ヒノキの棒と布の服

とめきち

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第百六十六話 閑話 バロアの宿なし

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 話は半年と少し前にさかのぼる。
 
「どこだここは…」
 タツヨシは、途方に暮れていた。
 朝の喧噪のなか、市場の石畳の上で、痩せた体は腹をすかしていた。
 周りからは、市場特有の野菜や果物のにおいが漂ってくる。
 焼いた肉のにおいが、さらに空腹を刺激する。
「どこだここは…」
 タツヨシは、だれに問いかけるでもなく口にしていた。
 その背中にツンと言う刺激が来た。
「黙って歩け。」

 いきなり荒事か?

「はあ?誰だよ、俺の知り合いか?」
「いいからそこの路地にいけ。」
 ツンツンとつついてくるのは、どうやら刃物らしいと見当をつけた。
「言っとくが、俺は文無しだぞ。」
「はあ?うそつけ。」
「いや、だって、ポケット空だもんよ。」
 タツヨシは、ズボンを振って見せた。
 チャリとも音がしない。
「ああ?ちくしょう、空振りかよ。」
 わざわざ刃物まで見せたのに、相手は一文無し。
 がっかりした男は、次にどうするか考えてなかった。


 タツヨシは、背中を向けたまますっと沈むと、右足を中心に左足を伸ばして横ざまに足払いをかけた。
 六〇手前の腰痛持ちでも、このくらいはできるぞと、一気にしゃがんで半回転したのだ。
 後ろの男は、きれいに浮き上がって、もんどりうって倒れた。
 背中を強打したらしく、息が詰まってうめき声も出せない。
「~~~~~~!」
 どうやら、うまく行った。
 相手は、頭から落ちたのでまだ動けない。
「強盗はいただけないな。」
 ちゃりんと地面に落ちた短剣を拾い上げて、男の手のひらを踏みつけた。
 踏んだ足には、ごついブーツのような靴。
「俺、こんな靴持ってねえぞ。」

 しかも腰が痛くない。
 体のキレもいい。

「げほげほ!ちくしょう!はなせ!」
「アホ、離したら逃げられるじゃん。」
 ぐりぐりと踏みにじると、堅い靴のソールはいい感じで、手を圧迫する。
「ぐあああああ!」
 砂利とソールに挟まれて、男は痛みに悲鳴を上げる。
「ちったあ我慢しろよ。大の大人がよう。」
「いてえんだよ!」
「ち、鞘よこせ、そしたら足をのけてやる。」
「こ、これで。」
 左手で、ナイフの鞘を出してきた。
「ん」

 タツヨシは、ナイフの鞘を受け取ると、刃を収納した。
 その手で、男の尻のポケットから財布を抜きだす。
「ああ!おい!」
「自分がしたことと同じことされて、怒るのかよ?」
「まだ、やってねえだろうが!」
「他でもやってるんだろう?」
「ぐ!」
 冷たい目で見下ろすタツヨシ。
「ナメたことしやがると、骨までやるぞ。俺は、正義の味方じゃあないんでな。」

 彼は、温厚な性格と言われているが、実に敵に対しては容赦のない性格をしている。
 いじめ、ダメ・ぜったい!
「うう…」
「ま、相手が悪かったと思って、あきらめろ。よそでカツアゲする分には目をつぶってやる。」

 そう言って、タツヨシが足をのけると、男は一気に後ろへ下がった。

「そうそう、よかったな、殴りかかってきたら、その腕をヘチ折ったところだぞ。」
「…」
 男は。ぎっと睨んで、踵を返した。
「おぼえてやがれ!」
 定番の捨てゼリフに、快くこたえるタツヨシ。
「んなわけねえだろ!さっさと忘れたさ。」

 走りながら、がくっとコケる芸の細かさ。


「よかった、小遣いができた。」
 タツヨシは、迷わず焼肉の屋台に向かった。

 路地の向こうから、そっと覗いていた蒼い眼には気付かなかった。


「おっちゃん、なんぼ?」
 露店のおやじに声をかける。
「おう、一皿銅貨五枚!」
「これでいいか?」
「おうともよ。」
 朴葉に似た葉っぱの皿に乗った薄切りの肉は、塩とハーブの香りが付いていて、隅につまようじのような木片が付いていた。
 タツヨシは、それで肉を刺して口に運ぶ。
 肉汁が、口の中に広がって、いい塩梅だ。
「酒が欲しいな~。」
「酒屋は向こうだ。」
 焼肉屋に指さされたところには、樽が並んでいた。」
「おおきに~。」

 タツヨシは、市場の喧噪を泳ぐように酒屋の前に向かった。

「ぬるいな…」
 麦の酒と言われて買ったエールは、常温で生ぬるく、その上いがらっぽかった。
「まあ、飲めないわけやないわな。」
 肉とエールで、腹の虫を押さえたタツヨシは、財布の中身を確かめた。
「銀貨が十二枚と銅貨が五枚か…」
 この街で、どのくらいの価値なのか?
 何も分からないのに、困ったものだな。
 あまり困っていない。
 豪快な性格は、困難を困難と思わない。

 目の前の焼肉屋を見ていると、炭をかまどに入れて、指先で着火の魔法を唱えた。
 ぽんっと火が出て、炭に火が移るのを見て、タツヨシの目が丸くなった。
「おっちゃん、いまなにしたん?」
「ああ?着火の魔法じゃないか、見たことないのか?」
「は・始めて見た…」
 タツヨシの動揺は、いかばかりか。
 文明の利器を見た原始人のように、目を丸くしている。

 田舎もんだ、田舎もんがいる。
 屋台のおやじは、かわいそうな人を見るような眼でタツヨシを見ていた。
「着火の魔法、水出しの魔法、清掃の魔法なんてものは、けっこうできるやつがいるぞ。」
「へ~、俺にもできるのかなあ?」
「やったことないのか?」
「ああ。」

「まあ、うまく魔力を感じることができたら、簡単なもんさ。」
「魔力?」
「ああ、体の中にめぐってる、あったかいものを探せばいい。」
「へ~、あったかいものねえ。わかった、やってみるわ。」
「おう、じゃあな。」
 焼肉屋は、あたらしい肉を並べて、温めた鉄板で焼き始めた。

「魔法ねえ、そんなアホみたいな話…カッちゃんなら飛びつくな。」

 アホな話に飛びつくって、そんなオタクなことねえ。

 さて、腹の虫が納まったところで、タツヨシは歩き始めた。
 家並みの向こうに見える、とんがった屋根は教会だろうと、見当をつけたのだ。
「達善としての記憶はある、五十九年分の記憶もある、しかしこの体はせいぜい二十歳前後だ。」
 エールのジョッキに写った顔は、別人のものであり若かった。
 そんなアフォな話は、聞いたこともなければ喰ったこともない。
 アフォのカッちゃんが読んでいた、アホな本には書いてあったな。
 鼻で笑ってまった。
 展開が見え見えで、伏線もないような話で、あきれたん。

「あちこちガタはあるが、六〇前の体よりはマシか?」

 石畳の道、木組みの家。
 丸い広場から、一本抜けている道は、結構広くて横幅一〇メートルほどもあろうか。
「車がすれ違うには十分だな。」
 意外と歩きにくいブーツではある、かかとの上の柔軟性に問題があるのか。
 靴ずれが起きそうだ。

「居やがった!アニキあいつだ。」
 先ほどのチンピラが、兄貴分を連れてきたらしい。
 どかどかと足音が重なって、数人が路地に入ってくる。
「おう、とまれや。」
 アニキと呼ばれた男が声を上げる。
 タツヨシは、無視してすたすたと歩るく。

「おい!止まれって言ってるだろう!」
 ようやっと振り向くタツヨシ。
 芯からめんどくさそうに口元を歪める。
 このへん、素直なカズマとは違うな。
 もめごとを芯から楽しんでいる。
「ああ?人にものを頼む時は、お願いしますって言うんだぞ、礼儀しらへんのか?」
「なんだとぅ。」
 さすがに兄貴分は、けっこうな威圧を出している。

 が、タツヨシにはそよ風程にも感じない。
「アホが。」
 ぷいと横を向く。
「まてやコら!」
 兄貴はタツヨシの肩に手を伸ばしてきた。
 パシリと手の甲で払う。
「な!」
 兄貴は、目を見開いた。
「さわるな。」

「ぐおおおおおお!」

 兄貴は両手を持ち上げて、タツヨシに迫ってきた。
 大股で近寄ってくるやつなど、何ほど恐ろしいものか。
 タツヨシは、良く狙って股間を蹴りあげた。
 あくまで、ダメージのみである。
 タマまでつぶすと、後味が悪い。
「ぐへ!」
 兄貴は、白目をむいて、顎から崩れた。
 タツヨシは、そいつの尻から財布を抜きだした。
「手加減したよって、女抱けへんようにはならん。おい、チンピラ、兄貴担いで帰れ。」
「へ、へへへ!」
 チンピラは、一撃でノされた兄貴を見て、混乱の極み。

 この辺で逃げないのがチンピラのチンピラたる所以である
 頭が悪いという。
「このやろう!」
 いきなりショートソードを抜いて切りつけてきた。
 ビュン!
 剣術のイロハもない。
 やせた腕は、剣の重さに負けている。
 力任せに振り回す、鋳造の安物。

 タツヨシは、ひょいと横によけて、左顎にフックをたたき込む。

「ぐへえ!」
 それはゴマ味噌つけて焼いてもまずそうだ。
「このやろ!」
 太った腹が邪魔そうだ。
 真正面からケンカキック!
 剣を振る暇もない。
 腹のものをぶちまけながら悶えている。

「ごあああああ」

「よええなあ。」
 残り三人も、流れるように叩きのめした。
 うめきながら路地に転がるチンピラたち。
「念には念を入れて…っと。」
 タツヨシは、ショートソードを拾って、その腹でアニキの左腕をおもきし叩く。
「ぐぎょお!」
 いい音を立てて、二の腕がぽっきり逝った。

 続けて四人の足や手をたたいて回ると、みんな一撃で骨が逝った。
 一人、最初のカツアゲ野郎が残った。
 タツヨシは、全員の財布を抜いて回る。
「まったくよう、手間賃にいただいておくぜ。」
 ひどいやつだが、状況がわからぬままでも、無頼には容赦がない。
 カツアゲ野郎に視線を向けてぎろりとにらむ。

「二度とそのツラ見せるな。」
「ひひひひひ」
 何を言いたいのかわからないが、兄貴の肩に手を入れてなんとか担ぎあげようとしている。

 タツヨシは、黙って教会を目指した。
 なんと言うか、シュラバ慣れしている男である。
 自身の状態に困惑しながらも、生きることにためらいはないようだ。

「あたりまえだ、自分が大事なのは生きる基本だ。」

 あなたはとってもいい人。
 でも
 いい人ってつまらないの…って言いやがったのは、何人目の彼女だったか?

 か~ん、か~んと言う鐘の音が聞こえる。
 ほどなく、教会前の広場に着いた。
 こちらには、サンドイッチやスープなどの屋台が並び、日用品・古着なども並んで、縁日のようだ。
「なんだ、あんまし変わらんな。」
 鐘の音に集められたか、小汚い服を着た、ぼさぼさ髪の子供たちが寄ってきた。
「さあ、並んでくださいね~。」
 年若いシスターだろうか?
 黒い服を着て、白いベールで顔をくるんでいる女たちが子供を並ばせている。
「なんだ、炊きだしか。」
 大きな鍋から湯気が上がっているが、具は少なそうだ。
 タツヨシは、チンピラの財布をひとつ取り出した。

「シスター、これを使ってくれ。」
「はい?」
 突然差し出された革袋に、シスターは目を白黒させている。
「ほら、受け取れ。」
「あ、ありがとうございます。オシリスさまの加護がありますように。」
「オシリス?…あああ!」
 オシリス女神の名を聞いたとたんに、フラッシュバックする記憶。
 タツヨシは、頭を抱えてその場にうずくまった。

『私はオシリス女神。岩倉達義さん、たいへん申し訳ありませんが、こちらの若い女神が手違いを起こしました。』
 巨乳の女性の足元には、踏みつけられた貧乳の女性。
 まあ、タツヨシもヒンヌー教徒ではないので、巨乳の味方だ。
「はあ?なんですかそれは。」
『はい、入力ミスであなたを死なせてしまいました。』
 簡単に言うなよ!
 いかにも手違いで、住所間違えましたみたいに言ってやがる。
「ちょ!それはいくらなんでも!」
『はい、ですがあなたの体は、すでに使用に耐える状態でなく…』
 使用に耐えるってなによ!

 なにさらかしたんよ!

 ちょっと! 
 ええかげんにしときや!
「えええ!」
『新しい若い体を用意しましたので、それを使っていただきたく…』
 モデルチェンジちゃうんちゃう!
 マークⅡ?
 Z
 ZZ?
(タツヨシも、ガンネタに関しては十分オタクじゃん。)

「ちょ!おま!」
『先に転移した人もいる世界ですから、ご安心くださいね。」
「えええ~!」
 どこが安心なんだよ!

 なんの説明もなく、オシリス女神によって転移させられてしまった。

 先に転移したって、この広い世界のどこにいるのよ!


「思い出した…オシリス女神め…」
「ええ?」
「あのヤロウ、俺を殺しやがって。」
「えええ?」
「許さん!」
「えええええ~!」
「あ、いや、なんでもない。」

 シスターは、蒼い顔をして財布の革袋を握っている。
 なんだよ、ほんの子供やん。
 日本で言えば、中学生に見えるんだが。
 背も低い。
 手足も細い。
「子供たちに、腹いっぱい食べさせてあげてください。」
「あ、ありがとうございます。」

「ここのほかに、神様を祭っている教会ってあるんですか?」
「えっと、この国はオシリス女神の一神教です。」
「え~、そうなの?」
「はい、よその国に行っても、ほぼオシリス教ですし。」
「そうですか…あの、お祈りしてもいいですか?」
 長い黒髪にワイルドな風貌。
 鉈で削りだしたような、荒々しい作りのタツヨシは、その辺のやくざより恐い。
「はい、教会はどなたも拒みませんわ。」

「おおきにありがとう。」

 タツヨシは、教会の中にはいった。
 教会は、入口が開け放してあるので、だれでも入れる。
 一神教のため、邪教の徒が訪れることはないのだ。
 ドーム形状の天井の下、横幅十二メートル、縦三十メートルはありそうな礼拝堂の正面に、オシリス女神の像が立っている。
 天井には、女神の功績のようなフレスコ画が描かれていて、なにやら荘厳な雰囲気。
 これだけで、この周辺の檀家が裕福なのが見て取れる。
 寺の大きさが、領地の豊かさって言うのは、戦国時代から変わらん。
 黒光りするベンチが並び、前方には説教台がある。
 たくさんのろうそくが灯され、オシリス像を明るく照らし出している。
 説教台の前に立ち、タツヨシは柏手を打った。
 その辺を歩いていた信者たちは、なにごとかと振り返る。
 タツヨシは、気にせず禊の祓を唱和する。

「タカマノハラニカムズマリマス…」
 すると、オシリス像から赤い衣の女が現れた。
『ちょっと!それ、どこの神様の祝詞ですか!』
 使徒ジェシカであった。
「御岳山だ。」
『そうですか、わかりました。で?どうされました?』
 突き放すような声が聞こえてくる。
「思い出したんだよ。」
『そうなんですか?』
「おれの体返せ。」
『ムリ』


 一言で返された。


「神様だろう。」
『物理的につぶれてるんですよ、脳漿も飛び出してるし、内臓もつぶれてます。使い物になりませんよ。』
「うげ!どんな死にざまなんや。」
『ですから、その体を用意しました。この体は二十二歳、死に病で明日をも知れぬ状態でしたので、治癒魔法で治しました。』
「んだよ!治せるんじゃないか!」
『いえ、こちらの世界だから治せるんです。あなたの世界に、私たちの力は及びません。』
「そうかよ。もういいわ。」
『なにかお困りでも?』
「いや、俺の置かれている状態がわからん。」
『ああ、なるほど。この国は、イシュタール王国、この教会はバロア領都の中心部にあります。』
「ふうん、ふつうに追いはぎとか出てきたぞ。」
『治安はあまり良くありませんね。』
「なんでそんなところに!」
『ここがわれわれの管轄地域だからですよ。』

 いや、なにをそんな当たり前のことを、みたいな顔をして言ってるんだよ。

 はたから見ていると、熱心に祈っているように見えているらしい。

 ざわざわざわ
 オシリス神像の巨乳から顔を出したジェシカが見える者もいるらしい。
 タツヨシの上に両手を広げた、赤い衣のジェシカの姿が浮かんでいるそうだ。
 汚れた着物の男に、不似合いな状態。
 冷たい目で見下ろすタツヨシ。
 光が飛び交って、まばゆいエフェクト。
 
「まあいい、だいたいわかた。魔法はどうだ?」
『何を使いますか?』
「そこそこ使えるものを、魔力ってなによ。」
『血液に似たようなものととらえてください。』
「データ転送できそうか。」
『わかりました。』
 ジェシカから流れ込んでくる、温かいものに触れて、理解した。
 魔法って、地球で言う超能力の延長みたいだな。

『あとは自分で 研究なさってください。』
「わかった、そうする。」

 ジェシカは、するすると帰って行った。
 基本的な魔法の使い方を伝授されたタツヨシは、教会を出た。
 中心部と言うことは、商店も並んでいると言うことだろう。
 タツヨシは、通りに出ている看板を見て回った。
「ここか。」
 看板には、交差した剣のマーク。
 恐らく武器屋であろうと見当をつけた。
「なんだかな~どれも質が悪いわ~。」

 ほとんどの剣が、鋳造品、鋳型に金属を流し込んで作っている。
 切れそうには見えない。
「これは困ったなあ。」
 見繕っても、たいしたものはない。

 そりゃまあ、日本刀みたいに美しい刃物なんて、あるわけがないんですよ。

「鍛冶屋の改革が進んでいないってことやな。」
「おう、文句があるんなら、買わなくていいぞ。」
「うん、そうする。手に合いそうなモノが見当たらへんから。」
「ご希望のものはなさそうだな。」
「鍛造品って、あるかな?」
「ここにはねえ。ドワーフの鍛冶屋でもさがせ。」
「そう、おおきに。」
 砥石を一個買って、店を出ようとした。
 チンピラのナイフを研いで、使えるようにするのだ。

「おう、若いの、冒険者登録はしてあるのか?」
「いや。」
「町の城壁を出るときは、チェックされないが、入るときになんらかの証明がないと金取られるぞ。」
「そうなん?」
「そっちの角に冒険者ギルドがあるから、登録しておけ。」
「おおきにありがとう。」
 ぶっきらぼうな口のわりに、親切なおっさんだった。
「ああ、それとな、防具くらいは着けておけ、いつなにがあるかわからんぞ。」
「今は金がねえ。」
「そうか。」

 タツヨシは、武器屋を後にして、向こうの冒険者ギルドを目指した。
 石畳の道って、意外と足が疲れるものだと、余計なことが気にかかる。
 かかとがこすれて、けっこう痛い。
 このブーツ、汎用品なので、どんな人にも合うようになっている。
 だから、どこかしら当たりの悪いところがあるのだ。
「ちくしょう、靴擦れだ。」
 かかとには、痛々しい水ぶくれが盛り上がっている。
 もう少し歩くと、破れて余計に痛くなる。
「まいったな、バンソコがない。」
 J&J(ジョンソン&ジョンソン)カンパニーのアレが欲しくなりました。
「もっとも、このブーツじゃ、効果は薄そうだな。

「どうされました?」
「ああ?」
 座り込んで、かかとを見ていると、上から声がした。
「タツヨシさんでしたね。」
「ああ、シスター。シスター…」
「クラレンスです、クララと。」
「ああ、ありがとうシスター=クララ。」
「それでどう…ああ、靴擦れですか。」
「そうなんだ、何も持っていなくてね。」
「これくらいなら、すぐ治りますよ。」
「ええ?」

「オシリス神の恵みよ、彼の者を癒したまえ、ヒール。」
 すると、かかとがほんわか暖かくなって、ゆっくりと傷口が元に戻っていった。
「はい、治りました。」
「おお!こりゃすげえ、どうやったんだ?」
「ええ、傷口に魔力を流し込む感じで、呪文をかけるんです。」
「へえ~。」
「じゃあ、はい。」
 クララは、右手を出した。
「はあ?」
「お布施ですよ、お布施。」
「ああ、そうか。」

 タツヨシは、財布から銅版(三千円くらい。)を出した。
「こんなに?」
「アカンかった?」
「いえいえ、ありがとうございます。あなたにオシリス様の恵みがありますように。」
「ははは。」
 その女神のせいで、ただいまひどい目にあってるんですが。

 タツヨシが、貨幣価値をわきまえていないだけなんだけどね。
 クララは、平均的な金髪で、くすんだような髪色をしている。
 背は百五十五センチそこそこ、後ろから見ると子供のようだ。
 小さな丸顔で、ちょこんとしたダンゴッぱな。
 濃い目の眉の下に、丸い目。

「おはなはんかよ。」
(樫山ふみえさんが主演した、イヌHKの朝ドラ第一弾ですね。)
 まあ、彼女の顔を思い描いて、くすんだ金髪にしてください。
 シスター=クラレンスになります。
「えっと、魔力の流れはこんな感じだったな…」
 もう片方のかかとに向けて、同じようにヒールをかけて見る。
 びよよよん

 はじかれた。

「あれ?ちがったか。こうかな?」
 みょみょみょみょ
「おお!うまくいった!」
 もうけたな、タツヨシ。
「靴下探したほうが、建設的だろ。いちいちヒールかけるよりかさ。」
 そりゃそうだ。
 さすがに、靴下のお古は買いたくない。
 主に、水虫がこわいから。
 雑貨屋を探して、すぐに靴下を買った。
 意外と高い!

「ふた組で、銅版一枚?割高だな。」
「こんなもん、贅沢品だよ。」
「そうなの?」
「大店のダンナくらいしか、買わないから、ふた組しか置いてないんだ。」
 雑貨屋のおばちゃんは、明るく笑う。
「そうなん?」
 商店のおばちゃんが明るいってことは、この街は景気が悪くないってことだ。
 タツヨシは、ちょっと聞いてみた。
「税金、高くない?」
「まあ、普通だよ。」
「へえ~、すごいな。」

「まあね、バロア侯爵様は、八十五万石のお大身だしね、商店の税率なんて五分ときまってるのさ。」
 なんと、侯爵さまときた、町並みから予想していたが、西洋風でしかも、千三百年代のヨーロッパか。
「侯爵さまってことは、公国なのか?」
「いやだよう、ここはイシュタール王国の東部、ロワール川沿いにある領地だよ。旅の人かい?」
「そんなもんだ。へえ、いい領主さまじゃないか。」
「ま、金に困ってないんだろうさ。よその小大名よりかはマシだね。」
「そうなのか?」
「小さい国人衆なんか、そこらじゅうに関所作って、旅人から金マキあげてるしさ。」
「ひどいな。」
「まあ、お大尽のところだから、こんなもんで済んでるんだろうけどね。」
 雑貨屋のおばちゃんの情報網は、侮りがたし。

「そういやあんた、教会のシスターと顔見知りなのかい?」
「ああ、さっきお布施を上げてきたんだ。」
「へえ。」
 おばちゃんの目がきらりんと光った。
「どの子狙いなんだい?」
「へえ?」
「シスターっつっても、その辺の女の子だからね、嫁さんにする人も多いのさ。」
「そんなもんかい?おれは、孤児に飯を食わせたかっただけだ。」
「なんとまあ、お人よしもたいがいにおし。」
「あはは、そうする。」

 おばちゃんから買った靴下は、具合がいい。

 靴ずれが再発することもなく、タツヨシは冒険者ギルドに到着した。

 バロア領のギルドは、かなり大きく、しかも清潔だった。
「なんかうちの役場よりきれいじゃん。」
 掃除が行きとどいているので、土足で入るのがためらわれる。
 スイングドアを押して入ると、銀行のようにずらりと並ぶ受付カウンター。
 一席ごとに衝立で仕切ってあって、隣の顔も見えないようになっている。
 また、入り口の左右は、待ちあいスペースらしく、丸テーブルとイスが並んでいる。
 横合いには食堂っぽいカウンターがあって、後ろには湯気が上がっている。
 タツヨシは、人が立ちあがって空いた受付に向かった。
「こんにちは、いらっしゃいませ。ご依頼ですか?」

「いや、登録してほしいんだけど。」
「はい、登録ですね、初めてですか?」
「はい。」
「では、ここにお名前を…書けますか?」
 …読めない。
「いえ。」
「では、お名前を。」
 病院の受け付けのようなやり取りが続く。
「はい、これで完了です。少しお待ちください。」
 女の子は、奥に行ってなにやら捜査している。

「はい、これがギルドカードです。なくさないでくださいね、再発行には銀貨五枚必要ですから。」
「わかった、ありがとう。」
「魔物や動物が獲れたら、あちらの買い取りカウンターに出して下さいね。」
「ありがとう。」
 魔物かよ…タツヨシは、言葉の意味を把握しきれなかった。
「んだよ新人、魔物見たことないのか?」
 目の前には身長一七〇センチくらいの、がっしりした女が立っている。
 オシリスほどではないが、立派なパイオツだ。
 俗に言うビキニアーマーのようないでたちである。

 しっかりした革で作ったアーマーで、腹もカバーしている。
 真鍋譲二先生の描く女性ファイターに見える。

「おっぱいすれて痛くないか?」
「ほっとけ!」

「魔物ってあぶないよ~。」
「は?どこから声がするんだ?」
 タツヨシはきょろきょろと回りを見回した。
「こっちこっち。」
 下から手が出てきた。
「み~さ~げてごらん~。」
「うわお!」
「うう…」
「泣かんでもええやないか。」
 自分でやってるくせに。


「あたしはライラ、この子はパセリ。」
 背に高い女が自己紹介している。
 身長は一七〇センチくらいはある。
 見ようによってはいい女なのかもな。
 タツヨシの好みではないが。

「へ~。女の子で組んでいるのか?」
「姉妹でね。」
「へ~、たいしたもんだなあ。」
「あんた、魔物にあったことないのかい?」
「うんまあ、田舎もんだしな。」
「そうかい、ギルドカードは持ってるみたいだし、ちょっと外に見に行ってみるかい?」
 タツヨシは、カードを手に持ったままだった。
 ライラは、目ざとく見つけたようで、笑っている。
「なんだ、いっしょに行ってくれるのか?」

「そのほうがいいだろう?」
「お姉ちゃんがいいって、言ってるんだからいいんだよ。」
「そいつはありがたい、なにしろ田舎もんで、右も左もわからんのだ。」
「そうかい、じゃあ今から行くかい?」
「いや、まずは宿を決めてくる。外に行くのは、明日でもいいかな?」
 ライラの目がきらっと光ったように見えた。
「ほう…まだ宿も決まっていなかったのかい?」
「ああうん、なにしろ今着いたところでさ。」
「そうか、じゃああたしたちは、軽く狩りに行ってくるよ。」
「お気をつけて。」

 ギルドの待ち合いで、二人を見送るタツヨシ。

 タツヨシは、その場で回れ右して、カウンターに向かった。
 中年の男性事務員がいる窓口に入る。
「ちょっと教えてくれ。」
「なんでしょう?」
「ライラとパセリってのは、この街に長いのか?」
「ええまあ、半年くらいですかね。」
 事務員も、当たり障りのないことなら教えてくれる。
「成績は好い方かい?」
「そうだね、二人組にしては好い獲物を取ってくるよ。」
「なるほどなるほど、ランクは?」
「Dクラス。」

「へえ~、けっこう強いんだ。」
「まあ、人間も悪くない、鍛えてくれるんなら、好い相手だよ。」
「ほう!そりゃあけっこう。」
「ま、あんたがあのまま着いて行ったら、逆においてけぼりにされたかもな。」
「どういうこと?」
「そのとおりさ、冒険者なんてものは、用心深くなきゃいけねえ。今の、あんたみたいにね。」
 タツヨシはニヤッと笑った。
「あ、バレた?」
「ふふふ。」
「おおきに、ありがとさん。参考になったよ。」

 スイングドアの陰で、その様子を見ていたライラは、こちらもにやりと笑った。

 ギルドから外に出たところで、タツヨシに声をかけてくる者がいた。
「お兄さん、宿がおきまりでないのかえ?」
「おう?どなたさんで?」
「あたしはアマンダと申します、宿屋の女将でござんすよ。」
「宿屋の女将さん自ら客引きとは、儲かってないのかい?」
「あい、もうじき首つりでもしませんと…」
 そう言って、雅な流し目でタツヨシを見る。

 どう見ても、明日首つりするような栄養状態ではない。
 大きく開いた胸元は、白く谷間は深く、巨ヌー派であれば、飛びつくであろう。
 頭の上には大きなキツネのような三角の耳が立っている。
 肌艶も良く、髪もきれいに梳いてある。
 貧乏とは縁がなさそうだ。
「へえ、宿賃はいくらだ?」

「そうでござんすね、銀貨一枚いただきましょうか?」
「それだけでいいのかい?」
「よろしゅうござんす。」
「では、世話になるとしよう。」
「あい、ついてきやしゃんせ。」
「おう。」
 タツヨシは、財布の中身を気にしないたちなので、銀貨一枚がどんな価値なのかもあまり考えてない。
 先ほど、寄進した財布には、銀貨が十一枚入っていた。
 こちらの財布は、もっと重いので、それよりは入っているだろう。

 宿屋は、メインストリートから、一本は行ったところにある、なかなか凝った造りの見世だった。

「こりゃあ…」
「いい見世さんでござんすがねえ、客の入りが悪くて。」
「造りが豪華すぎんじゃねえか?」
「さいざんしょかねえ?」
「まあいい、女将、ほれ、銀貨一枚だ。」
「あい。」
 入りバナ、タツヨシは女将に銀貨を渡した。
 女将は、無造作に受け取り、カウンターに入る。
「こちらが、宿帳でござんす。」
「タツヨシと書いてくれ。」
「あい。」
 それを見て、タツヨシはどんな字か確認した。

 なかなか用心深いたちのようだ。

「ハゲにいじめられてきたからな、自分の身は自分で守らにゃいかんのよ。」
 タツヨシはぼそりとつぶやいた、親のため嫁のため子供のため、なさぬ我慢もあと一年と暮らしてきた。
「なにか?」
 女将は怪訝そうな顔をする。
「いや、食事は別かい?」
「はい、お外で召し上がりますか?」
「いや、ゆっくりしたいから、ここで食べられるかな?」
「はい、銀貨二枚、銀貨一枚、銅版一枚となっております。」
「じゃあ、真ん中。はい、銀貨一枚。」
「承りました。」
 女将は、軽く膝を折って謝意を示した。

「う~ん、やっぱ連れ込み?」
 タツヨシは、どうも場末の連れ込み宿なんじゃないかと、心配になってきた。
 それでも、料理が出せるなら大丈夫か?
 婀娜っぽい女将に誘われて、きてみたら遊郭って、ボッタクリかなあ?
 だめなら逃げるか。
 わりと、気軽にそんなことを思っていた。

 コンコンコンと、ノックの音。
「はいよ、開いてるよ。」
「おじゃまします、宿帳の続きを。」
「ああ、わかった。」
「お住まいは?」
「キヨミ村と言う、東の方にある小さな村だ。」
「あい。」
「お仕事は?」
「冒険者。」
「あい。」
「けっこうでございます。どうぞごゆっくり。」

「ああ、女将。」
「あい?」
「風呂はあるのかな?」
「あい、ございます。」
「いくらだ?」
「無料でござんす、ご案内いたします、どうぞごゆっくり。」
「かたじけない。」

 女将に案内されて着いたのは、別館の風呂。
 大きな岩風呂で、趣がある。
「こりゃあでかい、これで無料かい?」
「あい。」
「ではさっそく…なんで女将が居るの?」
「あい?」
 女将は、服を脱ぐのを手伝ってくる。
「ちょっと、一人で入りたいんだけど。」
 女将はしれっとした顔をしている。
「まあまあ、よろしいではござんせんか?」
「ちょ!おま!」

 なにか言っている間に、着ているものを脱がされてしまった。
「うひ~!」
 タツヨシは、あわてて風呂場に逃げ込む。
 時間も時間なので、だれも風呂場にいない。
「おじゃまさまでござんす。」
 女将が、一糸まとわぬ姿で、風呂場に入ってきた。
「ちょ!」
 精神年齢五九歳のタツヨシにしても、女将の体はショッキングなものである。
 なにより、女性の裸にふれるのは、いつ以来であろうか?

 あわわわわわわ

 いつの間にか、タツヨシは体を洗われていた。
 こんなことでパニくるなよおっさん!
 体は二十二歳なので、当然反応しちゃうし。
 天向いたモノを、どうしようもない。
 女将は、やさしくソコまで洗ってくれた。

 肩からお湯をかけられて、はっと我に帰る。
「女将、どういうことだ?」
「あいただいま、この宿は閉めるところなのでございます。」
「はあ?」
「もう、従業員もみな暇をやり、のこっているのはあたしだけでござんす。」
「なんでだよ、湯も沸いていると言うのに。」
「湯など、魔法が使えれば何ほどのこともござんせん。」
「そんなもんかね?」
「でござんすから、この宿の最後のお客様でござんすよ。」
「ふうん、で?この先どうするんだ?」
「さあ…」

「店を閉める理由はなんだ?借金か?」

「…」
「どうせ最後なら言ってみてはどうだ?」
「あい…実は、色街の顔役のオルソの旦那から、妾奉公にこいと言われ、断ったところが連日のいやがらせ。」
「なんとまあ、既定路線だな。」
「従業員は一人抜け二人抜け…」
「そいつは災難だったな。」
「とうとう、今日を境に田舎に帰ろうかと。」
「ふうん、わかった、女将田舎に帰るの三日まってくれないか?」
「三日でござんすか?」
「ああ、まだこの宿も売ったわけではないだろう?」
「あい。」
「オルソの野郎が、あきらめればいいってこったろう?」


「左様でござんすが、どうなさるおつもりで?」
 にやりと笑うタツヨシ。
「あい…」
 女将は、キツネ耳もぺたんと萎れている。
「そんなんじゃ、じまんのおっぱいもしぼんでしまうぞ。」
「まあ。」
 なんの色仕掛けかと思ったが、そこまで追い詰められていたとはな。

 ひとつ人の世行き血をすすり
 二つ不埒な悪行三昧
 みっつみにくい憂き世の鬼を…

「退治てくれようモモタロウってか?」

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