殿下! たべる相手がまちがっています!

にのまえ

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じゅう(最終話)

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 ある日のラビットは驚きで目が点になった。
 なんと、ヒロイン――アルディリアが学園を退学になったということ。彼女は「私はヒロインなの」だと散々抗議した。
 しかし、彼女の日ごろなおこない、学園長、フォックスの一声で決まった。

 彼女の家――男爵家は商売の邪魔だと、いやがるアルディリアを修道院に送ってしまった。乙女ゲームとは真逆の結果となった。

 フォックス様がいうには「……なるように、なったんじゃないかな」格上の令嬢達への言葉遣いと嘘、狂言。
 婚約者がいる男性への接近……他の男性生徒を誘惑していた。
 
 彼女は攻略対象だけでは飽きたらず、イケメンな男性にかたっぱしに声をかけていた。
 その誘い文句が「私の獣化したを姿みる? 可愛いわよ」だった。

 ――自分のリス姿を婚約者でもない、男性に見せるなんてありえない。

 まさか、獣化から戻ったあとに、さらに誘う?
 結婚まえの令嬢なのに恥ずかしくない?

 ちまたの仮面舞踏会ではあたりまえで。
 なかには不倫、妾、愛人をもつとも聞いた。

 ――私はフォックス様だけだわ。

 

 それと、側近のアルには裏の顔があったの。
 彼はフォックスに魔法を教えた魔法使い、ならなぜラビットの側近になったのかというと――おもしろいから。
 彼なりに側近の仕事を楽しんでいる。

「魔法使いになってから人に怒られたのははじめてだ。でも、それがまたいい……かも」

 どうやら彼の未知の扉が開かれたらしい。
 
 そして、普段は落ちついたフォックスの、慌てる姿が一番おもしろい。だから、フォックスは近寄るなっていったのね。
 精霊獣ルフ様は国の宝で、私たちの国を守ってくださるお偉い方で、王城には王族しかはいれない特別なルフの部屋がある。

 そこで本来の姿で寛いでいるのだとか。

(私は王城の中を散歩中のルフ様と出会い、お茶をしたり、話し相手いをしていて仲良くなったのだけど……)

「ラビットのそばは気持ちいいにゃ」

 と言ってくださる。



 フォックス様とはあれからさらに仲良くなったの、だけど、彼はいつもイジワルをして獣化させる。

「フォ、フォックス様?」
 
「フフッ、ラビットが可愛いから仕方がない! 俺の仕事は終わらせたから、いまから昼寝しよう」

「ええ、私は王妃教育がまだです。あと二時間ほどお待ちください」

「待てないから、教育係に話をして休みにしたから、安心して」

「え?」

 ウキウキで、狐のフォックスに寝室に連れていかれる。

「アル、アル?」

「ごめん、ラビットお嬢様。フォックスを癒してください。僕は旦那様に怒ら……報告してきます」

 ――さいきんのアルは役に立たない。

 ルフ様はフワフワと飛んできて。

「アイツ、変態になったにゃ。ワシもいまから寝床にもどって昼寝するにゃ……後は、ラビットにまかせたにゃ」

 ルフ様?

「ラビット、みんなの許可がでた。今日は朝まで一緒な! ガジガジするって決めた」


「ふえっ……? まって、フォックス様、朝はまではまだ無理ぃ!」

「嫌だね」

 目を細めていじわるく、ラビットの好きな顔で笑っていた。
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