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第二部 王国奪還
麻薬王との戦いーその③
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ルーシーはもうダメよと目を瞑ったが、その瞬間にトーマスの左肩を銃弾が掠めた。
「誰だッ!?」
トーマスは一旦魔法を止め、銃が発射された方向を見てみる。そこにはカヴァリエーレ・ファミリーの相談役であるヴィト・プロテッツオーネが右手に45口径のオート拳銃を、左手を王国に代々伝わるという伝説の剣を装備していた。
「何だ。ヴィトか……悪いが、オレはこのジジイと小娘をいたぶってんだ……お前は引っ込んでろよ」
トーマスは鼻の穴を膨らませて言った。が、トーマスの怒り具合や都合などヴィトの知るところではない。ヴィトは引き続きトーマスに拳銃を向けた。
「いいや、オレは相談役なんだぜ、関係大有りだ」
ヴィトの銃口は相変わらずトーマスの眉間を捉えたままだ。
「まぁ、いいぜ、ジジイも小娘も動かんらしいからな、ちょいと話さんか?」
トーマスは調子よく言っていたが、今のヴィトには何も響かない。むしろ、不快にしか聞こえなかった。
「何を話すんだ?」
ヴィトは武器を収める事なく、いつでも対処できるように構えたまま、トーマスに尋ねる。
「その武器を引っ込めたら、教えてやってもいいぜ」
「断ると言ったら?」
ヴィトは引き金を持つ手に更に力を込める。もう一瞬で撃てるというのをトーマスにアピールしたかった。トーマスはいざとなれば、剣で跳ね返せるとククと笑っていた。
「お前とジジイと小娘を殺す」
トーマスは剣の矛先をヴィトに向ける。
「いいだろう、話くらいなら聞いてやるよ」
ヴィトはリラックスする様子も見せずに武器を構えたまま、トーマスの視線を見つめる。
「まぁ、モノは試しだよ、ダメ元で聞くんだが、麻薬をこの街で捌かせてもらいたいんだ。あんたらの後ろ盾を貸してもらいたい、上院議員や判事を貸してほしいだけなんだよ、こっちの売人を守るためにな……」
トーマスは氷の剣の柄をサラサラと触りながら呟く。
「ダメだ。麻薬は人をダメにする……オレらのスポンサーもオレ達が麻薬商売に手を染めたと知ったら……」
「あ~もういいよ、少しはこちらも譲歩してやるよ、子供には売らないし、ダウンタウンの白人に売るなんて以ての外だッ!それでだな……」
トーマスは衝撃の言葉を口走った。
「ハーレムの黒人連中に売り捌けばいい、あんな奴らがどうなろうが、知ったこっちゃあないッ!」
その言葉はヴィトを怒らせるには充分だった。彼は差別的な発言を嫌っていたから。
「この街はお前にやらん、お前がこの街の外で麻薬を売るのは勝手だ……だが、そんな言葉は許せんし、この街で麻薬を売り捌くのだけは許さんッ!オレ達の街から消え去れッ!」
ヴィトの言葉でトーマスは思わず口元を緩ませた。まさか、彼がそこまで怒るとは思わなかったからだ。
「おいおい、そんな固い事言うなよ、そうだ……お前小娘に毒されてんだろ?」
トーマスは剣の矛先をルーシーに向ける。
「どういう事だ?」
ヴィトはその言葉に両眉を上げる。彼の言っている言葉の意味が理解できなかったから。
「なぁ、オレは若者とは言わんが、他のマフィアの老いぼれどもよりは若いと思うぜ、お前も二十代だろ?なのにさ、昔の古い考えに囚われて、金儲けの機会を潰すのなんて、勿体無いだろ?だから、オレは古い考えに囚われている小娘にお前が洗脳されていると思っているんだ。だってそうだろ?お前らオレより全然若いのに、オレからすれば、年寄りだ……サルバトーレの奴と同じだ !」
「年寄りで何が悪いんだ?」
ヴィトはその言葉に不快になりもしたが、それをうまく隠し通し、トーマスの質問に答える。
「オレは同情して言ってやったんだぜ、お前が古い考えに囚われて金儲けのチャンスを奪われていると……」
それから、トーマスはヴィトに拳銃を貸すように言った。ヴィトは渡すつもりなどなかったが、何故渡してほしいのかを尋ねる。
「決まってるだろ?小娘を撃ち殺すためさッ!そうすりゃあ街はオレのもの、いや、オレに上納金を払ってもらえりゃあ、お前がこの街を納めればいい……どうだ、この街をお前のモノにできるんだぞ?」
トーマスは魅力的な案だろと、歯を見せて笑ってみせたが、ヴィトは微動だにしない。
「おいおい、お前がこの街のボスになるのが何故悪い?麻薬を売って、オレに金を払うだけで、お前はこの屋敷よりもデカイ屋敷に住んで沢山の使用人を使い、快楽のままに暮らせるんだ……悪くないだろ?」
トーマスは興奮しており、ヴィトが食いついているのだと錯覚していたが、ヴィトは魅力的だと感じるどころか、心のうちでトーマスへの怒りを煮えたぎらせていた。
「どうした!?早くやれよ、オレがサルバトーレの老いぼれを殺したみたいに!!」
トーマスのその言葉でとうとう、ヴィトの堪忍袋の尾が切れた。心うちに溜めておいた怒りが全て爆発したのだ。ヴィトは無言でオート拳銃を発砲する。それも一発ではない、二発も三発も撃ち続けている。
「へん、それがお前の答えかいッ!」
トーマスは氷の剣を振り回し、発砲された銃弾を全て凍らせた。これで一安心かとトーマスは一息ついたのだが、その途端にヴィトが自分の目の前から特攻してきたのだ。
「チッ、銃弾は劣りだったのかい!?」
トーマスは空になって捨ててある45口径のオート拳銃を細めで見つめる。まさか、銃を囮にするとは……。
「考えられねぇよ !魔法なんかないと証明された、1955年のアメリカ合衆国でよぉ~!!」
トーマスが全てを喋り終える前にヴィトがトーマスの頭上に剣を振り下ろす。
トーマスは剣を剣で防ぎながら、先ほどの言葉の続きを喋りだす。
「あり得ないぜッ!」
「だが現実に魔法あるんだ……こことは別の世界も……」
ヴィトは実験が成功した大学教授のように喜んだ目で叫ぶ。彼にとって魔法というのはファミリーの窮地を救い、自分が守るべき人間を教えてくれた大事な物だったから……。
「なら、オレも魔法でお前をブッ殺してやるぜッ!」
ヴィトはこいつにだけは手加減無用だなと柄を握る手を強めた。
「誰だッ!?」
トーマスは一旦魔法を止め、銃が発射された方向を見てみる。そこにはカヴァリエーレ・ファミリーの相談役であるヴィト・プロテッツオーネが右手に45口径のオート拳銃を、左手を王国に代々伝わるという伝説の剣を装備していた。
「何だ。ヴィトか……悪いが、オレはこのジジイと小娘をいたぶってんだ……お前は引っ込んでろよ」
トーマスは鼻の穴を膨らませて言った。が、トーマスの怒り具合や都合などヴィトの知るところではない。ヴィトは引き続きトーマスに拳銃を向けた。
「いいや、オレは相談役なんだぜ、関係大有りだ」
ヴィトの銃口は相変わらずトーマスの眉間を捉えたままだ。
「まぁ、いいぜ、ジジイも小娘も動かんらしいからな、ちょいと話さんか?」
トーマスは調子よく言っていたが、今のヴィトには何も響かない。むしろ、不快にしか聞こえなかった。
「何を話すんだ?」
ヴィトは武器を収める事なく、いつでも対処できるように構えたまま、トーマスに尋ねる。
「その武器を引っ込めたら、教えてやってもいいぜ」
「断ると言ったら?」
ヴィトは引き金を持つ手に更に力を込める。もう一瞬で撃てるというのをトーマスにアピールしたかった。トーマスはいざとなれば、剣で跳ね返せるとククと笑っていた。
「お前とジジイと小娘を殺す」
トーマスは剣の矛先をヴィトに向ける。
「いいだろう、話くらいなら聞いてやるよ」
ヴィトはリラックスする様子も見せずに武器を構えたまま、トーマスの視線を見つめる。
「まぁ、モノは試しだよ、ダメ元で聞くんだが、麻薬をこの街で捌かせてもらいたいんだ。あんたらの後ろ盾を貸してもらいたい、上院議員や判事を貸してほしいだけなんだよ、こっちの売人を守るためにな……」
トーマスは氷の剣の柄をサラサラと触りながら呟く。
「ダメだ。麻薬は人をダメにする……オレらのスポンサーもオレ達が麻薬商売に手を染めたと知ったら……」
「あ~もういいよ、少しはこちらも譲歩してやるよ、子供には売らないし、ダウンタウンの白人に売るなんて以ての外だッ!それでだな……」
トーマスは衝撃の言葉を口走った。
「ハーレムの黒人連中に売り捌けばいい、あんな奴らがどうなろうが、知ったこっちゃあないッ!」
その言葉はヴィトを怒らせるには充分だった。彼は差別的な発言を嫌っていたから。
「この街はお前にやらん、お前がこの街の外で麻薬を売るのは勝手だ……だが、そんな言葉は許せんし、この街で麻薬を売り捌くのだけは許さんッ!オレ達の街から消え去れッ!」
ヴィトの言葉でトーマスは思わず口元を緩ませた。まさか、彼がそこまで怒るとは思わなかったからだ。
「おいおい、そんな固い事言うなよ、そうだ……お前小娘に毒されてんだろ?」
トーマスは剣の矛先をルーシーに向ける。
「どういう事だ?」
ヴィトはその言葉に両眉を上げる。彼の言っている言葉の意味が理解できなかったから。
「なぁ、オレは若者とは言わんが、他のマフィアの老いぼれどもよりは若いと思うぜ、お前も二十代だろ?なのにさ、昔の古い考えに囚われて、金儲けの機会を潰すのなんて、勿体無いだろ?だから、オレは古い考えに囚われている小娘にお前が洗脳されていると思っているんだ。だってそうだろ?お前らオレより全然若いのに、オレからすれば、年寄りだ……サルバトーレの奴と同じだ !」
「年寄りで何が悪いんだ?」
ヴィトはその言葉に不快になりもしたが、それをうまく隠し通し、トーマスの質問に答える。
「オレは同情して言ってやったんだぜ、お前が古い考えに囚われて金儲けのチャンスを奪われていると……」
それから、トーマスはヴィトに拳銃を貸すように言った。ヴィトは渡すつもりなどなかったが、何故渡してほしいのかを尋ねる。
「決まってるだろ?小娘を撃ち殺すためさッ!そうすりゃあ街はオレのもの、いや、オレに上納金を払ってもらえりゃあ、お前がこの街を納めればいい……どうだ、この街をお前のモノにできるんだぞ?」
トーマスは魅力的な案だろと、歯を見せて笑ってみせたが、ヴィトは微動だにしない。
「おいおい、お前がこの街のボスになるのが何故悪い?麻薬を売って、オレに金を払うだけで、お前はこの屋敷よりもデカイ屋敷に住んで沢山の使用人を使い、快楽のままに暮らせるんだ……悪くないだろ?」
トーマスは興奮しており、ヴィトが食いついているのだと錯覚していたが、ヴィトは魅力的だと感じるどころか、心のうちでトーマスへの怒りを煮えたぎらせていた。
「どうした!?早くやれよ、オレがサルバトーレの老いぼれを殺したみたいに!!」
トーマスのその言葉でとうとう、ヴィトの堪忍袋の尾が切れた。心うちに溜めておいた怒りが全て爆発したのだ。ヴィトは無言でオート拳銃を発砲する。それも一発ではない、二発も三発も撃ち続けている。
「へん、それがお前の答えかいッ!」
トーマスは氷の剣を振り回し、発砲された銃弾を全て凍らせた。これで一安心かとトーマスは一息ついたのだが、その途端にヴィトが自分の目の前から特攻してきたのだ。
「チッ、銃弾は劣りだったのかい!?」
トーマスは空になって捨ててある45口径のオート拳銃を細めで見つめる。まさか、銃を囮にするとは……。
「考えられねぇよ !魔法なんかないと証明された、1955年のアメリカ合衆国でよぉ~!!」
トーマスが全てを喋り終える前にヴィトがトーマスの頭上に剣を振り下ろす。
トーマスは剣を剣で防ぎながら、先ほどの言葉の続きを喋りだす。
「あり得ないぜッ!」
「だが現実に魔法あるんだ……こことは別の世界も……」
ヴィトは実験が成功した大学教授のように喜んだ目で叫ぶ。彼にとって魔法というのはファミリーの窮地を救い、自分が守るべき人間を教えてくれた大事な物だったから……。
「なら、オレも魔法でお前をブッ殺してやるぜッ!」
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