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凌空の気持ちと……
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「かなり辛そうだったね、牧田さん」
病室から出て、声が届かないくらいの距離まで離れてから 凌空が言った。
「俺らって、無力だよな。牧田の足の痛さも、心に受けた傷も代わってあげられない」
悔しそうに、うな垂れた 瑞輝。
「でも、僕らには、牧田さんを支えてあげる事が出来るよ! 女友達が彼女を見捨てても、僕らはずっと見守って行こう!」
瑞輝の背中を叩いて励ました 凌空。
「そうだな。ありがとう、 凌空! お前は、関係無いのに、俺のせいで、こんな事に巻き込んでしまって」
「気にするなよ、友達なんだから! 手伝わせてくれよ!」
凌空のような頭脳明晰で、温厚な性格の頼れる友人がいる事を誇りに感じた 瑞輝。
「それに、僕は、牧田さんが好きだから……」
凌空が、そういう事をストレートに言うとは思わなかった 瑞輝は面食らった。
「えっ、 凌空、お前、牧田の事、好きだったのか! そんな話、今まで聞いてねえよ! いつから?」
「小学生低学年の頃からだよ。ほら、牧田さんって、アルビノ系女子というか、色白だし、髪の毛も茶色のネコっ毛で、 華奢だから、妖精みたいにキレイな子だな~って思っていた」
小学生の低学年の時からずっと、 凌空が 詩奈をそういう目で見ていたと初めて知り、驚いた 瑞輝。
「確かに、牧田は、色素薄い系で目立つからな」
「今までは、ただそういう繊細そうなイメージが気になるだけだったけど……あの時、骨折した時から、痛いとか弱音を吐かず、 瑞輝を 庇って、笑顔でいる牧田さんを見ていると、いつの間にか、その頑張っている様子に、すっかり心打たれてしまってた」
凌空の気持ちがよく分かるほど、 瑞輝もまた、 詩奈に対し、償いの気持ちと同時に、何か放っておけない気持ちにさせられていた。
「そうだな~、分からなくも無いよ。牧田の 健気さって、なんか心に来る」
瑞輝が言うと、 凌空は少し前から気になっていた事を尋ねた。
「 瑞輝は、牧田さんの事をどう思っているの?」
「別に、俺は……足首を怪我させた責任が有るから、牧田の足が治るまでは、支えてあげなくてはと思っているだけだ!」
親友の 凌空が、 詩奈を想っているのだったら、協力したい 瑞輝。
「それだけなんだ……? 好きとかって気持ちは無い?」
事故の後から気になっていた 瑞輝の気持ちを確認しようとする 凌空。
「人として好きか嫌いか? って聞かれたら好きだけど、 凌空が想うような好きという気持ちではない……」
「ただ……」
瑞輝が続けて言おうとしたが、思い止まった。
「ただ……?」
「いや、何でもない。随分と昔の事だし、気のせいだったかも知れないから」
「なんか、それ気になるな~! 教えろよ、 瑞輝!」
凌空に追及されて、隠すのも妙だと思い、小学4年生の二人三脚で体験した不思議な感覚を伝えた。
「そんな感覚になったのは、後にも先にもそれっきりだったから、何だったのか分からないけど。牧田の事は、小4の時から、それがずっと気になってた。右足首の骨折っていうのも、ちょうど二人三脚の時に結んでいたのが牧田の右足首だったのも、引っかかっている……」
今まで、誰にも言わずにいた事を初めて 凌空に話し、いつになく動揺している 瑞輝。
「 凌空、この事、誰にも言うなよ! 俺が、頭おかしい奴だと思われてしまうから!」
「分かったよ。そうか、そんな事が有ったんだ……それって、牧田さんの方も感じ取っていたのかな、その時?」
「そういう話は、牧田とはしてなかったけど。でも、確か、あの時、俺が驚いたら、牧田もビックリ 眼で、こっちガン見してたから……もしかすると、同じ感覚を味わっていたのかも知れない」
2人とも同時に感じていたとすると、怪我した部位的にも、未来に起きる事の予兆として、何らかの未知なる力により、その時の2人に感じさせられていたのかも知れないと思えた 凌空。
「不思議だね……この世の中、人間が認識出来てない事の方が圧倒的に多く存在するって言うけど、それもその1つなのかも知れない」
凌空らしい解釈の仕方だった。
「俺が牧田を手伝ったりしているのって、もしかして、 凌空は嫌か?」
車椅子の使用時には、 詩奈の右足首が回復するまで、 瑞輝が背中を貸してスムーズに移動出来ていたが、毎回目の当たりにしている 凌空の心境を考えると、これからは別の方法を考えようとする 瑞輝。
「嫌でも、今は、僕は 瑞輝に比べて貧弱だし、もし、僕に任されて、グラついて、牧田さんの足が悪化する方が怖いから、そればっかりは 瑞輝に 委ねる事にするよ。でも、僕もこれからは、 瑞輝に負けないくらい身体鍛える事にするから!」
少し前にも、 凌空が身体を鍛えると言っていたのを聞いていたが、その根底には、 詩奈への想いが有ったのだと理解した 瑞輝。
「頼もしいな~! 勉強一辺倒だった 凌空が、好きな人の為に身体を鍛える事を意識し出すとは!」
瑞輝に褒められ、照れ笑いをした 凌空。
「 瑞輝、この件は他言無用で!」
「お前が危なっかしいうちは、黙っておくよ!」
弱みを握ったような口調で言った 瑞輝。
「危なっかしくなくなっても黙ってて! じゃないと、 瑞輝の小4の時のおかしな体験談、言っていいのかな~?」
「お前、それは止せ! それは、言ったら、ホントにヤバイやつだからな!」
久しぶりに、大声で笑い合った 瑞輝と 凌空。
詩奈が怪我して以来、ずっと何かに 囚われたような感覚で、2人は思い切り笑う事すらも忘れていたのだった。
病室から出て、声が届かないくらいの距離まで離れてから 凌空が言った。
「俺らって、無力だよな。牧田の足の痛さも、心に受けた傷も代わってあげられない」
悔しそうに、うな垂れた 瑞輝。
「でも、僕らには、牧田さんを支えてあげる事が出来るよ! 女友達が彼女を見捨てても、僕らはずっと見守って行こう!」
瑞輝の背中を叩いて励ました 凌空。
「そうだな。ありがとう、 凌空! お前は、関係無いのに、俺のせいで、こんな事に巻き込んでしまって」
「気にするなよ、友達なんだから! 手伝わせてくれよ!」
凌空のような頭脳明晰で、温厚な性格の頼れる友人がいる事を誇りに感じた 瑞輝。
「それに、僕は、牧田さんが好きだから……」
凌空が、そういう事をストレートに言うとは思わなかった 瑞輝は面食らった。
「えっ、 凌空、お前、牧田の事、好きだったのか! そんな話、今まで聞いてねえよ! いつから?」
「小学生低学年の頃からだよ。ほら、牧田さんって、アルビノ系女子というか、色白だし、髪の毛も茶色のネコっ毛で、 華奢だから、妖精みたいにキレイな子だな~って思っていた」
小学生の低学年の時からずっと、 凌空が 詩奈をそういう目で見ていたと初めて知り、驚いた 瑞輝。
「確かに、牧田は、色素薄い系で目立つからな」
「今までは、ただそういう繊細そうなイメージが気になるだけだったけど……あの時、骨折した時から、痛いとか弱音を吐かず、 瑞輝を 庇って、笑顔でいる牧田さんを見ていると、いつの間にか、その頑張っている様子に、すっかり心打たれてしまってた」
凌空の気持ちがよく分かるほど、 瑞輝もまた、 詩奈に対し、償いの気持ちと同時に、何か放っておけない気持ちにさせられていた。
「そうだな~、分からなくも無いよ。牧田の 健気さって、なんか心に来る」
瑞輝が言うと、 凌空は少し前から気になっていた事を尋ねた。
「 瑞輝は、牧田さんの事をどう思っているの?」
「別に、俺は……足首を怪我させた責任が有るから、牧田の足が治るまでは、支えてあげなくてはと思っているだけだ!」
親友の 凌空が、 詩奈を想っているのだったら、協力したい 瑞輝。
「それだけなんだ……? 好きとかって気持ちは無い?」
事故の後から気になっていた 瑞輝の気持ちを確認しようとする 凌空。
「人として好きか嫌いか? って聞かれたら好きだけど、 凌空が想うような好きという気持ちではない……」
「ただ……」
瑞輝が続けて言おうとしたが、思い止まった。
「ただ……?」
「いや、何でもない。随分と昔の事だし、気のせいだったかも知れないから」
「なんか、それ気になるな~! 教えろよ、 瑞輝!」
凌空に追及されて、隠すのも妙だと思い、小学4年生の二人三脚で体験した不思議な感覚を伝えた。
「そんな感覚になったのは、後にも先にもそれっきりだったから、何だったのか分からないけど。牧田の事は、小4の時から、それがずっと気になってた。右足首の骨折っていうのも、ちょうど二人三脚の時に結んでいたのが牧田の右足首だったのも、引っかかっている……」
今まで、誰にも言わずにいた事を初めて 凌空に話し、いつになく動揺している 瑞輝。
「 凌空、この事、誰にも言うなよ! 俺が、頭おかしい奴だと思われてしまうから!」
「分かったよ。そうか、そんな事が有ったんだ……それって、牧田さんの方も感じ取っていたのかな、その時?」
「そういう話は、牧田とはしてなかったけど。でも、確か、あの時、俺が驚いたら、牧田もビックリ 眼で、こっちガン見してたから……もしかすると、同じ感覚を味わっていたのかも知れない」
2人とも同時に感じていたとすると、怪我した部位的にも、未来に起きる事の予兆として、何らかの未知なる力により、その時の2人に感じさせられていたのかも知れないと思えた 凌空。
「不思議だね……この世の中、人間が認識出来てない事の方が圧倒的に多く存在するって言うけど、それもその1つなのかも知れない」
凌空らしい解釈の仕方だった。
「俺が牧田を手伝ったりしているのって、もしかして、 凌空は嫌か?」
車椅子の使用時には、 詩奈の右足首が回復するまで、 瑞輝が背中を貸してスムーズに移動出来ていたが、毎回目の当たりにしている 凌空の心境を考えると、これからは別の方法を考えようとする 瑞輝。
「嫌でも、今は、僕は 瑞輝に比べて貧弱だし、もし、僕に任されて、グラついて、牧田さんの足が悪化する方が怖いから、そればっかりは 瑞輝に 委ねる事にするよ。でも、僕もこれからは、 瑞輝に負けないくらい身体鍛える事にするから!」
少し前にも、 凌空が身体を鍛えると言っていたのを聞いていたが、その根底には、 詩奈への想いが有ったのだと理解した 瑞輝。
「頼もしいな~! 勉強一辺倒だった 凌空が、好きな人の為に身体を鍛える事を意識し出すとは!」
瑞輝に褒められ、照れ笑いをした 凌空。
「 瑞輝、この件は他言無用で!」
「お前が危なっかしいうちは、黙っておくよ!」
弱みを握ったような口調で言った 瑞輝。
「危なっかしくなくなっても黙ってて! じゃないと、 瑞輝の小4の時のおかしな体験談、言っていいのかな~?」
「お前、それは止せ! それは、言ったら、ホントにヤバイやつだからな!」
久しぶりに、大声で笑い合った 瑞輝と 凌空。
詩奈が怪我して以来、ずっと何かに 囚われたような感覚で、2人は思い切り笑う事すらも忘れていたのだった。
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