贖罪のセツナ~このままだと地獄行きなので、異世界で善行積みます~

鐘雪アスマ

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第4章起業しましょう。そうしましょう

245・タコ

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「うう、ここは」

私は目を覚ました。

「みんな生きてますか?」
「生きてるぜ」
「何とか」
「びっくりしたのだ」
「やれやれですね」

そうみんなが言った。

「あれ、エドナは…そうだ居ないんだった」

いつも一緒にいたのでつい頼ってしまいそうになる。

「うげっ」

周りをよく見ると、そこの壁は生物の体内のようだった。
肉の壁に、内蔵のような物が張り付いていて、
天井には目玉と耳が引っ付いていた。
しかもビクビクと脈動していて気持ち悪い。
床がぶよぶよしているので、
そのおかげで高い所から落ちたのに助かったのだろう。

「何これ気持ち悪っ」

リンがそう言った。

「まるで生きているかのようですね」
「とにかく先に進もうぞ。
何があるか分からぬが警戒して進むとしよう」

そうして生物の体内のような道を進む。

「しっかしグロ耐性のない人には地獄のようなダンジョンですね」
「そうじゃな」

そうして進んでいると大きな肉の門があった。
門の中央に何かのくぼみがあった。
そして門の左右に道が別れていた。

「何でしょうこの門」
「さぁ? わからぬが、先を進もう」

とりあえず門を無視して右の道に行ってみることにした。
すると行き止まりに来たが、宝箱があった。
とりあえずミミックでないか確かめるために、
一度攻撃してみるが反応はない。

「開けますね」

開けると半月型の青いガラスの欠片があった。
それを見た時ピーンとひらめいた。

「これさっきの門に入れる鍵ですよ。
多分反対側の道にもこれと同じ欠片があると思います」
「何でそれが分かるんだ?」
「ガイ、私の世界では、
こういったダンジョンを疑似体験出来るゲームがあるんです」
「私の世界?」
「ああ、私は別の世界から来たんです」
「は…別の世界?
あんたが?」
「はい、この世界より発達した世界からやってきました」
「おいおいおいおい!
それってかなりヤバイじゃん!
この世界以外にも世界ってあるの!」
「はいそうです」
「今までで一番びっくりしたかも。
はぁ、アンタと居ると本当に退屈しないな」

リンが疲れたようにそう言った。
それから来た道を戻り、左の道に進んでみると、
同じように宝箱があり、欠片を入手した。
そして来た道を戻り、門のくぼみに欠片をはめた。
するとグチュと音を立てて、門が開いた。

「行こう」

そして門の中を入ると、開けた場所に出た。
周囲が円形になっておりかなりの広さがあった。

「あれ、行き止まりですか」

そうして足を踏み入れると、
円の中央にべちゃっと何かが落ちてきた。

「うげっ」
「気持ち悪いのだ」

そこにあったのは人の背丈ほどはある大きなタコだった。

「お…」
「お?」
「おいしそう」

私がそう言うとタツキを除く、
『金色の黎明』のメンバーがずっこけた。

「お、おいしそうってこれ食うのか!?」
「あ、悪食にも程があるのだ!」
「こんなの食べたら絶対お腹壊すって!」
「悪趣味です。ありえません」

あ、そうだ。この世界ではタコは食用じゃなかったんだった。
というか気持ち悪いので食べるなんてこと普通はしない。

「うむ、確かにおいしそうではあるな」

メンバーから大不評であるがタツキだけはそう言った。

「タコ食べるんですか?」
「ああ、タコはヤトノカミでは普通に食用として食べるぞ」
「ええ、マジかよ」
「悪食なのだ」
「それよりこれ例の冒険者じゃないの?」
「いや、これは少し違うようじゃ。
おそらく飼育されている魔物じゃろう」
「まぁ、それよりも来るぞ!」

すると大きなタコの魔物が、こちらに触手を伸ばしてきた。

「えい、《サンダー!!》」

私は雷魔法を食らわせる。
すると感電したのかタコが動きを止める。

「行くのだ」

そう言ってイオが斧でタコを一刀両断にする。
そしてタコは消滅して魔石が残る。

「うーん、一口食べたかったですね」
「「「ダメ!!」」」

私がそう言うと、
ガイ、イオ、リンが口をそろえて、ダメだと言った。

「セツナよ。
このタコは魔物じゃから、口に入れない方が良いぞ」
「そうですね。食べるのは止めておきます」

その時だった。

「へぇ、すごいね。君達」

その時どこからかプロムの声がした。

「まさかこうも簡単に倒されるなんてね。
驚きだよ」
「どこに居るんですか!?」
「そこには居ないよ。今声だけ送っている。
しかしあっさりと倒すなんて君達って何者なの?」
「ただのAランク冒険者ですよ。
それより出てきたらどうですか」
「そうだね。出てこようか」

そう言うと天井が開いてそこからプロムが現れる。

「いやー、ここまでよく来たね」
「それより冒険者達を解放しなさい!」
「解放してもいいけど彼らにはもう人間としての知能は残っていないよ」
「よくもそんな酷いことが出来ますね!」
「酷い? 先に酷いことをしたのは向こうの方だけど?」

え、どういう意味だ?
私は意味が分からずそう聞き返したのだった。

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