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楽しい学園生活とうすっぺらい手紙
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私は今、かの有名な女子学園にいる。
学園のどこもかしこもすごく豪華で優美だった。
学園長は、光り輝くほど美しく麗しい美女だった。
私はまぶしくてつい目を伏せてしまった。
私にはない圧倒的な美しさ、金髪に黄金の瞳の美女の学園長は私を叱りながら長い細い棒で背中を叩いた。
あまり痛くないけど衝撃音がすごい特殊な棒みたい。
私はびくっと背筋が伸びて自然と顔を上に向けた。
「そう、貴女に必要なのは、まっすぐに上を向く自信よ?背筋を伸ばして自分が誰よりも魅力的だと信じなさい!
女の美しさはね、髪や瞳の色だけで決まるものではないわ。5年かけて貴女を誰にも負けないほどの美女にしてあげる。男がすべてひざまづくようなね?」
「えっと、私は男性みんなにひざまづかれたいんじゃありません。私だけを愛してくれる誠実な素敵な男性一人にひざまづいてほしいんです」
「うふ、乙女ねぇー。いいわ、あなただけを見つめてくれる最高の男にひざまづかせるようにしてあげましょう?覚悟はよくて?この学園の授業は厳しいわよ?」
「望むところです!だって、私、猫から人間の女性になりたいのですもの!」
「猫ねぇ?まぁ、猫でもいいのよ。極上の毛並みのつやつやのお利口な猫ちゃんになりましょう」
☆
五カ国語の授業に、各国の歴史、経済学に政治学。
ダンスに社交術、女性同士の嫌みの流し方、圧倒的な存在感をだすための会話の間の取り方。
美容には特に多くの時間が使われた。
まずは規則正しい食事、水分の適切な取り方、毎日のトレーニングと一流の講師たちから教わるお肌と髪の手入れ。
毎日、行われる全身のマッサージと全身美白パック、髪は真珠の粉とオリーブ油でパックされ、一日おきに睫毛には育毛剤がぬられた。
爪には常に桜色になる花の色素が溶け出した香油を塗ると、徐々に染まっていき手を洗っても爪にはピンクのつやつやした光沢が残った。
お化粧の仕方も、私に最もあうやり方で‥‥すべてが私のために‥‥
同級生と会うことも在学生とも会うこともない3年間はひたすら自分磨きの日々だった。
ドレスは私の背の高さをより強調するかのようなシンプルな身体の線にそったデザインが選ばれた。
常に背筋は伸ばし、高慢なほど顎はツンとあげなさい!と言われた。
あんなに色あせた灰色の、ぱさついていた髪が今では、キラキラ光るまっすぐな濃いシルバーにしかみえない、しかもきらきらと輝いている。
睫毛は長く、瞳の色は灰色ではなく、今や髪の色と同じく進化を遂げたようだ。濃い銀色の瞳になり、少し青みがかっていて神秘的な色合いになっていた。
体つきは、女性らしく胸は豊かに、腰は細く、手足はすんなりと長く背が高くゴージャスで気品さえ漂わせる。
学園長は私に満足そうにほほえんだ。
「どう?すばらしい美女になったでしょ?これが本来の貴女。猫扱いする男を捨てる準備ができたわね?」
私は、口元に微笑をうかべた。
☆
残りの2年間はこの学園の生徒たちと初めて顔をあわせて社交術の実践訓練!
これがけっこう楽しかったの!
隣国のカロリーネ王女とそのまた隣の国の大富豪のリリアン皇女とは大親友になったし、海を挟んだお向かいの国のアレクシス王女とも仲はいいし、いろいろな国の言葉でおしゃべりしたり喧嘩したりで刺激的だった。
そして私達はさらに容姿を磨いていった。
髪はさらにきらめくように、瞳はさらに深く澄むように、胸はさらに豊かになるように腰はさらにくびれるように‥‥
私は胸がぺっちゃんこだったから、ここまで豊かになるなんて魔法だと思っている。
私は一度、学園長に聞いてみたことがある。
これって、魔法の力が働いていませんか?って
学園長はこうおっしゃった。
「魔法は、はるか昔に滅んだけれど、今でも私たちのなかに潜んでいると思うわ。努力しだいで自分が望んだ者になれるという魔法よ?素敵なことね?」
そうなのかなぁ?
噂だとこの学園長はこの世に生き残った最後の魔女って異名があるけど‥‥
でも、私は精一杯がんばった!
ご褒美は今の私だ。
もうけっして灰かぶり姫なんて言われない。
☆
合計5年間の私の留学は穏やかに豊かに優雅に王女たちとの友情を育みながら終わったのだった。
特に仲の良かったカロリーヌ王女やリリアン皇女には必ず遊びに来るようにと言われ、夫のことを話したら、そんなバカは捨てて自分の国にくるようにと執拗に勧められた。
なんで、旦那様がバカ呼ばわりされているのかって?
それは毎月私に届いていた手紙が原因なの。
素敵な愛人ができました、とか、かわいい恋人ができました、とか
猫のミミである私にいちいち報告してきて最後のしめくくりがこの言葉だったわ。
でも、君は大事な僕の猫だから絶対捨てないよ?
正妻の公爵夫人として、ずっと飼っていてあげるから安心して?
こんな手紙が毎月1通だけ届いた。
最初は悲しかったけれど、5年もこの内容だと途中からはあきれ果ててなにも感じなくなっていた。
毎月変わる恋人たち。
それとも同時並行なのかな?
だとしたら、私の旦那様にはすごい数の愛人と恋人がいることになる。
あれだけ、背も高く筋肉質な身体に美しい顔の男性だもの、まして筆頭公爵家で大富豪。
モテないほうがおかしいものね?
旦那様はきっと愛人をいっぱいお屋敷に住まわせているに違いない。
学園のどこもかしこもすごく豪華で優美だった。
学園長は、光り輝くほど美しく麗しい美女だった。
私はまぶしくてつい目を伏せてしまった。
私にはない圧倒的な美しさ、金髪に黄金の瞳の美女の学園長は私を叱りながら長い細い棒で背中を叩いた。
あまり痛くないけど衝撃音がすごい特殊な棒みたい。
私はびくっと背筋が伸びて自然と顔を上に向けた。
「そう、貴女に必要なのは、まっすぐに上を向く自信よ?背筋を伸ばして自分が誰よりも魅力的だと信じなさい!
女の美しさはね、髪や瞳の色だけで決まるものではないわ。5年かけて貴女を誰にも負けないほどの美女にしてあげる。男がすべてひざまづくようなね?」
「えっと、私は男性みんなにひざまづかれたいんじゃありません。私だけを愛してくれる誠実な素敵な男性一人にひざまづいてほしいんです」
「うふ、乙女ねぇー。いいわ、あなただけを見つめてくれる最高の男にひざまづかせるようにしてあげましょう?覚悟はよくて?この学園の授業は厳しいわよ?」
「望むところです!だって、私、猫から人間の女性になりたいのですもの!」
「猫ねぇ?まぁ、猫でもいいのよ。極上の毛並みのつやつやのお利口な猫ちゃんになりましょう」
☆
五カ国語の授業に、各国の歴史、経済学に政治学。
ダンスに社交術、女性同士の嫌みの流し方、圧倒的な存在感をだすための会話の間の取り方。
美容には特に多くの時間が使われた。
まずは規則正しい食事、水分の適切な取り方、毎日のトレーニングと一流の講師たちから教わるお肌と髪の手入れ。
毎日、行われる全身のマッサージと全身美白パック、髪は真珠の粉とオリーブ油でパックされ、一日おきに睫毛には育毛剤がぬられた。
爪には常に桜色になる花の色素が溶け出した香油を塗ると、徐々に染まっていき手を洗っても爪にはピンクのつやつやした光沢が残った。
お化粧の仕方も、私に最もあうやり方で‥‥すべてが私のために‥‥
同級生と会うことも在学生とも会うこともない3年間はひたすら自分磨きの日々だった。
ドレスは私の背の高さをより強調するかのようなシンプルな身体の線にそったデザインが選ばれた。
常に背筋は伸ばし、高慢なほど顎はツンとあげなさい!と言われた。
あんなに色あせた灰色の、ぱさついていた髪が今では、キラキラ光るまっすぐな濃いシルバーにしかみえない、しかもきらきらと輝いている。
睫毛は長く、瞳の色は灰色ではなく、今や髪の色と同じく進化を遂げたようだ。濃い銀色の瞳になり、少し青みがかっていて神秘的な色合いになっていた。
体つきは、女性らしく胸は豊かに、腰は細く、手足はすんなりと長く背が高くゴージャスで気品さえ漂わせる。
学園長は私に満足そうにほほえんだ。
「どう?すばらしい美女になったでしょ?これが本来の貴女。猫扱いする男を捨てる準備ができたわね?」
私は、口元に微笑をうかべた。
☆
残りの2年間はこの学園の生徒たちと初めて顔をあわせて社交術の実践訓練!
これがけっこう楽しかったの!
隣国のカロリーネ王女とそのまた隣の国の大富豪のリリアン皇女とは大親友になったし、海を挟んだお向かいの国のアレクシス王女とも仲はいいし、いろいろな国の言葉でおしゃべりしたり喧嘩したりで刺激的だった。
そして私達はさらに容姿を磨いていった。
髪はさらにきらめくように、瞳はさらに深く澄むように、胸はさらに豊かになるように腰はさらにくびれるように‥‥
私は胸がぺっちゃんこだったから、ここまで豊かになるなんて魔法だと思っている。
私は一度、学園長に聞いてみたことがある。
これって、魔法の力が働いていませんか?って
学園長はこうおっしゃった。
「魔法は、はるか昔に滅んだけれど、今でも私たちのなかに潜んでいると思うわ。努力しだいで自分が望んだ者になれるという魔法よ?素敵なことね?」
そうなのかなぁ?
噂だとこの学園長はこの世に生き残った最後の魔女って異名があるけど‥‥
でも、私は精一杯がんばった!
ご褒美は今の私だ。
もうけっして灰かぶり姫なんて言われない。
☆
合計5年間の私の留学は穏やかに豊かに優雅に王女たちとの友情を育みながら終わったのだった。
特に仲の良かったカロリーヌ王女やリリアン皇女には必ず遊びに来るようにと言われ、夫のことを話したら、そんなバカは捨てて自分の国にくるようにと執拗に勧められた。
なんで、旦那様がバカ呼ばわりされているのかって?
それは毎月私に届いていた手紙が原因なの。
素敵な愛人ができました、とか、かわいい恋人ができました、とか
猫のミミである私にいちいち報告してきて最後のしめくくりがこの言葉だったわ。
でも、君は大事な僕の猫だから絶対捨てないよ?
正妻の公爵夫人として、ずっと飼っていてあげるから安心して?
こんな手紙が毎月1通だけ届いた。
最初は悲しかったけれど、5年もこの内容だと途中からはあきれ果ててなにも感じなくなっていた。
毎月変わる恋人たち。
それとも同時並行なのかな?
だとしたら、私の旦那様にはすごい数の愛人と恋人がいることになる。
あれだけ、背も高く筋肉質な身体に美しい顔の男性だもの、まして筆頭公爵家で大富豪。
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