【完結】捨てられた薬師は隣国で王太子に溺愛される

青空一夏

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4 あんな女、捨てて正解だった

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【ギルベルト視点】

「リーナがいなくなってから、やけに快適だなぁ。ミレイユも気兼ねなく呼べるし」
 ソファに腰を沈め、居間の机に足を乗せたまま、俺は飾り棚を見上げた。
 そこには、リーナが作ってくれたポーションのストックが、ぎっしりと並んでいる。

「にしても、思ったより減ってねぇな」
 小さく鼻で笑う。
「やっぱ俺、こんなのなくても平気だったってことか」

 一度は騎士団のロッカーに突っ込んでたやつを、使いやすいように部屋に戻しておいた。
 仲間に配ると言って余分に作らせておいたのは、いざという時に備えてストックしておきたかったからだ。
 結果として、それは正解だったが……正直、もう俺には必要なさそうだ。

「だって、ギルには私の加護があるものね。聖女様の力のほうが偉大に決まってるじゃない?」
 ミレイユが当然のように微笑む。
「それにギルは今まで、その力が封じられていただけなのよ。リーナは……そう、疫病神だったのよ」

 プラチナブロンドにアイスブルーの瞳。勝ち気な美人顔が、欲しい言葉を次々にくれる。
 まったく、俺にはもったいないくらいの聖女様だ。

「俺もそう思ってたよ。あいつ、ずっと俺の足を引っ張ってたんだな」
 鼻で笑いながら、俺は言う。
「でも最近、自分の秘められた力が、やっと開花してきた気がするんだよなぁ」

「そうそう。ギルは私と同じ、生まれながらにして選ばれた人間なのよ」
「だよなぁ。ミレイユの奇跡と、俺の才能。これはもう運命だろ」
「えぇ、神様が私たちを結びつけたのね」

「……もうさ、こんなポーション、いらねーかもな」
 俺は棚の瓶をひとつ手に取り、指でコンと弾く。
 カチン――と、乾いた音が部屋に響いた。

「やっぱ今の俺、レベルが違うっていうかさ」
 ポーションを弄ぶように橫にし、指で転がしながら俺はふっと笑う。
「ミレイユの期待に応えられるのも、俺が“本物”だからだよなぁ?」

「えぇ、あなたは私にふさわしいわ。やっと、そういう男に出会えた気がするもの」
 ミレイユが嬉しそうに微笑む。

「ありがとう。俺たち、最強のカップルだな」
 そう言って、片腕を曲げて力こぶを見せるようにポーズを取った。

 あいつ――リーナは、俺を支えてた“つもり”だったんだろうけどな。
 実際は、こっちが気を遣ってやってただけの話さ。
 身分の低い女って、勝手に尽くして勝手に満足してくれるからラクだよな。……正直、面倒だったがな。

「ま、でも一応感謝はしてる。あいつのおかげで今の俺がある――って、言っとけば、周りの連中には“優しい男”って思われるしな」
 ぷっ、とミレイユが吹き出す。
「ぶはっ……俺、マジで完璧かもしんねぇ」
 自分の口から出た、俺はすっかり酔っていた。


 ギルベルトが指の中で転がしていたポーションの瓶が、ふと揺らめいた。中に漂っていた金の粒子が、ほんの少しずつ――消えていく。それは、まるで合図のように、棚に並ぶ他の瓶へと広がっていき……
 だが誰も、その小さな変化には気づかない。

•───⋅⋆⁺‧₊☽⛦☾₊‧⁺⋆⋅───•
※臨時更新です。
このあとに続くのは、おまけのAIイラストになります。
じつは以前、しばらく生成を控えていたんですが……気まぐれでまた投稿することにしました。
いや、ごめんなさい。本質、猫型(気まぐれ)人間なので。
見たい方だけ、どうぞ。
※本日19時にも5話を投稿予定です😄
あ、ギルベルトとミレイユ、許さん……と思った方は、ハートをタップタップしてくださいね💓✨
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