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番外編
【IF】クリストフルート 6-b-1
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▷a強引に荷物を奪う
▶b無理強いは良くないのでここは引こう
余りにも美少女が必死に遠慮するものだから、俺は逆に彼女に悪いことをしている気がしてきて、名残惜しくは思ったが、彼女の荷物持ちは諦めることにした。
俺は、頭をかきながら彼女に詫た。
「すまない。荷物が多いようだったから手伝おうとしたが、必要なかったみたいだね。しつこくしてしまってすまなかった」
俺がそう言うと、美少女は慌てたように言った。
「いいえ、そんなことないです。本当は嬉しかったんですよ……。でも、見ず知らずの人にご迷惑をかけるわけにはいかないですから」
そう言って、少し困ったように眉を寄せるその表情は守ってあげたくなるようなそんな雰囲気を醸し出していた。
本当は嬉しく思っていたと言ってくれたことが嬉しくて、俺はきっとだらしない表情をしていたかも知れないので、表情を引き締めるべく意識して顔を引き締めた。
俺が、彼女の可愛らしさにデレデレしているうちに、彼女は一度小さく頭を下げてからその場を去っていってしまった。
遠ざかる彼女の小さな背中に手を小さく振りつつ見送っていた俺だったが、彼女が突然立ち止まったことに首を傾げながらもそれを見守っていた。
すると、彼女の持っていた買い物かごの持ち手が壊れてしまったようで荷物をばら撒いていたことに気がついた俺は今までの人生で一番の素早さで彼女のもとに走り寄っていた。
彼女は、慌ててばら撒いてしまった荷物を集めていた。
俺が彼女のもとに辿り着いたときには、周囲の人間の協力もありばら撒いた荷物は全て彼女のもとに一纏めになっていた。
彼女は、俺の存在に気が付き恥ずかしそうに頬を染めていった。
「えへへ……。まさか籠の持ち手が壊れちゃうなんて……」
ぐっ!!何だその可愛い誤魔化し笑い。もう可愛すぎだよ!!
「反則だよ。その表情可愛すぎだから……」
「え?」
俺の小さなつぶやきは、彼女の耳には届かなかったようで、彼女は小さく首を傾げた表情で上目遣いで俺のことを見つめてきた。
もうもうもう、何なんだよ!!可愛すぎかよ!!
「ほら、荷物持つの手伝うから」
そう言って俺が手を差し出すと彼女は、一瞬何かを考えるような表情をしてからおずおずと言った様子で俺に言った。
「えっと……。ごめんなさい。お手伝いよろしくおねがいします……」
「可愛いかよ……ゴボン。別にいいから、それにこういう時は、謝られるよりもありがとうって言ってもらったほうが嬉しいかな?」
俺が、少しでも彼女の負担にならないように言葉を選んで言うと、少し驚いた表情を見せた後に、花のような可愛らしい笑顔で彼女は俺に言ったんだ。
「ふふふ。ありがとう」
こうして、俺は彼女の荷物を持つのを手伝うことに成功した。さらに、彼女の笑顔という報酬も付いてきたのだ。
彼女の家に着くまでに、お互いに名乗りあった結果、彼女はシーナちゃんということが分かった。
何でも、彼女にはとっても過保護な兄がいて、最初俺が荷物持ちを名乗り出た時に遠慮したのは、そのシスコンな兄に黙って出かけた上に、街で知らない人と会話をしたことがバレてしまったら大変なことになるとかで、遠慮したのだと話してくれた。
その話を聞いた俺は、何処の兄も妹を大好きになる呪いでも掛かっているのではないのかという疑惑が頭を過ぎったのと同時に、なぜか背中が寒くなるのも感じていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうみたいで、気がつけばシーナちゃんはもうすぐ家に着くと言ってとある場所で立ち止まっていた。
彼女が立ち止まった場所は、領主様の屋敷の使用人が使うための門の前だった。
俺は、まさかと思い少しだけ震えてしまった声でシーナちゃんに聞いていた。
「シーナちゃん……。もしかして、過保護な兄の名前ってシエテとか言ったり……」
「はい。そうですよ?でもどうして?」
シーナちゃんの返事を聞いた俺は、天を仰いでいた。
(おいいいいいいい!!!!全然ゴリラ女子違うから!!俺の好みドストライクだった!!!!)
突然黙り込んだ俺に、シーナちゃんはおろおろしながらも俺のことを心配してくれた。なんて優しい子なんだ。好き……。
「クリストフさん?どうしたんですか?大丈夫ですか?」
彼女を安心させるために俺は口を開こうとしたが、それはできなかった。
そう、俺の恋の天敵とも言えるあいつの存在のせいで。
「シーたん。どうしたの?まさか、俺に黙って一人で街に出ていたのかな?それに……」
「!!えっと……、ごめんなさい。でもでも、どうしても一人で出かけたかったの。約束を破ったことはごめんなさい」
「シーたんは、悪い子だね。お仕置きが必要?」
「ごめんなさい。でもでも」
「ふう。ごめん。意地悪して。何か理由があったんだよね?」
「うん」
「怒らないから訳を話してくれないかな?」
「……。あのね、にーにに、オレンジケーキを食べてほしくて……」
「シーたん……。もしかして、昨日俺が言ったことで?」
「うん。昨日、久しぶりに食べたいって言ってたから……。にーに、出かけるって言ってたから、その間にこっそり作って驚かそうとしただけど……」
「シーたん……。ありがとう!!シーたん大好き!!それなら、一緒に作って、一緒に食べよう?」
「うん!!」
そんな仲睦まじい二人のやり取りを完全に蚊帳の外にいた俺は、呆然と見ていた。
そして、俺は心の底から絶叫していた。
「ちょっと待て!!どうしてこうなった!!!!これは俺の運命の人との出会いから始まるハッピーエンドな物語のはずなのでは!!!!」
▶b無理強いは良くないのでここは引こう
余りにも美少女が必死に遠慮するものだから、俺は逆に彼女に悪いことをしている気がしてきて、名残惜しくは思ったが、彼女の荷物持ちは諦めることにした。
俺は、頭をかきながら彼女に詫た。
「すまない。荷物が多いようだったから手伝おうとしたが、必要なかったみたいだね。しつこくしてしまってすまなかった」
俺がそう言うと、美少女は慌てたように言った。
「いいえ、そんなことないです。本当は嬉しかったんですよ……。でも、見ず知らずの人にご迷惑をかけるわけにはいかないですから」
そう言って、少し困ったように眉を寄せるその表情は守ってあげたくなるようなそんな雰囲気を醸し出していた。
本当は嬉しく思っていたと言ってくれたことが嬉しくて、俺はきっとだらしない表情をしていたかも知れないので、表情を引き締めるべく意識して顔を引き締めた。
俺が、彼女の可愛らしさにデレデレしているうちに、彼女は一度小さく頭を下げてからその場を去っていってしまった。
遠ざかる彼女の小さな背中に手を小さく振りつつ見送っていた俺だったが、彼女が突然立ち止まったことに首を傾げながらもそれを見守っていた。
すると、彼女の持っていた買い物かごの持ち手が壊れてしまったようで荷物をばら撒いていたことに気がついた俺は今までの人生で一番の素早さで彼女のもとに走り寄っていた。
彼女は、慌ててばら撒いてしまった荷物を集めていた。
俺が彼女のもとに辿り着いたときには、周囲の人間の協力もありばら撒いた荷物は全て彼女のもとに一纏めになっていた。
彼女は、俺の存在に気が付き恥ずかしそうに頬を染めていった。
「えへへ……。まさか籠の持ち手が壊れちゃうなんて……」
ぐっ!!何だその可愛い誤魔化し笑い。もう可愛すぎだよ!!
「反則だよ。その表情可愛すぎだから……」
「え?」
俺の小さなつぶやきは、彼女の耳には届かなかったようで、彼女は小さく首を傾げた表情で上目遣いで俺のことを見つめてきた。
もうもうもう、何なんだよ!!可愛すぎかよ!!
「ほら、荷物持つの手伝うから」
そう言って俺が手を差し出すと彼女は、一瞬何かを考えるような表情をしてからおずおずと言った様子で俺に言った。
「えっと……。ごめんなさい。お手伝いよろしくおねがいします……」
「可愛いかよ……ゴボン。別にいいから、それにこういう時は、謝られるよりもありがとうって言ってもらったほうが嬉しいかな?」
俺が、少しでも彼女の負担にならないように言葉を選んで言うと、少し驚いた表情を見せた後に、花のような可愛らしい笑顔で彼女は俺に言ったんだ。
「ふふふ。ありがとう」
こうして、俺は彼女の荷物を持つのを手伝うことに成功した。さらに、彼女の笑顔という報酬も付いてきたのだ。
彼女の家に着くまでに、お互いに名乗りあった結果、彼女はシーナちゃんということが分かった。
何でも、彼女にはとっても過保護な兄がいて、最初俺が荷物持ちを名乗り出た時に遠慮したのは、そのシスコンな兄に黙って出かけた上に、街で知らない人と会話をしたことがバレてしまったら大変なことになるとかで、遠慮したのだと話してくれた。
その話を聞いた俺は、何処の兄も妹を大好きになる呪いでも掛かっているのではないのかという疑惑が頭を過ぎったのと同時に、なぜか背中が寒くなるのも感じていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうみたいで、気がつけばシーナちゃんはもうすぐ家に着くと言ってとある場所で立ち止まっていた。
彼女が立ち止まった場所は、領主様の屋敷の使用人が使うための門の前だった。
俺は、まさかと思い少しだけ震えてしまった声でシーナちゃんに聞いていた。
「シーナちゃん……。もしかして、過保護な兄の名前ってシエテとか言ったり……」
「はい。そうですよ?でもどうして?」
シーナちゃんの返事を聞いた俺は、天を仰いでいた。
(おいいいいいいい!!!!全然ゴリラ女子違うから!!俺の好みドストライクだった!!!!)
突然黙り込んだ俺に、シーナちゃんはおろおろしながらも俺のことを心配してくれた。なんて優しい子なんだ。好き……。
「クリストフさん?どうしたんですか?大丈夫ですか?」
彼女を安心させるために俺は口を開こうとしたが、それはできなかった。
そう、俺の恋の天敵とも言えるあいつの存在のせいで。
「シーたん。どうしたの?まさか、俺に黙って一人で街に出ていたのかな?それに……」
「!!えっと……、ごめんなさい。でもでも、どうしても一人で出かけたかったの。約束を破ったことはごめんなさい」
「シーたんは、悪い子だね。お仕置きが必要?」
「ごめんなさい。でもでも」
「ふう。ごめん。意地悪して。何か理由があったんだよね?」
「うん」
「怒らないから訳を話してくれないかな?」
「……。あのね、にーにに、オレンジケーキを食べてほしくて……」
「シーたん……。もしかして、昨日俺が言ったことで?」
「うん。昨日、久しぶりに食べたいって言ってたから……。にーに、出かけるって言ってたから、その間にこっそり作って驚かそうとしただけど……」
「シーたん……。ありがとう!!シーたん大好き!!それなら、一緒に作って、一緒に食べよう?」
「うん!!」
そんな仲睦まじい二人のやり取りを完全に蚊帳の外にいた俺は、呆然と見ていた。
そして、俺は心の底から絶叫していた。
「ちょっと待て!!どうしてこうなった!!!!これは俺の運命の人との出会いから始まるハッピーエンドな物語のはずなのでは!!!!」
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