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第二部 王国奪還
麻薬王との戦いーその④
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剣と剣との間に火花が散る。ギリギリと同じサイズの刃物がぶつかり合っているのだ。
「でもさぁ~剣っていいと思わないかい?ヴィト?」
トーマスは二つの剣の間に挟まれたヴィトに問いかける。
「何故だ?」
ヴィトは口元を緩めながら尋ねる。
「簡単だよ、ピストルじゃあ一瞬で終わるだろ?でもよぉ~剣は相手を苦しめながら殺せるだろ?」
ヴィトはトーマス・マーニーが心の底から腐っている根っからの悪党だと分析した。彼はギャングなどやらずに他の職業に就いていたとしても、将来に何かしらの大きな事件を起こしただろう。
ヴィトはトーマス・マーニーが聖書で言う悪魔や日本の昔話等でよく聞く鬼のように見えた。
「オレを苦しめて殺すつもりか?」
ヴィトは剣を握る手を強めながら尋ねる。トーマスはヴィトにより強められた剣によろめきながらも、質問にちゃんと答える。
「そうさ、お前のような古い古狸を殺せば、オレらのような新しい時代のギャングが街を牛耳るのさッ!」
トーマスも剣を握る手を強め、ヴィトの剣を押し返す。
ヴィトはと言うと、この新しい時代のギャングと言うのが理解できなかった。どうして、彼らは麻薬などをやるのだろう。麻薬は人を苦しめる。人間関係を破綻させるものだ。彼らは人と人との信頼関係というのを軽視しているのだろう。ヴィトは自分がギャングであると自覚しているが、同時に最低限の仁義は持っているつもりだった。一般の人々
を巻き込まない。麻薬を自分の街では捌かない。そして相手との信頼を得る。
これは、ファミリーが長続きするコツだ。ヴィトは少なくともそう思っていた。ルーシーや彼女の父親だってそう思っているだろう。
違うのは自分とルーシーと自分たちのファミリー以外の若いギャングなのだろう。彼らは仁義や尊敬や友情というものを軽視し、自分たちだけで得を得ようとする。腐りきったそこら辺のストリートギャングと何ら変わりない。ヴィトは少なくともトーマスが主張する新しい時代のギャングとはそんなものだろうと認識していた。
「お前の……お前のやり方は誰も幸せにしないッ!」
ヴィトはトーマスの剣をトーマスの体ごと弾き飛ばす。トーマスはキチリと受け身の姿勢を取り、ダメージを軽減させる。
「フン、テメェもギャングだろうがッ!正義の味方気取りか!?カタギからすれば、オレらは何も変わらねぇんだよ !!」
トーマスの問いにヴィトはハッキリと言い返す。
「違うッ!お前のようにカタギの奴らから生活を奪ったり、麻薬を売ったりはしない、お前のやり方じゃあ、誰からの尊敬や友情も得られないギャングだと言っているんだッ!」
ヴィトのその言葉には渾身の怒りが込められていた。
「フン、口では何とでも言えるさッ!クソがッ!」
トーマスはその言葉とともにツララを投げつける。ヴィトは剣を振り払い、ツララを破壊したが、次の瞬間にトーマスはヴィトの目の前にまで迫っていた。
「引っかかったなッ!ツララは囮だよッ!あの世へ行きなッ!ヴィト・プラテッツイオーネ !!」
ヴィトは咄嗟に剣を横にして防ぐ。トーマスの剣の冷気がヴィトにも剣を通して伝えられた。
(寒い、だがこれは奴の心だと思えばいいさ、奴の心はこの氷と同様にカチンコチンに凍っていやがるッ!)
ヴィトはそう思うと、勇気が湧いてきた。こんなゲス野郎に負けるわけにはいかないと。
「ウォォォォォォォ~~!!!」
ヴィトは思いっきり叫んだ。その瞬間にヴィトの剣はルカと戦った時のように黄金に輝き出した。
「あっ、あの剣は……」
プイスはヴィトの光り輝く剣に我を忘れたように叫ぶ。
「間違いないッ!フランソワ王国に代々伝われ、受け継がれてきた大事な伝説の剣じゃ!この剣は王国の守護者にしか反応せんと聞くが……」
プイスは足を震わせている。この戦いに参加できないのを残念がっているようだ。
「へん、何が王国に伝わる伝説の剣だよッ!ただの黄金の光じゃあねぇか !こんなモノを崇めるだなんてどうかしてるぜッ!」
トーマスは余裕たっぷりだったが、剣と剣との間に見えるヴィトの表情に驚きを隠せなかった。
「くっ、何故……何故お前がそんな怒っているんだッ!」
それに対するヴィトの答えはシンプルなものだった。
「簡単な話さ、お前への怒りが爆発したんだよ、コップに入れ過ぎた水が溢れ出るように溜まり過ぎたお前への怒りが爆発したんだ !!」
ヴィトの顔は本当に阿修羅のようであった。その顔にはトーマス・マーニーへの憎悪……。それだけに向かれていたようにトーマスには感じられた。
「クソッ、このまま斬り殺してや……」
だが、それは永遠にかなわない願いとなった。ヴィトによりトーマスは剣ごと背後に弾き飛ばされ、尻餅をついた後に左腕から下を思いっきり斬られてしまったからだ。
「うっ、クソがッ!クソがッ!」
トーマスは怒りの様子で迫ってくるヴィトへ歯を剥き出しにして煽るが、ヴィトはそんなトーマスに構うことなく、剣を突き立てようとする。
「クソッ……」
暴れても無理なことを悟ったのか、トーマスは一瞬顔を下に向けた後にヴィトの顔を哀願するように眺めた。
「頼むよ、オレはもう重症で動けないんだ……あんただって無抵抗な奴を殺すのはあんたの仁義に反するだろ?」
トーマスはヴィトが過去に何度も他組織の戦力がなくなったギャング達を見逃してきた事を知っている。彼はそれに便乗して見逃してもらおうと画策したのだ。だが……。
「ダメだね」
彼の希望は一瞬にして絶望へと変化した。トーマスは傷を抑えながら、今度は煽ることに特化する。
「オレがこんなに頼んでるのに、お前はロクデナシだッ!ロクデナシの悪党だよ !」
「何を言っている?これはギャングの抗争……オレは自分が正義の味方だなんて思った事は一回もないぜ、お前は最低のクソ野郎だッ!クソッ!」
ヴィトは顔色一つ変えずにトーマスへと矛先を突き刺そうとする。その時だった。
トーマスはヴィト足を自分の足で蹴り、ヴィトがバランスを崩した瞬間に逃亡したのだった。
「でもさぁ~剣っていいと思わないかい?ヴィト?」
トーマスは二つの剣の間に挟まれたヴィトに問いかける。
「何故だ?」
ヴィトは口元を緩めながら尋ねる。
「簡単だよ、ピストルじゃあ一瞬で終わるだろ?でもよぉ~剣は相手を苦しめながら殺せるだろ?」
ヴィトはトーマス・マーニーが心の底から腐っている根っからの悪党だと分析した。彼はギャングなどやらずに他の職業に就いていたとしても、将来に何かしらの大きな事件を起こしただろう。
ヴィトはトーマス・マーニーが聖書で言う悪魔や日本の昔話等でよく聞く鬼のように見えた。
「オレを苦しめて殺すつもりか?」
ヴィトは剣を握る手を強めながら尋ねる。トーマスはヴィトにより強められた剣によろめきながらも、質問にちゃんと答える。
「そうさ、お前のような古い古狸を殺せば、オレらのような新しい時代のギャングが街を牛耳るのさッ!」
トーマスも剣を握る手を強め、ヴィトの剣を押し返す。
ヴィトはと言うと、この新しい時代のギャングと言うのが理解できなかった。どうして、彼らは麻薬などをやるのだろう。麻薬は人を苦しめる。人間関係を破綻させるものだ。彼らは人と人との信頼関係というのを軽視しているのだろう。ヴィトは自分がギャングであると自覚しているが、同時に最低限の仁義は持っているつもりだった。一般の人々
を巻き込まない。麻薬を自分の街では捌かない。そして相手との信頼を得る。
これは、ファミリーが長続きするコツだ。ヴィトは少なくともそう思っていた。ルーシーや彼女の父親だってそう思っているだろう。
違うのは自分とルーシーと自分たちのファミリー以外の若いギャングなのだろう。彼らは仁義や尊敬や友情というものを軽視し、自分たちだけで得を得ようとする。腐りきったそこら辺のストリートギャングと何ら変わりない。ヴィトは少なくともトーマスが主張する新しい時代のギャングとはそんなものだろうと認識していた。
「お前の……お前のやり方は誰も幸せにしないッ!」
ヴィトはトーマスの剣をトーマスの体ごと弾き飛ばす。トーマスはキチリと受け身の姿勢を取り、ダメージを軽減させる。
「フン、テメェもギャングだろうがッ!正義の味方気取りか!?カタギからすれば、オレらは何も変わらねぇんだよ !!」
トーマスの問いにヴィトはハッキリと言い返す。
「違うッ!お前のようにカタギの奴らから生活を奪ったり、麻薬を売ったりはしない、お前のやり方じゃあ、誰からの尊敬や友情も得られないギャングだと言っているんだッ!」
ヴィトのその言葉には渾身の怒りが込められていた。
「フン、口では何とでも言えるさッ!クソがッ!」
トーマスはその言葉とともにツララを投げつける。ヴィトは剣を振り払い、ツララを破壊したが、次の瞬間にトーマスはヴィトの目の前にまで迫っていた。
「引っかかったなッ!ツララは囮だよッ!あの世へ行きなッ!ヴィト・プラテッツイオーネ !!」
ヴィトは咄嗟に剣を横にして防ぐ。トーマスの剣の冷気がヴィトにも剣を通して伝えられた。
(寒い、だがこれは奴の心だと思えばいいさ、奴の心はこの氷と同様にカチンコチンに凍っていやがるッ!)
ヴィトはそう思うと、勇気が湧いてきた。こんなゲス野郎に負けるわけにはいかないと。
「ウォォォォォォォ~~!!!」
ヴィトは思いっきり叫んだ。その瞬間にヴィトの剣はルカと戦った時のように黄金に輝き出した。
「あっ、あの剣は……」
プイスはヴィトの光り輝く剣に我を忘れたように叫ぶ。
「間違いないッ!フランソワ王国に代々伝われ、受け継がれてきた大事な伝説の剣じゃ!この剣は王国の守護者にしか反応せんと聞くが……」
プイスは足を震わせている。この戦いに参加できないのを残念がっているようだ。
「へん、何が王国に伝わる伝説の剣だよッ!ただの黄金の光じゃあねぇか !こんなモノを崇めるだなんてどうかしてるぜッ!」
トーマスは余裕たっぷりだったが、剣と剣との間に見えるヴィトの表情に驚きを隠せなかった。
「くっ、何故……何故お前がそんな怒っているんだッ!」
それに対するヴィトの答えはシンプルなものだった。
「簡単な話さ、お前への怒りが爆発したんだよ、コップに入れ過ぎた水が溢れ出るように溜まり過ぎたお前への怒りが爆発したんだ !!」
ヴィトの顔は本当に阿修羅のようであった。その顔にはトーマス・マーニーへの憎悪……。それだけに向かれていたようにトーマスには感じられた。
「クソッ、このまま斬り殺してや……」
だが、それは永遠にかなわない願いとなった。ヴィトによりトーマスは剣ごと背後に弾き飛ばされ、尻餅をついた後に左腕から下を思いっきり斬られてしまったからだ。
「うっ、クソがッ!クソがッ!」
トーマスは怒りの様子で迫ってくるヴィトへ歯を剥き出しにして煽るが、ヴィトはそんなトーマスに構うことなく、剣を突き立てようとする。
「クソッ……」
暴れても無理なことを悟ったのか、トーマスは一瞬顔を下に向けた後にヴィトの顔を哀願するように眺めた。
「頼むよ、オレはもう重症で動けないんだ……あんただって無抵抗な奴を殺すのはあんたの仁義に反するだろ?」
トーマスはヴィトが過去に何度も他組織の戦力がなくなったギャング達を見逃してきた事を知っている。彼はそれに便乗して見逃してもらおうと画策したのだ。だが……。
「ダメだね」
彼の希望は一瞬にして絶望へと変化した。トーマスは傷を抑えながら、今度は煽ることに特化する。
「オレがこんなに頼んでるのに、お前はロクデナシだッ!ロクデナシの悪党だよ !」
「何を言っている?これはギャングの抗争……オレは自分が正義の味方だなんて思った事は一回もないぜ、お前は最低のクソ野郎だッ!クソッ!」
ヴィトは顔色一つ変えずにトーマスへと矛先を突き刺そうとする。その時だった。
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