贖罪のセツナ~このままだと地獄行きなので、異世界で善行積みます~

鐘雪アスマ

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第3章謎の少女とダンジョン革命

106・帰宅

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トッドを傘下に入れるかは、
他のメンバー相談してから決める。
そう告げるとトッドはようやく土下座を止めてくれた。

「俺はもう今までのトッドじゃないッス。
もうアネゴの舎弟ッスから」

いや舎弟になることはまだ決めてないからな。
それにしてもトッドのこの変わりよう。
よっぽど地獄を見たことがショックだったみたいだ。
まぁアレを見ればどんな悪人も改心することだろう。
そもそも地獄なんて信じてない人間も多いからな。
地獄が本当にあるってだけで驚きだろう。
それからウーレアー山の『ゲート』を全て封鎖して、
ついでに魔物も倒しておいた。

「じゃあ、アアルに戻りましょう」

そうしてウーレアー山を降りて、
日が暮れた時にまた野宿してアアルを目指して歩きだした。

「あれ、魔物ですか」

道を歩いているとウサギに角が生えた魔物が二匹現れた。

「これぐらい俺にまかせるッス」

そういうとトッドはあっという間に剣で魔物を倒してしまう。
さすが冒険者。剣の腕は確かみたいだ。

「やりますね」
「いいえ、アネゴには及ばないッス。
Bランクの魔物が倒せるんッスから」
「それより私が地獄神から力を与えられていることは内緒ですよ」

ただでさえ聖眼持ちだと崇められているのだ。
これが地獄神の力だとしれば、
もう神様の化身ってことになって、恐れられることだろう。

「ええ、例え金貨100枚やるって言われても言わないッス。
それより俺が広めたアネゴの悪い噂ですが、
それは全員訂正して回るッス」
「まぁそれは助かりますが、なんで「ッス」って言うんですか?」
「この方が舎弟っぽいッスからです」

いやだから舎弟にするかどうかはまだ決めてないって。
しかし私に対するこの尊敬のまなざし。
もう尻尾があったらぶんぶん振っているんじゃないだろうか。
なんか犬っぽいな。
そんなことを考えているとアアルにたどり着くことが出来た。

「おう、帰ったか」

ギルドに入るとギルドマスターがそう言った。

「ところでどうしてトッドと一緒に居るんだ?」
「俺はもう以前のトッドじゃないッス。
アネゴについていくって決めやしたから」
「お前、誰だ?」

トッドの変わりようにギルドマスターは引いた顔をする。
まぁそうするのも無理はない。私もドン引きしたからな。

「いやー。アネゴは本当に強いッス。
尊敬するッス」
「だからお前、何があった?」

ギルドマスターはそうドン引きした顔をしたのだった。

「嬢ちゃん、教えてもらおうか、
どうしてトッドが嬢ちゃんを慕っているんだ?」

あー、やっぱり説明しなきゃ駄目か。

私は『ゲート』に落ちたことをギルドマスターに伝えた。

「『ゲート』に落ちた!? それは本当なのか?」
「はい、間違いないッス。
アネゴが地獄の神と交渉してくれたおかげで、
こうして戻ることが出来たッス」
「神? 神は居るのか?」
「そうッス。嘘じゃないッス」
「そうだな。嘘ではないみたいだが、
『ゲート』が本当に地獄と繋がっているとは…」

ギルドマスターは腕を組んでそう言った。

「『ゲート』に落ちて帰ってきただけすごいのに、
本当に『ゲート』が地獄に繋がっているなんて、世紀の大発見ですね」

そう受付のワーナーさんも言った。

「しかも神に出会ったのか、どんな感じだった?」
「そうッスね。美人が多かったッス。
特にアルシノエって神様は気さくで優しかったッス」
「それに地獄というのは本当にあるんだな?」
「正直言って、この目で見るまでは俺も信じちゃいなかったッス。
でも実際に見て考えを改めたッス。
地獄は恐ろしい場所ッス……」
「そうか、でもよく帰ってきたな。
この話は町の奴らにも話しておく、
地獄が本当にあると知れば犯罪者も減りそうだからな」

そうして報酬を無事受け取ることができた。

「おかえり」

領主邸に帰るとエドナがそう言った。

「どうだった仕事は?」
「実は…」

私は起こったことを伝えた。

「は? 同じテントで寝ようとしたら怒られた?」
「はいそうです」
「それに『ゲート』に落ちたって、
あのねぇ、運良く帰ってこれたけど、
もし間違っていれば死んでいたのよ。
あなたはもうちょっと気をつけなさい!!」
「すみません…」
「今日はもう説教よ。覚悟していなさい」
「えー…」

そうして疲れているのに、
丸一日エドナの説教を食らう羽目になったのだった。トホホ…。

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