贖罪のセツナ~このままだと地獄行きなので、異世界で善行積みます~

鐘雪アスマ

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第5章波乱と激動の王都観光

外伝・とある冒険者とコンビニ

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俺は冒険者だ。
名前はない。

いやごめん嘘つきました。
名前はある。
まぁ普通人間として生まれたら、
名前ぐらいあるだろう。
しかし俺の本名はそれはそれは酷い名前なのだ。
初対面で名乗ったら、
みんなが爆笑するか、顔をしかめるかのどちらかだった。
両親はどうしてこんな名前を付けたのか、
恨みたくなったことも1度や2度ではないが、
俺は孤児なので、
両親が何でこんな酷い名前を付けたのか、謎なままだ。
だから俺は周囲には名前が無いと言っている。

そんな俺は最近アアルに引っ越してきた。
理由はダンジョンがあるからだ。
ダンジョンは金儲けにはぴったりだ。
ダンジョンではまず死ぬことは無いし、
安心して冒険が出来る。
そして今日も俺は白のダンジョンに来ていた。

「今日も混んでいるな」

そうして俺は白のダンジョンに入った。

「相変わらず寒いな…ん?」

その時1人の冒険者が何かの筒のような物を口元に持っていっていた。

「それ何だ?」

俺は気になったので、
そう聞いてみた。

「ああ、これは水筒だよ」
「水筒?
何だか形が俺の知るのとは違うけど…」

普通の水筒は動物の皮で出来た物が多いが、
冒険者の持っている水筒は見たことの無い形をしていた。

「変わった形の水筒だな」
「そうだろう。聞いて驚くなよ。
この水筒は時間が経っても中の温度が下がらないんだ」
「え? そんなことってあるのか」

白のダンジョンの中は寒いので、
温かい飲み物が飲めたらいいなといつも思っていた。
でもこの水筒があれば解決するじゃないか。

「それどこで買ったんだ?」
「カイドウ商会だよ。
大通りにある店だ」
「そうか、教えてくれてありがとう」
「まぁでもあそこはかなり便利な物が売っているからな。
野菜を薄くスライス出来る調理器具とか、
一番驚いたのは懐中電灯だな。
持っても全然熱くなくて、しかもかなり明るいんだ」
「何だって」

もう冒険どころじゃない。
早くカイドウ商会に行かないと。
俺は早速ダンジョンを出て大通りを探した。
カイドウ商会はすぐに見つかった。
俺は店の中に入る。

「いらっしゃいませ」

そう言ってかなり美人な女性が接客してくれた。

「あの水筒と懐中電灯ってあるか」
「はい、ありますよ」

そう言うと女性が案内してくれた。

「ありがとう」
「あ、それと商品を入れるなら、
かごの中に入れてください」
「え、このかごって貰えるのか」

そういえば店の入り口の近くにかごがたくさんあった。

「いいえ、このかごは商品を入れるためのものです。
買い物が済んだら、元の場所に戻してください」
「利用するのにお金はかかるのか?」
「いいえ、利用するだけならタダです」

そうして俺は早速かごの中に懐中電灯と水筒を入れた。

「ところでお客様は冒険者ですか」
「ああ、そうだが」
「それならオススメの商品があります」
「へぇどんなのがあるんだ?」
「例えばこの携帯コンロです。
これがあればどこでも火をおこせて料理が出来ます」
「え、そんな物があるのか!?」

この世界では外で野宿する時、
基本的に火の管理が大切になってくる。
火は火属性の魔法使いがいたら、
楽に火が点けるのだが、
基本的に俺のように1人でやっている冒険者は、
火を起こすのは大変だ。
火を起こす魔石もあるが、
中の魔力がすぐに尽きるので、
俺は火打ち石を使っている。
火を使うのに火打ち石を使わないといけないのだが、
薪が雨でしけっていたりすると火を付けるのは、
困難を極める。
その悩みがこれさえあれば解決するじゃないか!

「この携帯コンロの火っていつまで持つんだ?」
「そうですね。3ヶ月ぐらいじゃないでしょうか」
「分かった。これも買うぞ」
「あ、それと中の魔石は消耗品なので気を付けてください。
魔石が黒くなってきたら交換した方が良いです」
「あとこれって何だ?」
「ああ、それは折りたたみ式の鍋です」
「折りたたみ式?
鍋が?」
「はい、場所も取らないので、
オススメですよ」

冒険者の悩みの1つは鍋がかさばることだ。
特にフライパンはかなりの場所を取る。
空間術でも使えたらいいのにと、
常日頃から思っていたが、
まさかこんな便利な鍋があるとは…。
俺は折りたたみ式鍋をかごに入れた。

「それとお客様は冒険者ですよね。
野宿する時熟睡出来なくて困ることってありますか?
「ああ、それは本当によくあるな」

そもそも外で野宿する時、
テントを建てる冒険者は少ない。
テントがあっても魔物に襲われた時に、
すぐに対応出来ないからだ。

「実は当店では、
魔物を寄せ付けないテントも販売しています」
「え、そんなテントがあるのか?」
「はい、ポップアップテントと言いまして、
テントを組み立てなくても、
取り出したら勝手にテントの形になってくれます」
「マジか、いくらするんだ?」
「金貨3枚になります」

思ったより高いな。
でもがんばってお金を貯めれば、
買うことは出来なくもない。

「そうか、それ以外にも何かあるか?」

それから俺は色々と店を見て回った。
店には他の店にはない商品でいっぱいだった。
ただ店の経営者が今は王都に出かけているらしく、
一部補充出来ていない商品も多いらしい。
そしてそこで売られている料理も買ってみたが、
なんと電子レンジで温めてくれた。
電子レンジというのは食べ物を温めてくれる魔道具らしく。
これも欲しいと思ったが、
非販売品だと言われてしまった。

そうして買った料理を宿に帰ってから食べてみたが、
かなりおいしかった。

それから冒険者の仕事が終わったら、
コンビニで買い物するのが俺の日課になった。

コンビニの商品のおかげで、
ストレスなく、冒険出来るようになり、
大助かりだった。
しかしこんな便利な道具を一体どうやって作り出しているのか、
店員に聞いてみたが、企業秘密だと言われてしまった。
でもおかげで悩みが解決出来たので、
これからもコンビニを利用しようと思う俺だった。

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