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見えてきた“彼女”
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俺が眉を寄せながら、自分の膝を見下ろしていると。
瑞紀は。
綺麗な顔をゆっくりとほほえませながら。
「でも。知哉さんが、私に対して好き、愛してると言ってくれたのは誤算でした。」
“君が好きだ”
「…」
“君を、愛してる”
その言葉に。
嘘なんて無い。
「あの言葉が。私があの部屋を出る時一番…。でも。出ないと、悲しませてしまうから。」
…
ふざけるな。
何言ってるんだ。
俺は瑞紀の手をぎゅっと握りながら。
「何も言わずに出ていく方がよっぽどだよ。」
「…すみません。」
瑞紀は、そんな俺の手をキュっと握り返しながら。
「…皆に悲しい思いをさせたくなかった。…だから、学校だってやめて来たのに。だから。家だって出たのに。…なのに。」
瑞紀の目から。
一粒の涙が零れて。
「…知哉さんが、あんな事言うから…」
そんな瑞紀に。
少し驚きながら。
「…みず「知哉さんが来てくれるの、ずっと…バカみたい。」
君は。
「生きる事に執着なんて無かったのに。なのに、本なんか借りて。」
ずっと一人で。
「メモだって残して。」
その、小さな体で。
「あれじゃ、探して欲しいって言ってるような物ですよね…」
抱えきれないほどの不安を、
その笑顔の後ろに隠してた。
そんな瑞紀をじっと見つめながら。
「…探して、欲しかったんでしょ。」
その言葉に。
瑞紀は、涙を流しながらコクンと頷いた。
「…ねぇ。」
瑞紀は泣きながら。
俺の手を握りながら。
「…ん?」
もう片方の手で。
すっかり細くなってしまった自分の腕を。
ここにある事を確認するかのように。
握り締めて、言葉を放つ。
「知哉さん…、私、死にたくありません…」
そんなの。
「…っやだ、…っ知哉さ…」
何言ってるんだ。
「…」
君を、俺が。
「私…っ」
あぁ。
「死にたく…っない…」
君は。
「…っ」
本当に。
「とも、…っやさ、んと…っ」
馬鹿だ。
「生きたい…っ「当たり前だよ。」
身を乗り出して、泣き続ける瑞紀を抱きしめて。
「君は。絶対に。…死なせたりなんかしない。」
「…っ、でも、もう」
震える瑞紀の背中をさすりながら。
強い口調で。
「君だけは、離さない。」
瑞紀は。
綺麗な顔をゆっくりとほほえませながら。
「でも。知哉さんが、私に対して好き、愛してると言ってくれたのは誤算でした。」
“君が好きだ”
「…」
“君を、愛してる”
その言葉に。
嘘なんて無い。
「あの言葉が。私があの部屋を出る時一番…。でも。出ないと、悲しませてしまうから。」
…
ふざけるな。
何言ってるんだ。
俺は瑞紀の手をぎゅっと握りながら。
「何も言わずに出ていく方がよっぽどだよ。」
「…すみません。」
瑞紀は、そんな俺の手をキュっと握り返しながら。
「…皆に悲しい思いをさせたくなかった。…だから、学校だってやめて来たのに。だから。家だって出たのに。…なのに。」
瑞紀の目から。
一粒の涙が零れて。
「…知哉さんが、あんな事言うから…」
そんな瑞紀に。
少し驚きながら。
「…みず「知哉さんが来てくれるの、ずっと…バカみたい。」
君は。
「生きる事に執着なんて無かったのに。なのに、本なんか借りて。」
ずっと一人で。
「メモだって残して。」
その、小さな体で。
「あれじゃ、探して欲しいって言ってるような物ですよね…」
抱えきれないほどの不安を、
その笑顔の後ろに隠してた。
そんな瑞紀をじっと見つめながら。
「…探して、欲しかったんでしょ。」
その言葉に。
瑞紀は、涙を流しながらコクンと頷いた。
「…ねぇ。」
瑞紀は泣きながら。
俺の手を握りながら。
「…ん?」
もう片方の手で。
すっかり細くなってしまった自分の腕を。
ここにある事を確認するかのように。
握り締めて、言葉を放つ。
「知哉さん…、私、死にたくありません…」
そんなの。
「…っやだ、…っ知哉さ…」
何言ってるんだ。
「…」
君を、俺が。
「私…っ」
あぁ。
「死にたく…っない…」
君は。
「…っ」
本当に。
「とも、…っやさ、んと…っ」
馬鹿だ。
「生きたい…っ「当たり前だよ。」
身を乗り出して、泣き続ける瑞紀を抱きしめて。
「君は。絶対に。…死なせたりなんかしない。」
「…っ、でも、もう」
震える瑞紀の背中をさすりながら。
強い口調で。
「君だけは、離さない。」
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