の安全第一で考えて。初の大きい任務、みんな頑張って!」
「「「了解!!」」」
通信魔道具に魔力を流してフレアハルトとレイアへ通信。
「今アリサを転送した。じゃあこちらも作戦を開始する」
『ああ、分かった』
『了解しました~』
「カウントダウンで作戦開始。3、2、1、GO!」
潜伏先のドアを勢い良く開け、私とウィンダルシアが飛び出す。
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極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
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因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
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