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第19章 土の国ヒュプノベルフェ探訪・アルトラの解呪編
第543話 土の国へ出発
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そして来る十一月三十日……の深夜五時――
「みんなおはよう!」
「皆様、おはようございます」
集合場所で待っていた私とカイベルのところに同行者が集まって来る。
「ふわぁぁぁ……何でこんな朝早いんスかぁ~……?」
寝ぼけ眼で目を擦りつつ集合場所に訪れたナナトス。
「全くだ……護衛という依頼を受けたから付き合うが、こんなに早い時間じゃなくて良かろう?」
フレアハルトが愚痴をこぼす。護衛もなんでも屋稼業の一環らしく文句は言うが拒否はしないらしい。
「ま、まあ皆さん、早めに行かないとヒトでごった返しますので……最初のクジに到達するだけでもかなりの時間を要しますから」
土の国大使館にリーヴァントから連絡が行ったらしく、案内役として職員のタナカリュウイチさんを付けてくれた。
「そう言えば今まで気にしたことなかったですけど、冥球って時差が無いんですか? 確かアルトレリアから土の国って経度で考えると、九十度近く西にありますよね? ってことは六時間くらい違ってるはずですけど……あちらは今二十三時頃なのでは?」
同じ時差がある星出身のタナカさんに訊ねてみる。
「冥球に時差はありません。太陽が無いのでそういう概念自体の発想が無かったのでしょう。アルトレリアが五時を過ぎた辺りですからあちらも同じ時間です。冥球全体で全く同じ時間で動いています」
「そ、そうなんですか」
それは何だか不思議な感覚だなぁ……
「太陽が存在しないとは言え流石に二十四時間休み無しに活動することはできないので、活動するための時間帯はおおよそ決まっていて、ヒトによって差はありますが大体六時から八時付近に活動が始まり、二十二時から二十四時くらいにその日のほとんどの活動が終わるという感じですね。活動時間外は電灯や灯りは消されたり、幕などで遮って薄められたりして、地球で言うところの『夜』と同じような静寂の時間帯になります」
「へぇ~」
だとすると、もし空にある闇の帳が取り払われ、本物の太陽が復活するようなことがあれば大混乱必至だね……
「ところでフレアハルト、アリサとレイアは今日は居ないの?」
「あやつらは別の仕事だ。今回は大した危険も無さそうとのリーヴァントの判断で我だけ同行する」
「あれ? もしかして……今回って重装備はいらないッスか?」
ナナトスがタナカさんがスーツ姿でいるのを見て何かを察したらしい。
樹の国出発時の無計画さとは違って、今回は用意周到に色々用意したようだ。パンパンのリュックを背負って来ていた。
「せっかく臨時収入が入ったんで奮発して色々買ったんスけど……」
早速あのお金を使ったわけね。
「何入ってるの?」
「え~と、遭難しても大丈夫なように食い物が多いッスね。あとナイフと寝袋と虫避け水、火は……まあ俺ッチ火魔法使えるんで道具は要らないッスけど、あと雨降られた時用に傘とか懐中電灯とかタオルにハンカチに……それと一回だけ使える宿泊小屋を作ってくれる魔道具ッス」
「そんなのあるの?」
ケースに入った種のような魔道具を見せてくれた。
「ロク兄が所属している生態調査部が樹の国の商人から買い受けたものらしいッスよ。四粒入りで、何やら樹魔法を利用して出来てるらしくて、土に植えると数日だけ建っててくれる木の小屋が作られるそうッス。遭難用にロク兄が一個持たせてくれたッス」
「即席の小屋が作られるの? 凄いねソレ!」
種の状態ならかさ張らないし、地球でそんな魔道具あったら登山者とかキャンパーには爆売れかもしれない。
「あ、でも注意しないといけないのは、寒いところでは小屋が出来ないそうッス。零下だと芽が出ないとか」
残念、エベレストのような高山では意味を為さないようだ……
「何で四粒入り?」
「一粒で一週間持つと想定して、一ヶ月分だそうッス。流石に一ヶ月あれば遭難しても見つけてもらえるんじゃないかって想定とか」
「へぇ~、なるほど、よく考えられた想定だわ。でも――」
せっかく用意したサバイバルグッズだけど……
「――明日帰って来る予定だし遭難の心配は無いから、今回は出番が無いかな」
「どれが要らないッスか?」
「私とカイベルが居る以上は全部要らないね。雨も少ない国らしいし傘も良いかな」
よく見ると格好も樹の国で買った森歩き用の危険を想定した服で、厚底靴を履いてるわ。
「えぇ~……せっかく用意したッスのに……」
「リュック預かっておこうか? もう家に帰って置いてくる時間は無いし」
「お願いするッス……」
リュックを受け取って【亜空間収納ポケット】に突っ込もうとしたところ――
「あ、タオルやハンカチなど拭くものはあっても良いと思います」
――と、タナカさん。
「お国柄、土埃の多い国ですので服に付いた砂や埃を払うのに使ったり、水魔法も用いれば手や肌を拭くのに役立ちますから」
「ハンカチくらいは持って来た方が良かったか……」
独り言をこぼしたところ――
「どうぞ」
――と横からハンカチが出て来た。
「お? ありがとう」
流石カイベル用意が良い!
「準備はよろしいでしょうか?」
「あ、もう一人同行者が居るので待ってください」
「おう、集まってるな!」
フィンツさんがやってきた。
私が土の国に行くと聞きつけ、フィンツさんも同行することになっていた。
手には、誰かへの手土産なのかゴトスのスイーツ店の包みを持っている。
「フィンツさんも刀見に行くんスか? 刃物作る参考にするとか?」
確かに名工と呼ばれる刀鍛冶の打った刀なら、フィンツさんが優れたドワーフの職人と言えど参考になるのかもしれない。
「いや、一度見たことがあるが、あの刀は刃物作りの参考にはならんよ」
「どういうことッスか?」
「『祓魔の鉄』は全く斬れない刀だから刃物とは言えない。造形的な美しさはあるものの、呪いを断つためだけに作られているから切れ味は必要無かったんだろう」
へぇ~、そうなのか。模造刀みたいなもんか。
名工村正の作った『斬れない刀』……か。
「じゃあ何で行くんスか?」
「三ヶ月くらい前から姪っ子の体調が悪いらしくてな、その見舞いだ」
手土産を掲げながら答えた。
「土の国の姪っ子? お主は水の国出身ではないのか?」
「妹が土の国に嫁に行ったんだ。二十五年くらい前になぜか高位貴族に見初められてしまってな」
「「「 貴族!? 」」」
予想外の返答に私、ナナトス、フレアハルトが驚く。
「フィンツさんに貴族は似合わないッス」
「俺じゃなくて妹だ! にしても失礼なヤツだな」
顔を見合わせてニヤリと笑う二人。
「相手もドワーフなのか?」
「いや、由緒ある獣人の家系だそうだ。完全な人型へ変身できるタイプだから、見た目には獣人と分からんだろうな。獣耳や尻尾も見えてはいなかった」
完全な人型になれる獣人って存在するのか。
今まで私が会った人型の獣人は、人の形をしていても獣耳や尻尾が隠せてないことが多かった。
ってことは姪っ子さんはドワーフと獣人のハーフってことなんだろうか?
差別的な表現になってしまうかもしれないが、由緒ある獣人の家系なのに相手がドワーフでも良いのだろうか?
『由緒ある家柄』となると血筋には厳しいイメージがあるのだが……
多種族が暮らすこの冥球では些細なことなのかしら?
「相手獣人なんスよね? 何でドワーフの妹さんを?」
お! さすがナナトス! 私が聞き難いことを平然と聞いてくれるッ そこにシビれる! あこがれれるゥ!
「完全人型の獣人はその形態を維持するために、何代かに一人人型の亜人と婚姻を結ぶ風習があるそうだ。その風習をやめると獣性が濃くなって完全人型は維持できなくなるとか」
「へぇ~、そうなんスか」
獣性が濃くなる……獣人同士の婚姻を繰り返すと獣型の獣人に寄っていっちゃうってことかしら?
それって何が悪いの? 知能が低下したりとか? まあこんなこと表だって聞けないけど。
「完全人型を維持できぬと何の不都合があるのだ?」
「詳しくは知らんが……完全人型は獣人の中でも能力的に図抜けているらしい。知能にしても、筋力にしても、体力にしても。つまりそれが維持できないとなると……」
「家の衰退にも繋がってしまうわけですね」
「まあ大きく言えばそうなるな」
私が聞き難かったことも出て来たし、もう少し突っ込んで聞いてみるか。
「ってことは獣人同士の婚姻を繰り返すと最終的には獣になるんですか?」
「そんなことないぞ。普通は同じ種族の獣人同士で結婚するものだしな。あくまで“完全人型獣人”に限って言えばといったところだろう」
「なるほど」
流石に一度獣人にまで進化したのに、再び獣に戻るなんてことはないか。
と言うか、亜人と獣人って子供が出来るんだな……片や亜人で、片や獣人とカテゴリーが違うイメージがあるから生態も全然別かと思ってた。ということは、獣人って広い意味では亜人にカテゴライズされるのかしら?
「由緒ある家柄なのに、結婚相手の血筋などは考えんのか? お主の妹は貴族ではないのだろう?」
お! さすがフレアハルト! 私が聞き難いことを平然と聞いて (以下略)
「まあ……俺たちの先祖は魔王も排出している高位貴族の出だから、血筋的にも問題無かったんだろう」
「「「 えっ!? 貴族!? フィンツさんが!? 」」」
またもや三人が驚き、しかも言動が完全にユニゾンする。
「やっぱりフィンツさんも貴族なんスか!?」
「『元』な。驚き過ぎだろ。ご先祖が土の国に居た時の話だし、もう数百年も前の話だ。今は貴族でも何でもない」
私を含めてだと思うが、二人は『フィンツさんに貴族は似合わない』と目で物語っている。
「一族から魔王を輩出すると高位貴族の仲間入りなんですか?」
「そうだな。そこから魔王が三代交代するくらいの期間は貴族として扱われるらしい」
「貴族扱いされなくなることがあるんですか?」
「地球は違うのか?」
「地球で貴族じゃなくなることなんてそんなにはありません。貴族でなくなるケースとしては、犯罪や国家反逆に加担するとか、継承者が途絶えることくらいですよ。あとは珍しいところでは自分で放棄するとか、制度そのものが無くなるとか」
日本の華族制度なんかは制度そのものが無くなったケースだったはず。
地球の貴族制度とは大分違うな。寿命が長い種族が多いからとか?
「じゃあ貴族になったら、その後ずっと貴族なのか?」
「私の記憶では時代の移り変わりで貴族じゃなくなるなんてことは無かったと思います。まあ滅ぼされたりすれば別ですけど」
「へぇ~、そりゃ何と言うか……優しい制度だな。魔界では政治、芸術、武芸、経営、戦争なんかで何らかの実績・功績を残せなければ貴族から外れていく……というのは水の国の話だが、多分どこの国も似たような制度だと思う」
ってことは由緒ある貴族の家柄のリナさんの家とかはずっと何らかの実績を残し続けているってるってことなのか。
「へぇ~、じゃあ魔王を輩出した家の貴族位って何になるんですか? やっぱり公爵?」
地球では、確か『公爵』という爵位は王族出身だというのを聞いた気がする。
つまり魔王の近縁者だから公爵だろう。
「公爵? 何だそりゃ?」
「爵位って無いんですか? 公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵みたいな」
「さ、さあ? 聞き覚えは無いな。地球ではそうなのか?」
高位貴族って言うくらいだから、公爵とか侯爵に据えられるのかと思ったけど……
確か生前読んだ本に、〇〇の悪魔が地獄の子爵だとか、地獄の侯爵だとか、地獄の大公だとか書いてあったが、あれは正確ではなかったのかしら?
「他の国は知らんが、水の国では第一階級、第二階級、第三階級で表されるな。ただ、魔王になった者に近縁の者、例えば両親とか兄弟姉妹は第一階級より更に上の特権階級に置かれる。その後魔王が代替わりするごとに第二階級、第三階級と下がる感じだな。貴族を外れても功績を残せれば第三階級の貴族位を授かることがある」
なるほど、だから魔王が三代変わるくらいに貴族から外れるわけか。
「特権階級ってのに強権的な発言力はあるんですか?」
「あるぞ。何せ一応第一階級より上だからな。大抵は与えられる特権だけ享受して口を出さないが、特権階級になって勘違いしたのか、政治方面にも口を出し始めてガラッと政治が変わることもあるようだ。突然バカみたいなことやり出す国や政府もあるようだし」
そりゃ政治に関わってこなかったヒトがそういうポジションに着けばそうなるよね……
「まあそういうヤツらは貴族位剥奪されたり、暗殺されたり、碌なの末路を辿らないがな」
まあ、国を揺るがすような政治をすれば普通はそういう対応するよね……
「ちなみに実力だけでなれるのは第二階級までだそうだ。第一階級はトップクラスの能力がある者が多いが、国を動かしてるのは大体が第二階級のヤツらだ」
「じゃあ、第一階級ってどうやってなるんですか?」
「時の魔王の指名だな。それ以外ではいくら功績を積んでもなれない。つまり嫌われれば第一階級はほぼ絶望的だ。側近辺りは第一階級と考えて良いだろう」
「へぇ~、そうなんですか」
ってことは第一階級は極端に少ないってことなのかな?
水の国ならサリーさんや、ルイスさんのような空間魔術師は第一階級の可能性が高いな。
空間魔術師として見いだされると国での囲い込みがされるから、見出された時点で自動的に第二階級以上になるってことかな? やっぱりお貴族様なんだな。
「ちょっと疑問なんですけど、貴族位を貰った人物から三代とかじゃないんですか? 例えば『孫まで貴族でその後は貴族じゃなくなる』みたいな」
「それだと寿命の違いで大きく公平性を損なうからな。長寿命の種族だと三代変わるまでに長い年月がかかる。千年生きる種族だと三百年ごとに子をなしていたとしたら千六百年くらい貴族でい続けられるってことだぞ?」
「そ、そう考えると、確かに……」
「貴族特権は多少なりとも存在するから、魔王の代替わりで功績の残せなかった者は外れるということにしてあるんだろう。まあそれでも早く死ぬ魔王もいるし、三百年魔王やってるのもいるから、どうしても不公平な部分は出てしまうんだがな。それはまあ特例とかそういうので調整するんだろう。例えば『早く代替わりしたら特例として次の魔王にも貴族位を引き継ぐ』だとか、『魔王でいる期間が長いから何十年かごとに貴族位を下げていく』だとか」
「そういうのがあるんですか?」
「いや、あるか無いかは知らん。例えばの話だ。魔王周辺の話なんてトンと縁が無いから詳しくは知らんよ」
「ああ、例えばの特例ってことですか。確かにそういうので調整するのはありそうですよね。魔界の貴族制度面白いですね」
「そうか? あまり深く考えたことは無かったが。俺じゃそれ以上詳しく知らんから、ヘパイトスに聞いてみたら良いんじゃないか? あのヒトは若い頃からずっと第二階級だから」
「え!? そうだったんですか!?」
ヘパイトスさんって貴族だったのね……
『魔王を輩出すると貴族の仲間入り』するってなると、『次はヤツを魔王に据えよう、フッフッフッフ……』とかそういう陰謀めいたものは無いのだろうか?
……
…………
………………
…………考えてみれば決定権は大罪側にあるからそういう悪巧みは難しいのか。誰が継承するかはその場のランダムだし、継承するにも前代の魔王が死ぬ場面に居合わせないといけないわけだし。
ただ、土の国の魔王に限っては、七つの大罪の中で唯一指名できるって話だし陰謀めいたことが無いとも言い切れないが……
「まあ俺たちの場合は数百年前に水の国に移り住んでるから実質土の国とはほぼ関係が無い」
「たまたま水の国で見初めたのがお主の妹で、調べてみれば元魔王の血筋だったというわけか」
「まあそういうことだな」
「こんな髭オヤジのどこが良いんスかね~?」
「妹に髭無いしな。背は低いが身内のひいき目で見ても美人だ」
「どういう経緯で見初められたのだ?」
「ああ、相手が水の国へ大使として赴任している時にちょっとな。もうこの話は良いだろ、遅くなっちまうぞ」
確かフィンツさんって現在百歳くらいだったよな~。二十五年くらい前って言うと……七十代の頃か。妹は少し下くらいと考えるとドワーフの年齢は人間換算で三分の一くらいだから……二十歳から二十五歳くらいに相当するのかしら? 若いな~。
「では時間も押してますし参りましょうか。アルトラさん、土の国には行ったことがあると聞き及んでおりますが、大丈夫ですか?」
「はい、問題ありません」
土の国の第二首都へは大使館関連のことで過去に一度行ったことがある。 (第372話参照)
「では第二首都への空間転移をお願いします」
「どの辺り行きますか? 第一首都付近? それとも街の外壁近くですか?」
「外壁近くの馬車ターミナルへ行けますか?」
「分かりました」
【ゲート】で第二首都へと転移した。
「みんなおはよう!」
「皆様、おはようございます」
集合場所で待っていた私とカイベルのところに同行者が集まって来る。
「ふわぁぁぁ……何でこんな朝早いんスかぁ~……?」
寝ぼけ眼で目を擦りつつ集合場所に訪れたナナトス。
「全くだ……護衛という依頼を受けたから付き合うが、こんなに早い時間じゃなくて良かろう?」
フレアハルトが愚痴をこぼす。護衛もなんでも屋稼業の一環らしく文句は言うが拒否はしないらしい。
「ま、まあ皆さん、早めに行かないとヒトでごった返しますので……最初のクジに到達するだけでもかなりの時間を要しますから」
土の国大使館にリーヴァントから連絡が行ったらしく、案内役として職員のタナカリュウイチさんを付けてくれた。
「そう言えば今まで気にしたことなかったですけど、冥球って時差が無いんですか? 確かアルトレリアから土の国って経度で考えると、九十度近く西にありますよね? ってことは六時間くらい違ってるはずですけど……あちらは今二十三時頃なのでは?」
同じ時差がある星出身のタナカさんに訊ねてみる。
「冥球に時差はありません。太陽が無いのでそういう概念自体の発想が無かったのでしょう。アルトレリアが五時を過ぎた辺りですからあちらも同じ時間です。冥球全体で全く同じ時間で動いています」
「そ、そうなんですか」
それは何だか不思議な感覚だなぁ……
「太陽が存在しないとは言え流石に二十四時間休み無しに活動することはできないので、活動するための時間帯はおおよそ決まっていて、ヒトによって差はありますが大体六時から八時付近に活動が始まり、二十二時から二十四時くらいにその日のほとんどの活動が終わるという感じですね。活動時間外は電灯や灯りは消されたり、幕などで遮って薄められたりして、地球で言うところの『夜』と同じような静寂の時間帯になります」
「へぇ~」
だとすると、もし空にある闇の帳が取り払われ、本物の太陽が復活するようなことがあれば大混乱必至だね……
「ところでフレアハルト、アリサとレイアは今日は居ないの?」
「あやつらは別の仕事だ。今回は大した危険も無さそうとのリーヴァントの判断で我だけ同行する」
「あれ? もしかして……今回って重装備はいらないッスか?」
ナナトスがタナカさんがスーツ姿でいるのを見て何かを察したらしい。
樹の国出発時の無計画さとは違って、今回は用意周到に色々用意したようだ。パンパンのリュックを背負って来ていた。
「せっかく臨時収入が入ったんで奮発して色々買ったんスけど……」
早速あのお金を使ったわけね。
「何入ってるの?」
「え~と、遭難しても大丈夫なように食い物が多いッスね。あとナイフと寝袋と虫避け水、火は……まあ俺ッチ火魔法使えるんで道具は要らないッスけど、あと雨降られた時用に傘とか懐中電灯とかタオルにハンカチに……それと一回だけ使える宿泊小屋を作ってくれる魔道具ッス」
「そんなのあるの?」
ケースに入った種のような魔道具を見せてくれた。
「ロク兄が所属している生態調査部が樹の国の商人から買い受けたものらしいッスよ。四粒入りで、何やら樹魔法を利用して出来てるらしくて、土に植えると数日だけ建っててくれる木の小屋が作られるそうッス。遭難用にロク兄が一個持たせてくれたッス」
「即席の小屋が作られるの? 凄いねソレ!」
種の状態ならかさ張らないし、地球でそんな魔道具あったら登山者とかキャンパーには爆売れかもしれない。
「あ、でも注意しないといけないのは、寒いところでは小屋が出来ないそうッス。零下だと芽が出ないとか」
残念、エベレストのような高山では意味を為さないようだ……
「何で四粒入り?」
「一粒で一週間持つと想定して、一ヶ月分だそうッス。流石に一ヶ月あれば遭難しても見つけてもらえるんじゃないかって想定とか」
「へぇ~、なるほど、よく考えられた想定だわ。でも――」
せっかく用意したサバイバルグッズだけど……
「――明日帰って来る予定だし遭難の心配は無いから、今回は出番が無いかな」
「どれが要らないッスか?」
「私とカイベルが居る以上は全部要らないね。雨も少ない国らしいし傘も良いかな」
よく見ると格好も樹の国で買った森歩き用の危険を想定した服で、厚底靴を履いてるわ。
「えぇ~……せっかく用意したッスのに……」
「リュック預かっておこうか? もう家に帰って置いてくる時間は無いし」
「お願いするッス……」
リュックを受け取って【亜空間収納ポケット】に突っ込もうとしたところ――
「あ、タオルやハンカチなど拭くものはあっても良いと思います」
――と、タナカさん。
「お国柄、土埃の多い国ですので服に付いた砂や埃を払うのに使ったり、水魔法も用いれば手や肌を拭くのに役立ちますから」
「ハンカチくらいは持って来た方が良かったか……」
独り言をこぼしたところ――
「どうぞ」
――と横からハンカチが出て来た。
「お? ありがとう」
流石カイベル用意が良い!
「準備はよろしいでしょうか?」
「あ、もう一人同行者が居るので待ってください」
「おう、集まってるな!」
フィンツさんがやってきた。
私が土の国に行くと聞きつけ、フィンツさんも同行することになっていた。
手には、誰かへの手土産なのかゴトスのスイーツ店の包みを持っている。
「フィンツさんも刀見に行くんスか? 刃物作る参考にするとか?」
確かに名工と呼ばれる刀鍛冶の打った刀なら、フィンツさんが優れたドワーフの職人と言えど参考になるのかもしれない。
「いや、一度見たことがあるが、あの刀は刃物作りの参考にはならんよ」
「どういうことッスか?」
「『祓魔の鉄』は全く斬れない刀だから刃物とは言えない。造形的な美しさはあるものの、呪いを断つためだけに作られているから切れ味は必要無かったんだろう」
へぇ~、そうなのか。模造刀みたいなもんか。
名工村正の作った『斬れない刀』……か。
「じゃあ何で行くんスか?」
「三ヶ月くらい前から姪っ子の体調が悪いらしくてな、その見舞いだ」
手土産を掲げながら答えた。
「土の国の姪っ子? お主は水の国出身ではないのか?」
「妹が土の国に嫁に行ったんだ。二十五年くらい前になぜか高位貴族に見初められてしまってな」
「「「 貴族!? 」」」
予想外の返答に私、ナナトス、フレアハルトが驚く。
「フィンツさんに貴族は似合わないッス」
「俺じゃなくて妹だ! にしても失礼なヤツだな」
顔を見合わせてニヤリと笑う二人。
「相手もドワーフなのか?」
「いや、由緒ある獣人の家系だそうだ。完全な人型へ変身できるタイプだから、見た目には獣人と分からんだろうな。獣耳や尻尾も見えてはいなかった」
完全な人型になれる獣人って存在するのか。
今まで私が会った人型の獣人は、人の形をしていても獣耳や尻尾が隠せてないことが多かった。
ってことは姪っ子さんはドワーフと獣人のハーフってことなんだろうか?
差別的な表現になってしまうかもしれないが、由緒ある獣人の家系なのに相手がドワーフでも良いのだろうか?
『由緒ある家柄』となると血筋には厳しいイメージがあるのだが……
多種族が暮らすこの冥球では些細なことなのかしら?
「相手獣人なんスよね? 何でドワーフの妹さんを?」
お! さすがナナトス! 私が聞き難いことを平然と聞いてくれるッ そこにシビれる! あこがれれるゥ!
「完全人型の獣人はその形態を維持するために、何代かに一人人型の亜人と婚姻を結ぶ風習があるそうだ。その風習をやめると獣性が濃くなって完全人型は維持できなくなるとか」
「へぇ~、そうなんスか」
獣性が濃くなる……獣人同士の婚姻を繰り返すと獣型の獣人に寄っていっちゃうってことかしら?
それって何が悪いの? 知能が低下したりとか? まあこんなこと表だって聞けないけど。
「完全人型を維持できぬと何の不都合があるのだ?」
「詳しくは知らんが……完全人型は獣人の中でも能力的に図抜けているらしい。知能にしても、筋力にしても、体力にしても。つまりそれが維持できないとなると……」
「家の衰退にも繋がってしまうわけですね」
「まあ大きく言えばそうなるな」
私が聞き難かったことも出て来たし、もう少し突っ込んで聞いてみるか。
「ってことは獣人同士の婚姻を繰り返すと最終的には獣になるんですか?」
「そんなことないぞ。普通は同じ種族の獣人同士で結婚するものだしな。あくまで“完全人型獣人”に限って言えばといったところだろう」
「なるほど」
流石に一度獣人にまで進化したのに、再び獣に戻るなんてことはないか。
と言うか、亜人と獣人って子供が出来るんだな……片や亜人で、片や獣人とカテゴリーが違うイメージがあるから生態も全然別かと思ってた。ということは、獣人って広い意味では亜人にカテゴライズされるのかしら?
「由緒ある家柄なのに、結婚相手の血筋などは考えんのか? お主の妹は貴族ではないのだろう?」
お! さすがフレアハルト! 私が聞き難いことを平然と聞いて (以下略)
「まあ……俺たちの先祖は魔王も排出している高位貴族の出だから、血筋的にも問題無かったんだろう」
「「「 えっ!? 貴族!? フィンツさんが!? 」」」
またもや三人が驚き、しかも言動が完全にユニゾンする。
「やっぱりフィンツさんも貴族なんスか!?」
「『元』な。驚き過ぎだろ。ご先祖が土の国に居た時の話だし、もう数百年も前の話だ。今は貴族でも何でもない」
私を含めてだと思うが、二人は『フィンツさんに貴族は似合わない』と目で物語っている。
「一族から魔王を輩出すると高位貴族の仲間入りなんですか?」
「そうだな。そこから魔王が三代交代するくらいの期間は貴族として扱われるらしい」
「貴族扱いされなくなることがあるんですか?」
「地球は違うのか?」
「地球で貴族じゃなくなることなんてそんなにはありません。貴族でなくなるケースとしては、犯罪や国家反逆に加担するとか、継承者が途絶えることくらいですよ。あとは珍しいところでは自分で放棄するとか、制度そのものが無くなるとか」
日本の華族制度なんかは制度そのものが無くなったケースだったはず。
地球の貴族制度とは大分違うな。寿命が長い種族が多いからとか?
「じゃあ貴族になったら、その後ずっと貴族なのか?」
「私の記憶では時代の移り変わりで貴族じゃなくなるなんてことは無かったと思います。まあ滅ぼされたりすれば別ですけど」
「へぇ~、そりゃ何と言うか……優しい制度だな。魔界では政治、芸術、武芸、経営、戦争なんかで何らかの実績・功績を残せなければ貴族から外れていく……というのは水の国の話だが、多分どこの国も似たような制度だと思う」
ってことは由緒ある貴族の家柄のリナさんの家とかはずっと何らかの実績を残し続けているってるってことなのか。
「へぇ~、じゃあ魔王を輩出した家の貴族位って何になるんですか? やっぱり公爵?」
地球では、確か『公爵』という爵位は王族出身だというのを聞いた気がする。
つまり魔王の近縁者だから公爵だろう。
「公爵? 何だそりゃ?」
「爵位って無いんですか? 公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵みたいな」
「さ、さあ? 聞き覚えは無いな。地球ではそうなのか?」
高位貴族って言うくらいだから、公爵とか侯爵に据えられるのかと思ったけど……
確か生前読んだ本に、〇〇の悪魔が地獄の子爵だとか、地獄の侯爵だとか、地獄の大公だとか書いてあったが、あれは正確ではなかったのかしら?
「他の国は知らんが、水の国では第一階級、第二階級、第三階級で表されるな。ただ、魔王になった者に近縁の者、例えば両親とか兄弟姉妹は第一階級より更に上の特権階級に置かれる。その後魔王が代替わりするごとに第二階級、第三階級と下がる感じだな。貴族を外れても功績を残せれば第三階級の貴族位を授かることがある」
なるほど、だから魔王が三代変わるくらいに貴族から外れるわけか。
「特権階級ってのに強権的な発言力はあるんですか?」
「あるぞ。何せ一応第一階級より上だからな。大抵は与えられる特権だけ享受して口を出さないが、特権階級になって勘違いしたのか、政治方面にも口を出し始めてガラッと政治が変わることもあるようだ。突然バカみたいなことやり出す国や政府もあるようだし」
そりゃ政治に関わってこなかったヒトがそういうポジションに着けばそうなるよね……
「まあそういうヤツらは貴族位剥奪されたり、暗殺されたり、碌なの末路を辿らないがな」
まあ、国を揺るがすような政治をすれば普通はそういう対応するよね……
「ちなみに実力だけでなれるのは第二階級までだそうだ。第一階級はトップクラスの能力がある者が多いが、国を動かしてるのは大体が第二階級のヤツらだ」
「じゃあ、第一階級ってどうやってなるんですか?」
「時の魔王の指名だな。それ以外ではいくら功績を積んでもなれない。つまり嫌われれば第一階級はほぼ絶望的だ。側近辺りは第一階級と考えて良いだろう」
「へぇ~、そうなんですか」
ってことは第一階級は極端に少ないってことなのかな?
水の国ならサリーさんや、ルイスさんのような空間魔術師は第一階級の可能性が高いな。
空間魔術師として見いだされると国での囲い込みがされるから、見出された時点で自動的に第二階級以上になるってことかな? やっぱりお貴族様なんだな。
「ちょっと疑問なんですけど、貴族位を貰った人物から三代とかじゃないんですか? 例えば『孫まで貴族でその後は貴族じゃなくなる』みたいな」
「それだと寿命の違いで大きく公平性を損なうからな。長寿命の種族だと三代変わるまでに長い年月がかかる。千年生きる種族だと三百年ごとに子をなしていたとしたら千六百年くらい貴族でい続けられるってことだぞ?」
「そ、そう考えると、確かに……」
「貴族特権は多少なりとも存在するから、魔王の代替わりで功績の残せなかった者は外れるということにしてあるんだろう。まあそれでも早く死ぬ魔王もいるし、三百年魔王やってるのもいるから、どうしても不公平な部分は出てしまうんだがな。それはまあ特例とかそういうので調整するんだろう。例えば『早く代替わりしたら特例として次の魔王にも貴族位を引き継ぐ』だとか、『魔王でいる期間が長いから何十年かごとに貴族位を下げていく』だとか」
「そういうのがあるんですか?」
「いや、あるか無いかは知らん。例えばの話だ。魔王周辺の話なんてトンと縁が無いから詳しくは知らんよ」
「ああ、例えばの特例ってことですか。確かにそういうので調整するのはありそうですよね。魔界の貴族制度面白いですね」
「そうか? あまり深く考えたことは無かったが。俺じゃそれ以上詳しく知らんから、ヘパイトスに聞いてみたら良いんじゃないか? あのヒトは若い頃からずっと第二階級だから」
「え!? そうだったんですか!?」
ヘパイトスさんって貴族だったのね……
『魔王を輩出すると貴族の仲間入り』するってなると、『次はヤツを魔王に据えよう、フッフッフッフ……』とかそういう陰謀めいたものは無いのだろうか?
……
…………
………………
…………考えてみれば決定権は大罪側にあるからそういう悪巧みは難しいのか。誰が継承するかはその場のランダムだし、継承するにも前代の魔王が死ぬ場面に居合わせないといけないわけだし。
ただ、土の国の魔王に限っては、七つの大罪の中で唯一指名できるって話だし陰謀めいたことが無いとも言い切れないが……
「まあ俺たちの場合は数百年前に水の国に移り住んでるから実質土の国とはほぼ関係が無い」
「たまたま水の国で見初めたのがお主の妹で、調べてみれば元魔王の血筋だったというわけか」
「まあそういうことだな」
「こんな髭オヤジのどこが良いんスかね~?」
「妹に髭無いしな。背は低いが身内のひいき目で見ても美人だ」
「どういう経緯で見初められたのだ?」
「ああ、相手が水の国へ大使として赴任している時にちょっとな。もうこの話は良いだろ、遅くなっちまうぞ」
確かフィンツさんって現在百歳くらいだったよな~。二十五年くらい前って言うと……七十代の頃か。妹は少し下くらいと考えるとドワーフの年齢は人間換算で三分の一くらいだから……二十歳から二十五歳くらいに相当するのかしら? 若いな~。
「では時間も押してますし参りましょうか。アルトラさん、土の国には行ったことがあると聞き及んでおりますが、大丈夫ですか?」
「はい、問題ありません」
土の国の第二首都へは大使館関連のことで過去に一度行ったことがある。 (第372話参照)
「では第二首都への空間転移をお願いします」
「どの辺り行きますか? 第一首都付近? それとも街の外壁近くですか?」
「外壁近くの馬車ターミナルへ行けますか?」
「分かりました」
【ゲート】で第二首都へと転移した。
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ゴメン、五月蝿かった?
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