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番外編
【IF】シエテルート2nd 2
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時は流れて、シエテは15歳となっていた。
現在は、両親の手伝いの傍ら騎士団にも所属していた。
シエテは、辺境騎士団の第一班に配属されていた。
もともと、シーナのためだと言って前世の記憶を元に鍛錬を積んでいたシエテは、騎士団の中でも実力のある部類に分けられていた。
ちなみに、騎士団と言っても、街の警備や訓練などが主で特に危険性のある仕事ではなかった。
シエテは、早く独り立ちしたくて心配する両親を説得して騎士団に入ったのだ。
そう、シエテは焦っていたのだ。
早く家を出て一人で暮らしたいと言う思いから、騎士団に入ったのだ。
理由は簡単だった。
シーナは、幼かったためシエテが実の兄ではないという事実を忘れてしまっていたのだ。
実の兄と慕う可愛いシーナを、初めは実の妹のように可愛がっていたが、いつしかシーナを一人の女の子として見ている自分に気がついたのだ。
シエテから見たシーナは、明るく可愛い。しかも、優しさもあり、可愛い。さらに、お人好しで、面倒見も良くて、料理もできて家事も完璧でもう嫁にしたいくらい可愛かったのだ。
シエテは、日々そんな可愛いシーナを見る度に、理性がグラグラしだした自分を止められる自信がなくなってきたのだ。
騎士団に入る前に起こったある出来事も、大きな要因となった。
ある夜のことだった。
その日は、悪天候で大雨に加えて雷が鳴り響いた夜だった。
夜、ベッドに横になっていると、控えめなノックの音がした。
シエテがベッドから出て扉を開けると、枕を抱きしめて震えるシーナが扉の前にいたのだ。
「シーたん?どうしたの?」
「にーに……。あっ、あのね……」
シーナがそう言ったタイミングで、一瞬の光の後に大きな「ドドーーーン!!」という、雷の落ちる音がした。
シエテは、その音を聞いて物思いに沈んだ。
(近くに落ちたかな?被害は出ていないと良いんだが……!!)
「ひっ!!」
シエテが、周辺の被害のことを考えていると、シーナが小さな悲鳴を上げて抱きついてきたのだ。
シーナは胸に抱えていた枕を放り出して、シエテに抱きついていたのだ。
薄い寝間着越しに感じる、シーナのささやかな胸の膨らみを感じてしまったシエテは、硬直していた。
しかし、その間も雷が鳴る度にシーナは、シエテにギュッと抱きついてきたのだ。
そして、涙目になりながら、身長の高いシエテを見上げて言ったのだ。
「にーに……。怖いよ……。一人じゃ眠れないよ、一緒に寝て欲しいの……、にーに、お願い……」
切なそうにそんな事を言われたシエテの理性は、グラグラと今にでも崩壊しそうになっていた。
しかし、なんとか踏みとどまり、緊張しながらもシーナに自分の邪な思いを気付かれないように冷静を心がけながら優しく言った。
「シーたんは、怖がりだね。仕方ないなぁ、今日だけだよ?」
そう言って、理性で必死に欲望を抑えながら雷に怯えるシーナを自分のベッドに迎え入れたのだった。
その日、シーナが眠りについても一向に眠ることが出来なかったシエテは、自分のシーナに対する気持ちにはっきりと気が付き離れる決意をしたのだった。
前世は敬愛していた女性、現在は本当の妹のように大切に思う大事な女の子。
そう思っていた。しかし、いつしか自分を慕うシーナに恋をしていたのだ。
その事に気がついたシエテは、自分が抱くシーナへの恋心が怖くなったのだ。
もし、自分の気持がシーナの迷惑になったらと。
シーナに、気持ちを悟られて距離を置かれるくらいなら、自分から離れようと、臆病な自分に反吐が出る思いだった。
しかも、もしシーナから拒絶されたら、きっと正気ではいられないという確信もあったのだ。
嫌がるシーナに、無理やり酷いことをしてしまう自分を想像してしまい怖くなった。
だから、自分で距離を置くことにしたのだ。
騎士団に所属し、両親を説得した上でとうとう家を出る日が来た。
両親は、シエテが養子なことを気にしての行動だとずっと思っていたようだったが、敢えて訂正しなかった。
シーナに向ける恋心が、シエテに良くしてくれた両親を裏切るようで心苦しかったのだ。
だから、敢えて誤解させてまま家を出た。
家を出る時に、シーナは泣きじゃくった。
泣きじゃくるシーナに心を痛めたシエテだったが、14歳のシーナは魅力的な美少女に成長を遂げていて、思わず手を出しそうになる自分を抑えきれなくなっていたのだ。
だから、シーナの頭を撫でながらまるで自分に言い聞かせるかのように言った。
「シーナ?そろそろ、兄離れしないとな?」
今まで、シーナのことをシーたんと呼んでいたシエテから距離を置かれたような気がしたシーナはそのショックから涙が引っ込んでいた。
シエテは、その隙に背を向けて今まで暮らした家を後にした。
一人暮らしを始めて1ヶ月が経った。
あれから、シーナと会う機会は減っていた。
敢えて会わないようにしていた節もあった。
そんなある日、友人のクリストフが家に訪ねてきた。
しかも、シーナを連れてだ。
シエテは、自分から距離をおいたにも関わらず、二人が一緒に訪れたことにムッとした。
そんなシエテを知ってか知らずか、クリストフは、無遠慮にもズカズカと家に入ってきて言ったのだ。
「引っ越しして落ち着いた頃だし、引越し祝いに来たぞ!!シーナちゃんも一緒にな!」
余計なお世話だと思いつつも、それを表情に出さないようにしながらも上辺だけの感謝の言葉を述べた。
「ああ……。ありがとう……」
「良いってことよ、親友!」
そう言ってクリストフは、持ち込んだ手料理を並べて、勝手に飲み食いし始めたのだ。
シーナはそんなクリストフを楽しそうに見ていたが、シエテの方を向いて言った。
「お兄ちゃん。私達も食べよう?」
お兄ちゃん……。その呼びかけに、自分から距離を空けておいて勝手だが、寂しさを感じたシエテだったが、それを言うことも出来ず、一瞬硬く拳を握ってから、すぐに拳を緩めて食卓に着いた。
クリストフが持ち込んだ食べ物がなくなった頃、二人がそろそろ帰ると言った。
二人を見送るべく、玄関に向かおうとしたシエテにクリストフは、真剣な表情で言った。
「俺、シーナちゃんを家まで送ったら、シーナちゃんが家に入る前に告白するよ」
シエテは、クリストフの言葉に頭を殴られたかのような衝撃を受けていた。
自分には、クリストフを止める権利など無いと思いながらも、腹の中は様々な感情でぐるぐるとしていた。
そんなシエテに構うことなく、クリストフはシーナを連れて家を出てしまった。
シエテは、家を出てしまった二人を追うべきか悩んだ。
追ったとして、自分はどうしようというのか……。
そして、シエテは……。
▷a追いかける
▷b追いかけない
▷c玄関の扉に八つ当たりする
現在は、両親の手伝いの傍ら騎士団にも所属していた。
シエテは、辺境騎士団の第一班に配属されていた。
もともと、シーナのためだと言って前世の記憶を元に鍛錬を積んでいたシエテは、騎士団の中でも実力のある部類に分けられていた。
ちなみに、騎士団と言っても、街の警備や訓練などが主で特に危険性のある仕事ではなかった。
シエテは、早く独り立ちしたくて心配する両親を説得して騎士団に入ったのだ。
そう、シエテは焦っていたのだ。
早く家を出て一人で暮らしたいと言う思いから、騎士団に入ったのだ。
理由は簡単だった。
シーナは、幼かったためシエテが実の兄ではないという事実を忘れてしまっていたのだ。
実の兄と慕う可愛いシーナを、初めは実の妹のように可愛がっていたが、いつしかシーナを一人の女の子として見ている自分に気がついたのだ。
シエテから見たシーナは、明るく可愛い。しかも、優しさもあり、可愛い。さらに、お人好しで、面倒見も良くて、料理もできて家事も完璧でもう嫁にしたいくらい可愛かったのだ。
シエテは、日々そんな可愛いシーナを見る度に、理性がグラグラしだした自分を止められる自信がなくなってきたのだ。
騎士団に入る前に起こったある出来事も、大きな要因となった。
ある夜のことだった。
その日は、悪天候で大雨に加えて雷が鳴り響いた夜だった。
夜、ベッドに横になっていると、控えめなノックの音がした。
シエテがベッドから出て扉を開けると、枕を抱きしめて震えるシーナが扉の前にいたのだ。
「シーたん?どうしたの?」
「にーに……。あっ、あのね……」
シーナがそう言ったタイミングで、一瞬の光の後に大きな「ドドーーーン!!」という、雷の落ちる音がした。
シエテは、その音を聞いて物思いに沈んだ。
(近くに落ちたかな?被害は出ていないと良いんだが……!!)
「ひっ!!」
シエテが、周辺の被害のことを考えていると、シーナが小さな悲鳴を上げて抱きついてきたのだ。
シーナは胸に抱えていた枕を放り出して、シエテに抱きついていたのだ。
薄い寝間着越しに感じる、シーナのささやかな胸の膨らみを感じてしまったシエテは、硬直していた。
しかし、その間も雷が鳴る度にシーナは、シエテにギュッと抱きついてきたのだ。
そして、涙目になりながら、身長の高いシエテを見上げて言ったのだ。
「にーに……。怖いよ……。一人じゃ眠れないよ、一緒に寝て欲しいの……、にーに、お願い……」
切なそうにそんな事を言われたシエテの理性は、グラグラと今にでも崩壊しそうになっていた。
しかし、なんとか踏みとどまり、緊張しながらもシーナに自分の邪な思いを気付かれないように冷静を心がけながら優しく言った。
「シーたんは、怖がりだね。仕方ないなぁ、今日だけだよ?」
そう言って、理性で必死に欲望を抑えながら雷に怯えるシーナを自分のベッドに迎え入れたのだった。
その日、シーナが眠りについても一向に眠ることが出来なかったシエテは、自分のシーナに対する気持ちにはっきりと気が付き離れる決意をしたのだった。
前世は敬愛していた女性、現在は本当の妹のように大切に思う大事な女の子。
そう思っていた。しかし、いつしか自分を慕うシーナに恋をしていたのだ。
その事に気がついたシエテは、自分が抱くシーナへの恋心が怖くなったのだ。
もし、自分の気持がシーナの迷惑になったらと。
シーナに、気持ちを悟られて距離を置かれるくらいなら、自分から離れようと、臆病な自分に反吐が出る思いだった。
しかも、もしシーナから拒絶されたら、きっと正気ではいられないという確信もあったのだ。
嫌がるシーナに、無理やり酷いことをしてしまう自分を想像してしまい怖くなった。
だから、自分で距離を置くことにしたのだ。
騎士団に所属し、両親を説得した上でとうとう家を出る日が来た。
両親は、シエテが養子なことを気にしての行動だとずっと思っていたようだったが、敢えて訂正しなかった。
シーナに向ける恋心が、シエテに良くしてくれた両親を裏切るようで心苦しかったのだ。
だから、敢えて誤解させてまま家を出た。
家を出る時に、シーナは泣きじゃくった。
泣きじゃくるシーナに心を痛めたシエテだったが、14歳のシーナは魅力的な美少女に成長を遂げていて、思わず手を出しそうになる自分を抑えきれなくなっていたのだ。
だから、シーナの頭を撫でながらまるで自分に言い聞かせるかのように言った。
「シーナ?そろそろ、兄離れしないとな?」
今まで、シーナのことをシーたんと呼んでいたシエテから距離を置かれたような気がしたシーナはそのショックから涙が引っ込んでいた。
シエテは、その隙に背を向けて今まで暮らした家を後にした。
一人暮らしを始めて1ヶ月が経った。
あれから、シーナと会う機会は減っていた。
敢えて会わないようにしていた節もあった。
そんなある日、友人のクリストフが家に訪ねてきた。
しかも、シーナを連れてだ。
シエテは、自分から距離をおいたにも関わらず、二人が一緒に訪れたことにムッとした。
そんなシエテを知ってか知らずか、クリストフは、無遠慮にもズカズカと家に入ってきて言ったのだ。
「引っ越しして落ち着いた頃だし、引越し祝いに来たぞ!!シーナちゃんも一緒にな!」
余計なお世話だと思いつつも、それを表情に出さないようにしながらも上辺だけの感謝の言葉を述べた。
「ああ……。ありがとう……」
「良いってことよ、親友!」
そう言ってクリストフは、持ち込んだ手料理を並べて、勝手に飲み食いし始めたのだ。
シーナはそんなクリストフを楽しそうに見ていたが、シエテの方を向いて言った。
「お兄ちゃん。私達も食べよう?」
お兄ちゃん……。その呼びかけに、自分から距離を空けておいて勝手だが、寂しさを感じたシエテだったが、それを言うことも出来ず、一瞬硬く拳を握ってから、すぐに拳を緩めて食卓に着いた。
クリストフが持ち込んだ食べ物がなくなった頃、二人がそろそろ帰ると言った。
二人を見送るべく、玄関に向かおうとしたシエテにクリストフは、真剣な表情で言った。
「俺、シーナちゃんを家まで送ったら、シーナちゃんが家に入る前に告白するよ」
シエテは、クリストフの言葉に頭を殴られたかのような衝撃を受けていた。
自分には、クリストフを止める権利など無いと思いながらも、腹の中は様々な感情でぐるぐるとしていた。
そんなシエテに構うことなく、クリストフはシーナを連れて家を出てしまった。
シエテは、家を出てしまった二人を追うべきか悩んだ。
追ったとして、自分はどうしようというのか……。
そして、シエテは……。
▷a追いかける
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▷c玄関の扉に八つ当たりする
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