贖罪のセツナ~このままだと地獄行きなので、異世界で善行積みます~

鐘雪アスマ

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第5章波乱と激動の王都観光

302・その頃、エドナとイオは… 

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城の上空に花火が上がった。

「セツナ達が城に潜入出来たみたいね」

そう私、エドナは今、城の外の城壁の前に居る。

「セツナ、信じているわよ。起動」

そう言うと城の壁にセツナが作った爆弾魔道具を設置する。
そして少し離れて起動した。

ドガァァァンー!

そう激しい音を立てて城の壁が破壊される。
ちなみにこの爆弾は建物だけを破壊するように作られている。
人がもし近くに居ても死ぬことはないだろう。

「よし行くわよ」
「行くのだ!」

そうして私はイオとアキラが集めた騎士団のメンバーと、
主に城の中に潜入する。

「侵入者だー!!」
「排除しろ!!」

そして瞬く間に城の警備をしている兵士達が集まってきた。

「イオ、一応言っておくけど、手加減しなさいよ」
「分かっているのだ」

イオは斧を構えた。私も剣を構える。

「行くわよ!! 雷よ!」

そう叫ぶと私の持っている刀から雷が発生して、
兵士達が感電し、次々と倒れていく。

「さすがセツナの作った武器、威力が桁違いね」

これは雷丸二号。
以前アアルで魔族との戦いで使った物を強化して新しく作った物だ。
この雷を受けた者は感電し、しばらく動けなくなる。
ちなみに威力は弱めているので、人が死ぬことはないし、
所有者である私が味方だと認識した人間は感電しない仕組みになっている。

「くそっ、何だあの剣は」
「これは剣じゃなくて刀って言うらしいわよ。雷よ!」

そうして追加で来た兵士達も雷で気絶させる。

「うーん、こうも簡単だとやりがいもないわね」
「くそっ、誰か騎士団長を呼んでこい!」
「やっぱりこのままだとあいつが来そうね。
まぁセツナ達が上手くいくように派手に暴れましょうか」
「頑張るのだ!」

そうして私達兵士達を倒していく、
床には気絶した兵士達でいっぱいになった。

「つ、強すぎる」
「化け物だ…」

やがて恐れたのか、兵士達がこちらに来なくなった。

「私達の勝利なのだ」
「いえ、まだよ」
「やはりお前と俺は戦いあうことが宿命みたいだな」

兵士の間を通って2人の男が現れる。
1人は朱雀騎士団団長ジェイコブで、
もう1人は見知らぬ男だった。

「お前とまた戦えるなど最高の気分だ」
「あっそ、私は今最悪な気分だけどね」

ジェイコブはかつて私が武道会に参加した時、
決勝で戦うことのなった男だ。
そういう意味ではこの男とは因縁がある。

「あらー、可愛い子ウサギちゃんじゃないの。
家に飾って置いておきたいわ」

そうジェイコブの隣にいる男が言う。
え、男なのに女口調を使ってるの?
もしかして噂には聞いたことがあるけど、
玄武騎士団の団長、マーキス・マグラーなのかしら。
確か噂では聞いたことがあるけど、
マーキスはゲイで、可愛い物に目がないと聞いたことがある。

「ねぇ子ウサギさん、
アタシはマーキスっていうの。アタシと良いことしない?」
「私は人妻なのだ!
というか生理的に無理なのだ!」

イオは本気で気持ち悪いと思っているのか、顔をしかめていた。

「あら冗談よ。つれないわね」

そうマーキスが言った。

「ガハハハ!
最高だ。エドナよ。
お前とまた戦えるのだからな!」

そう言うとジェイコブは私に斬りかかってきたので、
刀で受け止める。

「くっ、ここで戦うのはまずいわ。
イオ、一旦逃げるわよ」

ジェイコブが本気を出したら、
この辺りが焦土と化す可能性が高い。
ここには私がさっき気絶させた兵士達が寝ているし、
人が居ない所に移動しなければ危ない。

「追いかけっこかしら」
「逃がすか」

そうして私とイオは別々に走って逃げる。
案の定、ジェイコブは私を、マーキスはイオを追いかける。
姫様を助けるために一緒に来ていた騎士達は、
おそらく放っておいても大丈夫だろう。
一番脅威となるのは朱雀騎士団団長のジェイコブだ。
彼を私が倒せば。この作戦は成功になる。

「さて相手をするわ」

ようやく人気の無い広い場所に出たので、私は立ち止まる。

「ガハハハ! ようやく戦う気になったか」
「ええ、お相手するわ!」

そう言うと私は刀で斬りかかろうとしたが、
熱気が伝わってきたので、後ろに下がる。

「ほう、気がついたか」

そう言うとジェイコブが持っていた大剣が燃えさかる。
この大剣の名前は魔剣アグニ。
かつてジェイコブが修行のために赤のダンジョンに入り、
そして持ち帰ったとされる魔法の剣だ。

「この剣を持った状態でお前と戦うのは初めてだな」
「そうね…」

私の背中を冷や汗がつたう。
実を言うと私は彼が魔剣を装備した状態で戦ったことはない。
かつて参加した武道会は魔剣のような強力な魔道具は使用禁止だったのだ。
なので剣術という部分では彼には何度も勝ってはいるが、
魔剣を装備した状態で勝てるかというと微妙だ。
しかも私は片腕が怪我で使えなくなって、
剣士として戦えなくなったブランクがある。
その空白期間を考えると、
私が彼には勝てる可能性は低い。
何故なら私が剣士として戦えなかった間、
彼は鍛錬を続けていただろうからだ。
正直、今はどれぐらい強くなっているのか分からない。
だが、確実なのは今の彼は、
かつて私に負けた時よりもかなり強くなっているだろう。

「ところでお前腕は治ったのか?
片目も金色だが」
「色々あったのよ」
「そうか片腕が無くなったお前は、
はっきり言って抜け殻と言っても良かったが、
その様子を見るに自分を取り戻したようだな!」

そう言うとジェイコブが私に向かって斬りかかってきたのでよける。
刀で受け止めても良かったが、
近くに居るだけですさまじい熱気がしてきたので、
危険だと判断したのだ。

「雷よ!」

私は雷丸で雷を起こした。
しかしジェイコブは雷を受けてもピンピンしていた。

「何で効かないのよ?!」
「かつて俺が赤のダンジョンに入った時、
付けると魔法攻撃が無効になるメダルを手に入れた。
そのおかげで俺はありとあらゆる魔法攻撃が効かない」

何それ、反則じゃない。
あ、でも何でジェイコブがかなり熱いはずなのに、
魔剣を持ってもいても平気な顔をしているのか、
これで分かったわ。
きっとメダルのおかげで熱に耐性があるんでしょうね。

「くっ、これは厳しい戦いになりそうね」

そうしてバーン王国最強の騎士との戦いが始まろうとしていた。

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