朝日に捧ぐセレナーデ 〜天使なSubの育て方〜

沈丁花

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第二部

初めてのプレイ②(東弥side)

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夢の中で、静留とプレイをしていた。だから、起きた後しばらくも、夢の延長線のような心地でいて。

自分の指が静留の口内を侵していると気づいた時、東弥はひどく動揺した。

「あれ、俺…

静留!俺何かした?怖いことされてない!?」

もしかしたらこれ以上のこともしたかもしれない。顔を真っ赤にした静留に慌てて問いかける。

「…おくち、さわってもらった…。」

それだけで良かったとほっとすると同時に、こみ上げてきたのはやってしまったと言う罪悪感。

静留との生活の中で、食事や風呂、睡眠などの命令をすることでなんとか第二性を満たしてきたのだが、やはりそれだけでは足りずに、最近東弥は第二性的に欲求不満の状態だった。

しかし静留以外と何かをする気にはなれず、ずるずるとこの状況を放置したままでいて。

「ごめん…。」

その結果がこれだ。もっと早く手を打っておくべきだったのに。

「あやまるの、どうして?」

静留がきょとんと首を傾げる。

「最近してなくて、静留に怖い思いさせちゃったから。」

「…する?」

「うん。静留に会ってから、誰ともプレイしてないんだ。だから、ごめん…。」

言うと、静留はぷくっと頬を膨らませた。

口の中を触られたのがいやだったのだろう。

頬を膨らませる姿は愛らしいが、今はそれに微笑んでいる場合ではない。

「ごめん。もうしないから、ね?」

慌てて謝っても、今度は泣きそうな顔をされる。

もうしない、と言っても許してもらえないのなら、あとはどうすればいいのだろうか。例えば別れろと言われたら、それをする気は東弥にはない。

「僕じゃ、だめなの…?いやじゃないしこわくもない…。東弥さんと、プレイ?僕じゃできない…?」

「えっ…?」

涙目で静留が紡いだ言葉は予想外で、東弥はひどく動揺した。

「ほかのひととは、しないで。」

ぎゅっと東弥の胸に頭を埋め、ただをこねるように静留が続ける。

__…どうすればいい…?

おそらく静留はプレイについてなにも知らない。そんな彼に、プレイをさせていいのだろうかと、東弥はじっと考えた。

しかし同時に、他の人としないで、と言う言葉に静留の寂しさや悲しさと言った感情を感じて。

もし静留が自分以外の人とプレイをすると言ったら、東弥は同じように嫌がるだろう。

「じっと静留の目を見て俺が命令したら、従ってほしいんだ。それがプレイ。さっきみたいなこと、またしてもいい…?」

「うん。」

言うと、静留は東弥の胸から顔を上げ、嬉しそうに頷いた。

黒い瞳は、ぱっちりと開いてキラキラと輝いている。

まったく、彼の存在はどこまでも愛おしい。

「じゃあまず、セーフワードを決めようか。」

「せーふわーど…?」

「そう。静留が俺の命令に従いたくない時に、言う言葉。嫌なこともあるかもしれないから。」

「んー…。」

話し合った末、決まったセーフワードは“サンセット”。

そして2人は今夜一緒にプレイをすると言う約束を交わしたのだった。
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