転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた

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863. 神からの下賜品5

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『そうそう忘れていたわ。あの娘のぶんよね。
あの娘には魔力の加護とか要らないでしょ。
だから単に綺麗な指輪を贈ってあげなさい。
今、100連ガチャしてみたら、良いのが当たったから。
もしかして、誕生石とか気にするタイプ?』

『ありがとうございます』

『それ、フローレスダイヤだからね。
あーまったく、こっちの世界で
私が贈って貰いたいくらいよ(笑)』

誠一にはフローレスが何の事だが分からなかった。
指輪を改めて見ると、ダイヤは小粒であったが、
シンプルなデザインで嫌味が無く、透き通る様な輝きを
放っていた。
誠一でもこの指輪の放つ美しさは理解できた。

『誠一さん、ぼんやりと見つめていないで、
さっさと渡しに行ってきなさい。
他の女性に見られると揉め事の原因になるわよ、
このすけこましめ( `ー´)ノ』

誠一は驚いた。
無機質な音と共に浮かび上がる文字に
千晴が初めて顔文字まで使ってきた。

相当、ご機嫌なんだろうな。
誠一は千晴の機嫌を損なわないように
直ぐに彼女の言葉に従った。

『本当にありがとうございます。
直ぐに渡しに向かいます』

『いってらっしゃい ( ^^) _U~~』

誠一は魔術院に走った。
魔術院の正門をくぐると、学院長のファウスティノへ
挨拶すらせずに地下の転送陣へ立った。
そして誠一は呼吸さえ整えずに転送の魔術を唱えて、
『深淵の廻廊』へ転送した。

『深淵の廻廊』クリスタルの森に誠一は到着した。
休むこともなく誠一はリシェーヌの元に向かった。

「リシェーヌ」

クリスタルに内包されたリシェーヌに誠一は話し掛けた。

「リシェーヌ、ごめん。本当にごめん。
エリクサーを入手出来たんだけど、ごめん。
目の前にどうしても助けたい人がいて、いて、ぐっ」
何故か誠一の瞳から涙があふれ始め、嗚咽を漏らした。

「ぐっ、ううう」
瞳を閉じ、物言わぬリシェーヌを前に誠一は
恥も外聞もなく泣いた。
暫くして、誠一は涙を拭い、鼻水を啜った。
誠一は、心なしかリシェーヌの雰囲気が
優し気に感じられた。

リシェーヌを見ている内に誠一は落ち着きを
取り戻した。そして、誠一はエリクサーを
使った詳細について話をした。
誠一は、リシェーヌが微笑んでくれたように感じた。

「リシェーヌ、必ずエリクサーを入手するから。
もう少し待ってて」

誠一はリシェーヌに指輪ケースを開けて、
先程千晴より貰った指輪をリシェーヌに向かって掲げた。

「リシェーヌ、これを君に贈るよ。
僕が君の左薬指にこれをはめるから」

誠一は指輪ケースを閉じて、腰を下ろした。
そして、リシェーヌを内包するクリスタルの元に置いた。
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