14 / 44
14. よめない代わりに
しおりを挟む
「シャロ、怒っているの?大丈夫?」
お風呂上がり、リリーから色々話を聞いたシャロがほんの少し不機嫌そうにソファーに座り、リリーがテキパキと手際よく用意した温かい紅茶をふぅ。と一息かけてゆっくりと一口飲んだ
「怒ってないよ。呆れているの、分かっていたなら教えてほしかった」
「わからなかったよ、もしかしたらって思ったの」
シャロの肩に止まりリリーが返事をする。二人の様子をソファーの後ろにある椅子に座ってシャーロットが見ている。ちらりと一瞬シャロが振り向きシャーロットを見ると、壁一面に積まれている沢山の本を指差した
「それ、読んでみてもらえる?」
「それってどれよ?」
「その青い表紙のやつ」
シャロがそう言いながら指差す先を見る。沢山の本に紛れ目的の本はシャーロットには見当たらず、仕方なく指差す先にある本の山をちょっとずつ移動していく
「もうちょっと綺麗に片付けても……」
文句を言いながら目的の青い本を探す。シャーロットの周りを応援のつもりでリリーがグルグルと飛び回り、シャロはのんびりと紅茶を飲みながら二人の様子を見ている
「見つけたわ。これね」
少し埃を被った青い本の表紙を軽く手で払って、表紙を見つめる。ただ真っ青で題名も名前も何も書かれていないその本に少し嫌悪感を感じつつも、本を開いてページをめくる。パラパラとページを流し見ても、書かれた内容はシャーロットには理解できずすぐに青い本を閉じた
「無理よ、私にはやっぱり難しすぎる。ちょっと読んでみてよ」
ソファーにいるシャロに本を差し出す。シャロは少しも目線を向けることなく買ってきたパンを一口食べる。今度はリリーに本を向けても、リリーもシャーロットを無視してシャロが食べるパンを盗もうと側でソワソワと動いている
「ああ。二人は読んだらダメなのね」
「書かれている文字は読めない?」
「読めるけれど、私は魔術を習っていないから、何の魔術か、何のための方式かが全く分からないのよ」
またパラパラとページをめくり本を流し見る。パンを食べ終えたシャロがその青い本をシャーロットから奪い取り、同じくパラパラとページをめくりはじめた。すぐに閉ざされた青い本は、シャロの手のひらの上で燃えて消えて無くなった
「……いいの?」
「良くはないけど、読めないなら仕方がない」
シャーロットに返事をしながら少し熱くなった手のひらをぎゅっと握り、テーブルにある買い物袋の中に入り、果物を探って取ろうとするリリーを見た
「リリー」
シャロが声をかけると夢中で果物を探していたのか驚いたリリーが一瞬体をビクッと動かした。羽根をバサバサと動かして袋から出ると、シャーロットの周りをグルリと一周して肩に乗った
「今日も一緒にお出掛けしなきゃだね今日もこれから忙しくなるよ」
お風呂上がり、リリーから色々話を聞いたシャロがほんの少し不機嫌そうにソファーに座り、リリーがテキパキと手際よく用意した温かい紅茶をふぅ。と一息かけてゆっくりと一口飲んだ
「怒ってないよ。呆れているの、分かっていたなら教えてほしかった」
「わからなかったよ、もしかしたらって思ったの」
シャロの肩に止まりリリーが返事をする。二人の様子をソファーの後ろにある椅子に座ってシャーロットが見ている。ちらりと一瞬シャロが振り向きシャーロットを見ると、壁一面に積まれている沢山の本を指差した
「それ、読んでみてもらえる?」
「それってどれよ?」
「その青い表紙のやつ」
シャロがそう言いながら指差す先を見る。沢山の本に紛れ目的の本はシャーロットには見当たらず、仕方なく指差す先にある本の山をちょっとずつ移動していく
「もうちょっと綺麗に片付けても……」
文句を言いながら目的の青い本を探す。シャーロットの周りを応援のつもりでリリーがグルグルと飛び回り、シャロはのんびりと紅茶を飲みながら二人の様子を見ている
「見つけたわ。これね」
少し埃を被った青い本の表紙を軽く手で払って、表紙を見つめる。ただ真っ青で題名も名前も何も書かれていないその本に少し嫌悪感を感じつつも、本を開いてページをめくる。パラパラとページを流し見ても、書かれた内容はシャーロットには理解できずすぐに青い本を閉じた
「無理よ、私にはやっぱり難しすぎる。ちょっと読んでみてよ」
ソファーにいるシャロに本を差し出す。シャロは少しも目線を向けることなく買ってきたパンを一口食べる。今度はリリーに本を向けても、リリーもシャーロットを無視してシャロが食べるパンを盗もうと側でソワソワと動いている
「ああ。二人は読んだらダメなのね」
「書かれている文字は読めない?」
「読めるけれど、私は魔術を習っていないから、何の魔術か、何のための方式かが全く分からないのよ」
またパラパラとページをめくり本を流し見る。パンを食べ終えたシャロがその青い本をシャーロットから奪い取り、同じくパラパラとページをめくりはじめた。すぐに閉ざされた青い本は、シャロの手のひらの上で燃えて消えて無くなった
「……いいの?」
「良くはないけど、読めないなら仕方がない」
シャーロットに返事をしながら少し熱くなった手のひらをぎゅっと握り、テーブルにある買い物袋の中に入り、果物を探って取ろうとするリリーを見た
「リリー」
シャロが声をかけると夢中で果物を探していたのか驚いたリリーが一瞬体をビクッと動かした。羽根をバサバサと動かして袋から出ると、シャーロットの周りをグルリと一周して肩に乗った
「今日も一緒にお出掛けしなきゃだね今日もこれから忙しくなるよ」
0
あなたにおすすめの小説
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
陰陽師と結ばれた縁
サクサク
ファンタジー
2本に古くから続く一族の直系に生まれた女の子、安倍咲月は一族の中では霊力と神力が少なく、使用人や分家の親族からは“役たたず”と呼ばれていた。
だが、現当主である成親は彼女に最大限の愛情を注いでいる。
そして、そんな彼女の傍には強い力を持たないのその姿を見る事すっらできない、守護神である十二神将が控えていた。
18歳の誕生日に他の兄妹と同じように、一族内での成人式裳儀に挑むことになるのだが・・・・・。
※なろう、カクヨムでも同じ小説を掲載中です。
どうぞよろしくお願いいたします。
美味しいコーヒーの愉しみ方 Acidity and Bitterness
碧井夢夏
ライト文芸
<第五回ライト文芸大賞 最終選考・奨励賞>
住宅街とオフィスビルが共存するとある下町にある定食屋「まなべ」。
看板娘の利津(りつ)は毎日忙しくお店を手伝っている。
最近隣にできたコーヒーショップ「The Coffee Stand Natsu」。
どうやら、店長は有名なクリエイティブ・ディレクターで、脱サラして始めたお店らしく……?
神の舌を持つ定食屋の娘×クリエイティブ界の神と呼ばれた男 2人の出会いはやがて下町を変えていく――?
定食屋とコーヒーショップ、時々美容室、を中心に繰り広げられる出会いと挫折の物語。
過激表現はありませんが、重めの過去が出ることがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる