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第四十七話
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ランジヤは、目の前に広がる異常なほど美しい光景に呆然と口を開いていた。
不思議な色合いの見たこともない花の群生。
つい最近まで、荒廃していた場所に広がる美しすぎる光景が、ランジヤの背筋を凍り付かせていた。
美しくのどかな風景が、逆に恐ろしく思えて仕方がなかったのだ。そして、ひしひしと感じる嫌な予感に、急いで先に進まないといけない気がしたランジヤは、国境沿いの警備部隊から馬車を借りて爆心地に向かって走り出したのだ。
華火が動けないような状態の場合、彼女を運ぶために必要だと考えての行動だった。
そして、爆心地に向かえば向かうほど、草花が咲き誇り、幻想的な美しさが広がっていくのだ。
ランジヤは、念のために連れていたアイラナクを入れた鳥籠を馬車の先に吊るしていたが、アイラナクが鳴くようなことは一度もなかった。
不自然なほど美しい風景は、爆心地まで続いていたのだ。
そして、その幻想的な美しい光景の中心でまるで眠っているように瞼を閉じるその人の姿を見たランジヤは、受け入れがたい事実にその場で膝を付く。
ランジヤが屋敷を出てから一週間後のことだった。
各地では、瘴気が薄くなるどころか、完全になくなったと報告が上がっていたのだ。
そして、瘴気があったと思われる場所には、見たこともない美しい花が咲き乱れるという前代未聞の事態が発生していた。
夜を思わせる深い闇色の花弁は、太陽の光を受けると、それに反応するように色とりどりの光を発したのだ。
不思議な夜色の花は、見る者の心を優しく癒したのだ。
イバナフと呼ばれるようになるその花は、瘴気の影響を受けた者の症状を改善する特効薬となることが分かったのだ。
そして、早急に復興が進む中、ランジヤが屋敷に戻ってきたのだ。
しかし、その表情はとても暗いものだった。
ガラガラとくたびれた馬車に乗ったランジヤは、出迎えたウェインとマリアの前で膝を付いて地面に頭を付けて言うのだ。
「申し訳ありません……。ハナビ嬢は……」
「ランジヤ……?」
「先輩……。申し訳ありません……。ここまでお連れするのが精一杯でした……」
そう言って、地面に額を擦りつけるランジヤの尋常ではない様子と、人の気配を感じない馬車に嫌な予感がするウェインは、ふらふらと荷馬車に掛かった幕を開けていた。
ウェインがそこで目にしたのは、変わり果てた華火の姿だった。
荷馬車に積まれていた華火は、まるで眠っているように穏やかな表情で瞼を閉じていた。
ただ、美しかった闇色の髪は、真っ白になってしまっていた。
「ハナビ……。ハナビ……」
壊れたからくり人形のように華火の名前を繰り返し呼び続けるウェインだったが、華火に向かって伸ばした指先に感じた氷のように冷たい感触に声を荒げていた。
「どうしてだ?! こんなもの! 俺が壊して!!」
そう言って、華火の全身を飲み込んでいた水晶を拳で殴りつけたのだ。
華火を閉じ込めたような水晶は、ビクともせず、ただ氷のような冷たさだけを周囲に漂わせていたのだ。
不思議な色合いの見たこともない花の群生。
つい最近まで、荒廃していた場所に広がる美しすぎる光景が、ランジヤの背筋を凍り付かせていた。
美しくのどかな風景が、逆に恐ろしく思えて仕方がなかったのだ。そして、ひしひしと感じる嫌な予感に、急いで先に進まないといけない気がしたランジヤは、国境沿いの警備部隊から馬車を借りて爆心地に向かって走り出したのだ。
華火が動けないような状態の場合、彼女を運ぶために必要だと考えての行動だった。
そして、爆心地に向かえば向かうほど、草花が咲き誇り、幻想的な美しさが広がっていくのだ。
ランジヤは、念のために連れていたアイラナクを入れた鳥籠を馬車の先に吊るしていたが、アイラナクが鳴くようなことは一度もなかった。
不自然なほど美しい風景は、爆心地まで続いていたのだ。
そして、その幻想的な美しい光景の中心でまるで眠っているように瞼を閉じるその人の姿を見たランジヤは、受け入れがたい事実にその場で膝を付く。
ランジヤが屋敷を出てから一週間後のことだった。
各地では、瘴気が薄くなるどころか、完全になくなったと報告が上がっていたのだ。
そして、瘴気があったと思われる場所には、見たこともない美しい花が咲き乱れるという前代未聞の事態が発生していた。
夜を思わせる深い闇色の花弁は、太陽の光を受けると、それに反応するように色とりどりの光を発したのだ。
不思議な夜色の花は、見る者の心を優しく癒したのだ。
イバナフと呼ばれるようになるその花は、瘴気の影響を受けた者の症状を改善する特効薬となることが分かったのだ。
そして、早急に復興が進む中、ランジヤが屋敷に戻ってきたのだ。
しかし、その表情はとても暗いものだった。
ガラガラとくたびれた馬車に乗ったランジヤは、出迎えたウェインとマリアの前で膝を付いて地面に頭を付けて言うのだ。
「申し訳ありません……。ハナビ嬢は……」
「ランジヤ……?」
「先輩……。申し訳ありません……。ここまでお連れするのが精一杯でした……」
そう言って、地面に額を擦りつけるランジヤの尋常ではない様子と、人の気配を感じない馬車に嫌な予感がするウェインは、ふらふらと荷馬車に掛かった幕を開けていた。
ウェインがそこで目にしたのは、変わり果てた華火の姿だった。
荷馬車に積まれていた華火は、まるで眠っているように穏やかな表情で瞼を閉じていた。
ただ、美しかった闇色の髪は、真っ白になってしまっていた。
「ハナビ……。ハナビ……」
壊れたからくり人形のように華火の名前を繰り返し呼び続けるウェインだったが、華火に向かって伸ばした指先に感じた氷のように冷たい感触に声を荒げていた。
「どうしてだ?! こんなもの! 俺が壊して!!」
そう言って、華火の全身を飲み込んでいた水晶を拳で殴りつけたのだ。
華火を閉じ込めたような水晶は、ビクともせず、ただ氷のような冷たさだけを周囲に漂わせていたのだ。
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