90 / 111
翻訳版
第三十四話 〃
しおりを挟む
ゾディアス鉱山に向かったウェインが速度を上げたのには理由があった。
それは、結界が消滅した場所とゾディアス鉱山が近い場所にあり、手遅れになれば、空石を発掘できなくなる可能性があったためだった。
近い場所といっても、ゾディアス鉱山は、結界が消滅した場所と渓谷を挟んだ場所にあるため、本隊と離れて向かうことになったのだ。
休む暇もなく昼夜を問わず馬を走らせたウェインたちは、一週間ほどの距離を五日で駆け抜けたのだった。
ゾディアス鉱山に着いたウェインは、工夫たちの到着を待たずに採掘場に向かっていたのだ。
採掘場を中ほどまで進むと、少しだけ掘られただけで、放置された区画があったのだ。
ゾディアス鉱山に向かう途中の町で用意したツルハシで辺りを掘るウェインは、岩肌と違う手ごたえに希望を持つ。
岩肌を掘った場所に現れた、水晶に似た透明な石を見つけたウェインは、それを掘り出していた。
空石に見えたが、ここまで透明なものは見たことがなかったウェインは、遅れて到着した技術主任に掘り出したそれを渡していた。
技術主任は、渡された透明な石をじっと見つめ、目を丸くさせていた。
「すごいです! ここまで純度の高い空石は見たことがないです。普通は、周囲の魔素を少しづつ取り込んで、銀色に濁っていくものなのですが。この石なら、一つで普通の空石の二倍……いえ、五倍の効果が期待できそうです」
技術主任の言葉を聞いたウェインは、時間がもったいないと、工夫たちが到着するのを待つのではなく、自分たちで少しでも早く、多くの空石を掘ることを決めたのだ。
しかし、それを生業にしている人間と違って、効率のいい掘方は出来なかったため、さほどの量を掘り出す前に、手配していた工夫たちが到着したのだった。
そして、工夫たちに遅れること二日。
王宮から呼び寄せていた、瘴気対策本部の技術部門の技術者たちが到着したのだった。
ウェインは、採掘場の近くに天幕を張って、そこで技術者たちに空石の加工をさせていたのだ。
しかし、魔法式の付与は簡単なものではなかったのだ。
それは、空石が魔法具の核になれなかった採掘量と並ぶ最大の理由でもあったのだ。
その理由とは、魔法式の付与が難しいと言うものだった。
空石の吸収という特性上、付与しようとする魔法自体が吸収されてしまい、魔法式を空石に刻むことが困難だったのだ。
しかし、今回採掘された純度の高い空石は、幸運にも魔法式を刻むのに時間はかかるものの、付与中に魔法式が吸収されるということはなかったのだ。
そのため、技術者たちは、急ピッチで付与を行い、工夫たちは、空石を全力で掘り出して、この窮地に立ち向かったのだ。
空石の加工が終わるまで、騎士たちは馬を休ませ、出発の準備を整えていたのだ。
技術者たちは、ゾディアス鉱山に到着後休む間もなく空石の加工を進め、一日足らずで、ウェインの想像よりも多くの加工を施したのだった。
ウェインは、ある程度の空石の加工が終わると、出来上がった分の空石を持って、第一部隊の半分を伴って、結界が消滅した場所に出発したのだ。
第一部隊の残りの半分は、空石の加工が終わり次第、第二陣として出発する予定だった。
ウェインは、第二陣を指揮するランジヤを残して、ゾディアス鉱山に着た時以上のスピードで馬を駆けさせたのだった。
そして、結界が消滅した場所に二日ほどで到着したウェインは、その惨状にきつく拳を握ったのだ。
そこはまさに、地獄のような様相だったのだ。
それは、結界が消滅した場所とゾディアス鉱山が近い場所にあり、手遅れになれば、空石を発掘できなくなる可能性があったためだった。
近い場所といっても、ゾディアス鉱山は、結界が消滅した場所と渓谷を挟んだ場所にあるため、本隊と離れて向かうことになったのだ。
休む暇もなく昼夜を問わず馬を走らせたウェインたちは、一週間ほどの距離を五日で駆け抜けたのだった。
ゾディアス鉱山に着いたウェインは、工夫たちの到着を待たずに採掘場に向かっていたのだ。
採掘場を中ほどまで進むと、少しだけ掘られただけで、放置された区画があったのだ。
ゾディアス鉱山に向かう途中の町で用意したツルハシで辺りを掘るウェインは、岩肌と違う手ごたえに希望を持つ。
岩肌を掘った場所に現れた、水晶に似た透明な石を見つけたウェインは、それを掘り出していた。
空石に見えたが、ここまで透明なものは見たことがなかったウェインは、遅れて到着した技術主任に掘り出したそれを渡していた。
技術主任は、渡された透明な石をじっと見つめ、目を丸くさせていた。
「すごいです! ここまで純度の高い空石は見たことがないです。普通は、周囲の魔素を少しづつ取り込んで、銀色に濁っていくものなのですが。この石なら、一つで普通の空石の二倍……いえ、五倍の効果が期待できそうです」
技術主任の言葉を聞いたウェインは、時間がもったいないと、工夫たちが到着するのを待つのではなく、自分たちで少しでも早く、多くの空石を掘ることを決めたのだ。
しかし、それを生業にしている人間と違って、効率のいい掘方は出来なかったため、さほどの量を掘り出す前に、手配していた工夫たちが到着したのだった。
そして、工夫たちに遅れること二日。
王宮から呼び寄せていた、瘴気対策本部の技術部門の技術者たちが到着したのだった。
ウェインは、採掘場の近くに天幕を張って、そこで技術者たちに空石の加工をさせていたのだ。
しかし、魔法式の付与は簡単なものではなかったのだ。
それは、空石が魔法具の核になれなかった採掘量と並ぶ最大の理由でもあったのだ。
その理由とは、魔法式の付与が難しいと言うものだった。
空石の吸収という特性上、付与しようとする魔法自体が吸収されてしまい、魔法式を空石に刻むことが困難だったのだ。
しかし、今回採掘された純度の高い空石は、幸運にも魔法式を刻むのに時間はかかるものの、付与中に魔法式が吸収されるということはなかったのだ。
そのため、技術者たちは、急ピッチで付与を行い、工夫たちは、空石を全力で掘り出して、この窮地に立ち向かったのだ。
空石の加工が終わるまで、騎士たちは馬を休ませ、出発の準備を整えていたのだ。
技術者たちは、ゾディアス鉱山に到着後休む間もなく空石の加工を進め、一日足らずで、ウェインの想像よりも多くの加工を施したのだった。
ウェインは、ある程度の空石の加工が終わると、出来上がった分の空石を持って、第一部隊の半分を伴って、結界が消滅した場所に出発したのだ。
第一部隊の残りの半分は、空石の加工が終わり次第、第二陣として出発する予定だった。
ウェインは、第二陣を指揮するランジヤを残して、ゾディアス鉱山に着た時以上のスピードで馬を駆けさせたのだった。
そして、結界が消滅した場所に二日ほどで到着したウェインは、その惨状にきつく拳を握ったのだ。
そこはまさに、地獄のような様相だったのだ。
20
あなたにおすすめの小説
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
『異世界転生してカフェを開いたら、庭が王宮より人気になってしまいました』
ヤオサカ
恋愛
申し訳ありません、物語の内容を確認しているため、一部非公開にしています
この物語は完結しました。
前世では小さな庭付きカフェを営んでいた主人公。事故により命を落とし、気がつけば異世界の貧しい村に転生していた。
「何もないなら、自分で作ればいいじゃない」
そう言って始めたのは、イングリッシュガーデン風の庭とカフェづくり。花々に囲まれた癒しの空間は次第に評判を呼び、貴族や騎士まで足を運ぶように。
そんな中、無愛想な青年が何度も訪れるようになり――?
聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思うので、第二の人生を始めたい! P.S.逆ハーがついてきました。
三月べに
恋愛
聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思う。だって、高校時代まで若返っているのだもの。
帰れないだって? じゃあ、このまま第二の人生スタートしよう!
衣食住を確保してもらっている城で、魔法の勉強をしていたら、あらら?
何故、逆ハーが出来上がったの?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる