子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月

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コウモリ?

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 というわけで。リーナ探検隊(総勢一人&一匹)は堂々とダンジョン攻略を開始したのだった。

 前世でのダンジョンは作品によって見た目が大きく変わっていたけれど……このダンジョンは、一言で言うと大きな洞窟だった。

 高さと横幅はそれぞれ3メートルくらいだろうか? 天井と壁は剥き出しの岩肌で、床だけは石畳となっている。元々ダンジョンはこういうものなのか、あるいは人間が歩きやすいよう整備したのかは分からない。

 明かりはないので、ミャーが尻尾の先に灯した灯火リヒトを頼りに進んでいく。

 すると、

『――ぎゃあ! ぎゃあ!』

「ふみゃあ!?」

 なんか天井から襲いかかってきた!? 灯火リヒトの明かりが届かない暗がりから! なんか噛まれた!? なになになに!?

『みゃっ!』

 ミャーの火炎放射で謎の存在が丸焼きにされる。これは……コウモリかな? イメージより一回りくらい大きいけど、それでも前世のコウモリと大して変わらないはずだ。

『みゃ?』

 食べる? とばかりに首をかしげるミャー。さすがにコウモリを食べるのはなぁ。なんか病気があると聞いたことがあるし。

 いや毒分解ディートスキルがあるから病原菌も大丈夫かもしれないけど……自動回復イルズィオンがあるから死にはしないかもしれないけど……うーん……。

「お、お腹空いてないからまた今度にしようかな?」

『みゃっ』

 納得したのかコウモリをバクバクと食べるミャーだった。やはりちょっと悪食じゃない?


                      ◇


「……こわっ、ダンジョンこわっ」

『みゃ?』

 首をかしげるミャーはよく分かってなさげだけど、ダンジョンって怖いね。正面からだけじゃなく後ろや天井からもコウモリっぽい魔物が襲いかかってくるし。何回も噛まれたし……。

 いやまぁコウモリっぽい魔物は全部ミャーが処理してくれて、≪獲得経験値共有≫で私のレベルも上がっているのだけど……それはそれとして心臓に悪いのだ。

「なんか、こう、探知できる方法はないものか……」

 探知魔法もあるにはあるのだけど、発動するにはいちいち呪文を唱えなきゃいけないし、効果時間も10分ほど。10分ごとに呪文を唱えるのもなぁ。

「探知系のスキルがあれば……呪文詠唱をしなくてよくなるからかなり楽になるのだけど……」

 スキル。スキルかぁ。今持っていないからあとは魔物から獲れた魔石を食べてスキルを得ればいいのだけど……。そんな探知系のスキルを持っていそうな魔物は……。

『みゃっ!』

 考えながら歩いていると、ミャーが天井に隠れていたコウモリを火炎放射で落とした。

 コウモリ……。

 ――そうだ! コウモリは超音波で獲物を探すと聞いたことがある!

 しかもそれは索敵だけじゃなくて周囲の環境を把握、物の位置や距離、形状や質感までも識別できるのだという。

「ミャー! そのコウモリ、魔石ある!?」

『みゃ?』

 ミャーが器用に魔石を取り出してくれたので、早速口に入れ――いや、ちょっと待とう。まずは浄化ライニで綺麗にしてからだ。浄化ライニ浄化ライニ。もう一つついでに浄化ライニ……。

 十分に浄化してから口に入れてみる。舐め舐め。ころころ。舐め舐め。

≪――スキル・天井ぶら下がりハングマンを獲得しました≫

「……ちっがーうっ!」

 思わずツッコミを入れてしまう私だった。


                  ◇


 なんやねん天井ぶら下がりハングマンって。ぶら下がってどないすんねん。しかも私は『マン』じゃなくて『ウーマン』やし。

 ふふふっ、しかし私は諦めない。

 今までの経験からして、同じ魔物の魔石を食べても別のスキルを獲得することがあったのだ。――つまり! コウモリの魔石を食べ続ければいずれ超音波にたどり着く! はず!

『みゃー?』

 そんな上手く行くかなー? みたいな顔をするミャーだった。今に見ておれー。

「というわけでミャー! コウモリの魔物の乱獲よろしく!」

『みゃあみゃあ』

 はいはい、と面倒くさがりながらもちゃんと乱獲してくれるミャーだった。そういうところ、大好きだ。

「ふっふっふっ」

 しばらくして。
 私の前には山盛りになったコウモリの魔石が。ちょっと多い気もするけど、まぁ超音波スキルが手に入ればあとは無理して食べなくてもいいので大丈夫でしょう。

 舐め舐め。

天井ぶら下がりハングマンを獲得しました≫

 舐め舐め。

天井ぶら下がりハングマンを獲得しました≫

 舐め舐め。

天井ぶら下がりハングマンを獲得しました≫

 ……あれ? もしやコウモリの魔物って天井ぶら下がりハングマンしかスキルを持ってない? そういえば二つスキルを持っているとも限らないのか……。

 くっ、しかしここまで来たからには何の成果もなしに引き下がれない! ひたすら舐める! 舐める! 舐める!

≪――天井ぶら下がりハングマンの獲得個数が一定値を超えました。スキル・天井歩きスカイウォーカーに進化します≫

「おっ」

 目的とは違うけど、これはこれで有用そうなスキルが。どれどれ~スキルの確認を……。

『みゃっ』

 ミャーの尻尾が、私の肩に乗せられた。『せっかく獲ってきたのにお残しするの?』とその顔に書いてある。気がする。

「い、いや、やっぱり超音波スキルはなさそうだなー、なんて……」

『…………』

 みゃ、ミャーの視線が痛い……。

「うぅ、分かりました……。全部食べます……」

『みゃ』

 ミャーの監視下で。私は最後までコウモリの魔石を食べたのだった。



≪――スキル・索敵オークルを獲得しました≫



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