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12.昼食の約束
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デリックとカイゼンは、一体どういう状況かと教室内を見まわし、不機嫌そうなアイリーンとその正面で対峙している見慣れない金髪の少女、それに頭が痛いと言わんばかりの困り顔のアメルを見つけ、大体の状況を把握した。
「二人とも、迎えにきたよ。一緒にお昼食べる約束忘れてないよね?」
カイゼンがなんとも言えない空気をぶった切るように、教室内に声を響かせた。
アメルとアイリーンは、すかさずその言葉に乗る。
「ごめん、今行く!」
アイリーンがアメルの腕を掴み、強引に二人を囲うように立っている男子たちを抜ける。
デリックとカイゼンの効果か、男子たちは道を譲るように開けてくれた。
しかし、抜け切る前にリディアがアメルの腕を掴む。
『アメル、酷いわ! 言葉が通じないところに一人にするなんて……。わたしも一緒に行くわ。ついでに学校内を案内してちょうだい』
その目は、うるんでいて庇護欲をそそる儚げな様子で、まるで見捨てられた小動物のようだった。
だが、言っていることは強制にも近い言葉。
当然のようにアメルに命じる様子に、アイリーンがリディアを睨む。
すると、またもや非難するように男子の視線が突き刺さった。
助けを求めているのに、突き放すのかという男子の視線に、うんざりする。
『頼むなら、そこの男子に頼みなさいよ。わたしたちは約束があるんだから』
アイリーンが眉を吊り上げて断った。
『あなたには頼んでいないわよ。わたしはアメルに言ってるの。それに、アメルの知り合いならわたしも知る必要があるでしょう? 愚図な従妹がお世話になっているんだから、挨拶くらいはしないと』
アメルとアイリーンは、リディアの目がデリックとカイゼンに向かっていたのを見逃さなかった。
このまま連れて行けば、二人に迷惑がかかるだろう。
カイゼンはともかく、デリックは絶対に不機嫌になる。これは、間違いない。
手を振り払ってリディアを拒絶することはできるが、思いのほか手首を掴むリディアの手は強かった。
それに、今ここで無視をしたところで、クラスが同じならば何度でもこんなことが起こりそうだ。
アメルはため息をつき、二人を紹介することにした。
従姉に友達を紹介しないのも、狭量すぎる気がしたのだ
ただ、本当のところは少し心配もしている。
リディアがどういう存在かをデリックとカイゼンには説明していたが、もしリディアに魅了されたらどうしようかと。
アメルは、リディアの事が好きではないが、見た目が男子受けすることは嫌と言う程しっていた。
二人は大丈夫だと思いながらも、人の気持ちはどうにもならないのもまた事実。
『分かったから、腕を放してもらってもいい?』
『じゃあ、これでいいかしら?』
腕に巻きつくようにリディアがくっついてくる。
まるで仲が良い従姉妹アピールだ。
その様子に、再びアイリーンがリディアへ向かって口を開いた――その時。
『その手を放せ!』
割り込むように、声が教室内に響く。
そして、鋭く怒り込めた声音の持ち主は、ずかずかと教室に入り込んで、アメルとリディアの二人を無理矢理引き離す。
その際、首の後ろで結んでいた灰青色の髪がアメルの顔に思い切り当たる。
「リディアが愛らしいからとイジメているような声が聞こえてきた、この学校も落ちたものだ。留学生をイジメる風習ができようとは」
生徒は全員指定の制服を着ることになっている。
しかし、アメルを罵倒する相手は貴族的な質の良いフロックコートを着込んで、派手な装飾品もつけていた。
一瞬誰だと思ったが、アメルはすぐにその人物が誰なのか思い当たった。
「お前、名はなんという。私が直々にお前の家を罰してやる」
気障ったらしく、リディアを庇う相手に、どう返すべきかアメルは悩む。
『アイザックたちは、一体何をしているのだ。同じ学校にいながらリディアの側をはなれるとは。心配で様子を見に来て正解だった。リディア、私が来たからもう心配はいらないからな』
部外者がこうも堂々と学校内に入り込んでいいのかアイリーンに視線で問いかけると、即座にアイリーンが首を振った。
「おい、早く名乗れ。私はアーバント帝国の第一皇子だぞ!」
「それ以上帝室の名を貶めるのはいかがなものかと思いますよ、ディリス殿下」
大股でこちらにやってきたのは、教室の入り口に立っていたデリックだった。
その後ろからカイゼンもやってきた。
「二人とも、迎えにきたよ。一緒にお昼食べる約束忘れてないよね?」
カイゼンがなんとも言えない空気をぶった切るように、教室内に声を響かせた。
アメルとアイリーンは、すかさずその言葉に乗る。
「ごめん、今行く!」
アイリーンがアメルの腕を掴み、強引に二人を囲うように立っている男子たちを抜ける。
デリックとカイゼンの効果か、男子たちは道を譲るように開けてくれた。
しかし、抜け切る前にリディアがアメルの腕を掴む。
『アメル、酷いわ! 言葉が通じないところに一人にするなんて……。わたしも一緒に行くわ。ついでに学校内を案内してちょうだい』
その目は、うるんでいて庇護欲をそそる儚げな様子で、まるで見捨てられた小動物のようだった。
だが、言っていることは強制にも近い言葉。
当然のようにアメルに命じる様子に、アイリーンがリディアを睨む。
すると、またもや非難するように男子の視線が突き刺さった。
助けを求めているのに、突き放すのかという男子の視線に、うんざりする。
『頼むなら、そこの男子に頼みなさいよ。わたしたちは約束があるんだから』
アイリーンが眉を吊り上げて断った。
『あなたには頼んでいないわよ。わたしはアメルに言ってるの。それに、アメルの知り合いならわたしも知る必要があるでしょう? 愚図な従妹がお世話になっているんだから、挨拶くらいはしないと』
アメルとアイリーンは、リディアの目がデリックとカイゼンに向かっていたのを見逃さなかった。
このまま連れて行けば、二人に迷惑がかかるだろう。
カイゼンはともかく、デリックは絶対に不機嫌になる。これは、間違いない。
手を振り払ってリディアを拒絶することはできるが、思いのほか手首を掴むリディアの手は強かった。
それに、今ここで無視をしたところで、クラスが同じならば何度でもこんなことが起こりそうだ。
アメルはため息をつき、二人を紹介することにした。
従姉に友達を紹介しないのも、狭量すぎる気がしたのだ
ただ、本当のところは少し心配もしている。
リディアがどういう存在かをデリックとカイゼンには説明していたが、もしリディアに魅了されたらどうしようかと。
アメルは、リディアの事が好きではないが、見た目が男子受けすることは嫌と言う程しっていた。
二人は大丈夫だと思いながらも、人の気持ちはどうにもならないのもまた事実。
『分かったから、腕を放してもらってもいい?』
『じゃあ、これでいいかしら?』
腕に巻きつくようにリディアがくっついてくる。
まるで仲が良い従姉妹アピールだ。
その様子に、再びアイリーンがリディアへ向かって口を開いた――その時。
『その手を放せ!』
割り込むように、声が教室内に響く。
そして、鋭く怒り込めた声音の持ち主は、ずかずかと教室に入り込んで、アメルとリディアの二人を無理矢理引き離す。
その際、首の後ろで結んでいた灰青色の髪がアメルの顔に思い切り当たる。
「リディアが愛らしいからとイジメているような声が聞こえてきた、この学校も落ちたものだ。留学生をイジメる風習ができようとは」
生徒は全員指定の制服を着ることになっている。
しかし、アメルを罵倒する相手は貴族的な質の良いフロックコートを着込んで、派手な装飾品もつけていた。
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「お前、名はなんという。私が直々にお前の家を罰してやる」
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『アイザックたちは、一体何をしているのだ。同じ学校にいながらリディアの側をはなれるとは。心配で様子を見に来て正解だった。リディア、私が来たからもう心配はいらないからな』
部外者がこうも堂々と学校内に入り込んでいいのかアイリーンに視線で問いかけると、即座にアイリーンが首を振った。
「おい、早く名乗れ。私はアーバント帝国の第一皇子だぞ!」
「それ以上帝室の名を貶めるのはいかがなものかと思いますよ、ディリス殿下」
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その後ろからカイゼンもやってきた。
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