ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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21~30話

愛してるの意味【上】

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「ヒナ、愛しているんだ。一人の女性として」

「…………………………ふぇ?」

 たっぷりと時間を置いて、それでもやっぱり意味がわからず、私の口からは間の抜けた声が洩れた。

 今、「愛している」と言われたような?

 『愛している』という言葉には、他にどんな意味があっただろうか?
 私が知っているのは、相手の欠点まですべて受け入れられるほどの強い愛情を抱いている、というような意味なのだけれど。
 私が知らなかっただけで、実は『感謝している』とか『眠くてたまらない』とか、そんな意味があるのかもしれない。

「愛してるって、えっと、どんな意味で……?」

「心を通わせ、触れ合って、何もかも俺のものにしてしまいたいという意味だ」

「うっひゃぁぁぁ!」

 ガバッと両手で耳を塞ぐ。

 き、聞くんじゃなかった!
 なんだかものすごいことを言われた気がする!!

 塞いだ耳の奥では、たった今聞いたばかりの熱っぽい声が閉じ込められてこだまする。

『愛している』
『触れ合って』
『俺のものにしてしまいたい』

 愛してるって! 愛してるって!! クロが私を!? で!? なんで!!!?

 そりゃあ今までだって好意的には感じていたけれど、そういう意味だとは夢にも思わなかった。
 顔は今にも火を噴きそうだし、思考は焼き切れる寸前。流れ込む魔力さえいつもより熱を帯びた気がして。

「ヒナの気持ちを聞かせてくれないか?」

「私の気持ち……」

 クロのことをどう思っているのか。

 ……好き、なのは間違いない。
 側にいると安心するし、一緒に食事をとるのも嬉しい。
 大分過保護だとは思うけれど、私のことを考えてあれこれと気遣ってくれるところだって――見た目も過保護度合いも似ても似つかないのに――なぜかおじいちゃんが生きていた頃の生活が思い出されて、無性に泣きたいような気持ちになる。

 クロといると温かな想いで満たされる。
 それと同時に、弱音も吐かず独りで耐え続けるクロのことを、私がとも強く思うのだ。
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