46 / 83
第一部『人界の秩序と魔界の理屈』
マイケルの覚醒
しおりを挟む
マイケル・スパルタニアはコクランに左目の半分と腕一本を取られてからというものの、高熱を発して生と死の境を彷徨っていた。
生と死の境を彷徨うマイケルは今夢の中にいた。そこは辺り一面が暗闇の中に包まれた不気味な場所だった。なにせ闇以外のものは何もないのだ。四方が暗黒に包まれた場所なのだ。
本来闇を友とする魔族である自分ですら寂しくなるような場所なのだ。悍ましい怪物が姿を見せていた。それは黒色のワードローブを身に纏った人型の怪物だった。
闇の中に一人佇む怪物の姿はサーベルのような鋭い目に針のように鋭く尖った歯を生やした見るも恐ろしいものだった。
こんな怪物の姿は見たことがない。魔界に住む魔族の表を見せてもらったこともあったが、その中に該当する魔族の姿は載っていなかった。
未知の恐怖に対し、夢の中にいたマイケルが恐れ慄いていた時だ。
しばらくの間は黙って睨み合っていたのだが、怪物がようやく口を開いた。
「お前は確か、マイケル・スパルタニアと言ったな?」
「は、はい」
空間の主たる怪物の問い掛けに恐れ慄いたか、マイケルは声を震わせながら答えた。
「よく聞け、今回の反乱は失敗となるッ! 」
「しっ、失敗だと!?そ、そんなバカな!?」
その言葉を聞いてマイケルはしばらくの間は両肩を落としていたようだが、すぐに気を取り直してか、両肩を震わせて大きな声で抗議の言葉を飛ばしていく。
「あ、あんたどんな権利があって、我々の闘争が失敗するなんて言ってるんだ!?」
「権利も何もこれは確定しておること、海と陽がある限り、潮の満ち引きが起きることと同じくらい確実な宿命なのだよ」
目の前にいる怪物は淡々と言った。
「そ、そんなッ! なぜ、オレたちが……魔族が平等に暮らす世界を望んで戦う者が冷飯を食わされねばならぬのだ……」
マイケルは五本の腕全てに握り拳を作りながら悔しげに吐き捨てた。
「だが、マイケルよ。必ず魔族は人間に復讐を行う。その時にはわしの分身がお前の代わりに魔族を導くだろう」
「ぶ、分身とは何者です!?」
「それは敢えて答えん。お前のためにならんからな」
「で、ではそれはいつになるのです……」
「それも答えん。答えれば今のお前がやる気を失ってしまうからな。負ける戦いとはいえお前にはここで奮闘してもらわねばならん」
何も答えようとしない。そんな態度にマイケルは業を煮やしていた。
「奮闘?今のオレのこの体で?」
マイケルは自身の失った腕と目の左部分を指しながら夢の中に現れた怪物に向かって問い掛けた。
「フフッ、確かに今のお前の体では無理だろうな。だが、心配はいらん。答えない代わりに、そしてお前をここで死なさせる代わりにここで力を与えてやろうではないか」
怪物は鋭い爪のついた人差し指をマイケルに向かって突き付けると、そのまま怪光線のようなものを浴びさせた。
その瞬間にマイケルは凄まじい力に溢れていった。体のあちらこちらから力が生じていき、なんでもできるような気がしてならなかった。
腕や目の部分こそ元のままだったが、五本の腕からは力が漲ってきていた。
拳を試しに振ってみると、とても軽かった。腕を難なく一回転させた。
しかし一回転では到底足りない。何度も何度も馬鹿のように腕を振るっていた。
試しに両足で飛んでみると、どこまでも体が上がっていった。糸の粘着質と飛距離はそれ以前とは比較にならないほど上がっていた。
「す、すごい。こ、こんな力がオレの中に眠っていたなんて……」
「フフッ、一番の見どころは魔法だ。試しに魔法を使ってみろ」
マイケルの魔法は単なる泥魔法でしかない。それ故に目眩しくらいにしか使えなかったはずだが、どうしたことか、飛ばした泥から鎧を纏い、剣と盾を持った泥の魔人が姿を見せたのだった。
「こ、これは!?」
「それは泥の精と呼ばれる泥で出来た兵隊だ。お前の魔力がある限り精製が可能だ」
「……すごい。これさえあれば例え勝つことは不可能でも最後に大暴れをすることはできるぞ」
マイケルは不適な笑みを浮かべていく。彼の頭の中には自身が死出の旅における道連れを多く作り上げ、英雄となるという像が思い浮かんでいた。
そうなれば例え死んだとしても、人界における魔族の国家での最初の王となるのかもしれない。
「フフッ、やはりお前は王になりたいらしいな」
目の前にいる怪物にはすっかり自分の中にあった意図を見透かされてしまったらしい。たちまちマイケルは両頬を赤く染めながら畏っていく。
「まぁ、待て、別に王になることは悪いことではない。現に人界のほとんどは『王』が支配する国なのだからな」
「そうですよね。オレは確かに自分が王になることは叶わないかもしれない。けれど、王として語り継いでくれるというのならばこんなに幸せなことはない」
新しい体を試しているうちにマイケルはすっかり酔ってしまったらしい。無論酒ではない。支配欲という人間の中にも存在する最も醜い欲の塊に、だ。
支配欲という酔いに支配されたマイケルにとって死など恐るるに足りなかった。
唯一、彼が恐れているのは死後に『王』として評されるかどうかだけだった。
怪物もそんなマイケルの意図をしっかりと見抜いていたらしい。
大きな笑い声を上げながら言った。
「まぁ、そう呼ばれるようになるか、どうかはお前の今後の働き次第だ。お前はこの戦いでどう振る舞うかで英雄にも悪党にもなれる」
マイケルはそこで目を覚ました。辺りを見回すと、そこは見慣れた寝室の中だった。ベッドの側には付きっきりで看病してくれていたのか、突っ伏して眠っているヴィンセントの姿が見えた。
窓の外に広がる闇から察するに恐らく今の時間は深夜。ヴィンセントや仲間たちを起こすのには忍びない時間である。
マイケルは翌日の朝に話すことを決め、もう一度床の中に潜っていく。今度は夢を見なかった。そして三日ぶりに心地の良い睡眠を味わうことになった。
翌日快適な眠りから目覚めたマイケルは大広間で朝食を摂りながら部下たちの報告に耳を貸していた。
「……そうか、ジェイクは討たれたんだな」
マイケルは悲しみを含んだ声で言った。
「はい、同志」
「ジェイクはさぞや勇敢に戦ったんだろうな」
マイケルはどこか遠くを見つめたように言った。恐らくマイケルが見つめていたのはジェイクが既に旅立ったあの世を思っているのだろう。
ジェイクとは共に肩を並べ人間を相手に戦った仲であったのだ。だからこそ、その死はマイケルにとって大きいものであったに違いない。
気が付けばまだ斬られずに残っていた右部分の目から涙を溢していた。
涙が止まるのを待った後にマイケルは三日の間の出来事を侍従役のヴィンセントに尋ねていた。
「そうか、籠城を続けていたのは得策だ。ジェイクが死んで指揮を執る奴がいなかったんだろ?」
「えぇ、その通りです。あなたも倒れてしまい、他に名乗り出る方もいなかったので」
「大蜘蛛の魔物はどうしてる?」
マイケルは両目を尖らせながら問い掛けた。
「ちゃんと眠らせてますよ」
大蜘蛛の怪物はマイケルたちにとって最大の武器だった。何日にもわたる戦いで半数の五体ほどが倒されてしまっていた。
やはり魔法の力は強力だった。毎回誘導魔法で大蜘蛛の怪物を城の中に戻すのはいつも大変だった。軍の殿を務めていた仲間たちがいつも大変な思いをしていたことを覚えている。
だが、もう誘導魔法を使うことは不可能だろう。そのため大蜘蛛の魔物は眠りっぱなしのままということになる。
むしろマイケルとしてはそれで十分だった。せっかくの晴れ舞台を魔物なんぞに奪われてしまっては堪らなかった。
マイケルはお茶を啜り終えると、それまで朝食の給仕を行っていたヴィンセントに向かって重い口調で言った。
「ヴィンセント、今回の戦いは少し厳しいかもしらん。だから、お前には別の使命を託そうと思う」
「別の使命ですか?」
「あぁ、お前は王族の一人を人質にして逃げろ」
「そ、そんなッ! 」
思いもよらない指示を受け、ヴィンセントは両目を丸くて叫んだ。信じられないと言わんばかりの気持ちでマイケルを見つめていく。
だが、マイケルは感情に揺すぶられることなく淡々とした口調で命令を発していく。
「同志、これは我々の使命を次世代へと受け継いでいくための大事な任務なのだよ。これを辞退してみろ、誰が我々の戦いを語り継ぐんだ?」
「ど、同志」
ヴィンセントはマイケルの言葉に感銘を受けたようだ。頭を下げてマイケルに感謝の言葉を伝えていく。
マイケルは椅子の上を立ち上がり、その後に脱出の方法と王族の中で誰を人質にするのかを説明していった。
説明全てを聞き漏らさんとばかりにヴィンセントは熱心になって耳を傾けていた。
そして覚えている間に自室へと戻り、メモを取っていく。ヴィンセントはメモを取り終えた後に一息を吐いていた。
それは自身の気を落ち着かせるためであり、今後に起きる大事な計画をしくじってはならないという目的から吐き出したものだった。
戦局はジェイクの死によって、一変に不利になってしまった。
だが、そんな状況にあってもなお自分たちにはめげない不屈の思いがあった。
ヴィンセントはマイケルから託された思いを継ぎ、魔族のための闘争を起こすための準備を急いでいった。
一方でマイケルも仲間たちに自身の考えを述べることにした。ジェイクを始めとした迎撃部隊が全滅してしまったことを受け、迎撃のための戦力が不足したことを理由に戦闘の放棄を宣言。残された駐屯の兵力を全て纏め上げて突撃するということを仲間たちに提案した。
「この提案は私からの一方的な提案によるものだ。それ故に諸君らに強要はしない。嫌ならば逃げても構わん」
マイケルの無謀とも取れる提案に対して同志の全てが「イエス」と答えたのは全員だった。
生と死の境を彷徨うマイケルは今夢の中にいた。そこは辺り一面が暗闇の中に包まれた不気味な場所だった。なにせ闇以外のものは何もないのだ。四方が暗黒に包まれた場所なのだ。
本来闇を友とする魔族である自分ですら寂しくなるような場所なのだ。悍ましい怪物が姿を見せていた。それは黒色のワードローブを身に纏った人型の怪物だった。
闇の中に一人佇む怪物の姿はサーベルのような鋭い目に針のように鋭く尖った歯を生やした見るも恐ろしいものだった。
こんな怪物の姿は見たことがない。魔界に住む魔族の表を見せてもらったこともあったが、その中に該当する魔族の姿は載っていなかった。
未知の恐怖に対し、夢の中にいたマイケルが恐れ慄いていた時だ。
しばらくの間は黙って睨み合っていたのだが、怪物がようやく口を開いた。
「お前は確か、マイケル・スパルタニアと言ったな?」
「は、はい」
空間の主たる怪物の問い掛けに恐れ慄いたか、マイケルは声を震わせながら答えた。
「よく聞け、今回の反乱は失敗となるッ! 」
「しっ、失敗だと!?そ、そんなバカな!?」
その言葉を聞いてマイケルはしばらくの間は両肩を落としていたようだが、すぐに気を取り直してか、両肩を震わせて大きな声で抗議の言葉を飛ばしていく。
「あ、あんたどんな権利があって、我々の闘争が失敗するなんて言ってるんだ!?」
「権利も何もこれは確定しておること、海と陽がある限り、潮の満ち引きが起きることと同じくらい確実な宿命なのだよ」
目の前にいる怪物は淡々と言った。
「そ、そんなッ! なぜ、オレたちが……魔族が平等に暮らす世界を望んで戦う者が冷飯を食わされねばならぬのだ……」
マイケルは五本の腕全てに握り拳を作りながら悔しげに吐き捨てた。
「だが、マイケルよ。必ず魔族は人間に復讐を行う。その時にはわしの分身がお前の代わりに魔族を導くだろう」
「ぶ、分身とは何者です!?」
「それは敢えて答えん。お前のためにならんからな」
「で、ではそれはいつになるのです……」
「それも答えん。答えれば今のお前がやる気を失ってしまうからな。負ける戦いとはいえお前にはここで奮闘してもらわねばならん」
何も答えようとしない。そんな態度にマイケルは業を煮やしていた。
「奮闘?今のオレのこの体で?」
マイケルは自身の失った腕と目の左部分を指しながら夢の中に現れた怪物に向かって問い掛けた。
「フフッ、確かに今のお前の体では無理だろうな。だが、心配はいらん。答えない代わりに、そしてお前をここで死なさせる代わりにここで力を与えてやろうではないか」
怪物は鋭い爪のついた人差し指をマイケルに向かって突き付けると、そのまま怪光線のようなものを浴びさせた。
その瞬間にマイケルは凄まじい力に溢れていった。体のあちらこちらから力が生じていき、なんでもできるような気がしてならなかった。
腕や目の部分こそ元のままだったが、五本の腕からは力が漲ってきていた。
拳を試しに振ってみると、とても軽かった。腕を難なく一回転させた。
しかし一回転では到底足りない。何度も何度も馬鹿のように腕を振るっていた。
試しに両足で飛んでみると、どこまでも体が上がっていった。糸の粘着質と飛距離はそれ以前とは比較にならないほど上がっていた。
「す、すごい。こ、こんな力がオレの中に眠っていたなんて……」
「フフッ、一番の見どころは魔法だ。試しに魔法を使ってみろ」
マイケルの魔法は単なる泥魔法でしかない。それ故に目眩しくらいにしか使えなかったはずだが、どうしたことか、飛ばした泥から鎧を纏い、剣と盾を持った泥の魔人が姿を見せたのだった。
「こ、これは!?」
「それは泥の精と呼ばれる泥で出来た兵隊だ。お前の魔力がある限り精製が可能だ」
「……すごい。これさえあれば例え勝つことは不可能でも最後に大暴れをすることはできるぞ」
マイケルは不適な笑みを浮かべていく。彼の頭の中には自身が死出の旅における道連れを多く作り上げ、英雄となるという像が思い浮かんでいた。
そうなれば例え死んだとしても、人界における魔族の国家での最初の王となるのかもしれない。
「フフッ、やはりお前は王になりたいらしいな」
目の前にいる怪物にはすっかり自分の中にあった意図を見透かされてしまったらしい。たちまちマイケルは両頬を赤く染めながら畏っていく。
「まぁ、待て、別に王になることは悪いことではない。現に人界のほとんどは『王』が支配する国なのだからな」
「そうですよね。オレは確かに自分が王になることは叶わないかもしれない。けれど、王として語り継いでくれるというのならばこんなに幸せなことはない」
新しい体を試しているうちにマイケルはすっかり酔ってしまったらしい。無論酒ではない。支配欲という人間の中にも存在する最も醜い欲の塊に、だ。
支配欲という酔いに支配されたマイケルにとって死など恐るるに足りなかった。
唯一、彼が恐れているのは死後に『王』として評されるかどうかだけだった。
怪物もそんなマイケルの意図をしっかりと見抜いていたらしい。
大きな笑い声を上げながら言った。
「まぁ、そう呼ばれるようになるか、どうかはお前の今後の働き次第だ。お前はこの戦いでどう振る舞うかで英雄にも悪党にもなれる」
マイケルはそこで目を覚ました。辺りを見回すと、そこは見慣れた寝室の中だった。ベッドの側には付きっきりで看病してくれていたのか、突っ伏して眠っているヴィンセントの姿が見えた。
窓の外に広がる闇から察するに恐らく今の時間は深夜。ヴィンセントや仲間たちを起こすのには忍びない時間である。
マイケルは翌日の朝に話すことを決め、もう一度床の中に潜っていく。今度は夢を見なかった。そして三日ぶりに心地の良い睡眠を味わうことになった。
翌日快適な眠りから目覚めたマイケルは大広間で朝食を摂りながら部下たちの報告に耳を貸していた。
「……そうか、ジェイクは討たれたんだな」
マイケルは悲しみを含んだ声で言った。
「はい、同志」
「ジェイクはさぞや勇敢に戦ったんだろうな」
マイケルはどこか遠くを見つめたように言った。恐らくマイケルが見つめていたのはジェイクが既に旅立ったあの世を思っているのだろう。
ジェイクとは共に肩を並べ人間を相手に戦った仲であったのだ。だからこそ、その死はマイケルにとって大きいものであったに違いない。
気が付けばまだ斬られずに残っていた右部分の目から涙を溢していた。
涙が止まるのを待った後にマイケルは三日の間の出来事を侍従役のヴィンセントに尋ねていた。
「そうか、籠城を続けていたのは得策だ。ジェイクが死んで指揮を執る奴がいなかったんだろ?」
「えぇ、その通りです。あなたも倒れてしまい、他に名乗り出る方もいなかったので」
「大蜘蛛の魔物はどうしてる?」
マイケルは両目を尖らせながら問い掛けた。
「ちゃんと眠らせてますよ」
大蜘蛛の怪物はマイケルたちにとって最大の武器だった。何日にもわたる戦いで半数の五体ほどが倒されてしまっていた。
やはり魔法の力は強力だった。毎回誘導魔法で大蜘蛛の怪物を城の中に戻すのはいつも大変だった。軍の殿を務めていた仲間たちがいつも大変な思いをしていたことを覚えている。
だが、もう誘導魔法を使うことは不可能だろう。そのため大蜘蛛の魔物は眠りっぱなしのままということになる。
むしろマイケルとしてはそれで十分だった。せっかくの晴れ舞台を魔物なんぞに奪われてしまっては堪らなかった。
マイケルはお茶を啜り終えると、それまで朝食の給仕を行っていたヴィンセントに向かって重い口調で言った。
「ヴィンセント、今回の戦いは少し厳しいかもしらん。だから、お前には別の使命を託そうと思う」
「別の使命ですか?」
「あぁ、お前は王族の一人を人質にして逃げろ」
「そ、そんなッ! 」
思いもよらない指示を受け、ヴィンセントは両目を丸くて叫んだ。信じられないと言わんばかりの気持ちでマイケルを見つめていく。
だが、マイケルは感情に揺すぶられることなく淡々とした口調で命令を発していく。
「同志、これは我々の使命を次世代へと受け継いでいくための大事な任務なのだよ。これを辞退してみろ、誰が我々の戦いを語り継ぐんだ?」
「ど、同志」
ヴィンセントはマイケルの言葉に感銘を受けたようだ。頭を下げてマイケルに感謝の言葉を伝えていく。
マイケルは椅子の上を立ち上がり、その後に脱出の方法と王族の中で誰を人質にするのかを説明していった。
説明全てを聞き漏らさんとばかりにヴィンセントは熱心になって耳を傾けていた。
そして覚えている間に自室へと戻り、メモを取っていく。ヴィンセントはメモを取り終えた後に一息を吐いていた。
それは自身の気を落ち着かせるためであり、今後に起きる大事な計画をしくじってはならないという目的から吐き出したものだった。
戦局はジェイクの死によって、一変に不利になってしまった。
だが、そんな状況にあってもなお自分たちにはめげない不屈の思いがあった。
ヴィンセントはマイケルから託された思いを継ぎ、魔族のための闘争を起こすための準備を急いでいった。
一方でマイケルも仲間たちに自身の考えを述べることにした。ジェイクを始めとした迎撃部隊が全滅してしまったことを受け、迎撃のための戦力が不足したことを理由に戦闘の放棄を宣言。残された駐屯の兵力を全て纏め上げて突撃するということを仲間たちに提案した。
「この提案は私からの一方的な提案によるものだ。それ故に諸君らに強要はしない。嫌ならば逃げても構わん」
マイケルの無謀とも取れる提案に対して同志の全てが「イエス」と答えたのは全員だった。
0
あなたにおすすめの小説
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
異世界で一番の紳士たれ!
だんぞう
ファンタジー
十五歳の誕生日をぼっちで過ごしていた利照はその夜、熱を出して布団にくるまり、目覚めると見知らぬ世界でリテルとして生きていた。
リテルの記憶を参照はできるものの、主観も思考も利照の側にあることに混乱しているさなか、幼馴染のケティが彼のベッドのすぐ隣へと座る。
リテルの記憶の中から彼女との約束を思いだし、戸惑いながらもケティと触れ合った直後、自身の身に降り掛かった災難のため、村人を助けるため、単身、魔女に会いに行くことにした彼は、魔女の館で興奮するほどの学びを体験する。
異世界で優しくされながらも感じる疎外感。命を脅かされる危険な出会い。どこかで元の世界とのつながりを感じながら、時には理不尽な禍に耐えながらも、自分の運命を切り拓いてゆく物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる