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第三部 トゥー・ワールド・ウォーズ
三龍会との決戦ーその③
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ヴィトは咄嗟に回転式のテーブルを蹴り倒し、三人の動揺を誘う。
その間にコート掛けに急ぎ、コートから拳銃を取り出し、発砲する。弾はチェンに命中した。彼は心臓の辺りを抑え、膝をついた後に苦しそうにむせ込みながら、崩れ落ちた。
そして、チャイナドレスの女性たちの悲鳴が聞こえる。ヴィトは女性たちが護衛でなかった事に安堵し、ため息を吐く。
それから、チェンが生き絶えたのを確認し、二人に拳銃を向ける。
「三龍会のメンバーは一人片が付いたな、残りは二人か……」
その時であった。リューが姿を現した。驚くべき事に彼は唐剣と呼ばれる細く長い剣を持っていた。
「ふふふふふ、ヴィトとか言ったな、チェンを殺したのは見事だ。あまりの鮮やかさにワシはつい見ほれてしまったよ、同じイタリアン・マフィアでもあの小物とは訳が違うな」
リューの言う小物とは、ルカ・ミラノリアの兄であるカルロ・ミラノリアで間違いないだろう。彼は中国に学びに行っていた筈だから。
「オウはどうした?」
「さあな、お前さんが蹴ったテーブルが勢いよくワシらに倒れたせいで気絶してるかもしれんな」
リューは鞘から長い唐剣を取り出す。
「今まで見た異世界の剣とは違うな、まるで槍のように長い……」
「ふふふ、刀と言えば日本刀を思い浮かべる人も多いと思うが、ワシの愛剣はずっとこれだ。しかもこの剣が威力を振るえる範囲は日本刀よりも広い、お前さんのその剣よりもな……」
リューは不敵な笑いを浮かべる。
「なら、試してみるか?」
ヴィトの言葉にリューが特攻する。長い唐剣が、ヴィトの剣に当たる。
一歩間違えれば、自分が斬られていたかもしれない距離だ。
「おっと、おっと、お前さんのような奴はワシの体験してきた中でも初めてじゃな、お主日本の『安芸之助の夢』という怪談を知っているかな?」
ヴィトは日本の怪談など知る由がない。頭を横に振る。
「まぁ、知らんだろうな、簡単に話を纏めるとな、長い夢の話だ。主人公の安芸之助は寝ていたら、妙な国に連れて行かれ、23年間もそこで暮らしていたという話だ。しかし、現実の時間では二、三分しか過ぎていなかったという話だ。だが、現実に安芸之助は23年も過ごしたのだ」
「言っている意味が分からない」
ヴィトは懸命に剣を持ちながら答える。
「お主も察しが悪いな、つまりワシは寝ている間に仙人の妖術により、様々な事件を体験したのじゃよ、そこで劉備にも会ったし、始皇帝や夏の桀王とやらにも会った。つまりワシは中国4000年の歴史をそのまま体験している男と言えるじゃろうな」
要するに夢で、色々な事を経験したのだ。ただの夢にくせに何を威張っているのだろう。ヴィトには訳が分からなかった。
「なら、お前の幕はここで降ろしてやるよ !」
ヴィトは自分の剣でリューの唐剣を押し返す。
「ふふふ、4000年も戦ってきたが、お前のような男は初めてじゃよ」
リューは唐剣を伸ばしてくる。ヴィトは剣を横にして防いだが、やはり、距離の面で不利な事には変わらない。
「いいや、一人いたな、モンゴルが大陸を制していた時代に一人お主のような強い剣士が……」
リューは戦いが楽しくて仕方がないという顔でヴィトを見つめる。
「そのモンゴルの戦士はどうした?」
「死んだよ、ワシの剣にかかってなッ!」
リューの剣の一振りは強烈なものであった。ヴィトは思わず吹き飛ばされそうになる。
ギリギリのところを足で踏ん張り、リューに剣戟を今度はヴィトから与えてやる。
「どうだッ!この野郎ッ!」
ヴィトは剣を受け、倒れかけていたリューを見下ろす。
「若いの……中々やるのう、お前の強さはワシがこれまで生きてきた中でも一番の強さかもしれんな」
「お言葉に預かり光栄だな」
ヴィトは皮肉のようにも嫌味のようにも聞こえる声で言い放つ。
「だかな、ワシも負けるわけにはいかんのだよ、アメリカをモノにするのはあの男との約束じゃからのう……」
その瞬間にリューの唐剣に突然霧が宿る。
「なっ、なんだこの力は……」
「魔法とでも言っておこうかのう……あの男から教わった魔法じゃよ」
すると、霧が周りに部屋に蔓延し、煙が死んだチェンに入った。
「何をする気だ……」
「お主も察しておろう……」
不気味に笑うリューの顔にルーシーは思わず口元を覆う。
「死人……死人を操る気なんだわ !」
ルーシーの言葉にヴィトが反応した。そして死んだ筈のチェンを確認する。
「うっ、動いていやがるッ!」
ヴィトは顔を引きつられせていた。対照的にリューの顔は満足気だ。
「これがワシの魔法死の霧 !かなり強力でな、お前さんの剣とワシの剣どちらが強いか賭けてみないか?」
「舐めやがって……」
ヴィトは唇を噛み締めながら、リューと蘇ったチェンを睨みつける。
「オレの剣は王国の宝剣なんだぜ、お前の不気味な剣に負けるわけがねえ !」
ヴィトは自分の剣を黄金に輝かせる。
「それが、お前さんの本気というわけだな?よし、ワシも本気を出してやろうッ!」
それから、リューは霧を倒れているオウの中に入れる。
「いつまで寝ておるのだ。お前も起きてワシのために力を尽くさんか」
すると、オウはムクリと起き上がり、怪力で椅子の脚を壊すと、ルーシーに向かって特攻する。
「くっ、この野郎ッ!」
ヴィトは咄嗟にルーシーの元へと駆け寄り、ルーシーを守った。自分の脇腹を犠牲にして。
「ヴィト !わ、わたしのせいで……」
「いいや、お前のせいじゃあない、それよりも、この戦いで三龍会を壊滅させる可能性だってあるんだ。マフィアと言えばイタリアンだという事をアイツらに教えてやるんだッ!アメリカの裏社会に三龍会の出る幕はないとな……」
ヴィトの声にルーシーは首を縦に振る。
「そうね、わたしはどうすれば?」
「オウを頼む……オレはリューの野郎を始末する」
ヴィトはルーシーの肩に手を置いてから、再度剣を二人に向ける。
「ほう、やる気か?その怪我で」
リューとゾンビと化したチェンはヴィトを余裕の表情で睨んでいる。
「キミもやりたいみたいね、私と」
オウは挑発するように言った。
「いいえ、あなたはわたしに倒される筈よ」
ルーシーはオウを睨みつける。
その間にコート掛けに急ぎ、コートから拳銃を取り出し、発砲する。弾はチェンに命中した。彼は心臓の辺りを抑え、膝をついた後に苦しそうにむせ込みながら、崩れ落ちた。
そして、チャイナドレスの女性たちの悲鳴が聞こえる。ヴィトは女性たちが護衛でなかった事に安堵し、ため息を吐く。
それから、チェンが生き絶えたのを確認し、二人に拳銃を向ける。
「三龍会のメンバーは一人片が付いたな、残りは二人か……」
その時であった。リューが姿を現した。驚くべき事に彼は唐剣と呼ばれる細く長い剣を持っていた。
「ふふふふふ、ヴィトとか言ったな、チェンを殺したのは見事だ。あまりの鮮やかさにワシはつい見ほれてしまったよ、同じイタリアン・マフィアでもあの小物とは訳が違うな」
リューの言う小物とは、ルカ・ミラノリアの兄であるカルロ・ミラノリアで間違いないだろう。彼は中国に学びに行っていた筈だから。
「オウはどうした?」
「さあな、お前さんが蹴ったテーブルが勢いよくワシらに倒れたせいで気絶してるかもしれんな」
リューは鞘から長い唐剣を取り出す。
「今まで見た異世界の剣とは違うな、まるで槍のように長い……」
「ふふふ、刀と言えば日本刀を思い浮かべる人も多いと思うが、ワシの愛剣はずっとこれだ。しかもこの剣が威力を振るえる範囲は日本刀よりも広い、お前さんのその剣よりもな……」
リューは不敵な笑いを浮かべる。
「なら、試してみるか?」
ヴィトの言葉にリューが特攻する。長い唐剣が、ヴィトの剣に当たる。
一歩間違えれば、自分が斬られていたかもしれない距離だ。
「おっと、おっと、お前さんのような奴はワシの体験してきた中でも初めてじゃな、お主日本の『安芸之助の夢』という怪談を知っているかな?」
ヴィトは日本の怪談など知る由がない。頭を横に振る。
「まぁ、知らんだろうな、簡単に話を纏めるとな、長い夢の話だ。主人公の安芸之助は寝ていたら、妙な国に連れて行かれ、23年間もそこで暮らしていたという話だ。しかし、現実の時間では二、三分しか過ぎていなかったという話だ。だが、現実に安芸之助は23年も過ごしたのだ」
「言っている意味が分からない」
ヴィトは懸命に剣を持ちながら答える。
「お主も察しが悪いな、つまりワシは寝ている間に仙人の妖術により、様々な事件を体験したのじゃよ、そこで劉備にも会ったし、始皇帝や夏の桀王とやらにも会った。つまりワシは中国4000年の歴史をそのまま体験している男と言えるじゃろうな」
要するに夢で、色々な事を経験したのだ。ただの夢にくせに何を威張っているのだろう。ヴィトには訳が分からなかった。
「なら、お前の幕はここで降ろしてやるよ !」
ヴィトは自分の剣でリューの唐剣を押し返す。
「ふふふ、4000年も戦ってきたが、お前のような男は初めてじゃよ」
リューは唐剣を伸ばしてくる。ヴィトは剣を横にして防いだが、やはり、距離の面で不利な事には変わらない。
「いいや、一人いたな、モンゴルが大陸を制していた時代に一人お主のような強い剣士が……」
リューは戦いが楽しくて仕方がないという顔でヴィトを見つめる。
「そのモンゴルの戦士はどうした?」
「死んだよ、ワシの剣にかかってなッ!」
リューの剣の一振りは強烈なものであった。ヴィトは思わず吹き飛ばされそうになる。
ギリギリのところを足で踏ん張り、リューに剣戟を今度はヴィトから与えてやる。
「どうだッ!この野郎ッ!」
ヴィトは剣を受け、倒れかけていたリューを見下ろす。
「若いの……中々やるのう、お前の強さはワシがこれまで生きてきた中でも一番の強さかもしれんな」
「お言葉に預かり光栄だな」
ヴィトは皮肉のようにも嫌味のようにも聞こえる声で言い放つ。
「だかな、ワシも負けるわけにはいかんのだよ、アメリカをモノにするのはあの男との約束じゃからのう……」
その瞬間にリューの唐剣に突然霧が宿る。
「なっ、なんだこの力は……」
「魔法とでも言っておこうかのう……あの男から教わった魔法じゃよ」
すると、霧が周りに部屋に蔓延し、煙が死んだチェンに入った。
「何をする気だ……」
「お主も察しておろう……」
不気味に笑うリューの顔にルーシーは思わず口元を覆う。
「死人……死人を操る気なんだわ !」
ルーシーの言葉にヴィトが反応した。そして死んだ筈のチェンを確認する。
「うっ、動いていやがるッ!」
ヴィトは顔を引きつられせていた。対照的にリューの顔は満足気だ。
「これがワシの魔法死の霧 !かなり強力でな、お前さんの剣とワシの剣どちらが強いか賭けてみないか?」
「舐めやがって……」
ヴィトは唇を噛み締めながら、リューと蘇ったチェンを睨みつける。
「オレの剣は王国の宝剣なんだぜ、お前の不気味な剣に負けるわけがねえ !」
ヴィトは自分の剣を黄金に輝かせる。
「それが、お前さんの本気というわけだな?よし、ワシも本気を出してやろうッ!」
それから、リューは霧を倒れているオウの中に入れる。
「いつまで寝ておるのだ。お前も起きてワシのために力を尽くさんか」
すると、オウはムクリと起き上がり、怪力で椅子の脚を壊すと、ルーシーに向かって特攻する。
「くっ、この野郎ッ!」
ヴィトは咄嗟にルーシーの元へと駆け寄り、ルーシーを守った。自分の脇腹を犠牲にして。
「ヴィト !わ、わたしのせいで……」
「いいや、お前のせいじゃあない、それよりも、この戦いで三龍会を壊滅させる可能性だってあるんだ。マフィアと言えばイタリアンだという事をアイツらに教えてやるんだッ!アメリカの裏社会に三龍会の出る幕はないとな……」
ヴィトの声にルーシーは首を縦に振る。
「そうね、わたしはどうすれば?」
「オウを頼む……オレはリューの野郎を始末する」
ヴィトはルーシーの肩に手を置いてから、再度剣を二人に向ける。
「ほう、やる気か?その怪我で」
リューとゾンビと化したチェンはヴィトを余裕の表情で睨んでいる。
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