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第三部
第六章 巡り巡って 8
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シーナの泣き声を聞いたカインたちは動揺した。
まさか、ここまでシーナが色恋に疎いとは思っていなかったのだ。
誰もが、あれほどいい雰囲気だったのにもかかわらずシーナが勘違いするとは思ってもいなかった。
鈍感もここまでくればある意味罪深いものである。
カインは、泣きじゃくるシーナの両肩を掴みシーナの涙で溶けてしまいそうな瞳を見つめて言った。
「シーナ、シーナ!!それは誤解だ!!よく聞け!!俺は、お前のことを一人の女性として見ている。可愛いお前を見ると、自分がいかに汚れた大人なのかということを思い出して怖気づく自分がいるんだ。だが、お前の優しさや柔らかさに触れてしまった今は、もう自分を抑えることは出来ない!!何も知らない無垢なお前を傷つけてしまいそうで俺は自分が恐ろしいんだ。だが、もう俺も自分を偽ることは出来ない。彼女もそれを許してくれるとお前が言ってくれたからだ。だから、俺はもう自分を偽らないと決めたんだ!!俺は、お前が好きだ!!愛してる。お前を、シーナを俺の妻にしたい!俺の妻になってくれ!!俺に甘やかされて、大切にさせてほしいんだ!!シーナ、俺はシーナを愛してるんだ!!」
そう言って、涙に濡れるシーナの目尻に優しく唇を落として、その涙をぺろりと舐め取った。
そして、何度も何度も優しく溢れる涙を口付けで拭った。
シーナは、カインの言葉と行動に驚き、いつしか涙は止まっていた。
カインは、シーナの涙が止まった後も丁寧な仕草で口付けを続けていた。
初めは、目尻のみだった口付けは次第に頬、蟀谷、額、鼻先と口付けをする場所を広げていった。
顔中に優しい口付けをされているシーナは、混乱からされるままにカインの口付けを受け入れていた。
(カイン様が私のこと好きって……。あっ、愛してるって……。妻にしたいって……。嘘……、夢みたい……。夢なら覚めないで。嬉しい、嬉しいよ!!それに、カイン様が私に、くっ、口付けしてくれてる……、えっ、何これ……、嬉しすぎで死にそうだよ……。心臓が破裂しちゃいそうだよ!!)
カインは、抵抗されないことを良いことに、口付けだけでは飽き足らずシーナの耳朶を甘噛みしだした。
シーナの可愛らしい耳たぶに歯を立てないようにしながら口に含み、最初は優しく、次第に深く口に含み軽く歯を立てて耳朶の感触を存分に味わったのだ。
そして、カインの口付けと言うには激しい行為は耳朶から、耳の裏、首筋と移動しながら優しく、時には強くシーナの肌を吸って白い肌に赤い花を咲かせたのだった。
「チュッ」と一際大きな音を立てたカインは、シーナの華奢な首筋に跡を付けてから、自分の付けた印を確かめるかのように舐めた後に、未だに身動き一つしないシーナの様子を見るように顔を上げた。
そこには、大きな瞳を潤ませ、顔を真赤に染めてはいるが、夢見心地のとろんとした表情のシーナがいた。
その表情を見たカインは、愛しさのあまり華奢なシーナを力強く抱きしめていた。
(可愛い、可愛い俺のシーナ。大切にする、幸せにする。好きだ好きだ好きだ!!)
カインが強く抱きしめても抵抗しないことを良いことに、カインは少しだけ身を離してから、初めてシーナの唇に口付けをするために顔を近づけた。
シーナのほんの少し開いた小さく可憐な唇に口付けするべく、カインは首を少し横に傾げて口付けをしようと顔を近づけた。
しかし、それは叶わなかった。
口付けをしようとしたはずのシーナがカインの口付けを避けたのだ。
あれだけ口付けの雨を降らせても、嫌がらなかったシーナが、唇への口付けを嫌がったことに悲しくなったカインは、どうして?と思いながらシーナを見つめた。
しかし、腕の中のシーナは嫌がって唇への口付けを避けたのではないとすぐに分かったカインは慌てた。
腕の中のシーナは、あまりの急展開について行けなかったようで、カインの腕の中で「きゅ~」と、目を回して気を失っていたのだ。
「すっ、すまない!シーナがあまりにも可愛かったもので―――」
どかっ!!!
気を失ったシーナにカインが、慌てたように言い訳をしていると、ものすごい衝撃がカインの後頭部を襲った。
あまりの痛みに目の前に火花が散っていたが、それでも腕の中のシーナのことは離さなかった。
衝撃の原因は、シーナを溺愛するシエテだと思ったカインは、振り向きざまに怒鳴りつけた。
「おい!!シーナを落としたらどうしてく‥れ……る?」
振り返ったカインの視線の先には、片足を大きく上に上げた姿勢のフェルエルタがいた。
まさかと思いながらも、高い位置に上がっていく片足を視線で追っていると、頂点まで上がったその踵は勢いよくカインの脳天に振り下ろされたのだった。
またしても、目の前に火花が散った。
あまりのことに目を白黒させていると、フェルエルタは低い声で恐ろしいことをいい出した。
「獣……。シーちゃんを汚すケダモノ……。ぬっ殺す……。そうだ、去勢しよう……。嫌らしい象徴を切り落としてしまおう。うん、いい考え……。だめ、やっぱりぬっ殺す……」
そう言って、ゆらりとカインの股間に視線を向けたのだった。
カインは、「このままでは、殺られる!!」と体が瞬時に判断したようで、股間をガードするかのように足を閉じて腰を引いた姿勢になっていた。
まさか、シエテではなくフェルエルタが襲ってくるとは思っていなかったカインは、首を傾げながら周囲を見回した。
すると、フェルエルタで見えなかったが、彼女の後ろにクリストフに支えられた姿のシエテが見えた。
よく見ると、シエテはしきりに何かを言っていたが、ぐったりと力の入らない状態で空を眺めていた。
「俺のシーたんが……、シーたんが……。アハハ……。あはは、うふふ、アハハハァ……。オソラキレイ……」
完全に正気を失っていた!!
可愛いシーナの突然イチャイチャを通り越した濡れ場一歩手前状態のシーンに正気を保てなかったのだ。
こうして、カインは双子の兄妹の意識を同時に奪い去るという離れ業をやってみせたのだった。
そして、壊れたシエテの代わりにフェルエルタが大爆発を起こしたのだった。
まさか、ここまでシーナが色恋に疎いとは思っていなかったのだ。
誰もが、あれほどいい雰囲気だったのにもかかわらずシーナが勘違いするとは思ってもいなかった。
鈍感もここまでくればある意味罪深いものである。
カインは、泣きじゃくるシーナの両肩を掴みシーナの涙で溶けてしまいそうな瞳を見つめて言った。
「シーナ、シーナ!!それは誤解だ!!よく聞け!!俺は、お前のことを一人の女性として見ている。可愛いお前を見ると、自分がいかに汚れた大人なのかということを思い出して怖気づく自分がいるんだ。だが、お前の優しさや柔らかさに触れてしまった今は、もう自分を抑えることは出来ない!!何も知らない無垢なお前を傷つけてしまいそうで俺は自分が恐ろしいんだ。だが、もう俺も自分を偽ることは出来ない。彼女もそれを許してくれるとお前が言ってくれたからだ。だから、俺はもう自分を偽らないと決めたんだ!!俺は、お前が好きだ!!愛してる。お前を、シーナを俺の妻にしたい!俺の妻になってくれ!!俺に甘やかされて、大切にさせてほしいんだ!!シーナ、俺はシーナを愛してるんだ!!」
そう言って、涙に濡れるシーナの目尻に優しく唇を落として、その涙をぺろりと舐め取った。
そして、何度も何度も優しく溢れる涙を口付けで拭った。
シーナは、カインの言葉と行動に驚き、いつしか涙は止まっていた。
カインは、シーナの涙が止まった後も丁寧な仕草で口付けを続けていた。
初めは、目尻のみだった口付けは次第に頬、蟀谷、額、鼻先と口付けをする場所を広げていった。
顔中に優しい口付けをされているシーナは、混乱からされるままにカインの口付けを受け入れていた。
(カイン様が私のこと好きって……。あっ、愛してるって……。妻にしたいって……。嘘……、夢みたい……。夢なら覚めないで。嬉しい、嬉しいよ!!それに、カイン様が私に、くっ、口付けしてくれてる……、えっ、何これ……、嬉しすぎで死にそうだよ……。心臓が破裂しちゃいそうだよ!!)
カインは、抵抗されないことを良いことに、口付けだけでは飽き足らずシーナの耳朶を甘噛みしだした。
シーナの可愛らしい耳たぶに歯を立てないようにしながら口に含み、最初は優しく、次第に深く口に含み軽く歯を立てて耳朶の感触を存分に味わったのだ。
そして、カインの口付けと言うには激しい行為は耳朶から、耳の裏、首筋と移動しながら優しく、時には強くシーナの肌を吸って白い肌に赤い花を咲かせたのだった。
「チュッ」と一際大きな音を立てたカインは、シーナの華奢な首筋に跡を付けてから、自分の付けた印を確かめるかのように舐めた後に、未だに身動き一つしないシーナの様子を見るように顔を上げた。
そこには、大きな瞳を潤ませ、顔を真赤に染めてはいるが、夢見心地のとろんとした表情のシーナがいた。
その表情を見たカインは、愛しさのあまり華奢なシーナを力強く抱きしめていた。
(可愛い、可愛い俺のシーナ。大切にする、幸せにする。好きだ好きだ好きだ!!)
カインが強く抱きしめても抵抗しないことを良いことに、カインは少しだけ身を離してから、初めてシーナの唇に口付けをするために顔を近づけた。
シーナのほんの少し開いた小さく可憐な唇に口付けするべく、カインは首を少し横に傾げて口付けをしようと顔を近づけた。
しかし、それは叶わなかった。
口付けをしようとしたはずのシーナがカインの口付けを避けたのだ。
あれだけ口付けの雨を降らせても、嫌がらなかったシーナが、唇への口付けを嫌がったことに悲しくなったカインは、どうして?と思いながらシーナを見つめた。
しかし、腕の中のシーナは嫌がって唇への口付けを避けたのではないとすぐに分かったカインは慌てた。
腕の中のシーナは、あまりの急展開について行けなかったようで、カインの腕の中で「きゅ~」と、目を回して気を失っていたのだ。
「すっ、すまない!シーナがあまりにも可愛かったもので―――」
どかっ!!!
気を失ったシーナにカインが、慌てたように言い訳をしていると、ものすごい衝撃がカインの後頭部を襲った。
あまりの痛みに目の前に火花が散っていたが、それでも腕の中のシーナのことは離さなかった。
衝撃の原因は、シーナを溺愛するシエテだと思ったカインは、振り向きざまに怒鳴りつけた。
「おい!!シーナを落としたらどうしてく‥れ……る?」
振り返ったカインの視線の先には、片足を大きく上に上げた姿勢のフェルエルタがいた。
まさかと思いながらも、高い位置に上がっていく片足を視線で追っていると、頂点まで上がったその踵は勢いよくカインの脳天に振り下ろされたのだった。
またしても、目の前に火花が散った。
あまりのことに目を白黒させていると、フェルエルタは低い声で恐ろしいことをいい出した。
「獣……。シーちゃんを汚すケダモノ……。ぬっ殺す……。そうだ、去勢しよう……。嫌らしい象徴を切り落としてしまおう。うん、いい考え……。だめ、やっぱりぬっ殺す……」
そう言って、ゆらりとカインの股間に視線を向けたのだった。
カインは、「このままでは、殺られる!!」と体が瞬時に判断したようで、股間をガードするかのように足を閉じて腰を引いた姿勢になっていた。
まさか、シエテではなくフェルエルタが襲ってくるとは思っていなかったカインは、首を傾げながら周囲を見回した。
すると、フェルエルタで見えなかったが、彼女の後ろにクリストフに支えられた姿のシエテが見えた。
よく見ると、シエテはしきりに何かを言っていたが、ぐったりと力の入らない状態で空を眺めていた。
「俺のシーたんが……、シーたんが……。アハハ……。あはは、うふふ、アハハハァ……。オソラキレイ……」
完全に正気を失っていた!!
可愛いシーナの突然イチャイチャを通り越した濡れ場一歩手前状態のシーンに正気を保てなかったのだ。
こうして、カインは双子の兄妹の意識を同時に奪い去るという離れ業をやってみせたのだった。
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