32 / 44
32. ここで出会ったら
しおりを挟む
「シャロ、本当にここ?」
「ここだったと思う」
微かに感じる魔力を頼りに町外れの森まで来たシャロとリリー。町の明かりもなく暗闇の中、草むらの上を歩く音をたてて森の中をさ迷う
「真っ暗でなにも見えないし魔力もないよ」
シャロの前を木の枝を伝い進むリリーが不安そうに後ろを歩くシャロの方に振り向く。うまく感じ取れない魔力に不満そうに歩くシャロの近くにある木の木の枝に止まり、肩に移動しようと顔を少し上げたその時、シャロの後ろからほんの一瞬、感じたことのない魔力を感じ、羽を大きく広げた
「シャロ、後ろ」
リリーが大声で叫ぶ。リリーの声にすぐ振り向いたシャロの白く長い髪がひらりとなびく
「なにこの魔力……」
そう呟いたシャロの声が暗闇に響き、リリーがシャロの背中に隠れた
「なんだか騒がしいわね」
シャロとリリーが森の中に入って数時間後、まだ朝日も出てまもない中、ディオロイ城の騒がしさで目が覚めたシャーロットがアクビをしながら部屋を出て廊下を歩いていた。まだ少し頭がボーッとしつつも飲み物を貰いにキッチンに向かおうとしていると、廊下の曲がり角に話をしている家政婦達がいるのに気づいた
「おはよう、なにしているの?」
「シャーロット様……おはようございます」
家政婦達のもとに駆けつけ声をかけたシャーロットに、たどたどしく挨拶を返す家政婦達。顔を見合わせシャーロットをチラチラと何度か見た後、困ったようにまた顔を見合わせた
「何かあったの?」
「ええ、実は昨夜……」
「おはよう、シャーロット」
家政婦の話を遮る声がシャーロットの背後から聞こえてきた。家政婦達が慌ててお辞儀をしてシャーロットが振り向くと、家政婦達を引き連れニコリと微笑むノースがいた
「お母様!」
ノースを見てすぐ駆け寄りそのままの勢いのままぎゅっと抱きついたシャーロット。勢いが強く少しよろけたノースが倒れないようにシャーロットの体を抱きしめる
「おはようございます。帰ってきていたのですね。嬉しい!」
「私も嬉しいわ。シャーロット」
ノースがシャーロットの頭を優しく撫でもう一度抱きしめる。会えた嬉しさで微笑むシャーロット。顔を上げノースを見ると、同じく微笑むノースの様子がいつもとは少し違う気がしてちょっとだけ首をかしげる
「お母様、何かありましたか?」
「あなたは私の愛おしい娘のシャーロットね」
「ええ、もちろんそうですわ」
そう二人が話していると、ノースと一緒に来た家政婦が声をかける
「ノース様、目が覚めた様子です」
「ありがとう。すぐ見に行くわ」
「えっ、もう出掛けるのですか?」
「いえ、昨日町を迷っていた子を見つけたから保護したの」
ノースの話を聞いて、ふとシャロとリリーのことを思い出したシャーロット。笑顔から少し険しい表情に変わる
「なら、私も行ってもいいですか?」
ノース達には予想外の提案に家政婦達が戸惑い顔をまた見合わせる
「お母様、お願い」
もう一度ぎゅっとノースに抱きつく。離れないように力強く抱きつくシャーロットに負けてノースがフフッと困ったように笑い、近くにいる家政婦達に顔を向けた
「仕方ないわね。一緒に行きましょう。ちゃんとシャーロットはここにいると確認しないといけませんからね」
「ここだったと思う」
微かに感じる魔力を頼りに町外れの森まで来たシャロとリリー。町の明かりもなく暗闇の中、草むらの上を歩く音をたてて森の中をさ迷う
「真っ暗でなにも見えないし魔力もないよ」
シャロの前を木の枝を伝い進むリリーが不安そうに後ろを歩くシャロの方に振り向く。うまく感じ取れない魔力に不満そうに歩くシャロの近くにある木の木の枝に止まり、肩に移動しようと顔を少し上げたその時、シャロの後ろからほんの一瞬、感じたことのない魔力を感じ、羽を大きく広げた
「シャロ、後ろ」
リリーが大声で叫ぶ。リリーの声にすぐ振り向いたシャロの白く長い髪がひらりとなびく
「なにこの魔力……」
そう呟いたシャロの声が暗闇に響き、リリーがシャロの背中に隠れた
「なんだか騒がしいわね」
シャロとリリーが森の中に入って数時間後、まだ朝日も出てまもない中、ディオロイ城の騒がしさで目が覚めたシャーロットがアクビをしながら部屋を出て廊下を歩いていた。まだ少し頭がボーッとしつつも飲み物を貰いにキッチンに向かおうとしていると、廊下の曲がり角に話をしている家政婦達がいるのに気づいた
「おはよう、なにしているの?」
「シャーロット様……おはようございます」
家政婦達のもとに駆けつけ声をかけたシャーロットに、たどたどしく挨拶を返す家政婦達。顔を見合わせシャーロットをチラチラと何度か見た後、困ったようにまた顔を見合わせた
「何かあったの?」
「ええ、実は昨夜……」
「おはよう、シャーロット」
家政婦の話を遮る声がシャーロットの背後から聞こえてきた。家政婦達が慌ててお辞儀をしてシャーロットが振り向くと、家政婦達を引き連れニコリと微笑むノースがいた
「お母様!」
ノースを見てすぐ駆け寄りそのままの勢いのままぎゅっと抱きついたシャーロット。勢いが強く少しよろけたノースが倒れないようにシャーロットの体を抱きしめる
「おはようございます。帰ってきていたのですね。嬉しい!」
「私も嬉しいわ。シャーロット」
ノースがシャーロットの頭を優しく撫でもう一度抱きしめる。会えた嬉しさで微笑むシャーロット。顔を上げノースを見ると、同じく微笑むノースの様子がいつもとは少し違う気がしてちょっとだけ首をかしげる
「お母様、何かありましたか?」
「あなたは私の愛おしい娘のシャーロットね」
「ええ、もちろんそうですわ」
そう二人が話していると、ノースと一緒に来た家政婦が声をかける
「ノース様、目が覚めた様子です」
「ありがとう。すぐ見に行くわ」
「えっ、もう出掛けるのですか?」
「いえ、昨日町を迷っていた子を見つけたから保護したの」
ノースの話を聞いて、ふとシャロとリリーのことを思い出したシャーロット。笑顔から少し険しい表情に変わる
「なら、私も行ってもいいですか?」
ノース達には予想外の提案に家政婦達が戸惑い顔をまた見合わせる
「お母様、お願い」
もう一度ぎゅっとノースに抱きつく。離れないように力強く抱きつくシャーロットに負けてノースがフフッと困ったように笑い、近くにいる家政婦達に顔を向けた
「仕方ないわね。一緒に行きましょう。ちゃんとシャーロットはここにいると確認しないといけませんからね」
0
あなたにおすすめの小説
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
特技は有効利用しよう。
庭にハニワ
ファンタジー
血の繋がらない義妹が、ボンクラ息子どもとはしゃいでる。
…………。
どうしてくれよう……。
婚約破棄、になるのかイマイチ自信が無いという事実。
この作者に色恋沙汰の話は、どーにもムリっポい。
陰陽師と結ばれた縁
サクサク
ファンタジー
2本に古くから続く一族の直系に生まれた女の子、安倍咲月は一族の中では霊力と神力が少なく、使用人や分家の親族からは“役たたず”と呼ばれていた。
だが、現当主である成親は彼女に最大限の愛情を注いでいる。
そして、そんな彼女の傍には強い力を持たないのその姿を見る事すっらできない、守護神である十二神将が控えていた。
18歳の誕生日に他の兄妹と同じように、一族内での成人式裳儀に挑むことになるのだが・・・・・。
※なろう、カクヨムでも同じ小説を掲載中です。
どうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる