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第4章起業しましょう。そうしましょう
218・携帯紋
しおりを挟むそして翌朝、私達は『金色の黎明』のメンバーは、
朝食をタツキと一緒に食べていた。
「ああ、銀鮭おいしいです。
これぞ日本人って感じがします…」
「そんなに喜んでくれると用意した甲斐があるな」
「あのお金払うので、米と味噌と醤油とかゆずってくれませんか?」
「良いぞ。豊作続きで困っておったからな。
倉庫の中にある米と味噌と醤油は全部持っていってもよいぞ」
「それと城下町を観光していいですか?
食べ歩きしてみたいんです」
「ああ、良いぞ。好きなだけ見てくるといい。
と、その前に携帯紋を授けねばな」
そう言うとタツキさんは私の左手に触れた。
すると青い紋章が左手の甲に浮かび上がる。
紋章の下には0と書かれていた。
「これ何ですか?」
「これは携帯通貨紋と言って、
通貨の代わりになる紋章なのじゃ」
「?」
「まぁ習うより慣れろじゃ、
セツナよ。お主に10万ポイントを授ける」
タツキが言って私の左手に触れると紋章の数字が変わり、
10万と表示された。
「え、数字が変わりましたけど」
「こうして通貨の代わりとしてこのポイントを使っておるのじゃ。
試しに妾に100ポイント払うと言ってくれ」
「タツキさんに100ポイント払います」
そう言うと紋章の数字が変わり、
さっきより100ポイント減っていた。
「へぇこうやってポイントでやりとりすることで、
通貨の代わりになっているんですか?」
「そうじゃ、ヤトノカミでは、
このポイントが通貨の代わりになっておるのじゃ。
まぁお主の世界で言うなら電子マネーに近いな」
「へぇ、これなら盗まれる心配は無さそうね」
「そうじゃ、この携帯電話紋、略して携帯紋は、
登録した相手にいつでも電話をかけることも出来るのじゃ」
「え? それって携帯電話ってことですか?」
「そうじゃ、携帯紋の真ん中をタッチすると、
電話帳を開くことが出来る。
それで登録した相手に電話をかけることが出来るのじゃ。
ちなみに現在の時刻やカレンダーも表示することが出来るし、
登録したグループ同士の電話チャット機能などもある」
「それもう完全にスマホじゃないですか!」
「それはすごいのだ」
「本当にすごい技術ね」
「まぁこれはアトランティスで実際に使われていたものを、
タロウが改良したものじゃ」
「え? アトランティスで?」
「実際はもっと多機能だったようじゃが、
あまり便利過ぎるとそれに頼りっきりになるので、
最低限の機能しか付けておらぬがな。
まぁ天才のタロウが出来たことじゃから、
妾にも仕組みはよく分からないがな」
「それはいいんですが、
いきなりこんな紋章が手に出来たら理由聞かれると思うんですが」
「それは大丈夫じゃ。携帯紋を非表示にすると言えば、
携帯紋は消えるから大丈夫じゃ。
逆に携帯紋を表示すると言えば表示されるから覚えておくのじゃ」
「なるほど便利ですね。
じゃあみんなに携帯紋を付けてください」
「良いぞ」
そうして仲間全員に携帯紋を付けてもらったのだった。
これでいつでも電話して話すことが出来るようになった。
◆
「うわぁすごい人です」
城下町に行くと、それはもうすごい人だった
どこを見ても人、人、人で、活気に満ちあふれていた。
ちなみに普段の格好は目立つので、
私達全員はみんな着物に着替えていた。
「おいしそうな物がたくさんあるわね」
そうエドナが団子屋を見てそう言ったので、
つい全員分の団子を衝動買いしてしまった。
「はむはむ、おいしいのだ」
「しかしこの国って独特だよな。
家の中では靴を脱がないといけないし、
生魚は普通に食べるし」
そうリンが言った。
「まぁタロウの世界の江戸時代を参考にして作ったからのぅ。
まぁ他国とは風習が違うのは仕方ないのじゃ」
そう顔を布で隠してタツキは言った。
ちなみに何で顔を隠しているかと言うと、
タツキの顔は国民全員が知っているので、
そのまま歩いていたら大騒ぎになるかららしい。
「しかし道を歩いている人ってみんな幸せそうよね。
何て言うか活気があるわ」
「まぁ妾は貧困や差別が嫌いじゃからな。
そう言ったものは全て根絶した。
じゃからヤトノカミでは男女平等じゃ」
「そうなんですか」
「まぁ妾が稼いだ金はほとんど国民に還元しておるからな。
そこらの国よりかは善政をしいている自信はある」
「そういえばあなたがドラゴンと神のハーフだってこと、
国民は知っているの?」
「うむ、隠すことでもないから知っておるよ。
妾が人間でないことは国民全員が知っている。
まぁそのせいで妾のことを崇めるヤトノカミ人もおるがの」
その時だった城下町にドラゴンが舞い降りた。
「ドラゴン!?」
私達は思わず身構えた。
するとタツキさんが慌てていった。
「まぁそう騒ぐな。あれは妾の眷属じゃ」
「眷属って部下ってことですか?」
「そうじゃ、今世界的に見ても竜の数は減少傾向にある。
その原因は人間の自然破壊のせいじゃ。
そのせいで竜は住処を奪われているので、
妾が保護しているのじゃ」
「ああ、だからドラゴンが来たのに町の人は平然としているわけですか」
「バーン王国では竜は畏怖の対象じゃが、
この国では崇拝対象でもあるからな」
「でももし人を襲ったりしたら…」
「大丈夫じゃ、ヤトノカミに居る竜は人を襲わぬように、
妾が言い聞かせておるじゃから大丈夫じゃ」
「でもドラゴンってかなり大きいですよね。
共存なんて出来るんですか?」
「大丈夫じゃ。お主らにさっき授けた携帯紋には、
人外の者を人間に変える機能もついておる。
そのおかげで好きな時に竜の姿になったり、
人間の姿にもなれるのじゃ」
「え、そんな機能があるんですか?」
「まぁどんなに人間嫌いの竜でも、
一度人間の姿になったらそのままで居ることも多いのぅ」
「何で?」
「人間の姿の方が小回りがきいて便利じゃからじゃ。
それに竜の姿だとすさまじい食事量を取らなければいけないが、
人間の姿じゃと人間のサイズにあった食事量にもなるからのぅ。
じゃからこの町では竜も普通に暮らしておるよ」
「それって。
もしかして紋章の姿ならイオも人に変身出来るんじゃないですか」
そうフォルトゥーナが言った。
「あ、言われてみれば確かに、どうなんですかタツキさん?」
「まぁ試したことはないが、おそらく出来ることは出来ると思うぞ。
人の姿になりたいといえばなれるぞ」
「じゃあイオ、試してみてください」
「じゃあ、人の姿になるのだ!」
そう言うとピカっとイオの体が光り輝き、現れたのは―――。
「ええー!?」
そこに立っていたのはものすごい美女だった。
「すごいのだ!
セツナより身長が高いのだ!」
「い、イオ、そんなことより服がヤバイことに…!」
イオがさっきまで着ていた着物は明らかに小さいので、
胸や生足が見えていた。
おかげで道を歩いていた男性も足を止めてイオを見ていた。
「イオ、元の姿に戻ってください!」
「分かった。元の姿に戻るのだ!」
そう言うとイオはまたピカっと光り、獣人の姿に戻った。
「でも驚きました。
イオの人間の姿ってめちゃくちゃ美人だったんですね」
「私もびっくりなのだ。
まさか人間になれる日が来るとは思わなかったのだ」
「確かにそうですね」
「後でいいから他の獣人にも携帯紋を付けてほしいのだ。
実は獣人であることでトラブルが起こっているらしいのだ」
「トラブル?」
「アアルは良いのだが、
他の町に行くと魔物と間違われることも多いのだ。
でも人間の姿になれたら、そんなトラブルも減ると思うのだ」
「確かにそれはそうですね。
タツキさん、出来ますか?」
「うーむ、あまり携帯紋のことは他国に広めたくないのじゃが、
まぁ考えておこう」
しかしイオが人間の姿になるだなんて、
人生何があるのか分からないものだな。
そう思った一日だった。
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