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第18章 発展のアルトラルサンズとその影編
第529話 vs悪巨人強盗団幹部 その2
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「かかれ!」
オルガナの掛け声と共に、まずトラ獣人と風鳥が動いた。
予想した通りどちらも速度に特化していて素早い。
風鳥の男は風魔法でブーストさせた素早さで私の周りを飛んで撹乱、その上で中距離から鋭い風の刃の魔法を幾度も飛ばしてきたが、同じく風を纏った手刀でかき消す。
その合間にトラ獣人は素早さに合わせて爪で引き裂くように攻撃。
それらを避けていると見せかけつつジリジリと後方に控えた三人に近付く。
私が攻撃に転じる時は、できるだけ全員が攻撃範囲内に入っててもらいたいためだ。そのため急激に近付いて警戒心を与えるより、避けつつ追い詰められて偶然にも前進してしまったと見せかけるのが良い。
「ふんっ! 中々良い目を持ってるじゃないか!」
「だが、いつまで避けてられるかな?」
確かにこの二人の動きはかなり早い。
しかし、七つの大罪を得る前なら目で追うのも大変だったくらいだろうが、女帝蟻の動きを見た今では随分スローに見える。
二人の攻撃を危なげ無く躱しつつ前進すると、思惑通り後方に控えていたパワータイプのオルガナ、恐竜獣人、牛獣人が一斉に攻撃に出て来た。
どうやら周囲の二人が標的の気を逸らさせ、後方に控えたパワータイプが直接的な攻撃をする戦法だったようだが、もうその行動こそが私の思う壺だ。
攻撃を避けつつ、周囲を飛び回っている二人と、進攻してくる三人の動きが合うタイミングを待つ。
そして五人が私の想定する攻撃範囲内に入った瞬間、こちらも攻勢に転じた。
両手に風魔法で空気を溜め、全員が私に近付いたその瞬間に炸裂させる。
パアアァァァァンッ!!
という轟音と共に凄まじい振動が周囲を揺らす。
すると――
「ぐわっ!」
「うっ!!」
――と言ううめき声の後、周囲を高速で飛び回っていたトラ獣人と風鳥はその勢いを殺し切れず高速で落下、あるいは足がもつれて強かに転倒。二人とも地面を削りながら進行した後停止。うつ伏せになったまま動けなくなった。
「うぅ……痛ぇ……何で地面が急に目の前にあるんだ……? 何で俺は寝転がっている?」
「な、何が……起こった?」
パワータイプの三人もそのまま地面に片膝を突き、倒れるのを必死に防ぐ。が、平衡感覚を失ったため、両手を地面に突き立て必死に倒れないように踏ん張る者も。
「何を……した……? う……眩暈が酷い……」
「何だ!? 何も聴こえなくなったぞ!」
私が使ったのは空気を圧縮して作った『空気爆弾』。身体的には少ないダメージで相手を無力化できる。
カイベルのやっていた無酸素戦法も考えたが、あちらは私が下手にやると殺してしまいかねないので空気の爆弾を使った。
全員が耳からの出血。耳を塞ぐ間も無く空気爆弾による衝撃を受けたため、鼓膜に深刻なダメージを与えたようだ。これをするためにフリアマギアさんには予め耳を塞いでおくように言っておいた。
虎だろうが鳥だろうが牛だろうが三半規管は存在する。バランス感覚がある以上ここにダメージを与えてしまえば動くのが難しくなるはずだ。
流石に恐竜の身体構造までは私にはよく分からないが、動けなくなったのを見るとどうやらこの場に居る恐竜獣人にはきちんとダメージを与えられているようだ。
「あなたたちの鼓膜を破壊しました。三半規管にもかなりダメージを与えたと思いますし、回復するまでは満足に動くこともできないでしょう。もっとも……この声も聞こえてないとは思いますが」
「立っていられん……目が回る……」
「気持ち悪い……貴様! 俺たちに何をしたんだ!!」
「俺たちに何をした!」
今説明したのに……聞こえてないから話が通じない。一瞬で耳が聞こえなくなると、こういうように別々のヒトから同じ言葉が出てきたりするのか。
周囲が同じ言葉を吐いたことを認知できないからこういう現象が起こるのかな?
「まあ、回復魔法のあるこの魔界では鼓膜もすぐに回復できるでしょうし、後から治療受けてくださいよ」
この言葉も聞こえてないだろうけど……
動けなくなった四人を【影縛り】で拘束する。
「うわっ! 何だこの黒いのは!?」
「うおっ! 何だこの黒いのは!?」
「くそっ! 何だこの黒いのは!? 放せ!」
「ひぃぃぃ! 何だこの黒いのはぁぁ!? 俺に何するつもりだぁぁ!?」
一瞬で耳が聞こえなくなると、同じようなことを一斉にしゃべるからうるさいな……
あれ? 四人?
オルガナが居ない。
「アルトラァ~……俺はまだ動けるぞ!」
コイツは……私と一回戦っているから危険を直感して一歩引いてたみたいだ。私の攻撃範囲外に逃れてたから動けなくなるほどのダメージが与えられなかったか。
『悪巨人強盗団』に入ってすぐに幹部クラスになっただけある。
が、三半規管へのダメージも与えられているようだし、フラフラするくらいのダメージはあったようだ。
「こ、このまま小娘に舐められたままでは終われん! もう貴様を普通の亜人と同列には考えん! 決死の攻撃で行かせてもらう!」
更に筋力の増強、魔力の高まりを感じる。腕や胸の血管が膨張して浮き出てきた。
そして私へ向かって走り、そのまま右腕を後方へ引き――
「喰らえッ!!」
――その掛け声と共に剛腕から放たれる右ストレート。
どうせダメージは無いからと両手を胸の前にクロスして防御しようとするも、嫌な予感がしたため向かってくる右腕を下から上へ弾き、受け流した。
受け流したソレは上空で
ドオオオォオォォンッッッ!!
というけたたましい音を立てて大爆発。
「な……受け流された……だと……」
あ、危ねぇ……直感を信じて良かった……こんな隠し玉持ってるとは……
こんなところであんな爆発したら、せっかくみんなで一生懸命作った川が岩の瓦礫で塞がるところだった……
炎を使えることを樹の国では隠してたのか……あそこには燃えやすいものばかりだから、あの時には本気を出せてなかったわけね。流石ブルーソーン強盗団のナンバー2だけある。
「くそっ! 今一度!!」
また爆発させては堪らないと、オルガナが第二撃を繰り出す前に急いで接近し、腹へ向かって風魔法で強化した掌底を叩き込んだ。
「ぐ……がっ……うおぉぉぉ!!」
背中側に衝撃が抜ける攻撃だから相当痛いはずだけど……腕を振り回してまだ抵抗しようとしてきた。相当なタフガイだ。
もう一度腹への掌底を喰らわせると、今度こそうめき声を上げながらその場に倒れ込む。
「ふぅ……これでこの場は制圧できたかな」
最後にオルガナを【影縛り】で縛り上げる。
さっき大気の重圧で圧し潰した後ろの方で伸びてる二人は、フリアマギアさんが樹魔法で既に縛ってくれていた。
「お疲れ様でしたアルトラ殿」
「はい、では急いで頭目を追いかけますので、フリアマギアさんは彼らを連行してください」
「後のことをお願いしますね!」
すぐにその場を飛び立つ。
久しぶりに黒い方の羽を出して機動力を上げ、風魔法でブーストして追いかける。
「結構足止めを喰らってしまったな、追いかけて見つけられると良いんだけど……」
フリアマギアさんは、「川沿いを南に逃げた」と言ってたから、とりあえず南に向かって飛んでみよう。
◇
足止めを喰らったから、見つけられなかった……
なんてことは全く無く、少し高度を上げて視野を広げると簡単にそれらしい動く物体を発見。
近寄ってみると巨大なヒト型が走っているのが見えた。
「見つけた!」
黒い羽と風ブーストが功を奏したのか、ものの十分ほどで見付けられた。距離にして三十キロくらい追いかけたようだ。
「でも……身体があまりにも大きいから逃げてるのが丸分かりだわ……これはむしろ見失う方が難しいかもしれない」
『“岩付きの”ゼロ距離ドア』を脇に抱えながら逃げているため、巨人化を解除するわけにはいかなかったんだろう。結果的にそのお蔭で頭目を見付けるのが容易になったと言えよう。
ただ、近付いてみるとその大きさを実感する。今まで遭ったことのある巨人と比べてみてもその比ではなく、身長も五メートルや十メートル程度の大きさではない。もしかしたら某巨大特撮ヒーローくらいの大きさはあるかもしれない。
魔王はこの魔界で最強の存在と云われているが、本当に私は (=魔王は)巨人より強いのだろうか?
身体の大きさだけ考えると、とても勝てるとは思えないような大きさだが……
「さて……」
まずはエールデさんへの報告だ。
頭目に気取られないように飛ぶ速度を落とし、エールデさんに通信を繋げる。
『アルトラ殿、俺に通信ということは頭目を見つけたんですね?』
「はい。今からエールデさんと頭目の二人を強制転移させますので、なるべく早く戦闘の準備をしておいてください」
『了解しました』
「ところで、頭目の名前は何て言うんですか?」
『『タイランテス』と言いますが……なぜ頭目の名前を?』
「走ってる状態で強制転移させると、これだけの巨体ですから周囲に破壊的な影響があるかもしれないので、今から呼び止めて一旦停止させます。そのために名前が必要なのでお聞きしました」
『なるほど』
「では通信を切ります。……プツッ」
よし、じゃあまずは呼び止めよう。
「タイランテス!!」
と名前を叫んでみたものの、全く気付かれない。
そういえば、小さい生物は発声まで小さいとどこかで読んだことがある。実際、以前リディアを小さくした時の声は、凄く聞き取りづらかった。 (第99話)
つまり、巨人にとって私は“小さい生物”でしかないから、私の大声程度の声量では相手に聞き取りにくいのだ。それに付け加え、タイランテスが走ることによって発生する音が巨大なため、実質私の声は全く聞こえてないに等しい。
攻撃を加えて強制的に止めても良いが……それだと何だか卑怯な感じがする。一応魔王がこの魔界で最強の位置付けだし、不意打ちはよしておこう。
ここはあの方法で気付かせるか。
再び空気爆弾を作り、破裂させた。
が、弱すぎて聞こえてないのか立ち止まりすらしない。
「何で気付かないの!? 空気爆弾が小さすぎたか?」
再度、今度はさっきと同じく鼓膜にダメージがある規模の空気爆弾を破裂させた。
「うっ! 何だ!?」
破裂音に怯んだ頭目に対してもう一度名前を叫ぶ。
「タイランテス!!」
「誰だお前!! うるせぇ音出しやがって!」
一応、さっきと同じ規模の空気爆弾だったんだけどな……やっぱり巨人は耐久力も高いのか、三半規管にダメージも行ってないようだ。
「私がアルトラよ!」
「アルトラだぁ~? カーデュアルが言ってたヤツか? 空間魔法は無効化したと報告を受けたが? まさかカーデュアルの野郎……裏切りやがったか……! このドアの競売予想額があまりにも大きいから恐れをなしやがったか?」
頭目は頭から決めつけるタイプか。
カーデュアル、裏切り者にされちゃったね……ご愁傷様……
「もう逃げられないわよ!」
「はぁ? お前のような小虫に何ができるってんだ?」
ムカっ! 人を小虫扱いか!
「あんた、カーデュアルに何聞いてんの? 何とかできるから私がここに居るんでしょうが!」
頭目はちょっと思慮が足らないタイプかもしれない。
腕っぷしで今の地位を築いたってところか。
「なぁ~にぃ~?」
「私がここに居るってことは、もうあなたは逃げられないってことよ! すぐにあなたを強制転移させる!」
「はっ……はははははは!!」
と、突然笑い始めたぞ?
不気味……
という感想が思い浮かんだ直後、目の前の景色が歪み一瞬真っ暗に。次に目を開けた時には物凄く早く動く景色の中に居た。そのまま何かの激突音がし、大量の砂煙が舞い上がる。
「ゴホッゴホッ! な、なに? どういうこと? 空に居たはずなのに何で地面に居るの!?」
周囲を見回すと、自身が川岸の岩場に激突し、大量の砂煙は地面に激突したことにより巻き上がったのだと気付いた。
そして数瞬思考した後、自分がタイランテスの笑い声に唖然としていた瞬間に、不意打ちで叩き落とされたらしいことが分かった。相手の身体が大きすぎて腕がどこから来るのか予想できず、死角から攻撃されたようだ。
「ふんっ! だったら転移魔法を使われる前に排除しちまえば良いってこった! 俺は優しいからな、軽~~く叩いてやったぞ! 運が良けりゃ生きてるかもな! いや、お前ら亜人の貧弱さじゃ、生きてても全身の骨ボッキボキだろうから“運が悪ければ”、か。じゃあな!」
私の生死も確認せず、更に西へと逃げて行くタイランテス。
なるほど、コイツはすぐ手が出るタイプでもあるみたいだな。
『不意打ちは卑怯じゃないか?』なんて考えてた数分前の私に諭してやりたいわ……もし普通の亜人と同じ耐久力なら死んでたところだ。
そっちがその気なら無理矢理停止させてでも転移させてもらう!
「【大地の瘤】!」
大地に魔力を流し、タイランテスの進行方向に、巨体でも躓くくらいの丘を出現させた。
「なにぃぃ!? おおぉぉぉ!!?」
急激にせり出した丘に足を掬われ、『ズゥゥゥウウゥゥン』という轟音を立てながら転倒。
「何だこの丘は!? まさかさっきのアルトラがやったのか!? 叩き落としてやったのにまだ動けるのか!? 普通の亜人ならぐちゃぐちゃになってるくらいの強さで叩いたんだぞ!?」
よし、これでタイランテスの動きが止まった。
次は強制転移だ。
それにしても、この発言から考えるに、コイツ最初から相手が死ぬ可能性のあることなんか考えてもいなかったな? 自分のことを悪いとも思ってない真の邪悪ってヤツか。
「【強制転移】!」
タイランテスを黒い球体に包み込み、――
「うおっ!! なんだこりゃあ!?」
――強制的にアルトレリア平原へと飛ばした。
「そして遠隔でエールデさんを飛ばす、【強制転移】!」
魔力マーキングしておいたエールデさんも同じところに飛ばし、これで向こう側の戦闘の準備は整った。
「ふぅ……相手を転移させるだけの簡単なお仕事だったはずなのに……相手が巨大だと勝手が違うわ……」
あとはエールデさんが何とかしてくれるでしょう。
オルガナの掛け声と共に、まずトラ獣人と風鳥が動いた。
予想した通りどちらも速度に特化していて素早い。
風鳥の男は風魔法でブーストさせた素早さで私の周りを飛んで撹乱、その上で中距離から鋭い風の刃の魔法を幾度も飛ばしてきたが、同じく風を纏った手刀でかき消す。
その合間にトラ獣人は素早さに合わせて爪で引き裂くように攻撃。
それらを避けていると見せかけつつジリジリと後方に控えた三人に近付く。
私が攻撃に転じる時は、できるだけ全員が攻撃範囲内に入っててもらいたいためだ。そのため急激に近付いて警戒心を与えるより、避けつつ追い詰められて偶然にも前進してしまったと見せかけるのが良い。
「ふんっ! 中々良い目を持ってるじゃないか!」
「だが、いつまで避けてられるかな?」
確かにこの二人の動きはかなり早い。
しかし、七つの大罪を得る前なら目で追うのも大変だったくらいだろうが、女帝蟻の動きを見た今では随分スローに見える。
二人の攻撃を危なげ無く躱しつつ前進すると、思惑通り後方に控えていたパワータイプのオルガナ、恐竜獣人、牛獣人が一斉に攻撃に出て来た。
どうやら周囲の二人が標的の気を逸らさせ、後方に控えたパワータイプが直接的な攻撃をする戦法だったようだが、もうその行動こそが私の思う壺だ。
攻撃を避けつつ、周囲を飛び回っている二人と、進攻してくる三人の動きが合うタイミングを待つ。
そして五人が私の想定する攻撃範囲内に入った瞬間、こちらも攻勢に転じた。
両手に風魔法で空気を溜め、全員が私に近付いたその瞬間に炸裂させる。
パアアァァァァンッ!!
という轟音と共に凄まじい振動が周囲を揺らす。
すると――
「ぐわっ!」
「うっ!!」
――と言ううめき声の後、周囲を高速で飛び回っていたトラ獣人と風鳥はその勢いを殺し切れず高速で落下、あるいは足がもつれて強かに転倒。二人とも地面を削りながら進行した後停止。うつ伏せになったまま動けなくなった。
「うぅ……痛ぇ……何で地面が急に目の前にあるんだ……? 何で俺は寝転がっている?」
「な、何が……起こった?」
パワータイプの三人もそのまま地面に片膝を突き、倒れるのを必死に防ぐ。が、平衡感覚を失ったため、両手を地面に突き立て必死に倒れないように踏ん張る者も。
「何を……した……? う……眩暈が酷い……」
「何だ!? 何も聴こえなくなったぞ!」
私が使ったのは空気を圧縮して作った『空気爆弾』。身体的には少ないダメージで相手を無力化できる。
カイベルのやっていた無酸素戦法も考えたが、あちらは私が下手にやると殺してしまいかねないので空気の爆弾を使った。
全員が耳からの出血。耳を塞ぐ間も無く空気爆弾による衝撃を受けたため、鼓膜に深刻なダメージを与えたようだ。これをするためにフリアマギアさんには予め耳を塞いでおくように言っておいた。
虎だろうが鳥だろうが牛だろうが三半規管は存在する。バランス感覚がある以上ここにダメージを与えてしまえば動くのが難しくなるはずだ。
流石に恐竜の身体構造までは私にはよく分からないが、動けなくなったのを見るとどうやらこの場に居る恐竜獣人にはきちんとダメージを与えられているようだ。
「あなたたちの鼓膜を破壊しました。三半規管にもかなりダメージを与えたと思いますし、回復するまでは満足に動くこともできないでしょう。もっとも……この声も聞こえてないとは思いますが」
「立っていられん……目が回る……」
「気持ち悪い……貴様! 俺たちに何をしたんだ!!」
「俺たちに何をした!」
今説明したのに……聞こえてないから話が通じない。一瞬で耳が聞こえなくなると、こういうように別々のヒトから同じ言葉が出てきたりするのか。
周囲が同じ言葉を吐いたことを認知できないからこういう現象が起こるのかな?
「まあ、回復魔法のあるこの魔界では鼓膜もすぐに回復できるでしょうし、後から治療受けてくださいよ」
この言葉も聞こえてないだろうけど……
動けなくなった四人を【影縛り】で拘束する。
「うわっ! 何だこの黒いのは!?」
「うおっ! 何だこの黒いのは!?」
「くそっ! 何だこの黒いのは!? 放せ!」
「ひぃぃぃ! 何だこの黒いのはぁぁ!? 俺に何するつもりだぁぁ!?」
一瞬で耳が聞こえなくなると、同じようなことを一斉にしゃべるからうるさいな……
あれ? 四人?
オルガナが居ない。
「アルトラァ~……俺はまだ動けるぞ!」
コイツは……私と一回戦っているから危険を直感して一歩引いてたみたいだ。私の攻撃範囲外に逃れてたから動けなくなるほどのダメージが与えられなかったか。
『悪巨人強盗団』に入ってすぐに幹部クラスになっただけある。
が、三半規管へのダメージも与えられているようだし、フラフラするくらいのダメージはあったようだ。
「こ、このまま小娘に舐められたままでは終われん! もう貴様を普通の亜人と同列には考えん! 決死の攻撃で行かせてもらう!」
更に筋力の増強、魔力の高まりを感じる。腕や胸の血管が膨張して浮き出てきた。
そして私へ向かって走り、そのまま右腕を後方へ引き――
「喰らえッ!!」
――その掛け声と共に剛腕から放たれる右ストレート。
どうせダメージは無いからと両手を胸の前にクロスして防御しようとするも、嫌な予感がしたため向かってくる右腕を下から上へ弾き、受け流した。
受け流したソレは上空で
ドオオオォオォォンッッッ!!
というけたたましい音を立てて大爆発。
「な……受け流された……だと……」
あ、危ねぇ……直感を信じて良かった……こんな隠し玉持ってるとは……
こんなところであんな爆発したら、せっかくみんなで一生懸命作った川が岩の瓦礫で塞がるところだった……
炎を使えることを樹の国では隠してたのか……あそこには燃えやすいものばかりだから、あの時には本気を出せてなかったわけね。流石ブルーソーン強盗団のナンバー2だけある。
「くそっ! 今一度!!」
また爆発させては堪らないと、オルガナが第二撃を繰り出す前に急いで接近し、腹へ向かって風魔法で強化した掌底を叩き込んだ。
「ぐ……がっ……うおぉぉぉ!!」
背中側に衝撃が抜ける攻撃だから相当痛いはずだけど……腕を振り回してまだ抵抗しようとしてきた。相当なタフガイだ。
もう一度腹への掌底を喰らわせると、今度こそうめき声を上げながらその場に倒れ込む。
「ふぅ……これでこの場は制圧できたかな」
最後にオルガナを【影縛り】で縛り上げる。
さっき大気の重圧で圧し潰した後ろの方で伸びてる二人は、フリアマギアさんが樹魔法で既に縛ってくれていた。
「お疲れ様でしたアルトラ殿」
「はい、では急いで頭目を追いかけますので、フリアマギアさんは彼らを連行してください」
「後のことをお願いしますね!」
すぐにその場を飛び立つ。
久しぶりに黒い方の羽を出して機動力を上げ、風魔法でブーストして追いかける。
「結構足止めを喰らってしまったな、追いかけて見つけられると良いんだけど……」
フリアマギアさんは、「川沿いを南に逃げた」と言ってたから、とりあえず南に向かって飛んでみよう。
◇
足止めを喰らったから、見つけられなかった……
なんてことは全く無く、少し高度を上げて視野を広げると簡単にそれらしい動く物体を発見。
近寄ってみると巨大なヒト型が走っているのが見えた。
「見つけた!」
黒い羽と風ブーストが功を奏したのか、ものの十分ほどで見付けられた。距離にして三十キロくらい追いかけたようだ。
「でも……身体があまりにも大きいから逃げてるのが丸分かりだわ……これはむしろ見失う方が難しいかもしれない」
『“岩付きの”ゼロ距離ドア』を脇に抱えながら逃げているため、巨人化を解除するわけにはいかなかったんだろう。結果的にそのお蔭で頭目を見付けるのが容易になったと言えよう。
ただ、近付いてみるとその大きさを実感する。今まで遭ったことのある巨人と比べてみてもその比ではなく、身長も五メートルや十メートル程度の大きさではない。もしかしたら某巨大特撮ヒーローくらいの大きさはあるかもしれない。
魔王はこの魔界で最強の存在と云われているが、本当に私は (=魔王は)巨人より強いのだろうか?
身体の大きさだけ考えると、とても勝てるとは思えないような大きさだが……
「さて……」
まずはエールデさんへの報告だ。
頭目に気取られないように飛ぶ速度を落とし、エールデさんに通信を繋げる。
『アルトラ殿、俺に通信ということは頭目を見つけたんですね?』
「はい。今からエールデさんと頭目の二人を強制転移させますので、なるべく早く戦闘の準備をしておいてください」
『了解しました』
「ところで、頭目の名前は何て言うんですか?」
『『タイランテス』と言いますが……なぜ頭目の名前を?』
「走ってる状態で強制転移させると、これだけの巨体ですから周囲に破壊的な影響があるかもしれないので、今から呼び止めて一旦停止させます。そのために名前が必要なのでお聞きしました」
『なるほど』
「では通信を切ります。……プツッ」
よし、じゃあまずは呼び止めよう。
「タイランテス!!」
と名前を叫んでみたものの、全く気付かれない。
そういえば、小さい生物は発声まで小さいとどこかで読んだことがある。実際、以前リディアを小さくした時の声は、凄く聞き取りづらかった。 (第99話)
つまり、巨人にとって私は“小さい生物”でしかないから、私の大声程度の声量では相手に聞き取りにくいのだ。それに付け加え、タイランテスが走ることによって発生する音が巨大なため、実質私の声は全く聞こえてないに等しい。
攻撃を加えて強制的に止めても良いが……それだと何だか卑怯な感じがする。一応魔王がこの魔界で最強の位置付けだし、不意打ちはよしておこう。
ここはあの方法で気付かせるか。
再び空気爆弾を作り、破裂させた。
が、弱すぎて聞こえてないのか立ち止まりすらしない。
「何で気付かないの!? 空気爆弾が小さすぎたか?」
再度、今度はさっきと同じく鼓膜にダメージがある規模の空気爆弾を破裂させた。
「うっ! 何だ!?」
破裂音に怯んだ頭目に対してもう一度名前を叫ぶ。
「タイランテス!!」
「誰だお前!! うるせぇ音出しやがって!」
一応、さっきと同じ規模の空気爆弾だったんだけどな……やっぱり巨人は耐久力も高いのか、三半規管にダメージも行ってないようだ。
「私がアルトラよ!」
「アルトラだぁ~? カーデュアルが言ってたヤツか? 空間魔法は無効化したと報告を受けたが? まさかカーデュアルの野郎……裏切りやがったか……! このドアの競売予想額があまりにも大きいから恐れをなしやがったか?」
頭目は頭から決めつけるタイプか。
カーデュアル、裏切り者にされちゃったね……ご愁傷様……
「もう逃げられないわよ!」
「はぁ? お前のような小虫に何ができるってんだ?」
ムカっ! 人を小虫扱いか!
「あんた、カーデュアルに何聞いてんの? 何とかできるから私がここに居るんでしょうが!」
頭目はちょっと思慮が足らないタイプかもしれない。
腕っぷしで今の地位を築いたってところか。
「なぁ~にぃ~?」
「私がここに居るってことは、もうあなたは逃げられないってことよ! すぐにあなたを強制転移させる!」
「はっ……はははははは!!」
と、突然笑い始めたぞ?
不気味……
という感想が思い浮かんだ直後、目の前の景色が歪み一瞬真っ暗に。次に目を開けた時には物凄く早く動く景色の中に居た。そのまま何かの激突音がし、大量の砂煙が舞い上がる。
「ゴホッゴホッ! な、なに? どういうこと? 空に居たはずなのに何で地面に居るの!?」
周囲を見回すと、自身が川岸の岩場に激突し、大量の砂煙は地面に激突したことにより巻き上がったのだと気付いた。
そして数瞬思考した後、自分がタイランテスの笑い声に唖然としていた瞬間に、不意打ちで叩き落とされたらしいことが分かった。相手の身体が大きすぎて腕がどこから来るのか予想できず、死角から攻撃されたようだ。
「ふんっ! だったら転移魔法を使われる前に排除しちまえば良いってこった! 俺は優しいからな、軽~~く叩いてやったぞ! 運が良けりゃ生きてるかもな! いや、お前ら亜人の貧弱さじゃ、生きてても全身の骨ボッキボキだろうから“運が悪ければ”、か。じゃあな!」
私の生死も確認せず、更に西へと逃げて行くタイランテス。
なるほど、コイツはすぐ手が出るタイプでもあるみたいだな。
『不意打ちは卑怯じゃないか?』なんて考えてた数分前の私に諭してやりたいわ……もし普通の亜人と同じ耐久力なら死んでたところだ。
そっちがその気なら無理矢理停止させてでも転移させてもらう!
「【大地の瘤】!」
大地に魔力を流し、タイランテスの進行方向に、巨体でも躓くくらいの丘を出現させた。
「なにぃぃ!? おおぉぉぉ!!?」
急激にせり出した丘に足を掬われ、『ズゥゥゥウウゥゥン』という轟音を立てながら転倒。
「何だこの丘は!? まさかさっきのアルトラがやったのか!? 叩き落としてやったのにまだ動けるのか!? 普通の亜人ならぐちゃぐちゃになってるくらいの強さで叩いたんだぞ!?」
よし、これでタイランテスの動きが止まった。
次は強制転移だ。
それにしても、この発言から考えるに、コイツ最初から相手が死ぬ可能性のあることなんか考えてもいなかったな? 自分のことを悪いとも思ってない真の邪悪ってヤツか。
「【強制転移】!」
タイランテスを黒い球体に包み込み、――
「うおっ!! なんだこりゃあ!?」
――強制的にアルトレリア平原へと飛ばした。
「そして遠隔でエールデさんを飛ばす、【強制転移】!」
魔力マーキングしておいたエールデさんも同じところに飛ばし、これで向こう側の戦闘の準備は整った。
「ふぅ……相手を転移させるだけの簡単なお仕事だったはずなのに……相手が巨大だと勝手が違うわ……」
あとはエールデさんが何とかしてくれるでしょう。
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この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。
この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。
かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。
※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!)
※1話当たり、1200~2000文字前後です。
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昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
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そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
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