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いち
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――あなたが好き、狐顔のあなたが大好き。
あれは十歳。『かわいい、ラビット』お友達の狐くんにはじめてのキスを奪われた。
(え、ここは?)
大好きな乙女ゲーム「けもも愛」で、私は悪役令嬢ラビット・ノワールだと気付いた。狐顔のヒーローは大好きな推しキャラだったから、はじめはヒロインではなく、悪役令嬢だったから落ち込んだ。
だけど。
お友達の狐くんが推しのフォックス様だと知り。
フォックス様と初キス。
乙女ゲーム通りフォックス様の婚約者に選ばれて。
ダンス、お茶、そばで彼と話せるだけで幸せ。
「フォックス殿下、今日もステキだったわ」
学園帰りの馬車の中で、お手製の狐の抱き枕を抱えて、ラビットはもだえていた。それを"またですか"と反対側にすわる側近アルは、膝上の猫ルフのあたまをやさしく撫でながら呟き。
これまた興味がないルフはアルに頭を撫でられて、気持ち良さげに「ニャァ」と鳴き、モフモフの尻尾をフリフリさせた。
「なっ!」
(モフモフは究極の癒しですけど)
ラビットのまえで二人だけの世界を作り、話を聞いていないアルとルフに。フォックスの話をしていたラビットは、頬をプックリ膨らました。
「もう、二人してフォックス殿下に興味なさすぎる」
「あたりまえにゃ」
「ええ、あたりまえです」
「今日こそは興味を持ってもらうわ! フォックス様は……」
ラビットはやけになり、二人にフォックスのいいところを語る、語りつくす。
あの切れ長な琥珀色の瞳と蜂蜜色の髪――笑ったときになくなる瞳と、あがる口元。
まさに、ラビットのタイプの狐顔。
「フォックス様はステキにゃ(棒読み)」
「ええ、ステキですね、ラビットお嬢様(棒読み2)」
「そうでしょう! (わかればいいのよ)」
婚約者のフォックスに"ラビット"と名前を呼ばれるだけで幸せ。学園を卒業するまでは絶好のポジション。
卒業と同時に婚約破棄をされたあとはグレイス国の平民となり、
国王陛下となった彼のしあわせを、ラビットは影で祈りながら生きていきます。
「私の幸せよりも――彼の幸せが一番なの」
前世で辛いときフォックスに出会い、たくさん助けてもらい元気をもらった。
「「…………」」
「アルとルフは話を聞いている?」
「ちゃんと聞いております。がんばってください、ラビットお嬢様」
「ラビット、がんばるにゃ」
「ええ、気合を入れてがんばる!」
あれは十歳。『かわいい、ラビット』お友達の狐くんにはじめてのキスを奪われた。
(え、ここは?)
大好きな乙女ゲーム「けもも愛」で、私は悪役令嬢ラビット・ノワールだと気付いた。狐顔のヒーローは大好きな推しキャラだったから、はじめはヒロインではなく、悪役令嬢だったから落ち込んだ。
だけど。
お友達の狐くんが推しのフォックス様だと知り。
フォックス様と初キス。
乙女ゲーム通りフォックス様の婚約者に選ばれて。
ダンス、お茶、そばで彼と話せるだけで幸せ。
「フォックス殿下、今日もステキだったわ」
学園帰りの馬車の中で、お手製の狐の抱き枕を抱えて、ラビットはもだえていた。それを"またですか"と反対側にすわる側近アルは、膝上の猫ルフのあたまをやさしく撫でながら呟き。
これまた興味がないルフはアルに頭を撫でられて、気持ち良さげに「ニャァ」と鳴き、モフモフの尻尾をフリフリさせた。
「なっ!」
(モフモフは究極の癒しですけど)
ラビットのまえで二人だけの世界を作り、話を聞いていないアルとルフに。フォックスの話をしていたラビットは、頬をプックリ膨らました。
「もう、二人してフォックス殿下に興味なさすぎる」
「あたりまえにゃ」
「ええ、あたりまえです」
「今日こそは興味を持ってもらうわ! フォックス様は……」
ラビットはやけになり、二人にフォックスのいいところを語る、語りつくす。
あの切れ長な琥珀色の瞳と蜂蜜色の髪――笑ったときになくなる瞳と、あがる口元。
まさに、ラビットのタイプの狐顔。
「フォックス様はステキにゃ(棒読み)」
「ええ、ステキですね、ラビットお嬢様(棒読み2)」
「そうでしょう! (わかればいいのよ)」
婚約者のフォックスに"ラビット"と名前を呼ばれるだけで幸せ。学園を卒業するまでは絶好のポジション。
卒業と同時に婚約破棄をされたあとはグレイス国の平民となり、
国王陛下となった彼のしあわせを、ラビットは影で祈りながら生きていきます。
「私の幸せよりも――彼の幸せが一番なの」
前世で辛いときフォックスに出会い、たくさん助けてもらい元気をもらった。
「「…………」」
「アルとルフは話を聞いている?」
「ちゃんと聞いております。がんばってください、ラビットお嬢様」
「ラビット、がんばるにゃ」
「ええ、気合を入れてがんばる!」
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