(完結)(続編)カトレーネ・トマス前々公爵夫人の事件簿その2ーアナスタシヤ伯爵家の姉妹の場合ー婚約破棄を目論む妹

青空一夏

文字の大きさ
3 / 10

2 隣の芝生は青く見える

しおりを挟む
🌷姉視点

私と妹は、常に両親から違うことを要求されてきた。私は、華やかで綺麗でいること。刺繍やお料理が完璧にできること。おしゃれであること。これを要求されて押しつけられた。

そして、今度は婚約者だ。オスカー・キーガン候爵令息は綺麗な金髪の空色の澄んだ瞳の美男子だった。

「まぁ、二人が並ぶと、おとぎ話のように美しいわ! なんて、お似合いなのかしら!」

お母様達は、はしゃいで、お父様達は酒を酌み交わし、この婚約を喜んだ。私は・・・こんなキザな男性は苦手なのに・・・

オスカーは、今流行の話題ばかりをもちだす。服や髪型や、スイーツの話や料理の話ばかり・・・つまらない・・・私は、こんな薄っぺらい男性と一生いなければならないの?

妹のウエンディの婚約者は、地味だけれど、話がとてもあった。

「私はね、自分の領地に適した作物を改良していてね。それで、領民が少しでも収穫が増えて、暮しやすくなってくれればいいな、って思っているのさ」

彼の話は、地味だけれど、私には面白かった。領民と作物の植え付けも、よく行うと言っていた。だから、彼は腕の筋肉がすごく盛り上がっているのね・・・

「私はね、自分でも農地を耕しているからね! 土いじりは辛いこともあるが、概ね、楽しいよ」

日に焼けた肌は、好ましかった。私は、なぜ、この方の婚約者ではないの? 


🌷妹視点

私は、自分の婚約者のエルナン・カールストン伯爵令息が大嫌いよ! 芋臭くて最悪! お姉様の婚約者のオスカー様の方が、よっぽど素敵だわ。私は、流行の服を着て、綺麗なものに囲まれて暮したい。なんで、あんな地味な男性と婚約しなければならないの?  

「ウェンディ!とても、お似合いよ。まさに堅実なカップルというかんじだわ」

お母様もお父様も、そうおっしゃった。

堅実なカップル・・・バカみたい・・・地味で冴えないって、言われてるようなものだ。

私は、もっと見栄えのするキラキラした男性といたい。薄っぺらくても構わない。流行の服を着て、話題が豊富なおしゃれな男性が憧れだった。

なんで、お姉様の婚約者は素敵なの? なぜ、私ばかりが、こんな目にあうの? お姉様は、なんでも持っている・・・交換して欲しい・・・できれば、あのかわいい顔も、素敵なスタイルも、私のものになればいいのに! お姉様さえいなければ・・・私は全てを手に入れられる気がした。

私は、お姉様の婚約者のオスカー・キーガン候爵子息に近づいた。

「ねぇ、ご存じですか? お姉様が浮気をしていたことを?」
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

ホストと女医は診察室で

星野しずく
恋愛
町田慶子は開業したばかりのクリニックで忙しい毎日を送っていた。ある日クリニックに招かれざる客、歌舞伎町のホスト、聖夜が後輩の真也に連れられてやってきた。聖夜の強引な誘いを断れず、慶子は初めてホストクラブを訪れる。しかし、その日の夜、慶子が目覚めたのは…、なぜか聖夜と二人きりのホテルの一室だった…。

こんなのはハーレムと呼ばない。

gacchi(がっち)
恋愛
いつの間にか俺を追いかけてくる女が5人。伯爵令嬢、元盗賊の猫獣人、商会の娘、女騎士、自称幼馴染。 俺はお前らの仲間でもパーティでもない、勝手にしろ!俺に触るな、抱き着くな!突き放しても離れてくれない5人に嫌々ながら対応していたが、あることをきっかけにブチ切れ。俺はハーレムなんて望んじゃいないんだ!(軽ーいお話です。軽ーい気持ちでお読みください。)

ストーカーに狙われたので歳上騎士様に護衛をお願いしました。

ねーさん
恋愛
 「氷の彫刻」と呼ばれる美貌の兄を持つ公爵令嬢のクラリッサは不審な視線に悩まされていた。  卒業を二日後に控えた朝、教室のクラリッサの机に置かれた一通の偏執狂者からの手紙。  親友イブを通じてイブの婚約者、近衛騎士団第四分団員のジョーンズに相談すると、第四分団長ネイトがクラリッサのパートナーとして卒業パーティーに出席してくれる事になって─── 〈注〉 このお話は「婚約者が記憶喪失になりました。」と「元騎士の歳上公爵様がまさかの××でした!?」の続編になります。

お母様が国王陛下に見染められて再婚することになったら、美麗だけど残念な義兄の王太子殿下に婚姻を迫られました!

奏音 美都
恋愛
 まだ夜の冷気が残る早朝、焼かれたパンを店に並べていると、いつもは慌ただしく動き回っている母さんが、私の後ろに立っていた。 「エリー、実は……国王陛下に見染められて、婚姻を交わすことになったんだけど、貴女も王宮に入ってくれるかしら?」  国王陛下に見染められて……って。国王陛下が母さんを好きになって、求婚したってこと!? え、で……私も王宮にって、王室の一員になれってこと!?  国王陛下に挨拶に伺うと、そこには美しい顔立ちの王太子殿下がいた。 「エリー、どうか僕と結婚してくれ! 君こそ、僕の妻に相応しい!」  え……私、貴方の妹になるんですけど?  どこから突っ込んでいいのか分かんない。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

妹に命じられて辺境伯へ嫁いだら王都で魔王が復活しました(完)

みかん畑
恋愛
家族から才能がないと思われ、蔑まれていた姉が辺境で溺愛されたりするお話です。 2/21完結

あなたが残した世界で

天海月
恋愛
「ロザリア様、あなたは俺が生涯をかけてお守りすると誓いましょう」王女であるロザリアに、そう約束した初恋の騎士アーロンは、ある事件の後、彼女との誓いを破り突然その姿を消してしまう。 八年後、生贄に選ばれてしまったロザリアは、最期に彼に一目会いたいとアーロンを探し、彼と再会を果たすが・・・。

裏庭係の私、いつの間にか偉い人に気に入られていたようです

ルーシャオ
恋愛
宮廷メイドのエイダは、先輩メイドに頼まれ王城裏庭を掃除した——のだが、それが悪かった。「一体全体何をしているのだ! お前はクビだ!」「すみません、すみません!」なんと貴重な薬草や香木があることを知らず、草むしりや剪定をしてしまったのだ。そこへ、薬師のデ・ヴァレスの取りなしのおかげで何とか「裏庭の管理人」として首が繋がった。そこからエイダは学び始め、薬草の知識を増やしていく。その真面目さを買われて、薬師のデ・ヴァレスを通じてリュドミラ王太后に面会することに。そして、お見合いを勧められるのである。一方で、エイダを嵌めた先輩メイドたちは——?

処理中です...