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お店編
58 彼女は召喚された本当の理由を知らない
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シズが眠ったことを確認した俺は、そっと部屋を出た。
部屋を出ると、俺を睨むカツヒトが立っていた。
敢えて無視をした俺は、何も言わずに一階へ降りた。カツヒトも何も言わずに俺の後に続いて一階に降りていた。
リビングに行くと、不思議な道具をテーブルに広げているソージの姿があった。
八角形で見知らぬ文字で何かが描かれた道具を真剣そうな表情で見つめていたソージは、リビングに降りてきた俺とカツヒトを見て、いつもの軽薄そうな表情になっていた。
「お疲れ~。香澄は?」
「寝かせてきた。ところで、ソージは何を?」
俺がそう言うと、ソージは再び難しそうな表情になっていた。
「う~ん。これは俺のJOB専用の道具なんだけど……。ちょっと……、いや、かなりまずいかも……」
そう言って、眉を寄せて謎の道具を操作していると、カツヒトがソージに言っていた。
「ソウ、状況は最悪ってことか?他の奴らのことは分かるか?」
「そこまでは分からないけど、俺たちを召喚した国は駄目かも……。香澄……、って、これじゃややこいなぁ。うん。静弥ちゃんと、香澄って―――」
「あ゙?香澄と千歌子でいいだろうが」
「えぇ~。だって、静弥ちゃん、めっちゃ可愛いじゃん!!これは名前で呼ぶべきでしょ。それに、香澄千歌子って、あの盛り盛りに盛ってるメイクが苦手なんだよね~。俺は、ナチュラルな美少女が好き!!ちなみに、美少年もな!!」
「変態め……」
「は?この、ヘタレチキンが」
そう言い合った二人が、睨み合うこと数秒。
ソージが肩を竦めて、諦めたように言った。
「はいは~い。変態で結構ですぅ。静弥ちゃんをどう呼ぶかは、俺の勝手だろ?お前にとやかく言う権利ないっしょ?」
「…………」
「はい。論破論破ぁ。んで、話戻すけどな。式を通して見た感じだけど、内乱状態一歩手前?って感じだな。王都は荒れ果ててっていうか、そもそも人が少ない。残っているのは、逃げ遅れた住民がほとんどだ。兵士たちが街で暴れ回ってる。もう、メチャクチャだ。それにだ。見た感じ、病気でも蔓延してるのか、住民は生気のない顔してる。王城は、香澄の結界だと思うけど、何かに邪魔されて入れない。クラスメイト達の姿も街中にはないな。逃げたか、王城にいるか……」
「そうか……。しずには、黙っておけよ」
「オーケー。でも、ヴェイン兄さんとアグアグは、とーっても知りたそうな顔だけど……。言ってもいいよな?」
そう言ったソージは、カツヒトを一瞬見た後に、返事も聞かずに俺とアークに驚くべきことを語った。
「ちょっと相談な。これは、俺たちを召喚した国の所為でもあるし、俺たちが招いた可能性もある。このままだと、フェールズ王国も巻き込まれかねないっていう話な。というか、既に巻き込まれてるかな?」
「分かった。話を聞こう」
「はいよ。でだ、二人は、静弥ちゃんが異世界から召喚されたことは知っている?」
「ああ。シズから聞いてる」
俺がそう言うと、ソージは一度頷いてから、テーブルをコツコツと指先で叩いて言った。
「でも、何故召喚されたのかは知らない。だろ?」
確かに、何故そうなったのかシズは知らなかったと言うか、具体的なことを知らされる前に魔の森に飛ばされたと聞いている。
「俺たちは、魔の森の浄化のために呼ばれたそうなんだ」
「なんだって!!」
「そんな事無理です。なんて無謀なことを……」
俺とアークはその言葉に、ただただ驚いていた。あの森を浄化できるなど、無理以外の何ものでもないのだから。
昔の事だ。何度か浄化を試みたそうだが、幾人もの偉大な魔法使いたちが無念のうちに魔の森で命を落としたと伝わっている。
しかし、ソージは肩を竦めて言ったのだ。
「う~ん。その辺は詳しく言われなかったけど、最近魔の森の周辺の土地が、瘴気だかの影響を受けてるんだと。んで、少しずつ瘴気が広がってきて、それをなんとかしようと、古い文献を参考に俺たち救済者を呼び出したんだとさ」
あまりの内容に、俺とアークは無言になっていた。
それに、内容が内容なだけに、この話は上に報告する必要があると俺は思った。
仮にだ、ソージの話が本当だとして、ベルディアーノ王国の本当の理由は、魔の森の浄化に留まらないだろう。
おそらく、我が国を探っていたことから、森を通れるようにした暁には、フェールズ王国か、シェランドー王国に攻め入ることも視野に入れている可能性があった。
彼の国は、国土が広いだけあって人口も相当な数だ。例え、攻め込まれたとしても、ベルディアーノの後れを取ることはないといい切れるくらいの自信はあった。しかし、数で攻められれば、例え戦争に勝てたとしても、被害は甚大なことになるのは目に見えている。
それに、ソージの話にはおかしな所があったのだ。
もし、ベルディアーノ王国側で、魔の森の所為で瘴気が広がっているのなら、森を隔てたこちら側でもそう言った報告が上がっているはずなのだ。
にもかかわらず、特に瘴気が漏れ出たと言った話は今のところ出ていなかったのだ。
そんな事を考えていると、ソージは更に言った。
「でだ。俺とカツは、早い段階でベルディアーノを出たけど、その後で色々あったみたいで……。まぁ、なんというか、香澄千歌子とその取り巻きが何かやらかした可能性があるんだよね……。ぶっちゃけて言うと、俺たちが召喚された事がきっかけで、国が傾いたみたいなんだよねぇ……。その所為で……、その……、なんだ。まぁ、国から人が逃げ出して、フェールズ王国に人が殺到している……ってことです……」
最後の方は、歯切れ悪くそう言ったソージは、顔を引きつらせていた。
部屋を出ると、俺を睨むカツヒトが立っていた。
敢えて無視をした俺は、何も言わずに一階へ降りた。カツヒトも何も言わずに俺の後に続いて一階に降りていた。
リビングに行くと、不思議な道具をテーブルに広げているソージの姿があった。
八角形で見知らぬ文字で何かが描かれた道具を真剣そうな表情で見つめていたソージは、リビングに降りてきた俺とカツヒトを見て、いつもの軽薄そうな表情になっていた。
「お疲れ~。香澄は?」
「寝かせてきた。ところで、ソージは何を?」
俺がそう言うと、ソージは再び難しそうな表情になっていた。
「う~ん。これは俺のJOB専用の道具なんだけど……。ちょっと……、いや、かなりまずいかも……」
そう言って、眉を寄せて謎の道具を操作していると、カツヒトがソージに言っていた。
「ソウ、状況は最悪ってことか?他の奴らのことは分かるか?」
「そこまでは分からないけど、俺たちを召喚した国は駄目かも……。香澄……、って、これじゃややこいなぁ。うん。静弥ちゃんと、香澄って―――」
「あ゙?香澄と千歌子でいいだろうが」
「えぇ~。だって、静弥ちゃん、めっちゃ可愛いじゃん!!これは名前で呼ぶべきでしょ。それに、香澄千歌子って、あの盛り盛りに盛ってるメイクが苦手なんだよね~。俺は、ナチュラルな美少女が好き!!ちなみに、美少年もな!!」
「変態め……」
「は?この、ヘタレチキンが」
そう言い合った二人が、睨み合うこと数秒。
ソージが肩を竦めて、諦めたように言った。
「はいは~い。変態で結構ですぅ。静弥ちゃんをどう呼ぶかは、俺の勝手だろ?お前にとやかく言う権利ないっしょ?」
「…………」
「はい。論破論破ぁ。んで、話戻すけどな。式を通して見た感じだけど、内乱状態一歩手前?って感じだな。王都は荒れ果ててっていうか、そもそも人が少ない。残っているのは、逃げ遅れた住民がほとんどだ。兵士たちが街で暴れ回ってる。もう、メチャクチャだ。それにだ。見た感じ、病気でも蔓延してるのか、住民は生気のない顔してる。王城は、香澄の結界だと思うけど、何かに邪魔されて入れない。クラスメイト達の姿も街中にはないな。逃げたか、王城にいるか……」
「そうか……。しずには、黙っておけよ」
「オーケー。でも、ヴェイン兄さんとアグアグは、とーっても知りたそうな顔だけど……。言ってもいいよな?」
そう言ったソージは、カツヒトを一瞬見た後に、返事も聞かずに俺とアークに驚くべきことを語った。
「ちょっと相談な。これは、俺たちを召喚した国の所為でもあるし、俺たちが招いた可能性もある。このままだと、フェールズ王国も巻き込まれかねないっていう話な。というか、既に巻き込まれてるかな?」
「分かった。話を聞こう」
「はいよ。でだ、二人は、静弥ちゃんが異世界から召喚されたことは知っている?」
「ああ。シズから聞いてる」
俺がそう言うと、ソージは一度頷いてから、テーブルをコツコツと指先で叩いて言った。
「でも、何故召喚されたのかは知らない。だろ?」
確かに、何故そうなったのかシズは知らなかったと言うか、具体的なことを知らされる前に魔の森に飛ばされたと聞いている。
「俺たちは、魔の森の浄化のために呼ばれたそうなんだ」
「なんだって!!」
「そんな事無理です。なんて無謀なことを……」
俺とアークはその言葉に、ただただ驚いていた。あの森を浄化できるなど、無理以外の何ものでもないのだから。
昔の事だ。何度か浄化を試みたそうだが、幾人もの偉大な魔法使いたちが無念のうちに魔の森で命を落としたと伝わっている。
しかし、ソージは肩を竦めて言ったのだ。
「う~ん。その辺は詳しく言われなかったけど、最近魔の森の周辺の土地が、瘴気だかの影響を受けてるんだと。んで、少しずつ瘴気が広がってきて、それをなんとかしようと、古い文献を参考に俺たち救済者を呼び出したんだとさ」
あまりの内容に、俺とアークは無言になっていた。
それに、内容が内容なだけに、この話は上に報告する必要があると俺は思った。
仮にだ、ソージの話が本当だとして、ベルディアーノ王国の本当の理由は、魔の森の浄化に留まらないだろう。
おそらく、我が国を探っていたことから、森を通れるようにした暁には、フェールズ王国か、シェランドー王国に攻め入ることも視野に入れている可能性があった。
彼の国は、国土が広いだけあって人口も相当な数だ。例え、攻め込まれたとしても、ベルディアーノの後れを取ることはないといい切れるくらいの自信はあった。しかし、数で攻められれば、例え戦争に勝てたとしても、被害は甚大なことになるのは目に見えている。
それに、ソージの話にはおかしな所があったのだ。
もし、ベルディアーノ王国側で、魔の森の所為で瘴気が広がっているのなら、森を隔てたこちら側でもそう言った報告が上がっているはずなのだ。
にもかかわらず、特に瘴気が漏れ出たと言った話は今のところ出ていなかったのだ。
そんな事を考えていると、ソージは更に言った。
「でだ。俺とカツは、早い段階でベルディアーノを出たけど、その後で色々あったみたいで……。まぁ、なんというか、香澄千歌子とその取り巻きが何かやらかした可能性があるんだよね……。ぶっちゃけて言うと、俺たちが召喚された事がきっかけで、国が傾いたみたいなんだよねぇ……。その所為で……、その……、なんだ。まぁ、国から人が逃げ出して、フェールズ王国に人が殺到している……ってことです……」
最後の方は、歯切れ悪くそう言ったソージは、顔を引きつらせていた。
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