飴玉でハーレム作ろうとしたら男しか寄ってこない

高槻桂

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第二部

飴玉でハーレム作ろうとしたら男しか寄ってこない26

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 ヒロエとの結婚式は無事に済んだ。ヒロエが俺、というか間接的にはペルルカの籍に入る形になるのでヒロエもこれからはヒロエ・シグルド・ルンドだ。
 問題は、やはり神様との結婚式だった。
 あまりの神々しさに助祭のひとなんて腰砕けになってるしさすがのユリアさんも声が震えているしで大変そうだった。
 けれど俺はまあ、ちょっとは緊張したけれど宣誓をして神様とも正式な夫夫となって。
 そして迎えたのが翌日、俺の誕生日であり神の降臨祭だ。
 この日はペルルカも休みをもぎ取ってくれたので午前中はみんなで教会に行っておしゃべりをしてきた。
 神様に誕生日プレゼントは何が良いかと聞いておいたところ、いつもどおりのアプリコットパイが一番嬉しいと言ってくれたので焼いて持っていった。
 そして神様は俺にワインをくれた。去年とは違う白ワインだ。
 こっちなら悪酔いしないと思うよ、と言われて去年の痴態を思い出して顔が熱くなる。
 あのあと俺が散々神様に文句を言ったのを覚えていたようだ。あと上質なチーズもくれた。今日の晩酌はこれで決まりである。あとヒロエ用に去年と同じぶどうジュースもくれた。これ美味しいんだよなあ。
 そのあとに神殿にも寄って、竜王にペルルカを紹介する。
 竜王はいつもどおりだったけど、ペルルカはちょっとだけ緊張していたみたいだ。
 竜王は俺の誕生日祝いだと言ってひとつのお守りをくれた。
 中には親指の爪ほどの大きさのアクアマリンのような宝石が入っていて、それが魔除けになるらしい。悪意に巻き込まれなくなるそうで身につけておくように、と言われた。
 神殿を辞した俺たちはお昼ご飯を帰り際の屋台で色々買ってそれで済ませた。
 この国では誕生日はラズベリー牛のステーキとフルーツたっぷりのケーキで祝う。
 だから昼過ぎにそれらを買いに行って、冷蔵魔導装置に入れておく。
 そうしたら俺はいつもの作業だ。作業部屋にこもって明日納品するドロップスを作り始める。
 もう手慣れたものであっという間に作り終えると俺はリビングに戻った。
 リビングではヒロエが本を読んでいて、ペルルカはその向かいのカウチで新聞を読んでいた。アローチャはベビーベッドで神様から貰ったあみぐるみを抱えてすやすやと眠っている。
 俺が戻ってきたのに気づくと二人は立ち上がってそれぞれ包みを差し出してきた。
「えっと、じゃあヒロエから開けさせてもらうね」
 ヒロエの包みを開けると、一冊の本が出てきた。名付け辞典、とあった。
「俺とコウにいちゃんの子供の名前つけるときに使おうね」
「ありがとう。俺はこちらの言葉に疎いから嬉しいよ」
 そう言ってヒロエの頭を撫でてから次はペルルカの包みを開ける。
「わあ」
 出てきたのはシックな紺色のシャツだった。手触りも良くてボタンは貝殻を加工したものだとわかった。
「ありがとう、大切に着るよ」
「普段使いしてくれ」
 ペルルカがそう言って笑う。
 夜になってステーキとケーキを食べて。もちろん付け合せの野菜もたっぷり食べた。
 そしてお風呂からあがってからワインを楽しむこととする。
 ヒロエにはぶどうジュースを注いであげて、俺とペルルカは白ワインを。
 去年の赤ワインのときも思ったけれど神様がくれるワインはものすごく香りが芳醇で口当たりが良くてまろやかで上品な甘みがあってとても美味しい。
 ついつい飲み過ぎちゃいそうになるけれど去年のことがある俺はグラスに一杯だけにしておく。
 あとはヒロエのぶどうジュースを貰ってつまみのチーズを楽しんだ。こちらも上等なものだとわかる滑らかさだ。
 なので白ワインはほぼペルルカが一人で飲んだ。誰の祝い品なのかわからんな、と彼はひと瓶近く飲んでも平然としていた。
 この国の人たちは安いワインを水代わりに飲む人も多いのでペルルカも例に漏れず酒に強い。
 そういう人たちは普段からアルコールを飲んでアルコール中毒とかにならないのだろうか、と思うのだけれどワインは神からの恵みらしくていくら飲んでも酔っ払いはしてもあとに残らないのだそうだ。
 確かに赤ワインのときも俺は酔っ払ってペルルカに痴態を晒してしまったけれど翌朝はすっきりとしていた。
 ただし、それはワインに限った話らしくて他の果実酒やビールなどは飲みすぎればきっちり体を壊すのでやはり飲み過ぎは良くないとのことだった。
 俺はと言うと失敗談からわかるように酒にめっぽう弱い。
 地球にいた頃はそれなりに飲んでいたのだがこちらの酒は俺には合わないようだった。
 合わない、というか、酔い方がマズイ。あのあと、神様からのワインの一件のあとにも普通の市販のワインでも試してみたがやはり結果は同じだった。
 俺は酔うと大胆になる。性的に。これはよくないとペルルカも俺に禁酒を科したのだった。
 けれど今日は年に一度の誕生日だ。一杯ぐらいはいいだろうと飲んだのだがやはり美味い。
 あーこんなにも美味しいのに飲めないなんて辛い。
 いっそ今日ばかりはと酔っ払ってしまっても良いのだが明日後悔するのは自分なのだ、止めておこう。
 俺はチーズをもちもちと食べながらぶどうジュースを飲んだ。
 でもこのぶどうジュースもすっごく美味しいから好きだ。ものすごく濃厚で味わい深い。
 ふと視界に己の左の薬指が目に入った。
 みっつの指輪がはまっている。ペルルカと、ヒロエと、神様の分だ。
 ここにあとひとつ、竜王のものが増えるのだろうか。となると竜王の戸籍も準備しなくてはならないな、なんて思いながら。
 俺は三人で晩酌を楽しんだのだった。



(続く)
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