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第六部
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花の洞窟へと向かうこととなった当日。朝からいい感じに晴れていて、まさに外出日和という天気。雨の心配はなさそうで、雲一つないわけじゃないから、時折太陽が隠れるので、気温が上がり過ぎることもない。
花の洞窟はそこまで遠くないということで、徒歩で行くことになった。ウィルフが元々住んでいた部屋の土地が、元々わたしの家があったところだったと仮定したら、隣の島までの距離もそう長くない。海があるから歩きで全て換算できないけど、船の乗車時間自体は五分程度だったし。
それに、そもそも、星空を頼りに場所を割り出すので、夜を待たないといけないのだ。あまり早く移動しすぎて通り過ぎた、ということにもなりかねない。
「絶好の調査日和ですね!」
テンション高く、イエリオが言う。そんなに出発時から張り切っていたら体力が持たないのでは、と思うのだが、イエリオに至ってはそんなこともなさそうだ。
しばらく歩いていても、息が切れる様子がない。
「イエリオって、勉強ばっかりしてそうだけど、意外と体力あるよね」
元冒険者のウィルフやイナリ、意外と体力が必要な料理人のイエリオと違って、イエリオって割とデスクワーク寄りの人間だとは思うんだけど。
「私はフィールドワークに出るのが好きですからね! 研究所にこもって文献を読み漁っているのもいいですが、外に出て遺跡を見るのも最高なんです」
「イエリオだったら体力がなくなっても、前文明に関係することなら意地だけで行動できそう」というフィジャの言葉もあって、わたしは納得した。
……あれっ、もしかして、この中で一番体力ないの、わたしだったりする……?
乗り物の種類が豊富だった前世に比べたらシーバイズの交通手段はお粗末なもので、よく歩いているから体力はある方だと思うんだけど……。しろまるを呼び出すときにディンベル邸まで行ったり、東の森の調査をするために森へ向かったり、それができたから今回だって問題ないよね……!?
――数時間後。
一抹の不安とは裏腹に、イナリとウィルフが休憩にしよう、というタイミングが完璧で、あまり疲れを感じないままに結構進むことができた。こういう歩行での遠出に二人は慣れているのだろう。
助かった……。
「――あ、そろそろ野営地決めますか?」
ぴたり、と足を止めて空を指さすイエリオ。
暗くなり始めていた空には、一番星が輝いていた。街から遠くなったので、星が見えるのが早い。
「もう少し行けるとは思うけど……そうだね。花の洞窟の直前は少し野営には向かない土地だし、ここでいいか」
イナリが言うので、わたしたちは荷物を下ろし、それぞれ準備を始める。
「ずっと見てたの?」
イエリオの隣に荷物を置き、荷解きをしながらわたしが思わず聞くと、「楽しみで、つい」とイエリオは笑った。
花の洞窟はそこまで遠くないということで、徒歩で行くことになった。ウィルフが元々住んでいた部屋の土地が、元々わたしの家があったところだったと仮定したら、隣の島までの距離もそう長くない。海があるから歩きで全て換算できないけど、船の乗車時間自体は五分程度だったし。
それに、そもそも、星空を頼りに場所を割り出すので、夜を待たないといけないのだ。あまり早く移動しすぎて通り過ぎた、ということにもなりかねない。
「絶好の調査日和ですね!」
テンション高く、イエリオが言う。そんなに出発時から張り切っていたら体力が持たないのでは、と思うのだが、イエリオに至ってはそんなこともなさそうだ。
しばらく歩いていても、息が切れる様子がない。
「イエリオって、勉強ばっかりしてそうだけど、意外と体力あるよね」
元冒険者のウィルフやイナリ、意外と体力が必要な料理人のイエリオと違って、イエリオって割とデスクワーク寄りの人間だとは思うんだけど。
「私はフィールドワークに出るのが好きですからね! 研究所にこもって文献を読み漁っているのもいいですが、外に出て遺跡を見るのも最高なんです」
「イエリオだったら体力がなくなっても、前文明に関係することなら意地だけで行動できそう」というフィジャの言葉もあって、わたしは納得した。
……あれっ、もしかして、この中で一番体力ないの、わたしだったりする……?
乗り物の種類が豊富だった前世に比べたらシーバイズの交通手段はお粗末なもので、よく歩いているから体力はある方だと思うんだけど……。しろまるを呼び出すときにディンベル邸まで行ったり、東の森の調査をするために森へ向かったり、それができたから今回だって問題ないよね……!?
――数時間後。
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助かった……。
「――あ、そろそろ野営地決めますか?」
ぴたり、と足を止めて空を指さすイエリオ。
暗くなり始めていた空には、一番星が輝いていた。街から遠くなったので、星が見えるのが早い。
「もう少し行けるとは思うけど……そうだね。花の洞窟の直前は少し野営には向かない土地だし、ここでいいか」
イナリが言うので、わたしたちは荷物を下ろし、それぞれ準備を始める。
「ずっと見てたの?」
イエリオの隣に荷物を置き、荷解きをしながらわたしが思わず聞くと、「楽しみで、つい」とイエリオは笑った。
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