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第二部
飴玉でハーレム作ろうとしたら男しか寄ってこない25
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「あの人、寂しかっただけなんじゃないかな?」
神殿でのことを話すと神様はうーん、と難しい顔をした。
「ちょっとばかし塩対応しすぎたかな」
ちょっとだけ反省の色を見せた神様に、もう少し優しくしてあげたらどうですか、と進言する。
「だがねえ、あの子に甘い顔をするとすーぐつけあがるんだよ」
「そうなったら俺がきゅっと締めてくるんで」
真顔でそう言うと彼は声を上げて笑った。本気なのに。
「竜王相手にそこまで言えるのはきみくらいなものだよ」
「恋人ですし、もう家族ですからね」
「それで、アレの真名は教えてもらったのかい」
「ああ、それなら帰り際に教えてもらいました」
帰り際に額をとんとつつかれて流れ込んできた言葉。
アビウル・パウロ・シェツァーリ・メトゥ。
「いつでも呼んでくれって言われたけどいつ呼ぼうかなあ」
「きみもだいぶこの世界のあり方に慣れてきたねえ」
「子供まで作っちゃいましたからねえ」
神様はははっと笑うとそういえば、とヒロエを見る。
「ヒロエとの結婚はいつするんだい。戸籍はできたんだろう?」
「うん。来月の一日に決めたよ」
ヒロエの言葉に彼は頷く。
「十二月一日か。いいんじゃないかな」
「それと神様との結婚式ですけど」
そう言うと彼はきょとんとした。
「え、私ともしてくれるのかい」
「だって戸籍できたし」
「戸籍はデファンのためだけだと思ってたんだけど」
「いいえ?あなたと名実ともに結婚するためでもあるけど?」
すると神様はくつくつと可笑しそうに笑ってきみは本当に、とタレ目を細めた。
「私を喜ばせることに長けているね」
「ふつうのことです」
「そう、ふつうのこと。それが私には嬉しい。きみは私を特別扱いしない。それが嬉しい」
「最初の頃は特別扱いしてましたよ」
それは仕方のないことだ、と彼は笑う。
「誰だって神なんてものがまとわりついていたら萎縮もするさ」
「萎縮っていうか、神様なんだから特別扱いしないと!敬わないと!って思ってた感じですかね」
「それがどうしてこんなふうに?」
「神様が俺に対等に接してくれたからです。自然体で良いんだよって示してくれたから」
ふふ、と神様は笑った。今日の神様はよく笑う。
その笑顔を見ていると俺は嬉しくなる。神様も楽しんでくれているんだと思うと俺も楽しい。
「それじゃあいつがいい?十二月は私たちの誕生月でもあるからねえ。いっそ二十五日に挙げるかい?」
二十五日は俺と神様の誕生日だ。
「んー、二十四日は?イブみたいでいいなって」
「そうだね。じゃあヒロエは十二月一日、私とは二十四日に式を挙げよう」
「神様、姿を現すの?」
「そうだね、特別に降臨しようかな。どうせコウ以外には顔は覚えられないだろうしね」
それでふと思い出した。俺、最初のときは神様の顔覚えていられなかったんだよなあ。
「神様って、最初は俺のこと気に入ってはくれていたんだろうけど恋愛の意味では好きじゃなかったでしょ」
「なぜそう思うんだい?」
「だって最初のとき、俺、神様の顔覚えてられなかった」
そう言うと、彼はそうだね、とあっさりと認めた。
「恋ではなかったかもしれないね」
「どこでスイッチ入ったの?」
「きみがペルルカを助けたからさ」
「あー」
この国では優しい人間がモテる。つまりそれはその気質を作った神様もそうであるということで。
「ペルルカを、ワーウルフなんて見たことなかっただろうきみが迷わず助けた。その姿に心を打たれたんだよ」
「この国の国民が惚れっぽいのは神様が原因か」
「優しさに弱いだけだよ」
「ちょろいって言われません?」
「残念ながら下心なしに私に近づく人間はきみ以外いないからね」
「ペルルカやヒロエは?」
「彼らは私に対して何も含むところがないから良いんだよ。そしてそれは優しいのではない。ただ興味がないだけだ。きみという自らが愛した人が愛されているから敬うだけで別に個人的には特になんとも思っていない。事実、ペルルカなんて頻繁に供え物をするようになったのはきみと出会ってからだからね。現金な男だよ」
「でも嫌いじゃない?」
「きみが愛した男だもの。きらいなわけないじゃないか。それに人はそういうものだと私は知っている。だから別に特別嬉しくなったりがっかりしたりとはしないんだよ」
「期待していないってこと?」
「ひとひとりに対して期待したり落胆していたらキリがないからね。きみだけだよ、私がこころ動かされるのは」
「それってちょっと寂しいね」
俺の言葉に彼はひょいと肩をすくめる。仕方のないことさ、と。
「これでも私は無限の人間の営みを見つめているからね。産まれたかと思ったらあっという間に大きくなって気づけば死んでいる。そんなささやかな人生をひとつひとつ見ていたら気が狂ってしまう。ほどほどにスルーしておくのが一番なんだよ」
「……」
ふとその言葉であることに気づいた。
「神様は地上のこと見てるんだよね?」
「そうだね、娯楽はそれくらいだからね」
「その、俺たちがセックスしてるときとかも見てるの?」
はははっと彼が声を上げて笑った。今日の彼は本当によく笑う。
「見ていないよ。さすがの私もそこまで悪趣味じゃない。私が見るのは人々の普段の暮らしだけだよ。だから夜は結構暇なんだ。最近はデファンがいるからデファンの寝顔を見ているのが楽しいから良いのだけれどね」
その言葉にほっとする。見られているのだとしたら今後気になって仕方ない。
「それならよかった」
「見られたほうが興奮するなら見るけど」
「やめてください」
じとっとした目で見ると冗談だよバンビーノ、とキスをされた。
本当に見ていないだろうな?と思ったけど、神様を信じることにした。
(続く)
神殿でのことを話すと神様はうーん、と難しい顔をした。
「ちょっとばかし塩対応しすぎたかな」
ちょっとだけ反省の色を見せた神様に、もう少し優しくしてあげたらどうですか、と進言する。
「だがねえ、あの子に甘い顔をするとすーぐつけあがるんだよ」
「そうなったら俺がきゅっと締めてくるんで」
真顔でそう言うと彼は声を上げて笑った。本気なのに。
「竜王相手にそこまで言えるのはきみくらいなものだよ」
「恋人ですし、もう家族ですからね」
「それで、アレの真名は教えてもらったのかい」
「ああ、それなら帰り際に教えてもらいました」
帰り際に額をとんとつつかれて流れ込んできた言葉。
アビウル・パウロ・シェツァーリ・メトゥ。
「いつでも呼んでくれって言われたけどいつ呼ぼうかなあ」
「きみもだいぶこの世界のあり方に慣れてきたねえ」
「子供まで作っちゃいましたからねえ」
神様はははっと笑うとそういえば、とヒロエを見る。
「ヒロエとの結婚はいつするんだい。戸籍はできたんだろう?」
「うん。来月の一日に決めたよ」
ヒロエの言葉に彼は頷く。
「十二月一日か。いいんじゃないかな」
「それと神様との結婚式ですけど」
そう言うと彼はきょとんとした。
「え、私ともしてくれるのかい」
「だって戸籍できたし」
「戸籍はデファンのためだけだと思ってたんだけど」
「いいえ?あなたと名実ともに結婚するためでもあるけど?」
すると神様はくつくつと可笑しそうに笑ってきみは本当に、とタレ目を細めた。
「私を喜ばせることに長けているね」
「ふつうのことです」
「そう、ふつうのこと。それが私には嬉しい。きみは私を特別扱いしない。それが嬉しい」
「最初の頃は特別扱いしてましたよ」
それは仕方のないことだ、と彼は笑う。
「誰だって神なんてものがまとわりついていたら萎縮もするさ」
「萎縮っていうか、神様なんだから特別扱いしないと!敬わないと!って思ってた感じですかね」
「それがどうしてこんなふうに?」
「神様が俺に対等に接してくれたからです。自然体で良いんだよって示してくれたから」
ふふ、と神様は笑った。今日の神様はよく笑う。
その笑顔を見ていると俺は嬉しくなる。神様も楽しんでくれているんだと思うと俺も楽しい。
「それじゃあいつがいい?十二月は私たちの誕生月でもあるからねえ。いっそ二十五日に挙げるかい?」
二十五日は俺と神様の誕生日だ。
「んー、二十四日は?イブみたいでいいなって」
「そうだね。じゃあヒロエは十二月一日、私とは二十四日に式を挙げよう」
「神様、姿を現すの?」
「そうだね、特別に降臨しようかな。どうせコウ以外には顔は覚えられないだろうしね」
それでふと思い出した。俺、最初のときは神様の顔覚えていられなかったんだよなあ。
「神様って、最初は俺のこと気に入ってはくれていたんだろうけど恋愛の意味では好きじゃなかったでしょ」
「なぜそう思うんだい?」
「だって最初のとき、俺、神様の顔覚えてられなかった」
そう言うと、彼はそうだね、とあっさりと認めた。
「恋ではなかったかもしれないね」
「どこでスイッチ入ったの?」
「きみがペルルカを助けたからさ」
「あー」
この国では優しい人間がモテる。つまりそれはその気質を作った神様もそうであるということで。
「ペルルカを、ワーウルフなんて見たことなかっただろうきみが迷わず助けた。その姿に心を打たれたんだよ」
「この国の国民が惚れっぽいのは神様が原因か」
「優しさに弱いだけだよ」
「ちょろいって言われません?」
「残念ながら下心なしに私に近づく人間はきみ以外いないからね」
「ペルルカやヒロエは?」
「彼らは私に対して何も含むところがないから良いんだよ。そしてそれは優しいのではない。ただ興味がないだけだ。きみという自らが愛した人が愛されているから敬うだけで別に個人的には特になんとも思っていない。事実、ペルルカなんて頻繁に供え物をするようになったのはきみと出会ってからだからね。現金な男だよ」
「でも嫌いじゃない?」
「きみが愛した男だもの。きらいなわけないじゃないか。それに人はそういうものだと私は知っている。だから別に特別嬉しくなったりがっかりしたりとはしないんだよ」
「期待していないってこと?」
「ひとひとりに対して期待したり落胆していたらキリがないからね。きみだけだよ、私がこころ動かされるのは」
「それってちょっと寂しいね」
俺の言葉に彼はひょいと肩をすくめる。仕方のないことさ、と。
「これでも私は無限の人間の営みを見つめているからね。産まれたかと思ったらあっという間に大きくなって気づけば死んでいる。そんなささやかな人生をひとつひとつ見ていたら気が狂ってしまう。ほどほどにスルーしておくのが一番なんだよ」
「……」
ふとその言葉であることに気づいた。
「神様は地上のこと見てるんだよね?」
「そうだね、娯楽はそれくらいだからね」
「その、俺たちがセックスしてるときとかも見てるの?」
はははっと彼が声を上げて笑った。今日の彼は本当によく笑う。
「見ていないよ。さすがの私もそこまで悪趣味じゃない。私が見るのは人々の普段の暮らしだけだよ。だから夜は結構暇なんだ。最近はデファンがいるからデファンの寝顔を見ているのが楽しいから良いのだけれどね」
その言葉にほっとする。見られているのだとしたら今後気になって仕方ない。
「それならよかった」
「見られたほうが興奮するなら見るけど」
「やめてください」
じとっとした目で見ると冗談だよバンビーノ、とキスをされた。
本当に見ていないだろうな?と思ったけど、神様を信じることにした。
(続く)
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