贖罪のセツナ~このままだと地獄行きなので、異世界で善行積みます~

鐘雪アスマ

文字の大きさ
325 / 370
第5章波乱と激動の王都観光

291・カイルの考察

しおりを挟む

それから王都を色々観光していると、大きな発見があった。
まず食料を大量に買った。
アアルには無いチーズ専門店を見つけた時は、
思わずチーズの塊を5個も買ってしまった。
これでチーズ料理が楽しめる。

それとパスタ専門店も見つけたので、
色々な形のパスタを買ってみた。

それとおいしいスイーツの店もいくつか訪問してみた。
そこでプリンが売られているのを見た時は感動して、
思わず全部衝動買いしてしまった。

まぁアイテムボックスに入れておけば腐らないので、
食料品を大量に買い込んでも問題はない。
こういった甘い物って本当に癒やされるから、良いよな。

そうして買い込んでいると4時前になったので、
伯爵夫人の息子であるカイルに会いに英雄学園に行ってみることにした。





「ここが英雄学園か、すごく立派な建物ですね」

学園の中には事前にミネルバさんが話を付けておいてくれたのだろう。
名前を言うと普通に入れた。

「さてとどこに居るかな」

エリアマップを使って検索してみるか、
そう思った時だった。

「おい、俺に逆らったらどうなるか分かるよな?」
「止めてください…」

1人の少年が1人の少女に言い寄っていた。

「いいか、俺は侯爵だぞ。
俺と付き合えよ。
付き合わないなら父上に言ってお前の家を取り潰してもいいんだぜ」
「そんな…」

言い寄られている少女は怯えていて今にも泣き出しそうだ。
助けた方が良いかな?
でも私達は学園の関係者じゃないし、先生を呼んだ方がいいかな。
そう思った時だった。

「止めないか、嫌がっているだろ」

そう言って1人の少年が現れた。

「カイル。またお前かよ。
伯爵家のくせに侯爵の俺に逆らっていいと思っているのか?
俺はこの国の宰相の息子、ヒラメ・オドールだぞ!!」

ヒラメ・オドール。ヒラメが踊る?
だから偉そうに言った名前が…。
あの宰相と一緒で親子揃って名前がおかしい。
私は思わず笑ってしまった。

「そうか、ならこのことを僕の大叔母様に伝えてもいいんだぞ」
「お前、それは卑怯だろう!」
「最初に身分を出して彼女を脅していたのはお前だろう。
人にしたことを自分がされたから怒るのか?」
「ぐぬぬ…」

その言葉に宰相の息子は何も言い返すことが出来なかったようだ。

「くそっ、覚えてろ!」

そう捨て台詞を言って宰相の息子は去っていった。

「あの、ありがとうございます」

絡まれていた少女がカイル君にお礼を言った。

「別にいいよ。君も気を付けた方がいいよ。
今度から友達と一緒に居て、なるべく1人にならない方がいい」
「はい、ありがとうございます」

そう言って少女は去っていった。

「あのー、あなたがカイル君ですか?
あのマティルダさんの息子の」
「はい、そうですけど」
「私はセツナ・カイドウと言います」
「セツナさんですか!?
これは驚いた!
僕は母からずっとあなたの話を聞かされていて、
ずっと会いたいなと思っていたんですよ!」

嬉しそうにカイル君はそう言った。

「ここだとまずいので、僕の部屋に行きましょう」

そうして寮の中に入り、カイル君の部屋に入った。
部屋は個室でかなり広かった。

「まず父と母を助けてくれて感謝します。
実は魔族が来る前、父と母から手紙が届いたんです。
それは遺書のような内容でした。
まぁ幸いにも魔族はあなた達が倒しましたが、
何かが狂っていたら、僕の大切な家族は死んでいたかもしれない。
だから魔族を倒してくれて感謝します」
「いや、私達は別に現れた魔族を倒しただけなので、
大したことはしていません」
「でも本当に感謝しています。
あなた達がいなかったらアアルは滅んでいたかもしれないのですから」

まぁ確かに私達が居なかったら確実にアアルは滅んでいただろう。
そして伯爵夫人も夫のオリヴァーさんも死んでいたに違いない。
そう考えると確かに私達が居なかったら、
アアルは終わっていただろう。

「母からはよくあなた達について聞いています。
母はあなたのことは過酷な運命に翻弄されながらも、
それでも前を向いて生きてるすごい人だって言ってました。
人間として見習うべきところが多いとよく言ってました」
「え、伯爵夫人がそんなことを?」

意外だ。そんな風に思われていたなんて。

「だから僕もあなたのことは尊敬しています」
「えへへ…そう言われると嬉しいです」
「こら、調子に乗らないの」

エドナにそうたしなめらたが、
尊敬していると言われて嬉しくない人間は居ないだろう。
素直に嬉しくなった私だった。

「ところでセツナさん達はいつまで滞在する予定ですか?」
「うーん、ダンジョンを変えて、姫様の病気の治療が済んだら、
ぼちぼち帰ろうと思っていますが…」
「多分僕の予想では王はすんなりとは帰してくれないと思いますよ」
「え?」
「セツナさんは王に会ってどう思いましたか?」
「そうですね。正直に言うとあのままでいいのかは疑問です」
「そうですね。王妃が死んでから王は別人のように変わってしまいました。
それまで仲が良かった人を遠ざけて、
代わりにろくでもない人ばかりを自分の周りに置くようになりました。
そして王は酒と道楽に溺れ、毎日毎日贅沢三昧。
だから国のお金も尽きる寸前だと聞きました」
「え、そんなにヤバイの?」
「はい」

リンがそう聞くとカイル君はそう言った。

「王は本当に王妃が死んでから変わってしまいました。
でも僕は思うのです。
ただ悲しみで現実逃避しているのでは、何かが違うと。
王が変わってから王都は腐敗していきました。
でも全てが逆だったとしたら? 
腐敗しているのではなく、腐敗させているのではないでしょうか」
「えっとつまり王は悲しみのあまり現実逃避して、
それで国が腐敗したのではなく、
わざと国を腐敗させているって言いたいのですか?」

それはいくらなんでも考えすぎだろう。
もし国をわざと腐敗させればクーデターが起きて、王は処刑される。
そんなこと普通に考えたら誰でも気がつくだろう。

「そう考えたら全部のつじつまが合うんです。
贅沢ばかりしているのも、
自分の周りにろくでもない人間ばかり置いているのも、
自分がかつてしていた良い政策を壊して、
税金を上げるなんていう愚かなことをしているのも」
「え、でもそんなことして何の得があるのだ?」
「それは分かりません。
ただ、僕には昔の王と今の王が同一人物には思えないんです。
僕にはわざと国を腐敗させているように思えてくるのです」

うーん、今の王様が偽物かもってことはミネルバさんも言っていたが、
私は以前の王がどういう人なのかよく知らないから、
何とも言えないなぁ…。
ただもしこれが本当なら…とんでもないことだよな。
そう思った私だった。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】 普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます) 【まじめなあらすじ】  主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、 「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」  転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。  魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。  友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、 「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」 「「「違う、そうじゃない!!」」」  これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。 ※他サイトにも投稿中 ※旧タイトル 病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

処理中です...