(完結)家族にも婚約者にも愛されなかった私は・・・・・・従姉妹がそんなに大事ですか?

青空一夏

文字の大きさ
34 / 67

34 

しおりを挟む
カメーリア・カロライナ視点



 私はカメーリア・カロナイア。カロナイア王国のエルドレッド王の妹だ。先王だったお父様が病で退位なさって、若くしてお兄様が王位に就いたのはつい最近のことだった。

 私はお兄様を支えるために、国として尊敬できる諸外国へと視察を続けていた。特にカロライナ王国の南に位置するメドフォード国は、賢王と名高いアルフォンソ国王陛下が統治している大国で、王弟であるエルバート・ビニ公爵閣下がその片腕として経済をしっかりと支えていた。

 メドフォード国の芸術も素晴らしくて、多くの美術展示会を見させていただいたわ。そのなかでも一番大きな美術展示会に足を運んだ時のことよ。

 会場は広大で多くの美術作品が壁に掛けられ、芸術的な雰囲気がただよっていた。私はゆっくりと会場内を歩き、様々な絵画や彫刻を鑑賞していた。

 その展示会の中で、ライオネル殿下の絵画が一際目を引いた。その絵は目立つ場所に展示され、多くの人々がその前に立ち止まり、驚嘆と感動に満ちた表情を浮かべていたわ。私もその美しい絵画に引き込まれ、一歩近づき作品をじっくりと鑑賞した。

 ライオネル殿下の絵画は風景と人物を見事に組み合わせて描かれており、美しい自然の中で人物が自然体で存在しているようだった。風景の詳細な描写や色彩の使い方、人物たちの表情や仕草の生々しさに感心した。私はその素晴らしさに感銘を受けたのよ。

 その後、他の展示物も楽しんだ後、私は展示会を後にしたけれど、ライオネル殿下の絵画は心に深い印象を残し、彼の芸術的才能に対する感嘆が私の心に刻まれた。



☆彡 ★彡



 そして今日! 王立音楽会ホールで開かれた演奏会で、初めてライオネル殿下にお目にかかった瞬間、その魅力に圧倒された。彼の美しい容貌、洗練された優雅さ、そして魅惑的なヴァイオリンの音色が、まるで不可思議な魅力を放って、私を虜にしたわ。

 ライオネル殿下はまさに天使のような存在で、その美しさは人間の域を遥かに超えているかのようだった。私は心の中で、彼を手に入れたいと切望したの。

「聞いて! 私は恋に落ちました。あのライオネル殿下を夫にしますわ。あの方は私のために存在するのですわ」

 同行していたカロナイナ王国の高官、外交使節団の者達に、高らかに宣言すると癪に障る答えが返ってきたのよ。

「ライオネル殿下には婚約者同然の立場の方が既におられるようです」
「いったい、どなたなの?」
「ビニ公爵夫人のご息女ソフィ様という方です」

 そんなぁ。王弟夫妻のご息女が相手なら勝ち目はなさそうだわ。そう思ってため息をついた。

「ビニ公爵令嬢なのね? だったら、王妹の私といえど勝ち目はないわね。エルバート・ビニ公爵閣下の愛娘なのでしょう?」

 すっかり諦めかけたところで、新しい情報を我が国の高官の一人が持ってきた。

「ソフィ様はエルバート・ビニ公爵閣下の娘ではなく、ボナデア・ビニ公爵夫人の娘だそうです」

 はぁ? どういうことなの? ビニ公爵夫人の連れ子という意味かしら? だったら、私のほうがライオネル殿下に相応しいと思うわよ! 良いことを聞いたわ。

 私は早速カロライナ王国に戻り、お兄様に相談した。

「お兄様、私の夫をメドフォード国で見つけましたわ。お兄様の妃候補も、あの国にはおりましてよ?」

 私は満面の笑みで、話を切りだしたのだった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ゴースト聖女は今日までです〜お父様お義母さま、そして偽聖女の妹様、さようなら。私は魔神の妻になります〜

嘉神かろ
恋愛
 魔神を封じる一族の娘として幸せに暮していたアリシアの生活は、母が死に、継母が妹を産んだことで一変する。  妹は聖女と呼ばれ、もてはやされる一方で、アリシアは周囲に気付かれないよう、妹の影となって魔神の眷属を屠りつづける。  これから先も続くと思われたこの、妹に功績を譲る生活は、魔神の封印を補強する封魔の神儀をきっかけに思いもよらなかった方へ動き出す。

聖女を怒らせたら・・・

朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・

手放してみたら、けっこう平気でした。

朝山みどり
恋愛
エリザ・シスレーは伯爵家の後継として、勉強、父の手伝いと努力していた。父の親戚の婚約者との仲も良好で、結婚する日を楽しみしていた。 そんなある日、父が急死してしまう。エリザは学院をやめて、領主の仕事に専念した。 だが、領主として努力するエリザを家族は理解してくれない。彼女は家族のなかで孤立していく。

妹に魅了された婚約者の王太子に顔を斬られ追放された公爵令嬢は辺境でスローライフを楽しむ。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。  マクリントック公爵家の長女カチュアは、婚約者だった王太子に斬られ、顔に醜い傷を受けてしまった。王妃の座を狙う妹が王太子を魅了して操っていたのだ。カチュアは顔の傷を治してももらえず、身一つで辺境に追放されてしまった。

「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります

恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」 「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」 十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。 再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、 その瞬間に決意した。 「ええ、喜んで差し上げますわ」 将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。 跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、 王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。 「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」 聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。

しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹 そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる もう限界がきた私はあることを決心するのだった

【完結】わたしの欲しい言葉

彩華(あやはな)
恋愛
わたしはいらない子。 双子の妹は聖女。生まれた時から、両親は妹を可愛がった。 はじめての旅行でわたしは置いて行かれた。 わたしは・・・。 数年後、王太子と結婚した聖女たちの前に現れた帝国の使者。彼女は一足の靴を彼らの前にさしだしたー。 *ドロッとしています。 念のためティッシュをご用意ください。

【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。

文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。 父王に一番愛される姫。 ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。 優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。 しかし、彼は居なくなった。 聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。 そして、二年後。 レティシアナは、大国の王の妻となっていた。 ※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。 小説家になろうにも投稿しています。 エールありがとうございます!

処理中です...