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箱から覗いてみました……
私がすごい人でなしのように聞こえるのですが……
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美しいソムリエのように、海里がワインをそそいでくれる。
あまりは、気を落ち着けるため、それを一気に飲み干し、グラスを置いた。
「あー、流されるとこでした……」
「いや、流されろ。
今更、抵抗する意味がわからん」
ともかく、俺は今日、此処に泊まるからな、と海里は言い出す。
「えーっ。
そんなこと言うのなら、二度とうちには入れませんよ」
「……抵抗してるわりに、まだ、入れてくれる気あったのか」
と呟いたあとで、
「明日入れてくれなくてもいいから、今日は泊まる。
篭城してやる」
と言って、海里は風呂場に行こうとする。
「いやいやいや、待ってくださいっ」
とその腕をつかむと、
「そうだ。
一緒に風呂に入るか」
と言ってきた。
そして、風呂を覗き、
「一見綺麗にしているように見えて。
見ろ。
女の力では落としきれない水垢が」
と湯船を示して言ってくる。
「あ、ほんとだ」
毎日洗剤は使いたくないので、普段はこするだけで落ちるとかいうスポンジを使っているのだが、やはり、腕力がないせいか、いまいち落とし切れていない。
「俺が掃除してやろう」
「えっ、いいですよっ」
「その代わり、風呂に入って、泊まって帰るぞ」
ええっ? と言うと、
「普段、汚れが落としきれなくて、困ったわ、とか思ってるんだろ。
その悩みが俺を一晩泊めるだけで解消されるんだぞ」
と強引なテレショップのように言ってくる。
海里は、少し湯船に水をかけ、いつもあまりが使っているスポンジでこすって見せた。
「ほんとだ、すごいっ!
みるみるうちに汚れがっ」
叫んでしまい、自分が、
「テレショップか」
と言われて、後頭部をはたかれた。
いや、本気で言ったんですが……、と思っていると、海里は、
「な? 男手があるっていいだろ?」
と恩着せがましく言いながら、そのまま風呂を磨いてくれる。
あまりは、側にしゃがんでそれを見ていた。
おお、すごいピカピカだ、と思いながら、飽きもせず眺めていると、ふいに海里が言ってきた。
「結婚しようか」
ええっ? 今っ? と振り返る。
「風呂掃除目当てでいいぞ」
海里は笑いながら立ち上がり、シャワーで湯船を流し始めた。
「お前は風呂掃除目当てに結婚しろ。
俺はお前目当てに結婚する」
なんか私がすごい人でなしのように聞こえるのですが……。
「よし、綺麗になったぞ」
海里はこちらを振り向き、
「じゃあ、一緒に入るか」
と言ってきた。
「ええっ。
恥ずかしいから嫌ですよーっ」
あまりは、そうわめいたが、海里は、
「なんでだ」
と真顔で訊いてくる。
なんでだってなんでだ、と思いながら、
「だって、見られるのって、恥ずかしいじゃないですか」
と膝を抱え、赤くなって言うと、
「でももう、一回見たからな」
と海里は情緒もなく言ってくる。
いや、それはそうなんですが……。
何度目だって、見られるのは嫌ですよ、と思っていると、
「そうだ。
見られるのが嫌なら、お前、目隠ししろよ」
と言ってきた。
「あのー、それは逆ではないですか?」
「いや、お前、俺に見られるのが嫌なんだろ?
お前を見ている俺を見なきゃ、見られてるってわかんないじゃないか」
と海里は無茶を言い出す。
いやいやいや、ちょっと待て。
「見えなくても気配でわかりますよ」
「気配なら消す」
忍者か。
「動いたら、手が当たったりして、人が居るってわかりますし」
「じゃあ、目隠しして、手も縛れ」
頭の中で、目隠しされて、手を縛られて、湯船につけられている自分を想像してみた。
「あのー……。
なんだか、どんどん貴方の思うツボになってってる気がするのは気のせいですか?」
と問うてみたのだが、海里は、
「気のせいだろう」
と言い切る。
「ともかく、お前はもう俺と結婚するしかないんだ。
俺に汚されたキズモノだからな。
しょうがないから、我慢してもらってやるよ」
と言い出した。
「あっ、なんなんですかっ。
その言い方ーっ」
と揉めた挙げ句、風呂には一緒に入らない、手は出さない、という条件で、結局泊めることになってしまった。
……おいたをして来ないように、海里さんを縛らなければな、と本気で、紐を探してみたが、ゴミを縛る麻紐しかなかった。
これで縛ると痛そうだな、とキッチンにしゃがんで、棚の中のそれを見つめていると、
「どうした。
それで縛って欲しいのか」
と言われたので、隠しておいた。
あまりは、気を落ち着けるため、それを一気に飲み干し、グラスを置いた。
「あー、流されるとこでした……」
「いや、流されろ。
今更、抵抗する意味がわからん」
ともかく、俺は今日、此処に泊まるからな、と海里は言い出す。
「えーっ。
そんなこと言うのなら、二度とうちには入れませんよ」
「……抵抗してるわりに、まだ、入れてくれる気あったのか」
と呟いたあとで、
「明日入れてくれなくてもいいから、今日は泊まる。
篭城してやる」
と言って、海里は風呂場に行こうとする。
「いやいやいや、待ってくださいっ」
とその腕をつかむと、
「そうだ。
一緒に風呂に入るか」
と言ってきた。
そして、風呂を覗き、
「一見綺麗にしているように見えて。
見ろ。
女の力では落としきれない水垢が」
と湯船を示して言ってくる。
「あ、ほんとだ」
毎日洗剤は使いたくないので、普段はこするだけで落ちるとかいうスポンジを使っているのだが、やはり、腕力がないせいか、いまいち落とし切れていない。
「俺が掃除してやろう」
「えっ、いいですよっ」
「その代わり、風呂に入って、泊まって帰るぞ」
ええっ? と言うと、
「普段、汚れが落としきれなくて、困ったわ、とか思ってるんだろ。
その悩みが俺を一晩泊めるだけで解消されるんだぞ」
と強引なテレショップのように言ってくる。
海里は、少し湯船に水をかけ、いつもあまりが使っているスポンジでこすって見せた。
「ほんとだ、すごいっ!
みるみるうちに汚れがっ」
叫んでしまい、自分が、
「テレショップか」
と言われて、後頭部をはたかれた。
いや、本気で言ったんですが……、と思っていると、海里は、
「な? 男手があるっていいだろ?」
と恩着せがましく言いながら、そのまま風呂を磨いてくれる。
あまりは、側にしゃがんでそれを見ていた。
おお、すごいピカピカだ、と思いながら、飽きもせず眺めていると、ふいに海里が言ってきた。
「結婚しようか」
ええっ? 今っ? と振り返る。
「風呂掃除目当てでいいぞ」
海里は笑いながら立ち上がり、シャワーで湯船を流し始めた。
「お前は風呂掃除目当てに結婚しろ。
俺はお前目当てに結婚する」
なんか私がすごい人でなしのように聞こえるのですが……。
「よし、綺麗になったぞ」
海里はこちらを振り向き、
「じゃあ、一緒に入るか」
と言ってきた。
「ええっ。
恥ずかしいから嫌ですよーっ」
あまりは、そうわめいたが、海里は、
「なんでだ」
と真顔で訊いてくる。
なんでだってなんでだ、と思いながら、
「だって、見られるのって、恥ずかしいじゃないですか」
と膝を抱え、赤くなって言うと、
「でももう、一回見たからな」
と海里は情緒もなく言ってくる。
いや、それはそうなんですが……。
何度目だって、見られるのは嫌ですよ、と思っていると、
「そうだ。
見られるのが嫌なら、お前、目隠ししろよ」
と言ってきた。
「あのー、それは逆ではないですか?」
「いや、お前、俺に見られるのが嫌なんだろ?
お前を見ている俺を見なきゃ、見られてるってわかんないじゃないか」
と海里は無茶を言い出す。
いやいやいや、ちょっと待て。
「見えなくても気配でわかりますよ」
「気配なら消す」
忍者か。
「動いたら、手が当たったりして、人が居るってわかりますし」
「じゃあ、目隠しして、手も縛れ」
頭の中で、目隠しされて、手を縛られて、湯船につけられている自分を想像してみた。
「あのー……。
なんだか、どんどん貴方の思うツボになってってる気がするのは気のせいですか?」
と問うてみたのだが、海里は、
「気のせいだろう」
と言い切る。
「ともかく、お前はもう俺と結婚するしかないんだ。
俺に汚されたキズモノだからな。
しょうがないから、我慢してもらってやるよ」
と言い出した。
「あっ、なんなんですかっ。
その言い方ーっ」
と揉めた挙げ句、風呂には一緒に入らない、手は出さない、という条件で、結局泊めることになってしまった。
……おいたをして来ないように、海里さんを縛らなければな、と本気で、紐を探してみたが、ゴミを縛る麻紐しかなかった。
これで縛ると痛そうだな、とキッチンにしゃがんで、棚の中のそれを見つめていると、
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それで縛って欲しいのか」
と言われたので、隠しておいた。
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