立花家へようこそ!

由奈(YUNA)

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23.夏休みだけのアルバイト

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朝一番はお店の看板を“OPEN”に変えてレジにお金の補充。

昨日の売り上げを集計して紙に書いて、美咲さんがその内容をパソコンに打ち込む……らしい。


「お掃除って朝はやらないの?」


「夜やるからやらないね。
ディスプレイが乱れてるのとか直す程度」


「なるほど……」



そんな話をしながら手渡されたのは値札。

昨日売れた物についていた値札だって。


「集計方法は……―――――」


唯斗くんは慣れた手つきで値札を仕分けして

どこに何を書くのか教えてくれた。



今まで唯斗くんに何かを教わるって全然なかったけど

唯斗くんは教えるのがすごい上手な人。


分かりやすいし、私がメモとる間はちゃんと待ってくれる。


立花家で見るのとは違う一面を見てるって感じ。



唯斗くんに集計方法を教わっている時


チリンって小さい音が鳴った。



それは、入り口が開いた音で、お客さんが来た音。


「いらっしゃいませー」


唯斗くんはすごく自然に入ってきたお客さんに声をかけたけど………


私は、その一言が、出てこない。




「あー、立花さん!今日はいるね!」


「ドモ。久しぶり」



入ってきたお客さんは、ロックな格好をした女の人。

唯斗くんとは顔馴染みみたい。



「ねー、聞いてよ!!
ここで買ったピアスをさぁ、なくしちゃって

前買ったのと同じのって売ってない?」



「あー……………薔薇?ありますよ」



唯斗くんはカウンターから出てショーケースを開けて「これですよね?」って女の人に聞いて

女の人も「そう!」ってすごく嬉しそうに言っていた。




それから女の人は嬉しそうに薔薇のピアスを買っていったんだけど

私はその唯斗くんの接客に、ただただ圧倒されただけで何もできなかった。

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