566 / 591
第19章 土の国ヒュプノベルフェ探訪・アルトラの解呪編
第556話 ナナトスがやらかした……
しおりを挟む
今朝来た道を戻って駅へ向かう。
「あれ? この道って…………ゲッ! もしかしてまた電車乗るんスか?」
「もう一回アレに乗るのか!? ア、アレにはもう乗りたくない! ならば飛んで行く! 目的地の場所を教えろ!」
それは、さっきの【ゲート】を否定したことと真逆の行為ではなかろうか?
だったら【ゲート】で行けば良いじゃん。
「目的地って言ったって分からないでしょ?」
「しかしまたアレに乗るのは……」
焦る二人にタナカさんから落ち着かせるような言葉が出る。
「ご心配には及びません。現在ラッシュアワーではありませんので、今朝方のように混んではいないでしょうから」
「「 ホントか!? 」」
「え、ええ……大丈夫ですよ」
二人共、余程満員電車に乗りたくないんだな……
まあ初体験が満員電車で、しかも今回乗ったのは日常と違う“例祭の時の超満員電車”では、一発で嫌いになるのも頷ける。
◇
そして駅構内――
発着場にて電車に乗り込む。
「お、ホントに空いてるッスね~」
「さっきとは別世界のようだ……座る椅子とか存在しておったのだな……さっきはヒトが多過ぎて気付かんかった……この金属の棒は何だ?」
「上に何か輪っかが吊ってあるッスよ? これは?」
初めてが満員電車だったため、電車内に座席があることすら気付いてなかったらしい。それどころかこの様子だと電車内のあらゆる物に全く目を向けられなかったようだな。
アルトレリアには外国のガイドブックがあるわけではないから、日本みたいに写真で様子が分かるわけではないし、電車の前情報とかも詰め込んでないから、彼らにとっては初めて見るものだろうしね。
と言うわけで、吊り革や金属の棒、その他について色々説明する。
「吊り革? へぇ~」
「この金属の棒は持つところなのだな」
「これはいつ持つんスか? 座れば良いじゃないッスか」
現在の状況と満員電車時じゃ状況が違うでしょ……
「…………満員電車のこと忘れてるの?」
「と言うことは座れない場合に持つのか? だが、あの時ヒトが多過ぎて持つ余裕など無かったが?」
「持てるヒトと持てないヒトが居るのよ。吊り革や金属の棒は数が限られてるから満員電車とまで人数が多くなると、多くのヒトは持てない」
この言い方だと『持てる者と持たざる者』みたいな言葉に聞こえるな……
「「 なるほど! 」」
そしてその後の電車内――
窓際に貼り付く二人。
「お~! すげぇ! 建物が凄い速さで通り過ぎて行くッスよ!」
「満員でなければこのように見えるのだな」
「あ、あっちは穴掘ってるッスね!」
採掘された鉱石や宝石、魔石が主な産業の土の国だけあって、穴掘り現場が頻繁に窓の外を通り過ぎる。
「何だかこっち側とあっち側で発展の仕方が全然違うッスね」
「電車がルガイアの外周を周ってますので、電車の内側は街として発展しますが、その外側は発掘などが主になって、現在は発展とは無縁ですね、今後時が経てば街の範囲も広がるかもしれませんが」
と、タナカさんが説明してくれた。
「お! 高い塔あるッスよ!」
「あれはアーテラスタワーと呼ばれる建物ですね。展望台では街並みを一望できます。上からなら第一首都の中の様子もどうなってるか見られますよ」
「第二首都にあるのに第一首都タワーなんですか?」
何だか千葉にある東京ドイツ村みたいな感じだな……
もしくは千葉にある東京ネズミー……か。
「施工期間を考えるとあの高さのものを第一首都内に建造するのは中々難しいですからね。『怠惰』の権能により、一週間作って三ヶ月放置、一週間作って三ヶ月放置の繰り返しになってしまいますから」
それじゃ全然進まんな……
「一軒家くらいなら第一首都が活動している一週間ほどであっという間に出来てしまいますけど。まあ千葉にある東京ドイツ村、みたいなものです」
日本出身だからか、私と思考が似てるな……
「へぇ~、じゃあ今から行ってみたいッス」
「残念ながら現在の時刻では入場できないようです」
「そりゃホントに残念ッスね……」
電車内が空いているためか、左右を頻繁に移動しつつ景色を楽しむ二人。
恐らく現地民であろうヒトたちから、少々白い目で見られている。中にはクスクスと笑っているヒトも……
「ちょっと、大の大人二人がそんな頻繁に左右を行ったり来たりして、恥ずかしいからもうちょっと静かにしててよ! ナナトス! 窓に手とか顔とかくっ付けないで!」
「俺っちまだ子供の分類ッスから」
そもそも年月日の概念の無かった彼らに、『何歳が子供、何歳から大人』なんて概念は無かった。
見た目が子供なら子供だったのだが、最近になって自分たちの年齢が判明したため『十五歳未満が子供』と定義された。
「あなたもう十六歳でしょ」
「良いんスよ、男はいつまでも少年なんスから」
誰だそんな言葉教えたヤツは……
「こんな時ぐらい良いではないか? お主の故郷にこういう時にピッタリな諺があるのだろう? 『旅の恥はかき捨て』と」
何でそんなの覚えたんだよ……誰だそんな言葉教えたの……コイツら要らん言葉ばっかり覚えるわ……
「もう! かき捨てられる程度の恥にしておいてよ? 捕まるような恥だったら手に負えないんだから」
「分かってるッスよ~」
「分かっておる。アルトレリアで常識に外れるようなことはしないと約束する」
もう私の常識的な行動からは外れてるのだが?
アルトレリアに電車が存在しないから仕方ないのか?
そんなこんなで初めてきちんと乗る電車に興奮しながら目的の駅に着いた。
◇
「ここから歩きなんスか?」
「ええ、すぐですよ」
タナカさんのその言葉通り、すぐに目的の第一首都との境界線に着いた。
ここに来るのは二度目だが、相変わらずオーロラのような光を発する壁が目立つ。
「おぉ……ここから先が第一首都なのか?」
「何だか全体が金属の街って感じで異様ッスね……」
以前訪れた時 (第372話参照)には、休眠の効果範囲内との境界ギリギリのところに数人の金属像あったが、今回はまだ休眠期間に入ったばかりだからか、その辺りに金属像が屯していることはなかった。
「この光で出来たカーテンみたいなのは何なんスか?」
そう言いながら近付こうとするナナトス。
「あ、その光のカーテン、通り抜けてはいけませんよ!」
タナカさんがそう言った時にはもう遅かった。
「え?」
光のカーテンを触ってみようとしたのか、既に右手が第一首都側に入っている。
その途端に――
「おわぁあっ!!?」
――右手が金属のような物質に変化していく!
「ナナトス! 早く引き抜いて! 早く!」
「あれ? でもこの光のカーテンよりこっちには上ってこないッスよ?」
「ホントだ……」
効果範囲に入ったからと言って、全身が金属質に変わるわけではないのか。
「おお! 面白れぇッスよここ! 範囲に入ったところしか金属にならないッス!」
手の出し入れを繰り返す。その後に足を出し入れしだしたナナトスにタナカさんが再び注意する。
「あ、膝より上は入れないようにしてくださいね! 関節が固まると戻って来れなくなりますから!」
「大丈夫ッスよ~」
なるほど、関節が固まると反動とか付けられなくなるから戻って来れないのか。
「それと頭も入れないように。頭が範囲内に入った時点で全身が金属化しますから」
「了解了解ッス」
だが、その直後タナカさんの注意虚しくやらかしやがった……
「おわっ! 滑った……」
「「「 ナナトス!! 」」」
足を深く挿し入れてしまい、膝の関節まで金属化してそのまま崩れるように大罪の権能の効果範囲内へ倒れて行く。
そして全身金属化してしまった……
「「「 あ~あ…… 」」」
カイベルを除いた三人から呆れ声と同時に『やっぱりやらかした……』という表情……
「あっち側で金属化してしまったぞ? どうするのだ?」
「どうするって言ったって……あっち側に入っちゃったんじゃどうしようもないし……」
しかも倒れて行った時にちょっとだけ転がってしまって、手を伸ばして届くような距離ではなくなっている。
更に言うと、手を伸ばしたところでこちらも金属化してしまうから指を動かすことができなくなる。つまり仮に届く範囲に居たとしても掴むことができないわけだ……
まあ、私も金属化にはちょっと興味があったので、試しに範囲内に手を入れてみると……
「あれ?」
金属化しない。
まさか……私が魔王であることと関係ある?
あ! そういえば以前レヴィに聞いた話では……『無効化できるのは七つの大罪の私たちだけ』って言ってたような…… (第116話参照)
そう考えた瞬間、ハッとして素早く周囲を見回すも視線は金属化したナナトスに集まっており、幸いにも今のを見ていた者は居なかった様子。
「……ふぅ……セーフ……」
迂闊だった……もし今のを見られていたら私が魔王であるとバレてしまうところだ。
特に土の国所属のタナカさんは、この『怠惰』の能力についてはよく知っているだろうし。
「……カイベル、ちょっとちょっと」
小声でカイベルを引き寄せる。
「……はい」
「……確認なんだけど、この範囲って魔王は入れる?」
「……はい、魔王には効き目がありません。もっとも金属化されてる方々には攻撃も何も効きませんので範囲内に入ったところで意味はありませんが……」
やっぱりレヴィから聞いた通りか……
「……アルトラ様なら中に入ってナナトス様を連れて戻ることは可能です」
「……魔王以外に、体質で金属化しないってヒトもいるの?」
「……いません」
「……じゃあ、それすると私が魔王ってバレるでしょ?」
「……即バレることは無くても、近い将来九九.九九九九パーセントの確率でバレます。特にタナカ様にはすぐに疑問を持たれ、状況次第で疑惑に発展するでしょう」
「……じゃあその方法で連れ戻すのは無理だわ」
「……余談ですが、私も生物ではないので入れます」
それ聞いたところで、「じゃあカイベルお願い! ナナトス引きずり出して」ってこともできないから困る。
私にしろカイベルにしろ、バレたらまずいのは変わらないわけだしね……
何とか救い出す方法を思案していたところ、すぐにタナカさんが提案した救出方法であっさり解決する。
「心配ご無用です。生物以外は金属化しないため、効果範囲ギリギリで固まったヒトならロープ状のものを引っ掛けて引き寄せれば十分救出可能ですので」
と言うことで、ロープをナナトスに引っ掛けてフレアハルトが効果範囲外へ引っ張り出した。
「あれ? 俺っち確か金属になって……その後どうしたんスか?」
「引き寄せて救出したよ。全く……ちょっと遠く見てみなよ」
第一首都内の金属化した人々を指さす。
「あなたは第一と第二首都の境界付近で固まってたから回収が可能だったけど、もうちょっと遠くで金属化してたら救出もできなくて次に土の国の魔王が起きる三ヶ月先まであの状態よ?」
「あ、ああ……そりゃ助かったッス。でも……今何かすげぇ調子良いッスよ! 疲れも全く無くなって!」
それについてもタナカさんが答えてくれた。
「それは、一時的にでも『怠惰』の大罪の効果範囲に入ったからでしょう。『怠惰』の権能【真価の眠り】の効果で一時的に自身の持つ最大限以上の力を発揮できるようになるそうですから。骨が折れていようが、半身不随だろうが、老衰で死も間近だろうが、全盛期だった頃よりも数段爽快な生活が送れるそうです」
老衰死寸前でも全盛期以上になれるって……物凄い権能だな……
でも、老衰死間近だと確かこの絶好調期間が切れると死んじゃうんだっけ?
考えようによっては凄く良い権能だわ。
一週間家族との最期の時を過ごせるし、絶好調だから『数日間旅行をする』みたいな無理なことも可能になる。きちんとしたお別れができるし、身辺整理もできるし、親しい友人にも会いに行ける。
良いことずくめだわ。
日本にこの能力持ってる人が居ればなぁ……
「土の国の魔王《ヴェルフェゴール》様は三ヶ月寝て三日ほど絶好調の時間が、その後三日ほど好調な時間が続くそうですから、そこから換算するに……大体休眠期間の十五分の一ずつ絶好調と好調の時間が続くと考えられます。今ナナトスくんを救出するまでにかかった時間が十五分ほどですので、え~と……一分くらいは絶好調と好調が続くかと」
「い、一分って……もう終わりじゃないッスか……あぁ~、そう言えばちょっと疲れが戻って来たッス……」
確かにちょっとぐったりしてきたな……
絶好調の体調から下降すると、疲れてるわけじゃなくても疲れてると錯覚するのかもしれない。
「この好調の期間を長く味わいたいがために、効果範囲に住むヒトも居るんですよ。この範囲に住めば、目覚めてから次に眠るまでずっと好調でいられ、目が覚めれば再び絶好調ですからね」
「そりゃ良いッスね! 俺っちも住みたいッス!」
そんな住みたくなるほどに爽快だったのかしら?
ちょっと興味があるけど、私は味わいたいと思ってももう魔王になってしまったから無理ね。
「ところが、そう良いことばかりではないんですよ」
「どういうことッスか?」
「寿命はこの中に居ても変わらないそうです」
「え……? 金属化してるその間は時間が停止するとかじゃなんスか? 見た目はどう見たって止まってるように見えるッスけど……」
「そう都合良くはできていないということでしょう。この中で生活する場合、ずっと体調の良い亜人生を送れますが、それと引き換えに十五分の一の時間しか活動できないということになります」
「ってことは……俺っちたちは大体四十から五十歳で死んでるから……三年!? たった三年しか生きてると実感できないってことッスか!?」
「そうなりますね。太く短く生きたいってヒトには適してるかもしれませんが、お勧めできる生き方ではありませんね」
なるほど、改めて聞いてもトンデモないリスクの能力だな……文字通り怠惰に生きるヒトには最適な能力ってわけだ。
生命力の前借りしてるような能力かな? いや、休眠後に絶好調が訪れるのだから後借り? …………いや、やっぱり前借り? どっちか分からんけど、とにかく前か後かで生命力の借入が起こってるらしい。
病気とかで死が間近に迫ってるヒトにとっては凄く良い能力だけど。
「さて、第一第二首都の境界も見られましたし、もうそろそろ宿に案内してもよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」
「あれ? この道って…………ゲッ! もしかしてまた電車乗るんスか?」
「もう一回アレに乗るのか!? ア、アレにはもう乗りたくない! ならば飛んで行く! 目的地の場所を教えろ!」
それは、さっきの【ゲート】を否定したことと真逆の行為ではなかろうか?
だったら【ゲート】で行けば良いじゃん。
「目的地って言ったって分からないでしょ?」
「しかしまたアレに乗るのは……」
焦る二人にタナカさんから落ち着かせるような言葉が出る。
「ご心配には及びません。現在ラッシュアワーではありませんので、今朝方のように混んではいないでしょうから」
「「 ホントか!? 」」
「え、ええ……大丈夫ですよ」
二人共、余程満員電車に乗りたくないんだな……
まあ初体験が満員電車で、しかも今回乗ったのは日常と違う“例祭の時の超満員電車”では、一発で嫌いになるのも頷ける。
◇
そして駅構内――
発着場にて電車に乗り込む。
「お、ホントに空いてるッスね~」
「さっきとは別世界のようだ……座る椅子とか存在しておったのだな……さっきはヒトが多過ぎて気付かんかった……この金属の棒は何だ?」
「上に何か輪っかが吊ってあるッスよ? これは?」
初めてが満員電車だったため、電車内に座席があることすら気付いてなかったらしい。それどころかこの様子だと電車内のあらゆる物に全く目を向けられなかったようだな。
アルトレリアには外国のガイドブックがあるわけではないから、日本みたいに写真で様子が分かるわけではないし、電車の前情報とかも詰め込んでないから、彼らにとっては初めて見るものだろうしね。
と言うわけで、吊り革や金属の棒、その他について色々説明する。
「吊り革? へぇ~」
「この金属の棒は持つところなのだな」
「これはいつ持つんスか? 座れば良いじゃないッスか」
現在の状況と満員電車時じゃ状況が違うでしょ……
「…………満員電車のこと忘れてるの?」
「と言うことは座れない場合に持つのか? だが、あの時ヒトが多過ぎて持つ余裕など無かったが?」
「持てるヒトと持てないヒトが居るのよ。吊り革や金属の棒は数が限られてるから満員電車とまで人数が多くなると、多くのヒトは持てない」
この言い方だと『持てる者と持たざる者』みたいな言葉に聞こえるな……
「「 なるほど! 」」
そしてその後の電車内――
窓際に貼り付く二人。
「お~! すげぇ! 建物が凄い速さで通り過ぎて行くッスよ!」
「満員でなければこのように見えるのだな」
「あ、あっちは穴掘ってるッスね!」
採掘された鉱石や宝石、魔石が主な産業の土の国だけあって、穴掘り現場が頻繁に窓の外を通り過ぎる。
「何だかこっち側とあっち側で発展の仕方が全然違うッスね」
「電車がルガイアの外周を周ってますので、電車の内側は街として発展しますが、その外側は発掘などが主になって、現在は発展とは無縁ですね、今後時が経てば街の範囲も広がるかもしれませんが」
と、タナカさんが説明してくれた。
「お! 高い塔あるッスよ!」
「あれはアーテラスタワーと呼ばれる建物ですね。展望台では街並みを一望できます。上からなら第一首都の中の様子もどうなってるか見られますよ」
「第二首都にあるのに第一首都タワーなんですか?」
何だか千葉にある東京ドイツ村みたいな感じだな……
もしくは千葉にある東京ネズミー……か。
「施工期間を考えるとあの高さのものを第一首都内に建造するのは中々難しいですからね。『怠惰』の権能により、一週間作って三ヶ月放置、一週間作って三ヶ月放置の繰り返しになってしまいますから」
それじゃ全然進まんな……
「一軒家くらいなら第一首都が活動している一週間ほどであっという間に出来てしまいますけど。まあ千葉にある東京ドイツ村、みたいなものです」
日本出身だからか、私と思考が似てるな……
「へぇ~、じゃあ今から行ってみたいッス」
「残念ながら現在の時刻では入場できないようです」
「そりゃホントに残念ッスね……」
電車内が空いているためか、左右を頻繁に移動しつつ景色を楽しむ二人。
恐らく現地民であろうヒトたちから、少々白い目で見られている。中にはクスクスと笑っているヒトも……
「ちょっと、大の大人二人がそんな頻繁に左右を行ったり来たりして、恥ずかしいからもうちょっと静かにしててよ! ナナトス! 窓に手とか顔とかくっ付けないで!」
「俺っちまだ子供の分類ッスから」
そもそも年月日の概念の無かった彼らに、『何歳が子供、何歳から大人』なんて概念は無かった。
見た目が子供なら子供だったのだが、最近になって自分たちの年齢が判明したため『十五歳未満が子供』と定義された。
「あなたもう十六歳でしょ」
「良いんスよ、男はいつまでも少年なんスから」
誰だそんな言葉教えたヤツは……
「こんな時ぐらい良いではないか? お主の故郷にこういう時にピッタリな諺があるのだろう? 『旅の恥はかき捨て』と」
何でそんなの覚えたんだよ……誰だそんな言葉教えたの……コイツら要らん言葉ばっかり覚えるわ……
「もう! かき捨てられる程度の恥にしておいてよ? 捕まるような恥だったら手に負えないんだから」
「分かってるッスよ~」
「分かっておる。アルトレリアで常識に外れるようなことはしないと約束する」
もう私の常識的な行動からは外れてるのだが?
アルトレリアに電車が存在しないから仕方ないのか?
そんなこんなで初めてきちんと乗る電車に興奮しながら目的の駅に着いた。
◇
「ここから歩きなんスか?」
「ええ、すぐですよ」
タナカさんのその言葉通り、すぐに目的の第一首都との境界線に着いた。
ここに来るのは二度目だが、相変わらずオーロラのような光を発する壁が目立つ。
「おぉ……ここから先が第一首都なのか?」
「何だか全体が金属の街って感じで異様ッスね……」
以前訪れた時 (第372話参照)には、休眠の効果範囲内との境界ギリギリのところに数人の金属像あったが、今回はまだ休眠期間に入ったばかりだからか、その辺りに金属像が屯していることはなかった。
「この光で出来たカーテンみたいなのは何なんスか?」
そう言いながら近付こうとするナナトス。
「あ、その光のカーテン、通り抜けてはいけませんよ!」
タナカさんがそう言った時にはもう遅かった。
「え?」
光のカーテンを触ってみようとしたのか、既に右手が第一首都側に入っている。
その途端に――
「おわぁあっ!!?」
――右手が金属のような物質に変化していく!
「ナナトス! 早く引き抜いて! 早く!」
「あれ? でもこの光のカーテンよりこっちには上ってこないッスよ?」
「ホントだ……」
効果範囲に入ったからと言って、全身が金属質に変わるわけではないのか。
「おお! 面白れぇッスよここ! 範囲に入ったところしか金属にならないッス!」
手の出し入れを繰り返す。その後に足を出し入れしだしたナナトスにタナカさんが再び注意する。
「あ、膝より上は入れないようにしてくださいね! 関節が固まると戻って来れなくなりますから!」
「大丈夫ッスよ~」
なるほど、関節が固まると反動とか付けられなくなるから戻って来れないのか。
「それと頭も入れないように。頭が範囲内に入った時点で全身が金属化しますから」
「了解了解ッス」
だが、その直後タナカさんの注意虚しくやらかしやがった……
「おわっ! 滑った……」
「「「 ナナトス!! 」」」
足を深く挿し入れてしまい、膝の関節まで金属化してそのまま崩れるように大罪の権能の効果範囲内へ倒れて行く。
そして全身金属化してしまった……
「「「 あ~あ…… 」」」
カイベルを除いた三人から呆れ声と同時に『やっぱりやらかした……』という表情……
「あっち側で金属化してしまったぞ? どうするのだ?」
「どうするって言ったって……あっち側に入っちゃったんじゃどうしようもないし……」
しかも倒れて行った時にちょっとだけ転がってしまって、手を伸ばして届くような距離ではなくなっている。
更に言うと、手を伸ばしたところでこちらも金属化してしまうから指を動かすことができなくなる。つまり仮に届く範囲に居たとしても掴むことができないわけだ……
まあ、私も金属化にはちょっと興味があったので、試しに範囲内に手を入れてみると……
「あれ?」
金属化しない。
まさか……私が魔王であることと関係ある?
あ! そういえば以前レヴィに聞いた話では……『無効化できるのは七つの大罪の私たちだけ』って言ってたような…… (第116話参照)
そう考えた瞬間、ハッとして素早く周囲を見回すも視線は金属化したナナトスに集まっており、幸いにも今のを見ていた者は居なかった様子。
「……ふぅ……セーフ……」
迂闊だった……もし今のを見られていたら私が魔王であるとバレてしまうところだ。
特に土の国所属のタナカさんは、この『怠惰』の能力についてはよく知っているだろうし。
「……カイベル、ちょっとちょっと」
小声でカイベルを引き寄せる。
「……はい」
「……確認なんだけど、この範囲って魔王は入れる?」
「……はい、魔王には効き目がありません。もっとも金属化されてる方々には攻撃も何も効きませんので範囲内に入ったところで意味はありませんが……」
やっぱりレヴィから聞いた通りか……
「……アルトラ様なら中に入ってナナトス様を連れて戻ることは可能です」
「……魔王以外に、体質で金属化しないってヒトもいるの?」
「……いません」
「……じゃあ、それすると私が魔王ってバレるでしょ?」
「……即バレることは無くても、近い将来九九.九九九九パーセントの確率でバレます。特にタナカ様にはすぐに疑問を持たれ、状況次第で疑惑に発展するでしょう」
「……じゃあその方法で連れ戻すのは無理だわ」
「……余談ですが、私も生物ではないので入れます」
それ聞いたところで、「じゃあカイベルお願い! ナナトス引きずり出して」ってこともできないから困る。
私にしろカイベルにしろ、バレたらまずいのは変わらないわけだしね……
何とか救い出す方法を思案していたところ、すぐにタナカさんが提案した救出方法であっさり解決する。
「心配ご無用です。生物以外は金属化しないため、効果範囲ギリギリで固まったヒトならロープ状のものを引っ掛けて引き寄せれば十分救出可能ですので」
と言うことで、ロープをナナトスに引っ掛けてフレアハルトが効果範囲外へ引っ張り出した。
「あれ? 俺っち確か金属になって……その後どうしたんスか?」
「引き寄せて救出したよ。全く……ちょっと遠く見てみなよ」
第一首都内の金属化した人々を指さす。
「あなたは第一と第二首都の境界付近で固まってたから回収が可能だったけど、もうちょっと遠くで金属化してたら救出もできなくて次に土の国の魔王が起きる三ヶ月先まであの状態よ?」
「あ、ああ……そりゃ助かったッス。でも……今何かすげぇ調子良いッスよ! 疲れも全く無くなって!」
それについてもタナカさんが答えてくれた。
「それは、一時的にでも『怠惰』の大罪の効果範囲に入ったからでしょう。『怠惰』の権能【真価の眠り】の効果で一時的に自身の持つ最大限以上の力を発揮できるようになるそうですから。骨が折れていようが、半身不随だろうが、老衰で死も間近だろうが、全盛期だった頃よりも数段爽快な生活が送れるそうです」
老衰死寸前でも全盛期以上になれるって……物凄い権能だな……
でも、老衰死間近だと確かこの絶好調期間が切れると死んじゃうんだっけ?
考えようによっては凄く良い権能だわ。
一週間家族との最期の時を過ごせるし、絶好調だから『数日間旅行をする』みたいな無理なことも可能になる。きちんとしたお別れができるし、身辺整理もできるし、親しい友人にも会いに行ける。
良いことずくめだわ。
日本にこの能力持ってる人が居ればなぁ……
「土の国の魔王《ヴェルフェゴール》様は三ヶ月寝て三日ほど絶好調の時間が、その後三日ほど好調な時間が続くそうですから、そこから換算するに……大体休眠期間の十五分の一ずつ絶好調と好調の時間が続くと考えられます。今ナナトスくんを救出するまでにかかった時間が十五分ほどですので、え~と……一分くらいは絶好調と好調が続くかと」
「い、一分って……もう終わりじゃないッスか……あぁ~、そう言えばちょっと疲れが戻って来たッス……」
確かにちょっとぐったりしてきたな……
絶好調の体調から下降すると、疲れてるわけじゃなくても疲れてると錯覚するのかもしれない。
「この好調の期間を長く味わいたいがために、効果範囲に住むヒトも居るんですよ。この範囲に住めば、目覚めてから次に眠るまでずっと好調でいられ、目が覚めれば再び絶好調ですからね」
「そりゃ良いッスね! 俺っちも住みたいッス!」
そんな住みたくなるほどに爽快だったのかしら?
ちょっと興味があるけど、私は味わいたいと思ってももう魔王になってしまったから無理ね。
「ところが、そう良いことばかりではないんですよ」
「どういうことッスか?」
「寿命はこの中に居ても変わらないそうです」
「え……? 金属化してるその間は時間が停止するとかじゃなんスか? 見た目はどう見たって止まってるように見えるッスけど……」
「そう都合良くはできていないということでしょう。この中で生活する場合、ずっと体調の良い亜人生を送れますが、それと引き換えに十五分の一の時間しか活動できないということになります」
「ってことは……俺っちたちは大体四十から五十歳で死んでるから……三年!? たった三年しか生きてると実感できないってことッスか!?」
「そうなりますね。太く短く生きたいってヒトには適してるかもしれませんが、お勧めできる生き方ではありませんね」
なるほど、改めて聞いてもトンデモないリスクの能力だな……文字通り怠惰に生きるヒトには最適な能力ってわけだ。
生命力の前借りしてるような能力かな? いや、休眠後に絶好調が訪れるのだから後借り? …………いや、やっぱり前借り? どっちか分からんけど、とにかく前か後かで生命力の借入が起こってるらしい。
病気とかで死が間近に迫ってるヒトにとっては凄く良い能力だけど。
「さて、第一第二首都の境界も見られましたし、もうそろそろ宿に案内してもよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」
0
あなたにおすすめの小説
美化係の聖女様
しずもり
ファンタジー
毒親の仕打ち、親友と恋人の裏切り、人生最悪のどん底でやけ酒を煽り何を思ったのか深夜に突然掃除を始めたら床がドンドンって大きく鳴った。
ゴメン、五月蝿かった?
掃除は止めにしよう、そう思った瞬間、床に現れた円のようなものが光りだした。
気づいたらゴミと掃除道具と一緒に何故か森の中。
地面には気を失う前に見た円が直径3メートルぐらいの大きさで光ってる。
何コレ、どうすればいい?
一方、魔王復活の兆しに聖女を召喚した王城では召喚された筈の聖女の姿が見当たらない。
召喚した手応えはあったものの目の前の床に描かれた魔法陣には誰も居ない。
もしかして召喚先を間違えた?
魔力の残滓で聖女が召喚された場所に辿り着いてみれば聖女はおらず。
それでも魔王復活は待ってはくれない。
それならば聖女を探しながら魔王討伐の旅へ見切り発車で旅する第二王子一行。
「もしかしたら聖女様はいきなり召喚された事にお怒りなのかも知れない、、、、。」
「いや、もしかしたら健気な聖女様は我らの足手まといにならぬ様に一人で浄化の旅をしているのかも知れません。」
「己の使命を理解し果敢に試練に立ち向かう聖女様を早く見つけださねばなりません。」
「もしかして聖女様、自分が聖女って気づいて無いんじゃない?」
「「「・・・・・・・・。」」」
何だかよく分からない状況下で主人公が聖女の自覚が無いまま『異世界に来てしまった理由』を探してフラリと旅をする。
ここ、結構汚れていません?ちょっと掃除しますから待ってて下さいね。掃除好きの聖女は無自覚浄化の旅になっている事にいつ気付くのか?
そして聖女を追って旅する第二王子一行と果たして出会う事はあるのか!?
魔王はどこに?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
不定期更新になります。
主人公は自分が聖女だとは気づいていません。
恋愛要素薄めです。
なんちゃって異世界の独自設定になります。
誤字脱字は見つけ次第修正する予定です。
R指定は無しの予定です。
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!
胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。
主に5大国家から成り立つ大陸である。
この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。
この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。
かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。
※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!)
※1話当たり、1200~2000文字前後です。
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】
普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます)
【まじめなあらすじ】
主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、
「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」
転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。
魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。
友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、
「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」
「「「違う、そうじゃない!!」」」
これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。
※他サイトにも投稿中
※旧タイトル
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。
彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」
お嬢様はご不満の様です。
海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。
名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。
使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。
王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。
乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ?
※5/4完結しました。
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
連載開始しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる