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23 スフレドリと神獣セイルズ
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朝の陽射しは、どこまでも穏やかだった。
王宮中庭に植えられた古木の下、芝生に日が差し込み、空気が甘く満ちている。
その陽だまりの中で、黄金の毛並を持つ神獣セイルズがゆったりと横たわっていた。
かつては峻厳な存在として畏れられていた獣が、今やすっかりスフレドリたちに、べったり懐かれていた。
そのふさふさとした身体の上には、スフレドリたちが勝手気ままに乗っかっている。
前足と後足のあたりにそれぞれ二羽ずつ、さらに四羽がお腹にぺたりと張りついていた。
そして一羽は、尾の先にしがみつき、しっぽの揺れに合わせてゆらゆらと心地よさそうに揺れている。
「……我はそなたたちの親鳥ではないぞ」
セイルズは半目を開けてぼそりと呟いたが、スフレドリたちはピィと小さく返事をしながらも、また眠ってしまう。
「まったく……この我が、スフレドリどものお守り役とはな。妃殿下がいれば、こやつらも我にべったりとはならぬのだが……今日、少なくとも午前中いっぱいは、王太子殿下の腕の中だろうよ。致し方あるまい」
誰にともなくそうこぼして、セイルズはしっぽをふるりと揺らし、身体を起こしかけた。
スフレドリがぽよん、と転がりかけて、もぞもぞとしがみつく愛らしい様子に、さすがのセイルズも何も言えなくなる。
「まったくこれではピクリとも動けぬわ」
朝の光に包まれながら、神獣たちがそろってまどろむ風景。
聖女リーナが守るオリオル王国の静けさと平和が、そこには広がっていた。
完
。:+* ゚ ゜゚ *+:。。:+* ゚ ゜゚ *+:。
※これにて本編は完結です。
明日の夜19時には番外編3話を一気に公開。ナナ達との再会。ナナ達の恋?それから気になるあの人たちのその後――ナナ達の庭に嘘の証拠を埋めた神官や、アイルストン国王のその後、そしてギルベルトの母や弟は? そんなリクエストにお応えしたお話になります。
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そして一羽は、尾の先にしがみつき、しっぽの揺れに合わせてゆらゆらと心地よさそうに揺れている。
「……我はそなたたちの親鳥ではないぞ」
セイルズは半目を開けてぼそりと呟いたが、スフレドリたちはピィと小さく返事をしながらも、また眠ってしまう。
「まったく……この我が、スフレドリどものお守り役とはな。妃殿下がいれば、こやつらも我にべったりとはならぬのだが……今日、少なくとも午前中いっぱいは、王太子殿下の腕の中だろうよ。致し方あるまい」
誰にともなくそうこぼして、セイルズはしっぽをふるりと揺らし、身体を起こしかけた。
スフレドリがぽよん、と転がりかけて、もぞもぞとしがみつく愛らしい様子に、さすがのセイルズも何も言えなくなる。
「まったくこれではピクリとも動けぬわ」
朝の光に包まれながら、神獣たちがそろってまどろむ風景。
聖女リーナが守るオリオル王国の静けさと平和が、そこには広がっていた。
完
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※これにて本編は完結です。
明日の夜19時には番外編3話を一気に公開。ナナ達との再会。ナナ達の恋?それから気になるあの人たちのその後――ナナ達の庭に嘘の証拠を埋めた神官や、アイルストン国王のその後、そしてギルベルトの母や弟は? そんなリクエストにお応えしたお話になります。
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