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第5章波乱と激動の王都観光
291・カイルの考察
しおりを挟むそれから王都を色々観光していると、大きな発見があった。
まず食料を大量に買った。
アアルには無いチーズ専門店を見つけた時は、
思わずチーズの塊を5個も買ってしまった。
これでチーズ料理が楽しめる。
それとパスタ専門店も見つけたので、
色々な形のパスタを買ってみた。
それとおいしいスイーツの店もいくつか訪問してみた。
そこでプリンが売られているのを見た時は感動して、
思わず全部衝動買いしてしまった。
まぁアイテムボックスに入れておけば腐らないので、
食料品を大量に買い込んでも問題はない。
こういった甘い物って本当に癒やされるから、良いよな。
そうして買い込んでいると4時前になったので、
伯爵夫人の息子であるカイルに会いに英雄学園に行ってみることにした。
◆
「ここが英雄学園か、すごく立派な建物ですね」
学園の中には事前にミネルバさんが話を付けておいてくれたのだろう。
名前を言うと普通に入れた。
「さてとどこに居るかな」
エリアマップを使って検索してみるか、
そう思った時だった。
「おい、俺に逆らったらどうなるか分かるよな?」
「止めてください…」
1人の少年が1人の少女に言い寄っていた。
「いいか、俺は侯爵だぞ。
俺と付き合えよ。
付き合わないなら父上に言ってお前の家を取り潰してもいいんだぜ」
「そんな…」
言い寄られている少女は怯えていて今にも泣き出しそうだ。
助けた方が良いかな?
でも私達は学園の関係者じゃないし、先生を呼んだ方がいいかな。
そう思った時だった。
「止めないか、嫌がっているだろ」
そう言って1人の少年が現れた。
「カイル。またお前かよ。
伯爵家のくせに侯爵の俺に逆らっていいと思っているのか?
俺はこの国の宰相の息子、ヒラメ・オドールだぞ!!」
ヒラメ・オドール。ヒラメが踊る?
だから偉そうに言った名前が…。
あの宰相と一緒で親子揃って名前がおかしい。
私は思わず笑ってしまった。
「そうか、ならこのことを僕の大叔母様に伝えてもいいんだぞ」
「お前、それは卑怯だろう!」
「最初に身分を出して彼女を脅していたのはお前だろう。
人にしたことを自分がされたから怒るのか?」
「ぐぬぬ…」
その言葉に宰相の息子は何も言い返すことが出来なかったようだ。
「くそっ、覚えてろ!」
そう捨て台詞を言って宰相の息子は去っていった。
「あの、ありがとうございます」
絡まれていた少女がカイル君にお礼を言った。
「別にいいよ。君も気を付けた方がいいよ。
今度から友達と一緒に居て、なるべく1人にならない方がいい」
「はい、ありがとうございます」
そう言って少女は去っていった。
「あのー、あなたがカイル君ですか?
あのマティルダさんの息子の」
「はい、そうですけど」
「私はセツナ・カイドウと言います」
「セツナさんですか!?
これは驚いた!
僕は母からずっとあなたの話を聞かされていて、
ずっと会いたいなと思っていたんですよ!」
嬉しそうにカイル君はそう言った。
「ここだとまずいので、僕の部屋に行きましょう」
そうして寮の中に入り、カイル君の部屋に入った。
部屋は個室でかなり広かった。
「まず父と母を助けてくれて感謝します。
実は魔族が来る前、父と母から手紙が届いたんです。
それは遺書のような内容でした。
まぁ幸いにも魔族はあなた達が倒しましたが、
何かが狂っていたら、僕の大切な家族は死んでいたかもしれない。
だから魔族を倒してくれて感謝します」
「いや、私達は別に現れた魔族を倒しただけなので、
大したことはしていません」
「でも本当に感謝しています。
あなた達がいなかったらアアルは滅んでいたかもしれないのですから」
まぁ確かに私達が居なかったら確実にアアルは滅んでいただろう。
そして伯爵夫人も夫のオリヴァーさんも死んでいたに違いない。
そう考えると確かに私達が居なかったら、
アアルは終わっていただろう。
「母からはよくあなた達について聞いています。
母はあなたのことは過酷な運命に翻弄されながらも、
それでも前を向いて生きてるすごい人だって言ってました。
人間として見習うべきところが多いとよく言ってました」
「え、伯爵夫人がそんなことを?」
意外だ。そんな風に思われていたなんて。
「だから僕もあなたのことは尊敬しています」
「えへへ…そう言われると嬉しいです」
「こら、調子に乗らないの」
エドナにそうたしなめらたが、
尊敬していると言われて嬉しくない人間は居ないだろう。
素直に嬉しくなった私だった。
「ところでセツナさん達はいつまで滞在する予定ですか?」
「うーん、ダンジョンを変えて、姫様の病気の治療が済んだら、
ぼちぼち帰ろうと思っていますが…」
「多分僕の予想では王はすんなりとは帰してくれないと思いますよ」
「え?」
「セツナさんは王に会ってどう思いましたか?」
「そうですね。正直に言うとあのままでいいのかは疑問です」
「そうですね。王妃が死んでから王は別人のように変わってしまいました。
それまで仲が良かった人を遠ざけて、
代わりにろくでもない人ばかりを自分の周りに置くようになりました。
そして王は酒と道楽に溺れ、毎日毎日贅沢三昧。
だから国のお金も尽きる寸前だと聞きました」
「え、そんなにヤバイの?」
「はい」
リンがそう聞くとカイル君はそう言った。
「王は本当に王妃が死んでから変わってしまいました。
でも僕は思うのです。
ただ悲しみで現実逃避しているのでは、何かが違うと。
王が変わってから王都は腐敗していきました。
でも全てが逆だったとしたら?
腐敗しているのではなく、腐敗させているのではないでしょうか」
「えっとつまり王は悲しみのあまり現実逃避して、
それで国が腐敗したのではなく、
わざと国を腐敗させているって言いたいのですか?」
それはいくらなんでも考えすぎだろう。
もし国をわざと腐敗させればクーデターが起きて、王は処刑される。
そんなこと普通に考えたら誰でも気がつくだろう。
「そう考えたら全部のつじつまが合うんです。
贅沢ばかりしているのも、
自分の周りにろくでもない人間ばかり置いているのも、
自分がかつてしていた良い政策を壊して、
税金を上げるなんていう愚かなことをしているのも」
「え、でもそんなことして何の得があるのだ?」
「それは分かりません。
ただ、僕には昔の王と今の王が同一人物には思えないんです。
僕にはわざと国を腐敗させているように思えてくるのです」
うーん、今の王様が偽物かもってことはミネルバさんも言っていたが、
私は以前の王がどういう人なのかよく知らないから、
何とも言えないなぁ…。
ただもしこれが本当なら…とんでもないことだよな。
そう思った私だった。
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