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生方蒼甫の譚
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「転移」
空を飛んで行けるほどの魔力はオズワルドに残っておらず、俺たちは転移で王都の冒険者ギルドに向かう。
周囲の景色が歪み、元に戻った時には冒険者ギルドの転移部屋だ。
そこからぞろぞろと俺たち5人が出ていくと、受付嬢が笑顔で迎えてくれた。
「あ、お待ちしておりました皆さん。ゴーレム討伐の成功報酬が届いておりますのでお渡しいたします」
「ああ、ありがとう。そうか。届いたか」
そう。依頼主の確認待ちだったからな。まあ、確かにゴーレムが増殖するとなれば、狩り残しが居ると元の木阿弥。そのあたりも確認するのは至極当然の事だろう。一応俺たちはそのあたりも仕事キッチリなので、確認しやすいようにすべて焼け野原にしておいた。
「あ、それと、サンドワームとサンドウルフ討伐できたんだけど。これはどうすればいい?」
「討伐対象の死骸の一部は……」
「今回数が多いんだよね。どうしよう。どっかに出していい?ついでに買い取ってもらえると嬉しいんだけど」
「買取ですか。一応買取は裏手に回っていただくと買取窓口がありますが。いかがいたしますか?」
「広い?そこ」
「広い?と、言いますと?」
「いや。ほら。数が多いからさ。まとめて出すと結構なスペースが要るからさ」
「はぁ。そうですね。比較的広いとは思いますが……一度ご覧いただいた方が良いかと思いますので、ご案内しましょうか?」
「助かる」
「では、こちらへどうぞ」
受付嬢は一旦ギルドの外へと出てゆく。
「買取窓口は通りの先にある路地から裏に回っていただきます」
嬢は冒険者ギルドの前の通りを東に進むと、隣の店との間にある細い路地へと入って行く。薄暗いがちゃんと手入れされている小綺麗な路地だ。かなり距離があるがそれを抜けると冒険者ギルドの裏通りに出た。こちらの通りもにぎわっている。通りに面して随分と大きい観音開きの入り口があった。
「こちらです。どうぞお入りください」
中はバレーボールやバスケットボールが出来そうなほど広い。天井も随分高いな。なるほど。ここならいろんなものを持ち込めそうだ。
「いらっしゃい」
奥の方から野太い声がする。声の方向を見ると、奥にカウンターがありそこにスキンヘッドの厳ついおっさんが居た。まあ、俺も人の事言えないけどさ。見た目は似てるんじゃなかろうか。
「こちらが買取カウンターになっております。解体についても承っておりますので、気軽にお申し付けください」
嬢はそう言い一礼すると、カウンターの方から奥に行ってしまった。どうやら建物の中はつながっているみたいだな。
「で、何を買い取るんだい?」
なるほど。買取はこのおっさんに言えばいいんだな。
「ああ、サンドウルフとサンドワームなんだけど。ここに出してもいいかい?」
「出しても?まあ、構わねぇよ。どのくらいだ?」
「かなりの量があるな。そうする?サンドワームは討伐依頼30匹だっけ?」
「確か、そうです」
オズワルドが思い出しながら返答する。実際はもっと居たけどまあ良いか。
「じゃあまずサンドワーム30匹分買取で頼む。ついでに依頼達成の確認もよろしく!」
「ああ、じゃあ。持って来てくれるか?表にあるのか?荷車に載ってるのか?」
「ちょっと待っててくれ「展開」っと」
俺の目の前に魔法陣と空間の裂け目が現れる。光の粒が大量に流れだし魔法陣を通り抜けると、サンドワームの歯と外骨格がその場にゴロゴロと零れ落ちる。広いスペースは途端に歯と外骨格で埋め尽くされた。
「おわぁ!ちょっとまてぇい!!お前!これ。収納魔術か!!いや。ちょっと待ってくれ!!」
待てと言われても、もう全部出ちゃったし。
「待てと言われても、どうする?もう一回収納する?」
「いや。いい。ちょっと気持ちの整理をさせてくれ」
スキンヘッドのおっさんが、その場で項垂れている。大丈夫?あ、こいつユーザーだ。職人って感じなのかな。まあ、話せばわかる感じかな。ちょっと落ち着くまで待ってみよう。
俺はしばらくおっさんが落ち着くのを待ってみた。その間サトシは歯や外骨格を種類ごとに分けてみたり、冒険者の装備品らしきものを集めてみたりと忙しなく動いている。
「ふぅ、すまねぇ。ちょっと混乱しちまってよ。収納魔術を見たのが初めてだったもんだからよ」
「あんまり使える人いないんですね」
「あんまりなんてもんじゃねぇよ。噂や伝説くらいでしか聞いたことねぇぜ」
なるほどね。まあ、慣れてもらうしかないな。取り敢えずここでしか使わないようにしよう。他で使ったらえらいことになりそうだ。
「まあ、そう気にするな。な」
「な!じゃねぇよ。全く」
どうやら落ち着いてくれたみたいだ。さて、仕事の話にうつろう。
「で、どうだい?30体分はあるし買取も頼みたいんだが」
「そうさな。程度は良いみたいだな。目立った傷もないし。歯もいいな、完全な形での歯は珍しいな」
いいね。オズワルドはできるだけ柔らかいところを狙って切り付けていたから外骨格も歯も傷つけてない。素敵。
サトシの70匹はって?
いやほら。あいつ超合金(イモータライト)の茨使うじゃん。あれ相手の装甲ガン無視するからね。防御力無効化みたいなもんですよ。
だから、外骨格も歯も穴だらけです。はい。素材としては使えませんでした。粉々のペレットみたいな感じで保管してます。
なので、ここにあるのは30匹分です。何か問題でも?
「前列歯一対で800リル、後列歯一対で1200リルだな。外骨格は大きさ次第で値段が変わるが1匹分5500リルでどうだ?」
「そうすると1匹あたり7500リルか。30匹で225,000リル……」
ぼろいな。これは良いんじゃないか?大量討伐おいしいぞ!誰だ!大量討伐が難しいなんて言った奴!
「あ~。オホン。良いぜ。それで買い取ってくれ」
サトシもニヤニヤしている。これはモンスターの大量駆除勃発か?
「それと、サンドウルフの解体と買取を頼みたいんだが」
「サンドウルフの解体?ここまで死骸を持ってきたのか……って。そうか!お前達なら出来るのか。マジか。こりゃすげぇ」
なんだ?急におっさん興奮し始めたぞ。
空を飛んで行けるほどの魔力はオズワルドに残っておらず、俺たちは転移で王都の冒険者ギルドに向かう。
周囲の景色が歪み、元に戻った時には冒険者ギルドの転移部屋だ。
そこからぞろぞろと俺たち5人が出ていくと、受付嬢が笑顔で迎えてくれた。
「あ、お待ちしておりました皆さん。ゴーレム討伐の成功報酬が届いておりますのでお渡しいたします」
「ああ、ありがとう。そうか。届いたか」
そう。依頼主の確認待ちだったからな。まあ、確かにゴーレムが増殖するとなれば、狩り残しが居ると元の木阿弥。そのあたりも確認するのは至極当然の事だろう。一応俺たちはそのあたりも仕事キッチリなので、確認しやすいようにすべて焼け野原にしておいた。
「あ、それと、サンドワームとサンドウルフ討伐できたんだけど。これはどうすればいい?」
「討伐対象の死骸の一部は……」
「今回数が多いんだよね。どうしよう。どっかに出していい?ついでに買い取ってもらえると嬉しいんだけど」
「買取ですか。一応買取は裏手に回っていただくと買取窓口がありますが。いかがいたしますか?」
「広い?そこ」
「広い?と、言いますと?」
「いや。ほら。数が多いからさ。まとめて出すと結構なスペースが要るからさ」
「はぁ。そうですね。比較的広いとは思いますが……一度ご覧いただいた方が良いかと思いますので、ご案内しましょうか?」
「助かる」
「では、こちらへどうぞ」
受付嬢は一旦ギルドの外へと出てゆく。
「買取窓口は通りの先にある路地から裏に回っていただきます」
嬢は冒険者ギルドの前の通りを東に進むと、隣の店との間にある細い路地へと入って行く。薄暗いがちゃんと手入れされている小綺麗な路地だ。かなり距離があるがそれを抜けると冒険者ギルドの裏通りに出た。こちらの通りもにぎわっている。通りに面して随分と大きい観音開きの入り口があった。
「こちらです。どうぞお入りください」
中はバレーボールやバスケットボールが出来そうなほど広い。天井も随分高いな。なるほど。ここならいろんなものを持ち込めそうだ。
「いらっしゃい」
奥の方から野太い声がする。声の方向を見ると、奥にカウンターがありそこにスキンヘッドの厳ついおっさんが居た。まあ、俺も人の事言えないけどさ。見た目は似てるんじゃなかろうか。
「こちらが買取カウンターになっております。解体についても承っておりますので、気軽にお申し付けください」
嬢はそう言い一礼すると、カウンターの方から奥に行ってしまった。どうやら建物の中はつながっているみたいだな。
「で、何を買い取るんだい?」
なるほど。買取はこのおっさんに言えばいいんだな。
「ああ、サンドウルフとサンドワームなんだけど。ここに出してもいいかい?」
「出しても?まあ、構わねぇよ。どのくらいだ?」
「かなりの量があるな。そうする?サンドワームは討伐依頼30匹だっけ?」
「確か、そうです」
オズワルドが思い出しながら返答する。実際はもっと居たけどまあ良いか。
「じゃあまずサンドワーム30匹分買取で頼む。ついでに依頼達成の確認もよろしく!」
「ああ、じゃあ。持って来てくれるか?表にあるのか?荷車に載ってるのか?」
「ちょっと待っててくれ「展開」っと」
俺の目の前に魔法陣と空間の裂け目が現れる。光の粒が大量に流れだし魔法陣を通り抜けると、サンドワームの歯と外骨格がその場にゴロゴロと零れ落ちる。広いスペースは途端に歯と外骨格で埋め尽くされた。
「おわぁ!ちょっとまてぇい!!お前!これ。収納魔術か!!いや。ちょっと待ってくれ!!」
待てと言われても、もう全部出ちゃったし。
「待てと言われても、どうする?もう一回収納する?」
「いや。いい。ちょっと気持ちの整理をさせてくれ」
スキンヘッドのおっさんが、その場で項垂れている。大丈夫?あ、こいつユーザーだ。職人って感じなのかな。まあ、話せばわかる感じかな。ちょっと落ち着くまで待ってみよう。
俺はしばらくおっさんが落ち着くのを待ってみた。その間サトシは歯や外骨格を種類ごとに分けてみたり、冒険者の装備品らしきものを集めてみたりと忙しなく動いている。
「ふぅ、すまねぇ。ちょっと混乱しちまってよ。収納魔術を見たのが初めてだったもんだからよ」
「あんまり使える人いないんですね」
「あんまりなんてもんじゃねぇよ。噂や伝説くらいでしか聞いたことねぇぜ」
なるほどね。まあ、慣れてもらうしかないな。取り敢えずここでしか使わないようにしよう。他で使ったらえらいことになりそうだ。
「まあ、そう気にするな。な」
「な!じゃねぇよ。全く」
どうやら落ち着いてくれたみたいだ。さて、仕事の話にうつろう。
「で、どうだい?30体分はあるし買取も頼みたいんだが」
「そうさな。程度は良いみたいだな。目立った傷もないし。歯もいいな、完全な形での歯は珍しいな」
いいね。オズワルドはできるだけ柔らかいところを狙って切り付けていたから外骨格も歯も傷つけてない。素敵。
サトシの70匹はって?
いやほら。あいつ超合金(イモータライト)の茨使うじゃん。あれ相手の装甲ガン無視するからね。防御力無効化みたいなもんですよ。
だから、外骨格も歯も穴だらけです。はい。素材としては使えませんでした。粉々のペレットみたいな感じで保管してます。
なので、ここにあるのは30匹分です。何か問題でも?
「前列歯一対で800リル、後列歯一対で1200リルだな。外骨格は大きさ次第で値段が変わるが1匹分5500リルでどうだ?」
「そうすると1匹あたり7500リルか。30匹で225,000リル……」
ぼろいな。これは良いんじゃないか?大量討伐おいしいぞ!誰だ!大量討伐が難しいなんて言った奴!
「あ~。オホン。良いぜ。それで買い取ってくれ」
サトシもニヤニヤしている。これはモンスターの大量駆除勃発か?
「それと、サンドウルフの解体と買取を頼みたいんだが」
「サンドウルフの解体?ここまで死骸を持ってきたのか……って。そうか!お前達なら出来るのか。マジか。こりゃすげぇ」
なんだ?急におっさん興奮し始めたぞ。
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