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第19章 土の国ヒュプノベルフェ探訪・アルトラの解呪編
第555話 解呪刀の返還
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【ゲート】で寺院内にある人気の無いところへ出現。
寺院に戻ってみると、刀が盗まれてから五、六時間ほど経っているため訪問客が少なくなって大分閑散としていた。
「『刀が盗まれた』って情報が広まれば、そりゃ解散って話にもなるか」
「メインイベントが無くなれば居る意味も無いと考える者もおるだろうしのう」
と言うのはグルグル巻きにされたタマモ。
「当事者がどの口で言ってんだ」
「ワハハハ」
クジ引きも一旦休止され、さっきまで階段にズラっと並んでいたヒトたちもどこへやら。
現在は寺院内部の仏像や関連する美術品を見物に行く客ばかりになっている。諦めて帰った者も相当数いると思われる。
とは言え、私はこの例祭初めてだし、延べ二十万人も来ているらしいし階段にヒトが減っただけで訪問客そのものが減ったようには感じない。
その代わり、同じ服装をしたヒトたち数人から十数人が忙しなく出たり入ったりしている。多分盗まれた時点で通報が行ってるだろうから、警察関係か軍関係のヒトたちだろう。
「寺院近くにナナトスらは居らんようだな」
「遊ぶためのお金渡しておいたし、多分下の出店の方に居るんじゃない?」
ヒトを肩に担いできたフレアハルトが注目され、周囲が少しどよめく中、近くに居た僧に話しかけた。
「『祓魔の鉄』を取り返してきました」
と言いながら、刀を差し出した。
「…………は? …………え? …………奪われた解呪刀ですか!? ま、まさか……本物ですか!?」
僧は目を白黒させながら、私とフレアハルト、そしてフレアハルトが担いでいるタマモを交互に見回す。
「しょ、少々お待ちください!」
僧は奥に引っ込み、数分してから恐らく偉い階級であろう僧とムラマサ寺院の警備員、それと警察?軍関係者?が複数人やってきた。
「『祓魔の鉄』を取り返していただけたそうですが……」
「はい、ここに」
『祓魔の鉄』を手渡した。
高位らしき僧はすぐに少しだけ鞘から引き抜いて確かめる。
「おお、確かに! 感謝致します! しかし……一回分減っているようですが……」
「この者に既に使われた後であった」
と、左肩に担いだタマモの所為であるように言うフレアハルト。
作戦とは言え、実行すると決めたら、躊躇無くそれに忠実に言ってのけるところが凄い。私ならきっとしどろもどろだ。
「刀を盗んで行った犯人で間違い無いか?」
僧が警備員に訊ね、警備員は――
「恐らく……間違い無いと思います。素顔については分かりませんが、この服装とキツネの面には見覚えがあります」
――と答える。彼はどうやら盗まれる現場でタマモを取り押さえようとした警備員の一人らしい。
「では犯人はこちらで引き取ります」
フレアハルトが左肩から下ろして、地面に横たえる。
「面を改めさせてもらうぞ」
「え? あ……!」
「何か?」
「いえ……」
しまったな……お面を取るというところで動揺して声を上げてしまった……少し怪しまれる要素を与えてしまったかも……
お面取られちゃうのか……そりゃそうだよな……顔バレしちゃうけど大丈夫かしら?
しかし、お面を取った顔に少しだけ驚いた。
「あれ?」
「どうか致しましたか?」
「いえ……」
さっきと顔が違う……変化してるのか?
本当の顔を知られてしまうと、この後脱走した後に見つけられて追いかけ回される可能性があるから別人の顔になっているのかも。そもそも私たちが対面していた顔が本当の顔かどうかも分からないが……
盗賊団の頭なんだから捕まるのが筋なんだろうけど、ちょっとだけ安心した。
「どこで捕まえたかお聞かせ願えますか?」
なるほど……『どこで捕まえたか?』。
この質問を想定して、市役所のような往来が多いところで捕まる演技をしたわけか。私たちが捕まえたという証拠を作るためと、自身が奪った物を大声で口にすることで目撃者にソレが何であるかを印象付けるために。
市役所前のように目撃者が多い場所なら裏取りも簡単になるって理由もあるかもしれない。“私たちとタマモが無関係”というアリバイを作るには適した場所だったわけか。
しかも、盗まれて六時間も経っていれば探し回った末にたまたま見つけて拘束したようにも見える。
これで、私たちとタマモはグルではないってことを明確にしたわけだ。
もしあの演技のために市役所へ赴かなければ、土地勘の無い私では答えることができない質問だった。
「え~と……解呪刀を盗まれたのを目の前で見ていたので、私たちも犯人を捕まえてやろうと探し回った末にルガイアの市役所前で見つけて拘束しました」
目の前で刀を盗まれたのを見ていたヒトたちの中には、『探して取り返してやる!』と息巻いていたヒトを何人か見た。私たちもその内の一人と考えれば、この言い訳もそれほど苦しいものではないはずだ。
「おい、裏取りしに行ってくれ、市役所前なら目撃者も多いだろ」
「了解!」
警察官?軍?の上司が部下へ命令。
盗まれたのが宝具だったためなのか行動も迅速。
「お名前とどこから来たかを伺っても?」
これも聞かれるとは思っていたが……少々難関だ。身分明かすわけにもいかないし……
「『カイ』と言います。アルトラルサンズから来た旅行者です」
「『フレハル』だ。同じくアルトラルサンズから来た」
とりあえず偽名を名乗っておこう。後でバレてもそういう身分でしたと言い訳はできるだろう。
しかし、咄嗟のことでゾンビ討伐の名前と同じものを言ってしまった……大丈夫だろうか……?
タマモも偽名で討伐報告したって言ってたし、辿られることは無いとは思うが……
「ほほう、珍しい。現在話題の新興国からの旅行者ですか」
「え、ええ。私たちも解呪刀目当てで来たので目の前で盗まれたのが悔しくて、私の手でとっ捕まえてやろうと思っていたら偶然市役所前に居るのを見つけたので……」
ボロが出てしまうかもしれないし、あまり余計なことは話さない方が良いな。ここら辺でやめておくか。
「なるほど、素晴らしい働きでした! ご協力感謝致します! では帰っていただいて結構です。おっと、その前に連絡先を教えていただけますか?」
えっ!?
「往来の多い場所で捕まえたとのことなので裏取りも簡単だとは思いますが、一応ということで」
「あ、ああ……はい、今日泊まる予定の宿泊施設の住所です……」
渋々ながら泊まる予定だった宿泊施設を教える。
「あ、明日の九時頃にはチェックアウトするので、その時までに来ていただければお話できると思います」
「了解しました。ご協力感謝致します!」
な、何も怪しいところが出てこなきゃ良いけど……
事情聴取が済んで、『祓魔の鉄』を手渡した高位らしき僧に再び話しかける。
「あの……」
「はい?」
「捕まえた時に聞いた話、何やら回数が減っていたことには彼女なりの深い事情があるらしくて――」
と話し出したところ、タマモが小さく首を横に振り『余計なことを言うな!』という目で睨まれた。
でも減った回数をこのままにすると当たりクジと解呪刀の使用回数が合わず、どうしても一回分少ないことになってしまう。これを誤魔化すにはここで私のクジで相殺する他無い。
「――彼女の罪を軽減することはできないかもしれませんが、せめて私の当たりクジでその減った一回分を相殺できませんか?」
カイベルに当ててもらったクジを差し出してお願いする。
「それは……寺院側としても願っても無いですが……よろしいのですか?」
「はい……」
「分かりました。謹んでお受け取り致します」
クジを寺院側へお返しして、その場を後にする。
「本当に良かったのかアルトラ? お主が補填することはなかったのではないか?」
「事情を知ってる私が補填しない限り、どうしてもクジと解呪刀の使用回数が合わないからね……仕方ないんだ。一回分使用回数が合わないとなると誰かが損をするわけだからね」
「わざわざお主がその損を引き受けんでも……」
「まあ……来年もう一回挑戦するよ」
ああ……自分で決めたこととは言え……勿体ないことをした……
来年もう一度カイベルに当ててもらおう……今回は縁が無かったということで……
◇
下に行くとナナトスらはやはり露店付近に居た。
「あ! アルトラ様おかえりなさいッス!」
「ああ……ただいま……」
「フレハルさんも」
「ああ」
「刀は見付けたのですか?」
とタナカさん。
「はい、取り返して、今寺院に返してきました」
「流石ですね……」
その直後に、寺院側からの広報。
『本日十時より休止していたクジ引きですが、『祓魔の鉄』が無事戻ってきましたので、再開したいと思います! 奪われていた時間を鑑み、クジを引ける期間を延長して翌日の五時までとさせていただきます! 当たりは残り二百七十九本となります! なお、解呪の儀式については予定通り明日の十時からとなります!』
「あ、どうやら再開するようですね」
再開されるのか。
もう一度カイベルにお願いして並んでもらおうか?
でも二回も同じヒトが当たり引くってのも……流石に怪しすぎる。
二十万分の三を二回連続で引ける確率 (※)っていくつなんだろう? まあとんでもなく低い確率であることは間違い無い。
イカサマを疑われてしまうかもしれないし、今回は諦めるか……
(※二十万分の三を二回連続で引ける確率:四百億分の九。数字で表すと9/40000000000。天文学的数字だ……)
「それで、何でそんなにしょぼくれてるんスか?」
「取り返す過程で解呪刀を使われてしまっていてな、その使われた一回分をカイベルが当てたクジで補填したのだ」
と説明するのはフレアハルト。
タマモに対する配慮か、『既にタマモに使われていた』という設定をきちんと踏襲してくれている。
「別にアルトラ様が補填する必要なんてないんじゃないッスか?」
「そうだけど、良いんだよ。ちょっと同情するところもあったし」
「じゃあ今回の儀式には参加できないんスか!? そりゃ残念ッスね!」
「しょうがないね……」
「フッ……」
今ナナトス鼻で笑った?
「じゃあそんなアルトラ様に朗報ッスよ! クジが休止する前にもう一回引きに行ったところ…………俺っち! なぁ~んと! 『解呪の権利』当てちまいました~!」
「ホ、ホントに!!?」
二十万分の三を引き当てたってこと!?
約〇.〇〇一五パーセントの確率を!?
「そ、それを私にくれるの!? ありがとう!」
「え~、どうしようかなぁ~ッス」
あ、条件があるのね、そりゃそうか。
「じゃあ……樹の国のショップにもう一度行きたいッス」
「え? それだけで良いの? もっと『沢山お金欲しい』とか言われるかと思ったけど……しかるべきところに譲れば数千万の価値だよ?」
「え? そうなんスか? じゃあやっぱりやめようかなぁ~……」
しまった……言わなきゃ良かったか……
でも言っておかないとフェアじゃないし。
「…………まあ、今お金貰ったところでアルトレリアじゃまだまだ使い道無いッスし、それなら外国行って買い物するのが良いかなって」
なるほど……確かに現状のアルトレリアでは、物が増えたとは言え行商人が持ってくる物だけで、言わば押し付けられてるようなもの。自分で選んでるって感覚が薄いのかもしれない。
「それに俺っちの勘が言ってるんスよ、アルトラ様に恩を売っておいた方が後々得だって」
ちゃっかり損得も考えてる。確かに、自画自賛になるけど私は周辺国から見て有望株みたいだし。
「お金沢山貰ったらヨン兄やゴト兄みたいに店とか開けるかもしれないッスけど、俺っちまだ店持つようなもの考えられないッスからね」
「冬に作ってた氷像の造形が凄かったし、あっちの方を目指してみたら良いんじゃない?」 (第243話参照)
「じゃあ候補には入れておくッス。あと――」
あ、まだ何かあるのね。
「――サン兄とヨン兄とゴト兄の店を贔屓してくれれば……」
ゴトスのスイーツ店は割と贔屓している。あの店のものはよく食べるし。フィンツさんも手土産に選んだくらいだから美味しい。
でも他は……サントスは建築会社、ヨントスは雑貨工房だったから、ヨントスの方は家で使うものをたまに買う。
サントスは……まあ今後何かの時にお願いすれば良いか。
「分かったよ。そんなことで良いならお安い御用だ」
「じゃあ、はいッス」
当たりクジを受け取った。
受け取ったクジを広げてよ~く見てみる。
疑ってたわけじゃないけど、本当に『解呪の権利』って書いてある。
当たりクジだ……すげぇなナナトス……流石『超吉』の男……
「それでこれ貰ってどこへ行けば良いの?」
「あ、そうだ忘れてたッス。当たりクジ引いた後に案内書を一緒に渡されたッス」
「案内書があるの?」
懐を探るナナトス。
さっきカイベルからは受け取ってないな……カイベルに頼りっきりだったから、そんなものあるなんて頭に無かった。
後日解呪の儀式に行かなきゃならないんだから、そりゃ当然案内書くらいあるよね……
「え~と……ああ、あったあった、コレッス!」
案内書を受け取り、三つ折りにされた紙を開いてみるとムラマサ寺院の見取り図が描かれており、印がされている。
「大広間みたいなところでやるみたいね」
案内書には説明も書かれていた。
┌──────────────────────────────────┐
当寺院のクジにて解呪の権利を当てた剛運を持つ方へ
まずはおめでとうございます!
つきましては冥陰暦9993年12月1日の10時より、
解呪の儀式を執り行います。
時間に余裕を持ってお越しください。
└──────────────────────────────────┘
と共通魔界文字で書かれており、その後に極太の赤文字で――
┌──────────────────────────────────┐
なお、時間に遅れて儀式に参加できなかった場合、本年の解呪の権利は
無効とさせていただきますのでご了承ください。
└──────────────────────────────────┘
――と書いてある。
あの刀で一人一人目の前に呼んで斬り付けるのだろうか?
そんな調子で二百九十九人分やると考えると、結構な時間がかかりそうだな。
そんなに多いなら少しくらい遅れて行っても大丈夫だと思うんだけど……十時で受け付けを締め切ってしまうってことかしら?
「ちゃんと確認したッスか? 十時ッスよ?」
「うん、ありがとう」
とは言え、『無効になる』と書かれている以上、絶対遅れないように行かないとな……
「そうだカイベル、『黒の同期』のアドバイス役に立ったよ、ありがとう」
「役だったのなら何よりです」
「ところでナナトス、お主何食っておるのだ?」
「さっき通り過ぎた虫屋の食べ物ッスよ」
「ゲェ!! あんなもの食っておるのか!? 不味くないのか!?」
「見た目に騙されちゃダメッスよ。生きてなければただの食事ッス。コリコリしてクリーミーで美味いッスよ。エビみたいッス」
昔からゲテモノ食べる番組で虫食べるロケ見てて『クリーミー』って単語が出てくると疑問に思うんだけど……『クリーミー』って、一体何の部分なのかしらね……?
虫からカニクリームコロッケみたいなクリームが出てるわけないし。
さて、儀式は明日の十時だから、明日まで待たないといけないんだよね。
今日泊まる場所はタナカさんが手配してくれてるって話。これはクジに当たっても当たらなくても一泊するのは決定していた。
もっとも……カイベルが引く以上、“私だけは当たること前提で”考えていたわけだけど……
タナカさんの方を見ると腕時計で時間を確かめてる。
「それでは皆様、そろそろ良い頃合いになりましたし本日の宿泊予定の宿にご案内します。その前に先ほど話題に出た、第二首都と第一首都の境目を見に行ってから宿へ行きましょう」
「あ、それでしたら私一度行ってるので【ゲート】で行けますよ?」
と言ったところ、フレアハルトとナナトスの様子がおかしい。
「おい、ナナトスよ、あんなこと言っておるぞ?」
「アルトラ様は何も分かってないッスねぇ」
「ムッ、何か言いたいことがあるの?」
今の一言のどこにおかしかったことがあったのか分からない。何が彼らにとってダメなところを刺激したのかしら?
「せっかく旅に来てるのに、【ゲート】一発で一瞬で現場に行くのはどうかと思うが?」
「俺っちたちアルトレリアから出ること少ないんスから、町並みを見ながら行きたいんスよ!」
「な、なるほど! それは気付かずごめん」
「では、歩いて参りましょうか」
寺院に戻ってみると、刀が盗まれてから五、六時間ほど経っているため訪問客が少なくなって大分閑散としていた。
「『刀が盗まれた』って情報が広まれば、そりゃ解散って話にもなるか」
「メインイベントが無くなれば居る意味も無いと考える者もおるだろうしのう」
と言うのはグルグル巻きにされたタマモ。
「当事者がどの口で言ってんだ」
「ワハハハ」
クジ引きも一旦休止され、さっきまで階段にズラっと並んでいたヒトたちもどこへやら。
現在は寺院内部の仏像や関連する美術品を見物に行く客ばかりになっている。諦めて帰った者も相当数いると思われる。
とは言え、私はこの例祭初めてだし、延べ二十万人も来ているらしいし階段にヒトが減っただけで訪問客そのものが減ったようには感じない。
その代わり、同じ服装をしたヒトたち数人から十数人が忙しなく出たり入ったりしている。多分盗まれた時点で通報が行ってるだろうから、警察関係か軍関係のヒトたちだろう。
「寺院近くにナナトスらは居らんようだな」
「遊ぶためのお金渡しておいたし、多分下の出店の方に居るんじゃない?」
ヒトを肩に担いできたフレアハルトが注目され、周囲が少しどよめく中、近くに居た僧に話しかけた。
「『祓魔の鉄』を取り返してきました」
と言いながら、刀を差し出した。
「…………は? …………え? …………奪われた解呪刀ですか!? ま、まさか……本物ですか!?」
僧は目を白黒させながら、私とフレアハルト、そしてフレアハルトが担いでいるタマモを交互に見回す。
「しょ、少々お待ちください!」
僧は奥に引っ込み、数分してから恐らく偉い階級であろう僧とムラマサ寺院の警備員、それと警察?軍関係者?が複数人やってきた。
「『祓魔の鉄』を取り返していただけたそうですが……」
「はい、ここに」
『祓魔の鉄』を手渡した。
高位らしき僧はすぐに少しだけ鞘から引き抜いて確かめる。
「おお、確かに! 感謝致します! しかし……一回分減っているようですが……」
「この者に既に使われた後であった」
と、左肩に担いだタマモの所為であるように言うフレアハルト。
作戦とは言え、実行すると決めたら、躊躇無くそれに忠実に言ってのけるところが凄い。私ならきっとしどろもどろだ。
「刀を盗んで行った犯人で間違い無いか?」
僧が警備員に訊ね、警備員は――
「恐らく……間違い無いと思います。素顔については分かりませんが、この服装とキツネの面には見覚えがあります」
――と答える。彼はどうやら盗まれる現場でタマモを取り押さえようとした警備員の一人らしい。
「では犯人はこちらで引き取ります」
フレアハルトが左肩から下ろして、地面に横たえる。
「面を改めさせてもらうぞ」
「え? あ……!」
「何か?」
「いえ……」
しまったな……お面を取るというところで動揺して声を上げてしまった……少し怪しまれる要素を与えてしまったかも……
お面取られちゃうのか……そりゃそうだよな……顔バレしちゃうけど大丈夫かしら?
しかし、お面を取った顔に少しだけ驚いた。
「あれ?」
「どうか致しましたか?」
「いえ……」
さっきと顔が違う……変化してるのか?
本当の顔を知られてしまうと、この後脱走した後に見つけられて追いかけ回される可能性があるから別人の顔になっているのかも。そもそも私たちが対面していた顔が本当の顔かどうかも分からないが……
盗賊団の頭なんだから捕まるのが筋なんだろうけど、ちょっとだけ安心した。
「どこで捕まえたかお聞かせ願えますか?」
なるほど……『どこで捕まえたか?』。
この質問を想定して、市役所のような往来が多いところで捕まる演技をしたわけか。私たちが捕まえたという証拠を作るためと、自身が奪った物を大声で口にすることで目撃者にソレが何であるかを印象付けるために。
市役所前のように目撃者が多い場所なら裏取りも簡単になるって理由もあるかもしれない。“私たちとタマモが無関係”というアリバイを作るには適した場所だったわけか。
しかも、盗まれて六時間も経っていれば探し回った末にたまたま見つけて拘束したようにも見える。
これで、私たちとタマモはグルではないってことを明確にしたわけだ。
もしあの演技のために市役所へ赴かなければ、土地勘の無い私では答えることができない質問だった。
「え~と……解呪刀を盗まれたのを目の前で見ていたので、私たちも犯人を捕まえてやろうと探し回った末にルガイアの市役所前で見つけて拘束しました」
目の前で刀を盗まれたのを見ていたヒトたちの中には、『探して取り返してやる!』と息巻いていたヒトを何人か見た。私たちもその内の一人と考えれば、この言い訳もそれほど苦しいものではないはずだ。
「おい、裏取りしに行ってくれ、市役所前なら目撃者も多いだろ」
「了解!」
警察官?軍?の上司が部下へ命令。
盗まれたのが宝具だったためなのか行動も迅速。
「お名前とどこから来たかを伺っても?」
これも聞かれるとは思っていたが……少々難関だ。身分明かすわけにもいかないし……
「『カイ』と言います。アルトラルサンズから来た旅行者です」
「『フレハル』だ。同じくアルトラルサンズから来た」
とりあえず偽名を名乗っておこう。後でバレてもそういう身分でしたと言い訳はできるだろう。
しかし、咄嗟のことでゾンビ討伐の名前と同じものを言ってしまった……大丈夫だろうか……?
タマモも偽名で討伐報告したって言ってたし、辿られることは無いとは思うが……
「ほほう、珍しい。現在話題の新興国からの旅行者ですか」
「え、ええ。私たちも解呪刀目当てで来たので目の前で盗まれたのが悔しくて、私の手でとっ捕まえてやろうと思っていたら偶然市役所前に居るのを見つけたので……」
ボロが出てしまうかもしれないし、あまり余計なことは話さない方が良いな。ここら辺でやめておくか。
「なるほど、素晴らしい働きでした! ご協力感謝致します! では帰っていただいて結構です。おっと、その前に連絡先を教えていただけますか?」
えっ!?
「往来の多い場所で捕まえたとのことなので裏取りも簡単だとは思いますが、一応ということで」
「あ、ああ……はい、今日泊まる予定の宿泊施設の住所です……」
渋々ながら泊まる予定だった宿泊施設を教える。
「あ、明日の九時頃にはチェックアウトするので、その時までに来ていただければお話できると思います」
「了解しました。ご協力感謝致します!」
な、何も怪しいところが出てこなきゃ良いけど……
事情聴取が済んで、『祓魔の鉄』を手渡した高位らしき僧に再び話しかける。
「あの……」
「はい?」
「捕まえた時に聞いた話、何やら回数が減っていたことには彼女なりの深い事情があるらしくて――」
と話し出したところ、タマモが小さく首を横に振り『余計なことを言うな!』という目で睨まれた。
でも減った回数をこのままにすると当たりクジと解呪刀の使用回数が合わず、どうしても一回分少ないことになってしまう。これを誤魔化すにはここで私のクジで相殺する他無い。
「――彼女の罪を軽減することはできないかもしれませんが、せめて私の当たりクジでその減った一回分を相殺できませんか?」
カイベルに当ててもらったクジを差し出してお願いする。
「それは……寺院側としても願っても無いですが……よろしいのですか?」
「はい……」
「分かりました。謹んでお受け取り致します」
クジを寺院側へお返しして、その場を後にする。
「本当に良かったのかアルトラ? お主が補填することはなかったのではないか?」
「事情を知ってる私が補填しない限り、どうしてもクジと解呪刀の使用回数が合わないからね……仕方ないんだ。一回分使用回数が合わないとなると誰かが損をするわけだからね」
「わざわざお主がその損を引き受けんでも……」
「まあ……来年もう一回挑戦するよ」
ああ……自分で決めたこととは言え……勿体ないことをした……
来年もう一度カイベルに当ててもらおう……今回は縁が無かったということで……
◇
下に行くとナナトスらはやはり露店付近に居た。
「あ! アルトラ様おかえりなさいッス!」
「ああ……ただいま……」
「フレハルさんも」
「ああ」
「刀は見付けたのですか?」
とタナカさん。
「はい、取り返して、今寺院に返してきました」
「流石ですね……」
その直後に、寺院側からの広報。
『本日十時より休止していたクジ引きですが、『祓魔の鉄』が無事戻ってきましたので、再開したいと思います! 奪われていた時間を鑑み、クジを引ける期間を延長して翌日の五時までとさせていただきます! 当たりは残り二百七十九本となります! なお、解呪の儀式については予定通り明日の十時からとなります!』
「あ、どうやら再開するようですね」
再開されるのか。
もう一度カイベルにお願いして並んでもらおうか?
でも二回も同じヒトが当たり引くってのも……流石に怪しすぎる。
二十万分の三を二回連続で引ける確率 (※)っていくつなんだろう? まあとんでもなく低い確率であることは間違い無い。
イカサマを疑われてしまうかもしれないし、今回は諦めるか……
(※二十万分の三を二回連続で引ける確率:四百億分の九。数字で表すと9/40000000000。天文学的数字だ……)
「それで、何でそんなにしょぼくれてるんスか?」
「取り返す過程で解呪刀を使われてしまっていてな、その使われた一回分をカイベルが当てたクジで補填したのだ」
と説明するのはフレアハルト。
タマモに対する配慮か、『既にタマモに使われていた』という設定をきちんと踏襲してくれている。
「別にアルトラ様が補填する必要なんてないんじゃないッスか?」
「そうだけど、良いんだよ。ちょっと同情するところもあったし」
「じゃあ今回の儀式には参加できないんスか!? そりゃ残念ッスね!」
「しょうがないね……」
「フッ……」
今ナナトス鼻で笑った?
「じゃあそんなアルトラ様に朗報ッスよ! クジが休止する前にもう一回引きに行ったところ…………俺っち! なぁ~んと! 『解呪の権利』当てちまいました~!」
「ホ、ホントに!!?」
二十万分の三を引き当てたってこと!?
約〇.〇〇一五パーセントの確率を!?
「そ、それを私にくれるの!? ありがとう!」
「え~、どうしようかなぁ~ッス」
あ、条件があるのね、そりゃそうか。
「じゃあ……樹の国のショップにもう一度行きたいッス」
「え? それだけで良いの? もっと『沢山お金欲しい』とか言われるかと思ったけど……しかるべきところに譲れば数千万の価値だよ?」
「え? そうなんスか? じゃあやっぱりやめようかなぁ~……」
しまった……言わなきゃ良かったか……
でも言っておかないとフェアじゃないし。
「…………まあ、今お金貰ったところでアルトレリアじゃまだまだ使い道無いッスし、それなら外国行って買い物するのが良いかなって」
なるほど……確かに現状のアルトレリアでは、物が増えたとは言え行商人が持ってくる物だけで、言わば押し付けられてるようなもの。自分で選んでるって感覚が薄いのかもしれない。
「それに俺っちの勘が言ってるんスよ、アルトラ様に恩を売っておいた方が後々得だって」
ちゃっかり損得も考えてる。確かに、自画自賛になるけど私は周辺国から見て有望株みたいだし。
「お金沢山貰ったらヨン兄やゴト兄みたいに店とか開けるかもしれないッスけど、俺っちまだ店持つようなもの考えられないッスからね」
「冬に作ってた氷像の造形が凄かったし、あっちの方を目指してみたら良いんじゃない?」 (第243話参照)
「じゃあ候補には入れておくッス。あと――」
あ、まだ何かあるのね。
「――サン兄とヨン兄とゴト兄の店を贔屓してくれれば……」
ゴトスのスイーツ店は割と贔屓している。あの店のものはよく食べるし。フィンツさんも手土産に選んだくらいだから美味しい。
でも他は……サントスは建築会社、ヨントスは雑貨工房だったから、ヨントスの方は家で使うものをたまに買う。
サントスは……まあ今後何かの時にお願いすれば良いか。
「分かったよ。そんなことで良いならお安い御用だ」
「じゃあ、はいッス」
当たりクジを受け取った。
受け取ったクジを広げてよ~く見てみる。
疑ってたわけじゃないけど、本当に『解呪の権利』って書いてある。
当たりクジだ……すげぇなナナトス……流石『超吉』の男……
「それでこれ貰ってどこへ行けば良いの?」
「あ、そうだ忘れてたッス。当たりクジ引いた後に案内書を一緒に渡されたッス」
「案内書があるの?」
懐を探るナナトス。
さっきカイベルからは受け取ってないな……カイベルに頼りっきりだったから、そんなものあるなんて頭に無かった。
後日解呪の儀式に行かなきゃならないんだから、そりゃ当然案内書くらいあるよね……
「え~と……ああ、あったあった、コレッス!」
案内書を受け取り、三つ折りにされた紙を開いてみるとムラマサ寺院の見取り図が描かれており、印がされている。
「大広間みたいなところでやるみたいね」
案内書には説明も書かれていた。
┌──────────────────────────────────┐
当寺院のクジにて解呪の権利を当てた剛運を持つ方へ
まずはおめでとうございます!
つきましては冥陰暦9993年12月1日の10時より、
解呪の儀式を執り行います。
時間に余裕を持ってお越しください。
└──────────────────────────────────┘
と共通魔界文字で書かれており、その後に極太の赤文字で――
┌──────────────────────────────────┐
なお、時間に遅れて儀式に参加できなかった場合、本年の解呪の権利は
無効とさせていただきますのでご了承ください。
└──────────────────────────────────┘
――と書いてある。
あの刀で一人一人目の前に呼んで斬り付けるのだろうか?
そんな調子で二百九十九人分やると考えると、結構な時間がかかりそうだな。
そんなに多いなら少しくらい遅れて行っても大丈夫だと思うんだけど……十時で受け付けを締め切ってしまうってことかしら?
「ちゃんと確認したッスか? 十時ッスよ?」
「うん、ありがとう」
とは言え、『無効になる』と書かれている以上、絶対遅れないように行かないとな……
「そうだカイベル、『黒の同期』のアドバイス役に立ったよ、ありがとう」
「役だったのなら何よりです」
「ところでナナトス、お主何食っておるのだ?」
「さっき通り過ぎた虫屋の食べ物ッスよ」
「ゲェ!! あんなもの食っておるのか!? 不味くないのか!?」
「見た目に騙されちゃダメッスよ。生きてなければただの食事ッス。コリコリしてクリーミーで美味いッスよ。エビみたいッス」
昔からゲテモノ食べる番組で虫食べるロケ見てて『クリーミー』って単語が出てくると疑問に思うんだけど……『クリーミー』って、一体何の部分なのかしらね……?
虫からカニクリームコロッケみたいなクリームが出てるわけないし。
さて、儀式は明日の十時だから、明日まで待たないといけないんだよね。
今日泊まる場所はタナカさんが手配してくれてるって話。これはクジに当たっても当たらなくても一泊するのは決定していた。
もっとも……カイベルが引く以上、“私だけは当たること前提で”考えていたわけだけど……
タナカさんの方を見ると腕時計で時間を確かめてる。
「それでは皆様、そろそろ良い頃合いになりましたし本日の宿泊予定の宿にご案内します。その前に先ほど話題に出た、第二首都と第一首都の境目を見に行ってから宿へ行きましょう」
「あ、それでしたら私一度行ってるので【ゲート】で行けますよ?」
と言ったところ、フレアハルトとナナトスの様子がおかしい。
「おい、ナナトスよ、あんなこと言っておるぞ?」
「アルトラ様は何も分かってないッスねぇ」
「ムッ、何か言いたいことがあるの?」
今の一言のどこにおかしかったことがあったのか分からない。何が彼らにとってダメなところを刺激したのかしら?
「せっかく旅に来てるのに、【ゲート】一発で一瞬で現場に行くのはどうかと思うが?」
「俺っちたちアルトレリアから出ること少ないんスから、町並みを見ながら行きたいんスよ!」
「な、なるほど! それは気付かずごめん」
「では、歩いて参りましょうか」
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