中途半端なソウルスティール受けたけど質問ある?

ミクリヤミナミ

文字の大きさ
202 / 321
生方蒼甫の譚

買取はこちら

しおりを挟む
「転移」
 空を飛んで行けるほどの魔力はオズワルドに残っておらず、俺たちは転移で王都の冒険者ギルドに向かう。
 周囲の景色が歪み、元に戻った時には冒険者ギルドの転移部屋だ。

 そこからぞろぞろと俺たち5人が出ていくと、受付嬢が笑顔で迎えてくれた。

「あ、お待ちしておりました皆さん。ゴーレム討伐の成功報酬が届いておりますのでお渡しいたします」
「ああ、ありがとう。そうか。届いたか」
 そう。依頼主の確認待ちだったからな。まあ、確かにゴーレムが増殖するとなれば、狩り残しが居ると元の木阿弥。そのあたりも確認するのは至極当然の事だろう。一応俺たちはそのあたりも仕事キッチリなので、確認しやすいようにすべて焼け野原にしておいた。

「あ、それと、サンドワームとサンドウルフ討伐できたんだけど。これはどうすればいい?」
「討伐対象の死骸の一部は……」
「今回数が多いんだよね。どうしよう。どっかに出していい?ついでに買い取ってもらえると嬉しいんだけど」
「買取ですか。一応買取は裏手に回っていただくと買取窓口がありますが。いかがいたしますか?」
「広い?そこ」
「広い?と、言いますと?」
「いや。ほら。数が多いからさ。まとめて出すと結構なスペースが要るからさ」
「はぁ。そうですね。比較的広いとは思いますが……一度ご覧いただいた方が良いかと思いますので、ご案内しましょうか?」
「助かる」
「では、こちらへどうぞ」
 受付嬢は一旦ギルドの外へと出てゆく。
「買取窓口は通りの先にある路地から裏に回っていただきます」
 嬢は冒険者ギルドの前の通りを東に進むと、隣の店との間にある細い路地へと入って行く。薄暗いがちゃんと手入れされている小綺麗な路地だ。かなり距離があるがそれを抜けると冒険者ギルドの裏通りに出た。こちらの通りもにぎわっている。通りに面して随分と大きい観音開きの入り口があった。
「こちらです。どうぞお入りください」
 中はバレーボールやバスケットボールが出来そうなほど広い。天井も随分高いな。なるほど。ここならいろんなものを持ち込めそうだ。
「いらっしゃい」
 奥の方から野太い声がする。声の方向を見ると、奥にカウンターがありそこにスキンヘッドの厳ついおっさんが居た。まあ、俺も人の事言えないけどさ。見た目は似てるんじゃなかろうか。
「こちらが買取カウンターになっております。解体についても承っておりますので、気軽にお申し付けください」
 嬢はそう言い一礼すると、カウンターの方から奥に行ってしまった。どうやら建物の中はつながっているみたいだな。
「で、何を買い取るんだい?」
 なるほど。買取はこのおっさんに言えばいいんだな。
「ああ、サンドウルフとサンドワームなんだけど。ここに出してもいいかい?」
「出しても?まあ、構わねぇよ。どのくらいだ?」
「かなりの量があるな。そうする?サンドワームは討伐依頼30匹だっけ?」
「確か、そうです」
 オズワルドが思い出しながら返答する。実際はもっと居たけどまあ良いか。
「じゃあまずサンドワーム30匹分買取で頼む。ついでに依頼達成の確認もよろしく!」
「ああ、じゃあ。持って来てくれるか?表にあるのか?荷車に載ってるのか?」
「ちょっと待っててくれ「展開」っと」
 俺の目の前に魔法陣と空間の裂け目が現れる。光の粒が大量に流れだし魔法陣を通り抜けると、サンドワームの歯と外骨格がその場にゴロゴロと零れ落ちる。広いスペースは途端に歯と外骨格で埋め尽くされた。

「おわぁ!ちょっとまてぇい!!お前!これ。収納魔術か!!いや。ちょっと待ってくれ!!」
 待てと言われても、もう全部出ちゃったし。
「待てと言われても、どうする?もう一回収納する?」
「いや。いい。ちょっと気持ちの整理をさせてくれ」
 スキンヘッドのおっさんが、その場で項垂れている。大丈夫?あ、こいつユーザーだ。職人って感じなのかな。まあ、話せばわかる感じかな。ちょっと落ち着くまで待ってみよう。
 俺はしばらくおっさんが落ち着くのを待ってみた。その間サトシは歯や外骨格を種類ごとに分けてみたり、冒険者の装備品らしきものを集めてみたりと忙しなく動いている。

「ふぅ、すまねぇ。ちょっと混乱しちまってよ。収納魔術を見たのが初めてだったもんだからよ」
「あんまり使える人いないんですね」
「あんまりなんてもんじゃねぇよ。噂や伝説くらいでしか聞いたことねぇぜ」
 なるほどね。まあ、慣れてもらうしかないな。取り敢えずここでしか使わないようにしよう。他で使ったらえらいことになりそうだ。

「まあ、そう気にするな。な」
「な!じゃねぇよ。全く」
 どうやら落ち着いてくれたみたいだ。さて、仕事の話にうつろう。

「で、どうだい?30体分はあるし買取も頼みたいんだが」
「そうさな。程度は良いみたいだな。目立った傷もないし。歯もいいな、完全な形での歯は珍しいな」
 いいね。オズワルドはできるだけ柔らかいところを狙って切り付けていたから外骨格も歯も傷つけてない。素敵。

 サトシの70匹はって?

 いやほら。あいつ超合金(イモータライト)の茨使うじゃん。あれ相手の装甲ガン無視するからね。防御力無効化みたいなもんですよ。
 だから、外骨格も歯も穴だらけです。はい。素材としては使えませんでした。粉々のペレットみたいな感じで保管してます。
 なので、ここにあるのは30匹分です。何か問題でも?

「前列歯一対で800リル、後列歯一対で1200リルだな。外骨格は大きさ次第で値段が変わるが1匹分5500リルでどうだ?」
「そうすると1匹あたり7500リルか。30匹で225,000リル……」
 ぼろいな。これは良いんじゃないか?大量討伐おいしいぞ!誰だ!大量討伐が難しいなんて言った奴!
「あ~。オホン。良いぜ。それで買い取ってくれ」
 サトシもニヤニヤしている。これはモンスターの大量駆除勃発か?
「それと、サンドウルフの解体と買取を頼みたいんだが」
「サンドウルフの解体?ここまで死骸を持ってきたのか……って。そうか!お前達なら出来るのか。マジか。こりゃすげぇ」
 なんだ?急におっさん興奮し始めたぞ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊  ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め… ※カクヨム様にも投稿しています ※イラストはAIイラストを使用しています

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...