35 / 44
35. 木漏れ日の風から
しおりを挟む
一方その頃、牢屋から逃げ出したシャロは牢屋の隣にある書庫にいた。シャーロットに似せた白く長い髪を解き、ふぅ。と一つ深呼吸をしてゆっくりと目を閉じた
「ここもわざわざ読まれないようにしている……」
書庫の雰囲気と本の魔力に少し嫌悪感を抱きながら書庫の奥へと進む。掃除が行き届いているのか、机の上には埃一つ見当たらない。数冊の本が置かれたままの机の上にある小さな小窓から風と日の光が入り、机に置かれた本のページがパラパラとめくられ、見ないように目を背けつつ日の光を頼りに本棚を見る。本棚の本もあまり見ないように見渡していると、小窓から入る光が急に無くなり、書庫がまた少し薄暗くなった
「シャロ、見つけた」
小窓からリリーが袋を咥えて入ってきた。机の上に袋を置くと、シャロの右肩に飛び乗った
「リリー、どこにいたの?」
「ご飯を貰いにいってたの。一緒に食べよう」
「ここではダメだよ。別の場所に行こうか」
「もうここから離れるの?」
「いや、ご飯を食べる場所に行くだけだよ」
「良かった。じゃあ、急いで出よう」
シャロがリリーが持ってきた袋を持ち、袋を開いて中を見る
「何をもらってきたの?」
「朝ごはんのサンドイッチかな?」
背後から突然聞こえた声に驚き振り向く。書庫の入り口から、コツコツと歩く足音とが近づいてくる。小窓から入る日の光が近づく足元を照らし、仄かに見えていた人影が光で現れる
「それはシャーロットが好きな具材が入ったサンドイッチだね」
クロームがシャロが持つ袋を見てニコリと微笑む。それを見てリリーがシャロにちょっとだけ一歩近づく
「君の使い魔か。魔力がとても素晴らしい。でも、維持するのは大変そうだね。食事で維持しているのも、とても面白いよ」
リリーを見てまた微笑むクロームに、リリーが隠れるようにもっとシャロに近づいて頬に触れる
「早く逃げよう」
「本の魔力と結界で逃げられない。無理」
静かな書庫の中では、ヒソヒソと話す二人の会話がクロームまで聞こえて、クロームがパチンと指を鳴らす。その瞬間、シャロが書庫に感じていた嫌悪感が無くなり、シャロが顔を上げクロームを見ると、クロームは二人から背を向け一歩書庫の入り口方に歩くと、少し振り返った
「サンドイッチとは別に食事を用意しよう。その代わり、お願い聞いてくれるかい?」
「ここもわざわざ読まれないようにしている……」
書庫の雰囲気と本の魔力に少し嫌悪感を抱きながら書庫の奥へと進む。掃除が行き届いているのか、机の上には埃一つ見当たらない。数冊の本が置かれたままの机の上にある小さな小窓から風と日の光が入り、机に置かれた本のページがパラパラとめくられ、見ないように目を背けつつ日の光を頼りに本棚を見る。本棚の本もあまり見ないように見渡していると、小窓から入る光が急に無くなり、書庫がまた少し薄暗くなった
「シャロ、見つけた」
小窓からリリーが袋を咥えて入ってきた。机の上に袋を置くと、シャロの右肩に飛び乗った
「リリー、どこにいたの?」
「ご飯を貰いにいってたの。一緒に食べよう」
「ここではダメだよ。別の場所に行こうか」
「もうここから離れるの?」
「いや、ご飯を食べる場所に行くだけだよ」
「良かった。じゃあ、急いで出よう」
シャロがリリーが持ってきた袋を持ち、袋を開いて中を見る
「何をもらってきたの?」
「朝ごはんのサンドイッチかな?」
背後から突然聞こえた声に驚き振り向く。書庫の入り口から、コツコツと歩く足音とが近づいてくる。小窓から入る日の光が近づく足元を照らし、仄かに見えていた人影が光で現れる
「それはシャーロットが好きな具材が入ったサンドイッチだね」
クロームがシャロが持つ袋を見てニコリと微笑む。それを見てリリーがシャロにちょっとだけ一歩近づく
「君の使い魔か。魔力がとても素晴らしい。でも、維持するのは大変そうだね。食事で維持しているのも、とても面白いよ」
リリーを見てまた微笑むクロームに、リリーが隠れるようにもっとシャロに近づいて頬に触れる
「早く逃げよう」
「本の魔力と結界で逃げられない。無理」
静かな書庫の中では、ヒソヒソと話す二人の会話がクロームまで聞こえて、クロームがパチンと指を鳴らす。その瞬間、シャロが書庫に感じていた嫌悪感が無くなり、シャロが顔を上げクロームを見ると、クロームは二人から背を向け一歩書庫の入り口方に歩くと、少し振り返った
「サンドイッチとは別に食事を用意しよう。その代わり、お願い聞いてくれるかい?」
0
あなたにおすすめの小説
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
陰陽師と結ばれた縁
サクサク
ファンタジー
2本に古くから続く一族の直系に生まれた女の子、安倍咲月は一族の中では霊力と神力が少なく、使用人や分家の親族からは“役たたず”と呼ばれていた。
だが、現当主である成親は彼女に最大限の愛情を注いでいる。
そして、そんな彼女の傍には強い力を持たないのその姿を見る事すっらできない、守護神である十二神将が控えていた。
18歳の誕生日に他の兄妹と同じように、一族内での成人式裳儀に挑むことになるのだが・・・・・。
※なろう、カクヨムでも同じ小説を掲載中です。
どうぞよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる