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第七十八話 帝国皇帝の旅路
しおりを挟む「寒い…」
皇帝は、馬車の窓から外を見て、冬本番のさびれた街道に暗い気分になった。
后妃は初めての旅に、ほほを紅潮させていたが、延々と続く荒涼とした景色にうんざりしていた。
「陛下…どこの畑も春の麦が育っておりませんわ。」
「…そのようだな、この辺は帝国でも北に位置するので、種まきは遅いものだが。」
重い雲においたてられるように黒い馬車は、国境の砦に入った。
幾重にも重なる山塊と森に遮られた国境の町。
ケルン辺境伯領、アーヘンの街。
辺境、国境の町ではあるが、そこには人の営みがあり、市が立ち営々とくらしが成り立っている。
「岩山などを想像しておりましたわ。」
ぽつりと后妃がもらした言葉は、メイドたちも同様であったであろう。
メイドの一人が顔を上げて后妃を見た。
「そう、お前たちもそう思っていたのね。」
窓から見えるアーヘンの街は、そこそこに賑わっていて、帝国南部の飢饉とは縁遠く見えた。
砦の正門では、兵士全員が並び、みな膝をついて馬車を迎える。
「ご無事のご到着、執着至極でございます。」
ケルン辺境伯軍国境警備軍所属、アーヘン男爵である。
「アーヘン男爵でございます。」
「ご苦労、アーヘン男爵。」
短い言葉で慰労する。
「ははっ。」
アーヘン男爵は、陛下の直答に身を固くした。
「では、御休息所にご案内申し上げます。」
アーヘン男爵自らが先頭に立って、砦の客間に案内した。
「この街は賑わっておるのう。」
陛下は、客間のせまい窓を見やって、すこしほころんだ口元を上げた。
「左様でございますね。」
后妃も微笑んだ。
メイドの用意した暖かいお茶が、なによりの馳走に思える石づくりの砦。
壁に広がるタぺスリーが、なんとか石の持つ冷たさを押し殺しているようだ。
簡素にとはいえ、皇帝陛下の行幸である、総勢千名にも及ぶ護衛の行列は、いまだ半分が砦に入っただけであった。
「部屋が決まった奴から休んでいいぞー。」
「「「ほ~い、やったあ!」」」
「メシメシ、喰いもんはどうなってるんだ?」
「食堂で用意してるらしいぞ。」
「おし、行くぞおい。」
「ひゃっほう。」
下級兵士たちは、歩きできたので、体中が埃だらけなのだ。
みんな水場で顔を洗い、埃の積もった衣服を払ったりと、忙しい。
我先にと食事にありつこうと、全員が大騒ぎである。
「おい!酒も一杯付くらしいぞ!」
「やったあ!」
「おい!行こうぜ!」
歩兵たちは、そのまま廊下に駆けだしていた。
下士官は、そんな兵士を見て、イライラしたようだ。
「おい!静かに移動しろ!」
「へ~い。」
返事が来ただけマシかもしれない。
なにしろ、人に声が聞こえるような状態じゃあない。
恐ろしいほどの喧噪が、廊下に充満していた。
「まあそう言うな、ここでは大休止なんだ。」
「隊長。」
「ここにくるまで緊張の連続だったからな、少しくらいは大目に見てやろうじゃないか。」
「わかりました。」
「ま、俺たちもゆっくりメシにしようじゃないか。」
「は、お供します。」
「固い固い、はははは」
隊長は、下士官の肩をたたいて歩いて行った。
国境の街は、今日も平和だ。
「…と言う感じで、ま~たいそうな行列だわ。」
マリエナの屋敷で、アマルトリウスは腹を抱えて笑っている。
「なにがおかしいんだよ。」
「だって、貧乏だから助けてくれって言いに行くのに、たいそうな行列でさあ。」
ピンクのしっぽがぱたぱたと床を叩いている。
よほど可笑しいのだろう。
「ふうん、ようやく国境なのか。」
「皇帝陛下の行列ですものね。」
ティリスも、カップを持ってつぶやく。
アリステアは静かに笑っていた。
「お屋形さまが行動半径が広すぎるのですわ。」
カズマは、目を丸くした。
「アマルトリウスちゃんが早すぎるので気になりませんが、ふつう王国の中心部から帝国南部までは一カ月かかります。」
「ああ、そうね。」
「それをほんの一時間で飛ぶ、アマルトリウスちゃんが異常なのです。」
「はにゃ?」
「アマルトリウスは、早いねって話だ。」
「ああそう、えへん。」
アマルトリウスは、胸を張って見せる。
少し膨らんだものが、えらそうにしている。
アマルトリウスは、こっそり見てきたことをすぐにカズマに知らせることができる。
竜族の有り余る魔力のなせるわざなんだろう。
カズマのバカ魔力を上回る、トンデモ魔力なのだからしょうがない。
質量二万トンはありそうな巨体を、苦もなく浮かべるウルトラ魔力。
もう、笑うしかないのだ。
ティラノサウルスがだいたい十五メートルで体重六トンらしいから、そう言う対比でアマルトリウスは、身長八〇メートルで体重は三万五千トン。
メルミリアスおばあさまは、身長一〇〇メートルなので、体重は五五〇〇〇トンになるそうです。
これは、東宝ゴジラの体重を参考にしていますが。
単なるマメじゃねえか!
カズマは現代人の感覚でものをみてしまうので、情報の重要なことはしっかり理解している。
現状は、アマルトリウスちゃんが見てきたことが、一番はやい情報なのである。
まあ、それにしたって、時間的誤差は二時間程度ということは、この世界からしたら驚異的な早さなんだが。
最近、王国で開発された伝書鳩(トリですが。)でも、王国の端から王都までは三日以上かかる。
転移術師が送れるメモは、A5サイズの紙きれ程度なので、そんなにたくさんの情報は得られない。
まだまだ狭い地域での社会しか、構築されていないと言うことだろう。
ヘンリーたちは、いい拾いものだと言わざるを得ない。
彼らは自分たちで作業の段取りをつけて、独自の方法で効率を上げている。
おかげで、ソンヌ川の堤防は日に日に高くなっているのが実感できる。
カズマが教えた川岸の葦をカマスに編む方法は、雑草を縄にするという簡単な方法である。
みなが、こんな簡単な方法でと、驚愕した。
コロンブスの卵である。
ヘンリーは、そのカマス作りに大量の寡婦孤児老人を導入し、たとえ一日数枚でもちゃんと待遇した。
そのことが、作業員を一層張りきらせて、作業が進んだのだ。
カズマが言った、人とハサミは使いようである。
ラウルのおっかあとメーも、朝から晩までカマスを編んで、川岸に運んでいる。
ひところはぼろを着て、服だかひもだかわからないような格好をしていたメーが、いつのまにかきれいなシャツを着て赤いスカートをはいている。
ラウルのおっかあ曰く
「働いて金を稼いでいれば、古着くらい着せられるさ。」
…だそうだ。
カズマの賦役は、ここでもその威力を増したようだ。
「きゅうけ~い!」
ガイスラーとワーレングスの部隊は、ハイデルベルクを後にして、その北西側・マンハイムを越えたところで休憩に入った。
五千人の部隊とは言え、喰う寝るは消費の連続である。
普段のように現地での兵糧の調達は難しく、細々と手持ちを食いつないでの移動は神経をすり減らす。
帝都から真南に進路を取り、東部バンベルク・アンベルクの両男爵領を見てきた。
両男爵領では、なんとか平穏に避難民を受け入れているようだ。
しかし、地震のあったフランクフルトの様子が伝わってこない。
いったいどうなっているのやら、ガイスラーは斥候を三〇人ほど先行させていた。
部隊には昼の休憩をさせて、その間に斥候との接触を試みる。
「少将さま。」
「ああ、みな無事か?」
「は、一人もかけておりません。」
「それはよかった。」
「は、恐縮であります。」
「それで、フランクフルトの様子はどうだ?」
「…どう言ったものか…」
「?」
「フランクフルトは、なにもなくなっていました。」
「なにもない?」
「はは、瓦礫も人も、なにもありませぬ。」
「おかしいではないか?」
「は、確かに地面には焼け焦げたような跡も有り、火事があったことは推測されます。」
「うむ」
「ですが、すべてが掃き清められたように無くなっております。」
「はあ?どう言うことだ?」
「すべてがないのです。念のため周囲を調べましたるところ、このような石碑がございました。」
メモには、走り書きがあった。
『すべてのフランクフルトの民は、この下に眠る。』
「すべての?」
「は。」
「しかも、これは王国語ではないか。」
「左様で」
「訳がわからん。」
ガイスラーは頭を抱えた。
「フランクフルトの街まではあと二日、行ってみないことにはわからないな。」
ワーレングスも、メモを見て唸っている。
『ニュルンベルクから南は無法地帯』
マレーネ=デートリッヒ=ハイデルベルクの言葉が蘇る。
「無法地帯か…」
ヒャッハーで世紀末なモヒカンでもでるのかね?
随伴する輜重部隊は二千人、山のようにあった兵糧も三割は消費している。
もし避難民が集団でいた場合、持ちこたえられるか心配なところか。
「とにかく、先を急ぐか…」
「道々、情報を拾っていけば、そのうちわかるさ。」
ガイスラーは気楽なものである。
街道はネッカー川から離れて、ライン川を北上している。
竜っセルハイムから、マイン川に沿って東に移動すればフランクフルト=アム=マインである。
たしかに、南部では場所によって連年の不作が深刻で、食料のない地域もあった。
しかし、それもザルツブルク公国との境の山脈で途切れている。
内陸性気候の乱れとでも言うのか?
極端な冷夏の影響のようであった。
ガイスラーは早速その情報を持って、伝令を送りだした。
ヴィッターフェルト侯爵に、いち早く報告する必要を感じたのだ。
その証拠と言ってはなんだが、ミュンヒェン公国では特に不作とは言えない状態だそうだ。
最南部では、通常通りの収穫があるらしい。
「わからん、わからんがこの目で見なくては。」
「そうだな。」
歩兵の進みは、遅々として遅かった。
「アマルトリウスちゃん。」
「なによ、気持ち悪い。」
カズマの声に、アマルトリウスは少し震えた。
「もう一回船を出してくれ。」
「いいよ、ああ、驚いた。気持ちの悪い声を出すなよ~。」
「あはは!だれかある?アズラを呼べ。」
メイドが外に出て行った。
「今回は、ティリスは残れ。」
「ええ?どうして?」
「あまり踊りまわっても胎の子に悪い。」
「あら平気よお、少しぐらい動いても気にならないわよ。」
「そうは言うが、みんなの心臓に悪いんだよ。とくにアズラなんか真っ青になってるぞ。」
「あ、あらそう?」
「だから、そろそろおとなしくしてくれ。」
「わかったわ…」
たしかにあの激しい踊りは、心臓に悪い。
「明日出る、みんなそれぞれ用意してくれ。」
「かしこまりました。」
屋敷の周りもまだまだ整ってはいないが、今はそれどころではない。
カズマが外に出ると、庭に子供たちが集まっていた。
どこの子供たちだろう?
中心に居るのはラルとエディットだろうか?
「ほら、こうすると土ボコができるでしょ。」
「ああ、こうかな?」
エディットの声に、ボルクが反応する。
この子もレジオの災害孤児だ。
ぼこりと土が盛り上がる。
「そうそう、それよ。」
エディット自身もうまく説明はできないが、手取り足とりなら伝わる。
ボルクは、純粋に魔法を使いたかったのだ。
庭に集まっているのは、レジオや帝国の孤児たちである。
教会に寝泊まりして、アズラたちの手伝いや、勉強をしている。
今日はなぜかエディットに魔法を習っているらしい。
「今日は休みなのか?」
「おっ!お屋形さま!」
「ああ、悪い、魔法の練習してたのか。」
「はい、みんな魔法を覚えたいと言うので。」
「そうか、いいことだ。みんな、初歩ができないと魔法はうまく使えない、がんばってくれ。」
「「「はい!」」」
ラルは、着火の魔法を五本の指に灯す練習をしている。
「お、できるようになったじゃないか。」
「はなしかけないで~!」
ぼふ!
「あ~あ(泣)」
ラルは集中を欠いて、魔法が四散してしまった。
「悪い悪い、ラルはもう少しリラックスして、肩から力を抜け。」
「こ、こうかな?」
「そうそう、そのまま指先に魔力を送る。」
ぽん
カズマの指先には、クマの形の炎が灯っている。
「ああ?なにそれ。」
「わあ~、かわいい!」
エディットのまわりにいた少女たちは、喜んで寄って来た。
「ポーラ、集中しなくちゃ!」
エディットに叱られて、ポーラは金髪を揺らした。
「だって!お屋形さまが、変なことするんだもの。」
ポーラはカズマの指先を指さす。
「お屋形さま!」
エディットは、カズマをも叱っている。
「あはは、悪いわるい。みんな頑張ってくれ。」
カズマは少し離れると、テーブルとイスを出してそこから子供たちを眺めた。
シスター=マルギッテがそれを見つけて、さっそくお茶を入れてきた。
「お屋形さま、どうぞ。」
「おお、悪いな。」
カズマは思わず驚いて礼を言った。
マルギッテはくすくすと笑って、うなずく。
「いいえ、お屋形さまのお世話をするのも、私たちの仕事です。」
「シスターが?」
「はい。」
カズマはカップを持って、笑った。
「そりゃあありがたいことだ。」
マルギッテは、カズマの横に畏まって立った。
「ラル!」
「はい。」
ラルは駆けてきた。
「赤いレーザーは出せるか?」
「まだ。」
「そうか、もう一度五本指に出してみろ。」
「こ、こうかな?」
「ああ、もっと肩の力を抜け、いらん力は制御を難しくする。」
「こ、こうかな?」
ラルは四苦八苦しながら、指先に集中する。
「お屋形さま、不思議なことをなさいますのね。」
「そうか?ほら、このくらいできないと、魔法の制御に失敗するぞ。」
カズマは、あっさりと五本指に着火の魔法を出して見せた。
「はあ…」
「ティリスだって、このくらいはするぞ。」
「せ、聖女さまも?」
「そうさ、治癒魔法でトチったら命にかかわるからな。」
「そうですか…」
「マルギッテもやってみろ、まずは二本。」
Vサインの上に、炎が二つ出る。
「え?こ・こうですか…」
マルギッテの唇が、だんだんとがってきた。
「あはは、ねえちゃんの口がとがってら。」
「ええ?」
ばふ!
あっさりと魔法は途切れた。
「お屋形さま!」
シスター=テレーゼがやってきた。
彼女は二十二歳、ほっそりしたスタイルは、粗食のせいばかりではなさそうだ。
「どうした?」
「はい、冒険者がたくさんの果実を運んで参りました。」
「おおそうか、ではまたワインに仕込もうか。」
「はい。」
「テレーゼ、ティリスを呼んできてくれ。」
「かしこまりました。」
「マルギッテはそこで、五本に火がともるまで練習していろ。」
「ええ?こどもたちと?」
「そうだ、できるようになったら報告に来い。」
そう言って、カズマは館に戻って行った。
「ど、どうするのよ~。」
「ねえちゃん、ガンバ。」
「ねえちゃんじゃないい~(泣)」
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