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第三部
第七章 二度目の恋と最後の愛 7
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シエテとカインが似たようなことを考えていた時、正座させられていたフェルエルタは限界に来ていた。
突然床に額擦り付けるような体勢になり涙声で言ったのだ。
「シーちゃん、ごめんなさい!!(たぶん)もうしないから許して!!シーちゃんが目の前にいるのにハグ出来ないなんてここは地獄なの!?でも、可愛いシーちゃんをいつまでもローアンガルから見ていられる……、ここは天国?でも、その間、イチャイチャするシーちゃんを見るのは辛い!!でも!!照れて恥じらうシーちゃんは最高に可愛い!!でもでも、辛いよ!!辛すぎるよ!!」
フェルエルタから出た、長文な台詞に普段のフェルエルタを知るシーナ、シエテ、クリストフは驚きを隠せなかった。
特に、シーナは普段単語中心で話す様なフェルエルタの長台詞に「もしかして、お仕置きが行き過ぎちゃったかな?」と心配になるほどだった。
しかし、これは大切なカインに手を上げたシエテとフェルエルタにお灸を据えるためのものだと、心を鬼にしたシーナだった。
そう、シエテとフェルエルタが正座をさせられていたのは、カインがシーナの指を舐めたことで、シエテとフェルエルタが切れたことに始まる。
二人は、デレデレになったカインの背後に音もなく現れて、同時に踵落としを食らわせていたのだ。
シーナは、そんな二人に言ったのだ。
「にーに!お姉ちゃん!!なんてことをするの!!二人ともそこに正座です!カイン様が許してくれるまで私も許しませんからね。なので、抱きついたりするのも許さないから!!」
シーナは二人にそう言い放ってから、クリストフにカインをソファーに寝かせてもらったのだ。
そして、ソファーに横になるカインに膝枕をしていたという訳だった。
涙ながらに謝罪をするフェルエルタは、カインの許しを得るべく向きを変えてさらに謝罪した。
「領主様、申し訳ございません。領主様があまりにもいやらしいデレデレ顔でシーちゃんの指を舐めている姿が酷い絵図だったので、つい足が出てしまいました。それはもう、鼻の下を伸ばした酷いニヤケ面で見ていられな―――」
「分かった、分かったら!!許す、許すから勘弁してくれ!!」
シーナの前で、何度も自分の醜態を言葉にされたカインは食い気味にフェルエルタの事を許すと言葉にした。
シエテもこの機に乗じてと、同様の手口でカインの許しを得たのだった。
場が落ち着いたところで、カインはシーナに改めて王都への滞在予定を確認することにした。
「シーナ、ところでいつまで王都にいる予定だ?もし、予定が合うなら一緒に領地に戻ろう」
言われたシーナは、フェルエルタたちのことを窺った。もともと、今回の旅はフェルエルタとクリストフの免許更新に引っ付いてきただけのおまけなのである。なので、帰るタイミングも全てフェルエルタたちに任せるつもりだったのだ。
シーナの視線に気が付いたフェルエルタは、カインに向かって言った。
「いつ戻っても問題ない。新しい免状は既に発行してもらっている。でも、シーちゃんは王都観光全然出来てない」
フェルエルタの言葉を聞いたカインは、何かを考えるようにしてからシーナに向かって言った。
「分かった。それなら、明日王都を案内する。それで、数日観光をした後に一緒に帰ろう」
こうして、明日からの予定が決まったのだった。
そんなタイミングで、メイドから来客の知らせが来たのだ。
メイドから、誰が来たのかを聞いたカインは優しい顔つきになってからシーナを見た。
そして、もう腫れも引いている頬を優しく一撫でしてから来客者の正体を知らせたのだった。
「シーナ、お前に客だ」
カインにそう言われたシーナは、自分に来客があるとは思ってもいなかったため、瞳を瞬いてから、小首をかしげていた。
そんなシーナの様子から、昨日の出来事が凄すぎて、カインに拾われる前の事を忘れていると気が付いたカインは小さく笑ってから、もう一度シーナの頬をくすぐるように優しく撫でた。
あまりにも、優しく撫でられる行為がくすぐったくて、シーナは首をすくめてからクスクスと声を立てて笑った。
「ふふっ!カイン様、くすぐったいです」
口ではそう言うものの、目を細めて嬉しそうにするシーナを見たカインはさらに、今度は明確な意思を持って擽るかのような手付きで頬から首筋にかけて優しい手付きで撫でていった。
そんな、二人のイチャイチャにいつの間にかリビングに通されていた人物は顔を真赤にして狼狽えるのみであった。
それを見かねたシエテは、シーナには優しく、カインには冷たく言い放った。
「シーたん、お客さんが来たよ?それと、ロリコンムッツリエロ領主様は、いい加減にしてくださいね」
シエテに声を掛けられたシーナとカインは、お互いを見ていた瞳を入り口のところで、居心地悪そうに佇む人物に向けた。
そこにいたのは、男に財布を擦られた女性だった。
シーナは、その女性を見て驚きの声を上げた。
「あっ!お財布のお姉さんだ!!」
そう言われた女性は、改めて頭を下げたのだ。
「シーナちゃん、あの時は私のために行動してくれてありがとう。私、アメリといいます。シーナちゃんのお陰で、お財布は無事に戻ってきました」
アメリと名乗った女性はそう言って、さらに頭を下げたのだった。
突然床に額擦り付けるような体勢になり涙声で言ったのだ。
「シーちゃん、ごめんなさい!!(たぶん)もうしないから許して!!シーちゃんが目の前にいるのにハグ出来ないなんてここは地獄なの!?でも、可愛いシーちゃんをいつまでもローアンガルから見ていられる……、ここは天国?でも、その間、イチャイチャするシーちゃんを見るのは辛い!!でも!!照れて恥じらうシーちゃんは最高に可愛い!!でもでも、辛いよ!!辛すぎるよ!!」
フェルエルタから出た、長文な台詞に普段のフェルエルタを知るシーナ、シエテ、クリストフは驚きを隠せなかった。
特に、シーナは普段単語中心で話す様なフェルエルタの長台詞に「もしかして、お仕置きが行き過ぎちゃったかな?」と心配になるほどだった。
しかし、これは大切なカインに手を上げたシエテとフェルエルタにお灸を据えるためのものだと、心を鬼にしたシーナだった。
そう、シエテとフェルエルタが正座をさせられていたのは、カインがシーナの指を舐めたことで、シエテとフェルエルタが切れたことに始まる。
二人は、デレデレになったカインの背後に音もなく現れて、同時に踵落としを食らわせていたのだ。
シーナは、そんな二人に言ったのだ。
「にーに!お姉ちゃん!!なんてことをするの!!二人ともそこに正座です!カイン様が許してくれるまで私も許しませんからね。なので、抱きついたりするのも許さないから!!」
シーナは二人にそう言い放ってから、クリストフにカインをソファーに寝かせてもらったのだ。
そして、ソファーに横になるカインに膝枕をしていたという訳だった。
涙ながらに謝罪をするフェルエルタは、カインの許しを得るべく向きを変えてさらに謝罪した。
「領主様、申し訳ございません。領主様があまりにもいやらしいデレデレ顔でシーちゃんの指を舐めている姿が酷い絵図だったので、つい足が出てしまいました。それはもう、鼻の下を伸ばした酷いニヤケ面で見ていられな―――」
「分かった、分かったら!!許す、許すから勘弁してくれ!!」
シーナの前で、何度も自分の醜態を言葉にされたカインは食い気味にフェルエルタの事を許すと言葉にした。
シエテもこの機に乗じてと、同様の手口でカインの許しを得たのだった。
場が落ち着いたところで、カインはシーナに改めて王都への滞在予定を確認することにした。
「シーナ、ところでいつまで王都にいる予定だ?もし、予定が合うなら一緒に領地に戻ろう」
言われたシーナは、フェルエルタたちのことを窺った。もともと、今回の旅はフェルエルタとクリストフの免許更新に引っ付いてきただけのおまけなのである。なので、帰るタイミングも全てフェルエルタたちに任せるつもりだったのだ。
シーナの視線に気が付いたフェルエルタは、カインに向かって言った。
「いつ戻っても問題ない。新しい免状は既に発行してもらっている。でも、シーちゃんは王都観光全然出来てない」
フェルエルタの言葉を聞いたカインは、何かを考えるようにしてからシーナに向かって言った。
「分かった。それなら、明日王都を案内する。それで、数日観光をした後に一緒に帰ろう」
こうして、明日からの予定が決まったのだった。
そんなタイミングで、メイドから来客の知らせが来たのだ。
メイドから、誰が来たのかを聞いたカインは優しい顔つきになってからシーナを見た。
そして、もう腫れも引いている頬を優しく一撫でしてから来客者の正体を知らせたのだった。
「シーナ、お前に客だ」
カインにそう言われたシーナは、自分に来客があるとは思ってもいなかったため、瞳を瞬いてから、小首をかしげていた。
そんなシーナの様子から、昨日の出来事が凄すぎて、カインに拾われる前の事を忘れていると気が付いたカインは小さく笑ってから、もう一度シーナの頬をくすぐるように優しく撫でた。
あまりにも、優しく撫でられる行為がくすぐったくて、シーナは首をすくめてからクスクスと声を立てて笑った。
「ふふっ!カイン様、くすぐったいです」
口ではそう言うものの、目を細めて嬉しそうにするシーナを見たカインはさらに、今度は明確な意思を持って擽るかのような手付きで頬から首筋にかけて優しい手付きで撫でていった。
そんな、二人のイチャイチャにいつの間にかリビングに通されていた人物は顔を真赤にして狼狽えるのみであった。
それを見かねたシエテは、シーナには優しく、カインには冷たく言い放った。
「シーたん、お客さんが来たよ?それと、ロリコンムッツリエロ領主様は、いい加減にしてくださいね」
シエテに声を掛けられたシーナとカインは、お互いを見ていた瞳を入り口のところで、居心地悪そうに佇む人物に向けた。
そこにいたのは、男に財布を擦られた女性だった。
シーナは、その女性を見て驚きの声を上げた。
「あっ!お財布のお姉さんだ!!」
そう言われた女性は、改めて頭を下げたのだ。
「シーナちゃん、あの時は私のために行動してくれてありがとう。私、アメリといいます。シーナちゃんのお陰で、お財布は無事に戻ってきました」
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