ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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41~50話

幸せな寝入りと想像もできない朝【中】

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「ん……」

 明るい室内に、うっすらと意識が覚醒していく。
 伸びをしようと腕を上げかけ、妙に全身が重いことに気付いた。
 特に股関節周りが、そこだけ作り物にでもなったかのように感覚が遠い。

 仕方なく首だけ動かして周囲を窺えば、毎晩寝ているクロの寝室には変わりないのだけれど……なんとなく違和感がある。

「部屋が縮んだ……?」

 なんだか部屋全体が、ぎゅっと縮まったような。

「――あっ!」

 そうだ! 私が大きくなったのだった!

 昨日ミディルアードが完成させた薬を飲んで、無事に元の大きさに戻って、それから――。

 カッと頬が熱を持つ。
 布団を鼻の上まで引き上げて、ぐぬぬと叫び出したい衝動に耐える。

 クロと、その……そういうコトを、したのだ。

 お互いの視界にお互いだけを映して、心も身体もへだたりなく触れあって。
 いつもの余裕を失った情熱的なクロに、溢れるほどたくさんの愛情を注がれた気がする……。

「〰〰っ!」

 じたばたと布団の中で暴れていると、居室に繋がるドアが開いた。

「ヒナ、目が覚めたか」

「クロ! おっ、おはようございます」

「おはよう。身体の調子はどうだ?」

「んと……違和感はあるけど、大丈夫……です」

 ベッドに腰かけたクロが、私の前髪をきながら気遣うように顔を覗き込む。
 そんな仕草にさえ昨日の行為が思い出されてしまい羞恥に瞳を潤ませていると、クロは布団から覗く熱い耳をすりすりともてあそびつつ小首を傾げた。

「これは誘われているのだろうか……」

「誘ってませんっ!」

 寝る直前まで散々致していたというのに!

 「それは残念」と額に口づけを落としたクロは、顔を起こすなり、さらりととんでもないことを告げた。

「婚約披露と戴冠式をり行う日程が決まった。二週間後だ」

「へっ? こんやく……? たいかん……?」

 一言も意味を理解できず、ぽかんとクロを見つめる。
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